はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2019〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『星獣戦隊ギンガマン』感想・第25−26話

◆第二十五章「黒騎士の決意」◆ (監督:田崎竜太 脚本:小林靖子
「ゴウタウラス、行くぞ。最後の戦いだ。この星もろとも、バルバンを吹き飛ばす」
ギンガの光を手に入れ損ねた黒騎士は冒頭から物騒な事を言い出すが、盟友ゴウタウラスから「昔に戻りたい」と拒絶され、思わず弟クランツと過ごした日々を脳裏に甦らせる。
「昔のような戦士に戻ってなんの意味がある! 今の私に守るべきものはない」
それを振り切り、歩き出す黒騎士だが、またもその身を襲う激しい動悸息切れ。
「わかっているぞ。この痛み、貴様だな」
(黒騎士、やめるんだ。考え直せ)
語りかけるその声は、ヒュウガ?!
一方、イリエスが行動隊長として本格的な活動を開始したバルバンでは、ブリッジがタイアップ回名物ハワイアンショーの様相を呈し、(もしかして、行動隊長の選抜、間違えた……?)と船長が唸っていた。
「なんの騒ぎだこれは?!」
駆けつけたシェリンダさんもおかんむりで、なんだか早くも、イリエスとは相性が悪そうです。
石化の封印を解く魔法の槍を持ったワンワン仮面は、ダイタニクスの封印を解くだけの魔力を得るべく、街へと繰り出し槍へと憎しみの心を集めていく。
一方、コンゴウ山に出現したブルタウラスは、火口から地球の中心へとエネルギーを送り込む事で、本気で地球を吹き飛ばそうとしていた。
もともと、エピソード怪人が戦略級から時に惑星規模で天変地異を引き起こす能力を見せる作品だけに、復讐成就の執念×タイムリミットへの焦りに突き動かされる黒騎士の最終手段が地球滅亡クラス、というのは納得のいくスケール感。そしてその取り返しのつかなさが黒騎士の破滅的な復讐心を強く訴えると共に、ギンガの光争奪戦の決着→幹部退場、という山から山、の展開から格落ちせずに物語のテンションを保持してもいます。
ギンガイオーの制止を振り払うブルタウラスだが、地球最後の一撃を放つ直前、ゴウタウラスに拒絶されて合体解除。更にそこへ、極上の憎しみを感じた魔人が現れて黒騎士に槍を突き立て、憎しみの魂を吸収するという、入り乱れる展開が面白い。
グリーンらが魔人を足止めしている間に、レッドは傷ついた黒騎士と逃走し、迫る海賊兵を切り裂く。
「私を助けて、恩を売るつもりか? ……それとも、この私が、改心するとでも思っているのか?」
最初にリョウマ木っ葉微塵の危機を救ったし、いずれこの人、復讐を乗り越えてギンガマンと手を組むんですよね……? と出てきたキャラクターの台詞が、事ここに至って完全にねじくれた悪役のそれで素晴らしい(笑)
「今はそんなこと言ってる場合じゃない!」
海賊兵の刃をその身で受けながらも、黒騎士を守って戦い続けるレッド。
「ギンガレッド! 貴様どこまでその甘さを押し通すつもりだ」
「俺は誰だろうと、見殺しにできないだけだ!」
「私が……おまえの兄を利用していると知ってもかっ」
己の行為の正当化の為、リョウマの甘さを“弱さ”として否定せずにはいられない黒騎士(しかし、既にその言葉の中で、甘さを「押し通す」事が出来ればそれは強さに繋がる、事を半ば認めてしまっているのが皮肉)は、3000年間転がっていた地の底に落ちてきたヒュウガの体を取り込み、そのアースにより復活した、と衝撃の真相を明かす。
