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『獣拳戦隊ゲキレンジャー』感想・第31−32話

◆修行その31「俺たちムニムニ!」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:小林雄次
後半戦に入って二人目の、新規脚本家参戦。個人的には『ウルトラマンオーブ』でしか脚本作品を見た事がないのですが、『オーブ』では主にシリーズ構成として本筋の繋ぎエピソード担当だったため、特にこれといった印象がありません(^^;
なつめの友人、自信家でワンマンプレイを繰り返すバスケ少年が登場し、ジャンとの出会いを通して友情や仲間の大切さを知る……のですが、以前の独りよがりでダンスチームの和を乱すなつめ、とあまりにも似た状況設定、似たテーマで、どうしてこのプロットを通してしまったのか、少々疑問。少年にかつての自分の姿を見たなつめが少年を正道に戻そうとするのにジャンらが協力する……とかならまだわかりますが、劇中でなつめが少年をいさめるシーンこそあるものの、なつめとジャン達は全く関わらない、というアクロバットな乖離ぶりで、どうしてそうなった。
注目は、獣源郷を目指してきゃっきゃうふふ中、そこで手に入る怒臨気を超える究極の力について、メレに問われる理央様。
「それはいったい、どんな力なのですか?」
「知らん」
……理央様、割と、転がされやすいタイプだから。
そして二人の前に見えてきたこんもりとした巨木には何やら見覚えが……。
一方、出社拒否を続ける理央メレを力尽くで連れ戻そうとするクマ様の前に、なんとロンが直接登場。
「その直情的な性格、あの頃と、何も変わりませんねぇ」
クマ様とは顔見知りなものの、タカとクラゲは知らない、という微妙なポジションである事が判明したロンは、「これより臨獣殿を統べるのはあなたではない。あの青年です」とクマ様を挑発すると、その攻撃をひらりひらりとかわして翻弄する……。
一方、街には拳士なのに弓矢を使うキツネが出現し、獣の顔が胸部に、白面が頭部に、というデザインが秀逸。キツネに襲われていたバスケ少年を助けるも苦戦するゲキレンジャーは、ものすっごく唐突に、青と黄が赤に激気を集めて放出するという合体技を用いて少年にトライアングルの美をアピールし、もしかしたら劇場版で前例があったのかもしれませんが、あまりにもエピソードの都合すぎて唖然(笑)
少年を人質に取って追撃を防ぐも、白が出てきてバタバタしている内に少年に逃げられたキツネは、空に向けて矢を射て逃走。
「君、大丈夫? 怪我はない?」
少年にいちはやく駆け寄るランは完全スルーを決め込まれ、これほど完膚なきまでに、《綺麗なお姉さん》スキルの所持を否定された戦隊女子は、いっそ貴重かもしれません。
「助けてくれなくったって、俺は一人で助かった。だいたい、守ってくれなんて、誰も頼んでねぇだろ!」
思うにままらない苛立ちから無茶苦茶を言う少年ですが、ボディへのパンチでジャンを痛がらせており、物凄い才能の持ち主なのでは。
少年を追いかけたジャンは、一緒に居るとワキワキになるムニムニな友達をジェスチャーで表現し、ランは、パンチなんだ……ゴウは、謎のポーズなんだ……「ゴウだろ」のところで声のトーンを変えるのは、凄く面白かったですが。
そこにメンチカツを手にケンが合流するが、懐柔に失敗。
「俺には仲間なんていない」
頑なに背を向ける少年が立ち去ろうとした時、キツネが放った矢によりドーム型の結界が発生し、ジャン、ケン、少年らは、その内部に閉じ込められてしまう。
「コクウの中では貴様等の力は9分の1しか発揮できないのだ」
結界の中に取り残された人々の悲鳴を集める事で、臨界に達したキツネ時空を大爆発させる、という大規模爆破臨技を使うキツネが再び姿を見せ、赤白は変身するも大苦戦。ケンがキツネを食い止めている間にジャンは少年と逃亡し、さしもの少年も弱気を見せる。
