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『星獣戦隊ギンガマン』感想・第17−18話

◆第十七章「本当の勇気」◆ (監督:長石多可男 脚本:小林靖子
バルバンの海賊船との対比の意図もあってか、シルバースター乗馬倶楽部の看板と背後にそびえるモークのカットから入るのが定番になっていましたが、今回新たに、馬を象った小さめの吊り下げ看板からスタート。
「リョウマ……僕、戦士になりたいんだ! リョウマや星獣たちが戦ってるのに、見ているだけじゃ駄目だよ!」
伝染する殺意!!
「でも、無理だよね。……アースも使えないし、剣も出来ないし」
「力や技だけが、戦士の条件じゃないよ」
必要なのは、全てを捨てられる復讐の心だ!!(違う)
「なんで? 戦士にはそれが一番大事でしょ?」
「うーん……ただ暴れるだけならな。けど、戦士に必要な、強さや勇気は、そこからは生まれない」
首をかしげる勇太にリョウマは微笑みかけ、殺意はあるが穏やかな日常が過ぎていく昼下がり、大変ストレスの溜まっているシェリンダさんはブドーに八つ当たりをぶつけ、それに船長が加勢していた。
「ブドー、心配してるわけじゃねぇ、催促してんだ」
気の短い上層部にせっつかれるも泰然自若と受け流すブドーは、今回のお題を発表。
「片っ端からビルを破壊すれば、必ずやギンガの光の宿ったビルに行き当たる筈」
その狙いはそびえるもの――高層ビル。
「歯車の 音は全てを 吹き飛ばし」
人里離れた山の中、川の真ん中を気にも留めずに歩いて行く無表情な黒服の集団、それこそ、ネオギルド、じゃなかった、ブドー魔人衆が一人、傀儡太夫が作り出した爆発人形であった!
「ギンガの光を炙り出せ……」
爆発人形は次々と都市部に送り込まれると、セーラー服の女子高生(名前はきっとトコちゃん)、ビルの中でおもむろに自爆!!
サラリーマン風の男も、エレベーターの中でおもむろに自爆!!
日常の中に潜り込んだ非日常をストレートに見せる映像がかえってシュルレアリスム的な空気を醸しだし、異常に面白い事に。
樹木センサーによりこの連続爆破テロを感知したモークはギンガマンを出撃させ、連絡を受けたリョウマも勇太と一緒に街へ戻ろうとするが、その途中、隊列を組んで街へと向かう妙な一団を発見する。その内の一人が足を踏み外して滑落し、土手っ腹に木の枝が突き刺さりながらも平然と歩み去ろうとするが、その異常さに驚きつつも善意から助けようと手を伸ばしたリョウマは、偶然にも自爆装置の起動スイッチ(腕をひねる)を入れてしまう!
モークが気付いて警告を発するも時既に遅く、爆発に巻き込まれたリョウマ、ど派手に吹き飛んで崖下に転落、というノンストップで凄まじい展開(笑)
街では、未曾有の連続爆破テロにより、ギンガの光探索とかもうどうでもいいのでは、というレベルで地球が危機に陥っていた。
「人形なら息はしない筈だ。街の樹木達がそれを探す」
今回も極めて優秀な(しかし納得のいく)モークのサポートでハヤテ達は爆弾人形を探す為に散らばり、一方山ではモークの制止を振り切って勇太がリョウマを助けようと崖を下りていき、サスペンスフルな音楽で両シーンを繋ぐ事で、ギンガマンの戦いから勇太少年の奮闘へと、場の緊迫感を繋げているのが上手い。
(戦わなきゃ。こいつらを倒して、リョウマを助けに行かなきゃ!)
途中、偶然にも傀儡太夫のアジトを発見してしまった勇太は海賊兵士に追われる羽目になり、木の枝を拾って戦いを挑むも文字通りの子供扱いであしらわれてしまう。普段は今作におけるコメディ要員として滑稽に描かれる事が多いヤートットですが、侵略宇宙海賊の残酷さ、一般市民に対する脅威がしっかりと描かれ、泥まみれで後ずさる勇太に容赦なく迫る海賊の刃、そこに見る死の実感が強烈。
間一髪、傷だらけのリョウマが勇太を救い、二人は何とか岩陰に身を潜めるが、震えながら俯く勇太がリョウマの呼びかけにしばらく応えられず、突きつけられた死の恐怖に怯えている、というのが大変良い芝居。
「僕、駄目だった……」
「え?」
「殺されるって思った時、凄く怖かった。リョウマぁぁ」
堰を切ったように嗚咽する勇太をリョウマは抱き留め、ヒュウガに教え導かれてきたリョウマが、勇太(視聴者の現し身でもある)を教え導く立場になる、というのは上手い構造。
「リョウマを助けたかったのに、戦えなかった。こんなんじゃ戦士になんかなれない!」
「勇太…………言ったろ、戦士に必要なのは、力や技だけじゃないって」
リョウマは泣きじゃくり目を逸らす勇太に、ウサギを助けようとして深い縦穴に落ちて進退窮まった、自らの子供時代を語る。
「俺は、叱られると思った。戦士としては、どうにも情けない姿だったからね」
映像的には小学校低学年ぐらいに子供リョウマですが、恐るべし、生粋戦士の心構え。
「リョウマ、おまえは戦士だ。誰かを守りたいっていう気持ちが本当の強さなんだ。怖くたって、それを乗り越えようとする気持ちが、勇気なんだ」
だがヒュウガは、誰かを助けようとしたリョウマの強さ、自分は穴に落ちたままでもウサギを逃がしてみせたその勇気を称える。
「俺を助けに来てくれた勇太も、戦士だよ。だろ?」
力や技ではない、戦士に大切な本当の強さと勇気、それは、何のために行動するのか、から生まれるのだと勇太に伝えたリョウマは、傷だらけの体を引きずりながら、傀儡太夫のアジトを目指そうとする。
「リョウマ、今も怖いって……思う?」
「……うん、怖いさ。今も怖い。でも行かなきゃ」
「リョウマ、僕も行くよ」
勇気と強さ、二つの刃を心に抱いて二人は洞穴へと向かい、一方街では、モーク情報に基づいてギンガマン4人が次々と爆弾人形を狩っていた。だがその前に、立ちはだかる青白い影。
「バルバン剣将、ブドー、推参。ギンガマン、これ以上の邪魔立ては、無用」
ブドーはギンガマンを制する剣の冴えを披露して4人を足止めし、直接対決……からカメラを引いていくと画面手前を人形達が無表情に横切っていくというのがまた強烈な映像。
ブドーの参戦もあって連続テロを止めきれないギンガマンだが、敵の喉元に単身突入したレッドが傀儡太夫を外に誘き出し、その間に機刃を手にした勇太が洞穴に乗り込むと、製造装置にダイレクトアタック!