「兄さんが……生きてる?」
「生きてるといえるかどうか」
復讐を止めようとするヒュウガの度重なる呼びかけと妨害に業を煮やした黒騎士は、弟の形見の短剣を触媒に用いて、ヒュウガの意思を厳重に封印してしまっていた。
「ヒュウガが解放されるのは、私が死ぬ時だ」
ヒュウガ=黒騎士を一度否定した上で、実質的にやはりヒュウガだった、というのは散りばめてきたヒントの数々から予定調和なのですが、そこからすぐさま、極めて重い選択を投げかけてキャラクターの葛藤に繋げるのが鮮やか。
「私を殺すか? ヒュウガを取り返す為に」
海賊兵を切り倒した星獣剣を手にしたまま、黒騎士の問いに黙り込むレッド。
「見ろ、誰でも同じだ。憎しみと目的の為には手段を選ばない。しかし今殺されるわけにはいかん。私は復讐を果たす!」
レッド目がけて放たれた黒騎士の斬撃は白い花を散らし、それをかわしたレッドはしかし、剣を収める事を選ぶ。
「何かを守る為に、戦う事を教えてくれたのは兄さんだ。あなたを殺して助け出しても、兄さんは喜ばない! 俺たちは、星を守る為に戦っているんだ!」

主に勇太少年とリョウマの関係を通して、“強さ”とは何かを描き、リョウマと黒騎士の対決を通してそれを研ぎ澄ましてきた今作ですが、ここでその集大成として“戦う”とは何か? に至り、今作における「正義のルール」として、繰り返されてきたお題目といえる「星を守る為の戦い」が具体的な形で示される、という構成が実に精妙。
リョウマが勇太に伝えてきたものは、ヒュウガからリョウマに伝えられたものであり、更にその背後にはギンガの民3000年の伝承があり、この“受け継がれる想い”というのは、後の作品を見ても小林靖子作品における一つ重要なモチーフであるのかもしれません(小林靖子作品の重要なモチーフである“時間の積み重ね”に呼応しているともいえます)。

――僕もいつか、兄さんと一緒に星を守る戦士になるよ!

「……クランツ」
黒騎士に背を向けたレッドは、何かを振り切るかのように猛然と走り去り、黒騎士はその背を見つめながら、かつての弟の言葉を思い出す……。
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
仮面魔人に苦戦する仲間達の元へと駆け戻ったレッドの絶叫は、使命と私情、正義と我欲、の間で切り刻まれるリョウマの気持ちが入っていて、とても良い絶叫でした。
「唸れ、ギンガの光!」
5人揃ったギンガマンは獣装光し、ギンガの閃光で仮面魔人を瞬殺。巨大戦でも超装光ギンガイオーで秒殺するが、吹き飛んだ憎しみの槍が火口へ落ちてしまう大失策。
これが最後の一押しになり、はからずも黒騎士の思惑通り、崩壊の危機を迎える地球。寒冷化とか連続大地震とか大地が溶けるとか色々ありましたが、かつてここまで、地球に厳しい戦隊があったでしょうか!
モークのアドバイスにより、火口に5人のアースを注ぐ事で破滅的エネルギーを中和しようとするギンガマンだが、吹き荒れるエネルギーの奔流に阻まれて近づく事ができず、エネルギー波のダメージにより変身も解除されてしまう。
「終わりか……バルバンも、この星も。……そして私も」
それでも諦めず、生身で火口へ近づこうとする5人を見つめながら、限界の近づく肉体で地面に横たわる黒騎士。
――俺たちは、星を守るために戦っているんだ!
――兄さん、戦って! 星を守って!