前半は虚勢を張っていたという演出ではあったのでしょうが、ここで少年が急に「死んだって誰も悲しまない」と内向きに弱音を吐き、これなら、スポーティで活動的なのではなく、地味で内向的な少年にした方が、なつめとかぶらなくて良かったような。
キツネの攻撃により少年とジャンがまとめて落下しそうになった所でケンが助けに入り、ケンは今回、
「ちゃんと計算してんだよ!」
と、大雑把なようで考えている天才のセンスをアピール。え、エース……。
3人はキツネから身を隠し、頭上でじゃれ合うジャンとケンを見ていた少年は、逆転の秘策ムニムニ作戦を発案。ジャンとケンは敢えてキツネの前に顔を出すとビーストオンし、この背後でかかる挿入歌が妙な癖になる格好良さ(この歌声はもしや、成田賢……?)。
「どうあがこうが、コクウの中じゃ貴様等に勝ち目はなーい」
「それはどうかな!」
「俺たち、ムキムキ! ムキムキなら勝てる!」
そう、筋肉は真理に……じゃなかった、
「俺たち、ムニムニ! ムニムニなら勝てる!」
スーパーゲキクローをサイブレードにがちゃこんと填め込んだ合体装備スーパーサイブレードを右手に構えたチョッパーにゲキレッドが過激気を注入し、9分の1となった力を補う、コクがあってキレもある過激気研鑽によりチェストーーー!
急にさっぱりとしたバスケ少年が、合体友情パワーなら勝てる、と満面の笑顔を浮かべるに至る流れは飛躍がすぎて、テーマ的には完全に未消化のままステレオタイプの表面だけをうっすらとなぞるという悲惨な事になるのですが、ムニムニ作戦もバスケと関係するわけでなく、とにかく少年のキャラ造形が根本的に疑問。OPのクレジットではなつめを追いやって単独表記になっていましたが、何やらその辺りの事情があったのでしょうか。
キツネを倒した事で結界が崩壊し、全員合流。巨大化したキツネにはゲキファイヤー&ゲキトージャウルフが立ち向かうと、余り物の白のアドバイスによりエレファント武装し、ハンマーをボール代わりにした必殺ゲキレンジャーボールで大勝利。ここでバスケ要素が拾われるのですが、少年と全く関係なくチョッパーがアドバイスを送っているだけなので逆にバスケ要素の必然性がなく、とにかくあちこち点があるのに、点と点を結ぶ線がどこにもないという大変困ったエピソード。
その為、少年が仲間との連携を覚えて独りよがりのプレイをやめてめでたしめでたし、というのも単に定型にはめこみました、というだけのオチになりましたし、前半、少年が変身解除したジャンの姿を見てハッとするようなリアクションがあったので、ちょっと気になる幼なじみ美少女(なつめ)が最近よく口にするワイルドだけど少年みたいな年上の男ってあいつかーーーゆーるさーないいつだって、みたいな要素が入るかと思ったら、一切無かったのも残念。
サイブレードのギミック紹介ありきで組み上げられた話かと思いますが、盛り込んだ諸々の要素と食い合わせが悪かったように感じます。
臨獣殿ではクマ様がずっとロンに向けて腕を振り回していたが、たっぷりと時間を浪費させたロンは、嫌がらせを終えて撤収。そして理央メレは聖地に辿り着こうとしていた……が、その前に立ちはだかったのは、目を開いたネコ師匠……! で、つづく。


◆修行その32「ゾワンギゾワンゴ!集結、獣源郷」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:横手美智子
ジャン語を通り越してグロンギみたいになっているサブタイトルですが、これまでずっと「獣源郷」の漢字を間違えていた事が発覚し、まとめの際に全部直さないといけないショック案件……源、そうか、源か……。
「止めようとしても無駄だ。俺は獣拳の神に会う」
「そうよ。理央様は強くなる。それが理央様と私の願い」
「願いか。じゃがその願い、かなえさせるわけには――」
「「「「「「いかない!」」」」」」
聖地まで後一歩のところで理央メレの前に激獣拳7拳聖が揃い踏み、これから、お前達に究極のパワハラを教えてやろう!!