「これでいいんだ……これで復讐は終わる」
フラッシュバックするリョウマとクランツの言葉を振り切り、静かに最期の時を迎えようとする黒騎士だったが……
「兄さん……兄さん」
それは、死期の迫る目が望んだ走馬灯か、ヒュウガ封印の為に体内に埋め込んだクランツ形見の短刀が見せた想いの残滓か、花を片手に、近づいてくる亡き弟の姿。
「クランツ……!」
「戦おうよ、兄さん。あの人達のように」
最後の力を振り絞って立ち上がった黒騎士にクランツは願い、先に回想で挿入された「兄さん、戦って! 星を守って!」という、人質によくある台詞(「○○に構わず戦って!」)というだけだった筈のものが、あの時クランツが告げた「戦って」とはどういう意味だったのろう? 私にとって、貴方にとって、「戦う」とはなんだろう? と普遍的な問いと願いに化けるという、会心の接続。
元々の台詞の時点でどこまで計算していたのかわかりませんが、これは唸らされました。
「駄目だ。私にはもう、守るべき星も、人もない。ゴウタウラスさえ去ってしまった。そして何より、おまえが居ない! クランツ!」
よろめきながら手を伸ばす黒騎士に対して、幻影のクランツは、花を手に空を見上げる。
「星はいっぱいあるよ。人もたくさん居る。……ね、兄さん?」
この瞬間、閉じきっていた黒騎士の世界が拡散すると共に、『ギンガマン』という物語世界も一瞬、フィクションの境界線を越えて現実と接続し、地球を守ろうとするギンガマンの姿から、誰にとってもの「戦う」とは何かを胸に問い、お見事。
「星を守ろうよ。昔みたいに」
「クランツ!」
虚しくかき消えるクランツの姿だが、倒れた黒騎士の掌中には、幻影のクランツが託した、白い花が。それを目にした黒騎士は体内で封印としていた短刀を抜き取る事でヒュウガの体を解放し、ところどころがひび割れ、古び砕けかけた鎧姿に。
「これ以上、私に付き合わせるわけにはいかないからな」
自らの命を繋ぎ止めていたヒュウガの肉体とアースを失った黒騎士は、崩れ落ちそうな足取りながらもリョウマ達を制止してバリアに閉じ込めると、噴出するエネルギーを体内に取り込んで自爆する事で、地球を救う事を告げる。
「ゴウタウラス! 来るんじゃない! この星で仲間を見つけろ。一緒に戦う仲間を!」
自分が出来なかった事をタウラスに託した黒騎士は、火口から迸るエネルギーで炎に撒かれながらも歩を進め続け、いつしかその姿は、弟クランツと手を取り合う幻像へ。
「星を守るぞ、クランツ」
黒騎士は火口に身を投じると、破滅のエネルギーをその身に閉じ込める事で地球の崩壊を防ぎ、消滅したその肉体は黄金の粒子となって周囲に降り注ぎ、ギンガマンはそこに黒騎士の魂を感じるのであった……。
そして、黒騎士から解放された目を覚ましたヒュウガが5人の前に現れ、思い切って胸にダイブするサヤ、拾われて良かった。
「リョウマ!」
「兄さん……」
兄弟は抱きしめ合い、今ここに、ヒュウガ復活!
――それは、竜馬達が夢に描いた再会であった。
長くリョウマと対峙し続けてきた黒騎士が壮絶な最期を遂げる、ブドー編にして黒騎士編であった、『ギンガマン』第2部のクライマックスとして、良いエピソードでした。
コンゴウ山にエネルギー打ち込みまくったのは黒騎士であり、最後の一押しとなった憎しみの槍のエネルギーもかなり黒騎士分なので、黒騎士の行動はマッチポンプといえばマッチポンプなのですが、黒騎士が最後に何をしたのかというと、「僕もいつか、兄さんと一緒に星を守る戦士になるよ!」という、クランツの願いをかなえたのであり、それは自己犠牲とは別の黒騎士兄弟にとっての「戦い」であって、その選択により黒騎士は復讐を乗り越え、クランツの魂は昇華される、というのが構造上の美。
また復讐の果てにあるのは破滅あるいは新たな破壊者の誕生である、というのは繰り返し語られてきた暗示であり、今作が徹底して「復讐しても死んだ人は喜ばない」的なレトリックを用いずに、復讐を否定しているのは、好印象です。
復讐が果たされて嬉しいのかどうか、死者は何も語る事はなく、しかし少なくとも最後に、黒騎士は愛する弟の望みを果たした、といえるのでしょう。だからこそ、そこには劇的な美しさがあります。
蛇足めいた話になりますが、私、仮面ライダーBLACK』第1話(監督:小林義明 脚本:上原正三)で、主人公・南光太郎が叫ぶ、
「父さんだって戦わなければこの廃墟と同じじゃないか!」
という台詞が妙に強く印象に残っていて、それと通じる、フィクションと現実の境界線上で揺らめきながら、誰にとっても「戦う」とは何だろう? という問いかけのイメージを感じるエピソードでありました。


◆第二十六章「炎の兄弟」◆ (監督:田崎竜太 脚本:小林靖子
というわけで、第1話で敢えなく地割れに飲み込まれ、長らく地底刑務所に収監されていた、ヒュウガの兄さんが娑婆に帰ってきました!
長い間のおつとめご苦労さんでしたアニキーーー!
「こうしてみんなと会えたのは、黒騎士のお陰だ」
ドングリと再会を喜び、モークと顔を合わせたヒュウガ、ある意味では体を乗っ取っていた相手でもある黒騎士に、命の恩人としての感謝を示すのが、超爽やか。
そのヒュウガは黒地に赤のアクセントの入った、新衣装を着用。既存の5人がゆったり目の布地でギンガの民の民族衣装、という雰囲気が強いのに対して、ピチピチ気味な事もあってバトルスーツ感が強く、並んだ時の個性になっています。
襟元を直すサヤの指先に巻かれた絆創膏に目を止め、「もしかして……」と手を取り、ちょっぴり甘い空気が流れかけるが、
「みんなで手分けして作ったんだ」
というコメントが割と容赦ないなハヤテ!
なお私の妄想だと割合は、ゴウキ65%(オカン)・ハヤテ25%(器用そう)・サヤ8%(愛を主張)・リョウマ&ヒカル2%(苦手そう)、です。
当初はサヤが全部自分で作るつもりだったのですが、途中で見るに見かねて参加したゴウキとハヤテが終わってみればほとんど作ってしまいました!(涙)
青山親子も出所祝いに顔を見せ、ヒュウガは青山父の「トンカツで復活」という駄洒落がツボに入って笑い転げるという、思わぬ弱点を披露。
一方、バルバンからはイリエス魔人族の骸骨騎士が出撃し、人々を次々と鏡の中に閉じ込めていく。駆けつけたギンガマンはヒュウガ復活サービスで生バトルを展開するが、ハヤテ・ゴウキ・ヒカル・サヤの4人が、まとめて鏡の中に閉じ込められてしまう。4人を助けなければと焦るリョウマを強引に退却させたヒュウガは、劣勢の中で海賊兵をマーキングしていた事を伝え、早速、戦士としての有能さを見せつける。
骸骨騎士はギンガマン4人を含め、人間を閉じ込めた39枚の鏡を使ってダイタニクス復活の為の儀式を始め、それっぽいエネルギーを集める→ギンガの光を探す→独自の儀式を行う、とバルバンの活動も第三のパターンに。それぞれ個別にダイタニクス復活の可能性を秘めた儀式魔術を行えるイリエス魔人がまたハイスペックですが、「復活可能と主張している」だけで、実際に復活可能かどうかは明確ではない、のがミソといえばミソでしょうか(笑)
モークレーダーにより骸骨騎士の事務所を突き止めたリョウマとヒュウガは早速カチコミを仕掛け、待ち受けていた死神セキュリティを兄弟の連携で次々と撃破。その途中、成り行きから星獣剣を手にする事になったヒュウガに、リョウマは深刻な表情で語りかける。
「兄さん……さっきの話だけど」
「……星獣剣を、返すっていうのか、俺に」
「そうしようかと思ったよ。今日久しぶりに兄さんの凄さを見て。……でも兄さん! 俺にこのまま星獣剣の戦士として、戦わせてくれせないか!?」
前半、ヒュウガへの敬愛も含め、性格からいってリョウマは星獣剣を返そうとするのではないか、と仲間の反応で誘導した上でリョウマが自身の言葉でそれを裏切り、薄々それを危惧していたヒュウガも驚きの表情になる事で、周囲の想像を超えたリョウマの精神的成長を表現。
「前の俺なら、こんな事考えもしなかった。でも、今なら言える。俺、戦っていけると思うんだ! 星獣剣の戦士として、バルバンを倒したいんだ!」
ここまで25話、積み重ねてきた戦いで十分な説得力を与えつつ、黒騎士という大きな壁を乗り越えたリョウマにとって、星獣剣の戦士として星を守る為に戦うのは、約束と責任でもある、というのが絶妙なタイミング。
退場した黒騎士がただヒュウガ復活の為の駒として盤面から消え去ってしまうのではなく、黒騎士退場からヒュウガ復活という流れそのものが、リョウマの転機に必要不可欠な意味を与えています。