「ますますお前達が守る神とやらに、会ってみたくなった」
臆さず前に進もうとする理央とメレは怒臨気を発動するが、拳聖もまた、余裕の態度を崩さない。
「君たちには私たちに比べて、足りないものがある」
「なに?」
「そういうとこー! つまり余裕ね。わかる?」
「教えてあげよう。ぶつかるばかりが戦いじゃないという事を」
素直に受け止めると達人クラスの格好いい物言いですが、これまでの積み重ねが積み重ねの為、圧迫面接にしか見えません。
美希からネコ師匠らが理央を止めようとしている事を聞いたジャン達はゲキバットファイヤーで獣源郷へと飛び、ロンに時間稼ぎをされたクマ様はイラッとした勢いで筋斗雲を作り出すとタカとクラゲを乗せて同じく獣源郷へ。理央メレが拳聖7人がかりで拘束される中、オールキャストが獣源郷を目指して全ての因縁の激突迫る、というこのスペクタクル感は面白い。
「この気配! こ、この怒臨気は?!」
激気を練り込んだ布で理央メレを封じ込めていた7拳聖だが、怒りのクマ様が超特急で到着すると根こそぎ吹き飛ばされ、拳聖相手にも圧倒的な強さを見せるクマ様が、タカとクラゲを従え、降臨。

「憎しみが力を生む――空の拳魔! 臨獣ホーク拳のカタ!」
「嫉妬が力をくれる――海の拳魔、臨獣ジェリー拳の、ラゲク!」
「そして、儂こそが拳魔一の拳魔! 怒りで力を司る――大地の拳魔、臨獣ベアーケンのマク!」

善玉サイドという事で親しみやすさを考慮した着ぐるみ路線の拳聖達に対して、完全に怪人デザインの拳魔達の方が見得を切るとどうしても格好良くなってしまうのですが、思いの外ノリノリの3拳魔も名乗りを決め、貴様等に至高のパワハラを見せてやろう!!
……まずは、真っ先に理央様をシめにいくのが、凄くクマ様です(笑)
事態の急変に置いて行かれてお留守番中のロンがマク様怒りの地球横断36000km日付変更線を超えて愛の彼方へ――にビックリしている中、拳魔と拳聖による諸々の説明が始まり、獣源郷とは、獣拳の創始者ブルーサ・イーが獣拳を始めた約束の地である事が判明。
回想シーンで登場する創始者が、サイマスクの変人にしか見えず、胡散臭さが道士カクレベル(深刻)なのですが、拳聖達の説得力を補強する為にも、変態サイ仮面がどのような正義の人だったのかは、多少わざとらしくなってでも、回想内で具体例を示した方が良かったような……。出番も少なければ台詞もなく、見た目は快盗戦隊ルパンブラックなので、不信感だけが募ります。
後継者候補だったクマ様およびタカとクラゲは結託して仮面師匠を殺害すると臨獣拳に分派。激しい勢力争いで敗色濃厚に追い詰められた7拳聖は禁断の獣人化を用いると、前回の激気注入技を用いて3拳魔を腕輪に封印し、大乱に勝利を収める。そして、肉体は滅んでも消滅していなかったサイマスクの魂(激気魂、と表現されていますが、つまるところ、厄介な怨念なのでは……)を宿す石像を作り上げ、それこそが獣拳の神となったのであった。
3拳魔が封印されて後の真相は、タカが幻魔拳によりサメの記憶を読み取る事で明かされ、これはサメ、3000年間パシリに使われても仕方ない。
長い説明シーンでは、拳聖サイドと拳魔サイド、双方の間を言葉が行き交う事でシーンの硬直化を避ける工夫はしているのですが、ゲキレンジャー不在の状況で、何もかも拳聖と拳魔が解説してしまう、というのは凄く残念。先に、「オールキャストが獣源郷を目指して全ての因縁の激突迫る、というこのスペクタクル感は面白い」と書きましたが、これはゲキレンジャーもこの場に居合わせてこそ面白くなるのであって、ゲキレンジャー達は一向に辿り着かず、道中でチョッパーから事情を説明されている、という分裂した流れで急速冷凍。
前回の引きを受けての出だしの勢いは良かったのですが、その熱量に主人公達が置き去りにされている、というのはどうしても盛り上がりに欠けてしまい、ギアが噛み合わないまま路肩で停車してしまった感。
サイマスクの魂が宿る獣拳神の像は、獣拳を学ぶ者の秘められた力を開花させる、と説明するゴリラも、ジャン達に聞かせるならともかく、臨獣拳サイドに教える必要性は全くないですし、ここで初めて、(そういう事だったのか)という顔になる理央様も、つられて奈落へ転がり落ちていきます(笑)
「マクよ……何故おまえは、道を踏み外した」
「儂が望むのは無双の強さ。絶対なる力だけだ」
「その先になにがある。やがてもっと強いものが出てくる。強さのみが大事だというなら、その強さが失われた時、何をする?」
理央に言い聞かせるように言葉を重ねるネコだが、大激怒のクマ様、やにわに巨大化。
「誰も儂の前には立たせん!」
そこへファイヤーが到着して殴り合いを始め、どさくさ紛れに聖地入りを目指す理央と、それを応援するお留守番のロン。
「そうだ理央、あなたにはマクを超えてもらわねばならない」
ファイヤーはクマに完敗して合体が解除され、投げ出されたゲキレンジャーには拳魔が迫る。
「小虫どもまで儂を侮辱しおって! この世の全てを破壊し、悲鳴と絶望で満たしてやる!」
怒りの収まらないクマ様を激気布で押さえ込んだ7拳聖は、正義の心でサイマスクの魂を受け継ぐのが使命だ、と5人を理央の元へと向かわせ、聖地の中央、巨大なサイの像の前で、5人は理央メレに追いつくとビーストオン。
「無粋な奴らだな……おまえらに構ってる暇はない!」
スーパー化以来の黒獅子とゲキレッドの激突となり、この間に4人の相手をしているメレ様、凄いぞラブ・ウォリアー。
「奇妙だ……おまえは俺の中にある何かをかき立てる!」
「何かだって……?」
「そうだ。その何かが、いつも俺を、更に強くする!」
「俺もだ、理央……おまえゾワゾワなのに、俺今、ワキワキしてる!」
久々の激突で、久々に二人のライバル関係が拾われるのですが、このあおりで、久々の再会だったゴウと理央のやり取りがさらりと流されてしまったのは残念……まあそれどころではないのですが、それどころではないタイミングで出会わせてしまったのが勿体なかったなと。
「だが、最後に最高の力を手に入れるのは、この俺だ!」
ブラックエリンギインパクトでゲキレッドを吹き飛ばす黒獅子だったが、そこに現れたのは、拳聖に足止めされていた筈のクラゲ。
「さすがね理央ちゃん。この溢れてきちゃう怒臨気。だけどちょっとやりすぎたわねぇ」
このイントネーションが、クラゲは毎度いい味。
「若き獣拳使いども……お前達はマク様を怒らせすぎた。永遠に彷徨い続けるがいいわ。んふふふ、ははははは、ふははははははは!!」
クラゲは謎の秘伝臨技を放ち、ゲキレンジャー5人と理央メレ、7人まとめて空間の亀裂に飲み込まれて、つづく。
ゲキレンジャーそっちのけの説明回、であると同時に、怒りん坊大将クマ様の実力アピール回。結局、一対一の殴り合いになるとどうしてもスケールが小さくなってしまうという問題点を、7拳聖も、理央も、ゲキファイヤーも、とにかく目に入った敵はみんな叩き伏せる事で、獣拳使いとしては規格外の強さを印象づけてきました。
諸々考えると、かつてのクマ様をそそのかしたのもロン……? という構図が推察されますが、次回――ここでまさかの、太秦回。しょ、正気なの?!