ヒュウガが死神セキュリティの不意打ちを振り向きざまに退け、その鮮やかな剣捌きに兄に届かない自分を思い知るリョウマだが、振り返ったヒュウガはきっぱりと断言する。
「俺が星獣剣を使うのはこれが最後だ!」
割と早めに機刃が登場し、2クール目には竹輪バズーカも登場し、根幹にあるアイテムにしては獣装光登場まで武器としての存在感がやや薄くなっていた星獣剣に、ここで改めて、銀河戦士の象徴としての意味を与え直してくれたのは非常に良かったです。
星獣剣を振るう兄さんの見せ場を作った後で、というのがまた、印象として剣にも兄さんにもおいしい。
「成長したな、リョウマ。おまえが一言でも返すと言えば、俺は取り上げるつもりだった。おまえはもう俺の代わりなんかじゃない。ギンガレッドはおまえだよ。ハヤテ達にとってもな」
「……兄さん」
ここに改めて星獣剣は兄から弟へと継承され、ギンガマンにとって大きく感情を揺さぶる存在だったヒュウガの復活、正真正銘の追加戦士誕生か?! というところから代理戦士であったリョウマの葛藤、そしてその成長が導き出した結論に繋げ、兄弟の新たな絆を描く、までが非常に劇的に収まりました。
「行くぞ」
「うん」
そして、事務所に乗り込んでくる時は兄が先、弟が後であったのが、ここでリョウマが自然とヒュウガを追い抜き、先行するリョウマをヒュウガが追いかける、という形になるのが、関係性の変化として象徴的となり、田崎監督の演出もノっています。
儀式の現場に乗り込んだ2人は、3体目の死神セキュリティをあっさりと蹴りで撃破すると、格好良く決まったダブル「「炎の、たてがみ!!」」で鏡の盾ごと骸骨騎士を吹き飛ばし、魔術が解けて解放される人々。
仲間達はリョウマが手にした星獣剣を見てその決意を知り、必要以上に語らずに理解し合うのが、ここまでの戦いの積み重ねと、「ギンガレッドはおまえだよ。ハヤテ達にとってもな」というヒュウガの言葉の真実を感じさせ、気持ちの良い展開。
「みんな、行くぞ!」
高所からのジャンプで地面に降り立った5人は、改めてリョウマの音頭で銀河転生し、外連味のある演出から象徴的なフル名乗りの揃い踏みで、真のギンガレッドとなるリョウマ。


「銀河を貫く伝説の刃! 星獣戦隊!」
「「「「「ギンガマン!」」」」」
―― ギンガマン! それは、勇気ある、銀河戦士の称号である。

「真の○○になる」というのも小林靖子の脚本作品でしばしば用いられるモチーフですが、ストーリー上の紆余曲折が揃い踏みの名乗りにおいて一点に集約される、という戦隊作劇の美ともパーフェクトに噛み合い、大変痺れました。
初期はやや多めの使用が気になったナレーションも、何よりも兄への屈託を乗り越えたリョウマが自らを「勇気ある、銀河戦士」として覚悟を固めたこの瞬間に、最高のはまり方。
2クール目のラストに、『ギンガマン』が一つの完成を見、そしてヒュウガを加えて新たなる戦いが始まる、という構成も美しく、ある意味、完璧すぎてもはや最終回(笑)
「銀河炸裂!」
から主題歌(2番)が入ってのバトルとなり、至れり尽くせり。

走れ! 星の光を追い越して
走れ! 闇を切り裂く虹になれ
吼えろ! 吼えろ! 吼えろ! ギンガマン

ヒュウガの生バトルも交えてギンガマンは海賊兵を蹴散らし、残った魔人相手の、獣装光→ギンガの閃光は、少々、鳥頭ボウガンめいてきました(笑)
レッドvsブドーの一騎打ちを除くと、ここまで獣装光でのアクションが余りないのは、左腕が重いのか、パーツが高かったりするのか。まあ今のところはギンガの光の強烈さを見せつけて、後に敵魔人の強力さに繋げる仕込みだと思いたいですが。
「イリエス魔人族は、しつこいのだ」
骸骨騎士はバルバンエキスで巨大化し、前回は「イリエス魔人族、しぶとい」だったので、今回は魔人の数だけ形容詞、でやりきれるのか?!
今週も1R35秒K.Oを狙った超ギンガイオーだったが、鏡の術で閉じ込められてしまい、思わぬ苦戦。その時、モークサロンに保管されていた黒騎士の形見の剣が浮上すると、仲間の苦境を見つめるヒュウガの元へ飛来する。
(私の力を、星を守る戦いに使ってくれ。ヒュウガ、それが出来るのは、おまえだけだ)
ヒュウガの胸に黒騎士の声が響くと、ゴウタウラスも姿を見せ、剣を手に取るヒュウガ。
「黒騎士……。戦おう、一緒に。星を守るために!」
テーマ曲と共に剣を掲げたヒュウガは黒騎士の姿へと変わり、同化していたので心情が伝わっていた、という言及も後にありますが、ヒュウガが黒騎士を憎むのではなく理解し、「一緒に」と言ってくれるのが、凄くいいところ。これにより、前回のクランツに続き黒騎士の魂もまた昇華され、新たな戦士として転生を果たす事に。
黒ヒュウガは巨大化すると折り畳まれてタウラスと合体し、人間としては微妙な一線を越えてしまった気もしないでもないですが、こーいうのは勢いです。思えば黒騎士としてもヒュウガとしても、死を体験して俗世から一度切り離されるというイニシエーションを果たしたといえるわけですが、紫色のアイツは言いました。「どう生まれたかが問題ではない。どう生きていくかが重要なんだ」!
そんなわけで復讐の超戦士から星を浄める宿命の騎士へと生まれ変わったブルタウラス・フォー・ジャスティスは、合体即柳生竜巻剣で、骸骨騎士を瞬殺(笑) 超ギンガイオー突然の苦戦が新生ブルタウラス登場の露骨すぎる前座になってしまったのは、出来の良いエピソードだっただけに残念でしたが、本当に、生ものの出てこない巨大戦はざっくりとした作品です。
「俺は黒騎士の想いを受け継ぐ。彼と一緒に戦うよ。――バルバンと」
前回・前々回、ギンガの光の発現からブドー退場まで大変盛り上がりましたが、続けて黒騎士退場・ヒュウガ復活と畳みかける展開の中でギンガの光による強化だけではないリョウマの成長、そしてそれを軸とし、失ったものの一つ取り戻したギンガマンの新たな結束を集約し、話数としても物語としても文字通りのターニングポイントで、非常に面白かったです。
特にこのエピソードをやる事で、なんだかんだ超越的な力(ギンガの光)でパワーアップを果たしたギンガマンが、それとは別の“強さ”を表明してみせた、というのは今作の明確なスタイルを示して良かった点。
星獣剣をリョウマに託したヒュウガは黒騎士への変身能力を得て戦闘力不足の心配もなく追加戦士となり、後は色々な意味で強キャラすぎるヒュウガと、周囲のバランスをどう取るかに若干の不安が出てきますが、よりによって青山父の「黒騎士だけに、くろうする」がクリティカルヒットするというのは、調整という意味では良い弱点設定かなと(笑)
まさか、こんな事で、青山父のヒエラルキーが急上昇するとは!
ただし青山父は勇太少年からは相変わらず大変粗雑な扱いを受けるので、勇太少年最強説(笑) ……こうなってくるとどこかで、青山父が勇太くんにいい所を見せるエピソードは欲しいものですが。
次回――早速発揮されるヒュウガのモテパワーに、噴き上がるジェラシー! ギンガマンはこの危機を乗り越える事が出来るのか?!