本当の勇気とは何かを知った勇太は、新たなスキル《破壊工作:LV1》を覚えた!!
歯車手裏剣を振り回し、肉弾戦でも意外と強かったヒトデ太夫は久々の炎一閃でずんばらりん。だが、「我が子供たちよ、ギンガレッドを倒せ……!」という最期の指令に従った人形軍団が勇太と合流したリョウマへ襲いかかり、勇太を逃がしたリョウマは、ゾンビ映画もかくやという爆弾人形に群がり押し潰され、壮絶な自爆の炎の中に消える……!
だがこれにより傀儡製造装置が全壊した事で街に放たれていた爆弾人形は機能を停止。重傷の身を押して律儀に作戦の失敗を報告したヒトデ太夫は最後のご奉公として巨大化するが、星獣達の連続攻撃を受けて地球に散るのであった。
サンバッシュとの決着編では4人でギンガイオー操縦もありましたが、そもそもライオンを召喚できないというリョウマ不在の巨大戦を成立させる為にヒトデ太夫の瀕死を強調し、生星獣の出番と勝利の説得力を確保。ブドーの実力披露の機会を作ると同時に、それを傀儡太夫が最後の力を振り絞って御大将の元へ辿り着くという必然に繋げ、山間部と都市部の同時進行をスムーズに連動させる作劇が巧妙で、脚本・演出ともに質の高い出来。
かくしてバルバンの(結果的に)大規模爆破テロを辛うじて中止に追い込んだギンガマンは急ぎ山中へと向かい、気絶していた勇太を発見。爆炎に消えたリョウマの安否を確認しようとしたその時、洞穴の奥からリョウマを肩にかついだ謎の人影が姿を見せる。漆黒の鎧兜で全身を覆い、兜からは黄金の角を生やすその人物は、敵か、味方か?!
予告から期待された通りの盛り沢山の内容が、テンポの良い演出でまとめられて大変面白い回でした。ヒュウガとリョウマの関係に重ねる形でリョウマが勇太に戦士の心得を伝えるのは定番を丁寧にやって良かったですし、勇太に剣を向ける海賊兵と合わせて、個々の怪人の能力が高いバルバンの、作戦が噛み合った時の恐ろしさを見せつけてきたのも、悪の脅威が継続されてタイミング的に良かったです。


◆第十八章「謎の黒騎士」◆ (監督:長石多可男 脚本:小林靖子
最大の見所は、焚き火の周りをサヤと笑顔で踊るヒュウガ兄さん。
……サヤの、いちゃいちゃ捏造回想でないといいなぁ(笑)
「私は黒騎士、ブルブラック」
肩にかついだリョウマを地面に横たえた鎧の戦士は、名前だけを名乗ると凄まじいジャンプ力を見せて姿を消し、その正体に疑問を抱きながらもハヤテ達は急ぎモークの元へと戻る。恐らくアースによるバリア技などを用いたのでしょうが、高層ビルが吹き飛ぶレベルの自爆×10体前後を至近距離かつ逃げ場のない洞窟で食らって生きているリョウマの生命力、恐るべし。
一命を取り留めたリョウマだが、果たしてブルブラックとは何者なのか……
勇太:リョウマを助けてくれたのでいい人
ヒカル:油断させるつもりに違いない
ゴウキ:リョウマの命の恩人を疑うなんて
ハヤテ:現段階では判断材料が少なすぎるから落ち着け
と早速それぞれの考え方の違いから小さな衝突が織り込まれるのがいい所。
そして、一人沈黙していたサヤは、うなされるリョウマの「兄さん……」という小さな呻き声を耳にする……。
一方バルバンでは、次なる目標をブドーが発表していた。
「砕かれぬもの? つまりは、「硬い」という事じゃな。わかったぞ! ダイヤモンドじゃ!」
前回の「ビル」に続き、ブドーと樽爺の名コンビ誕生? かと思ったら……
「そこまでは素人でも考えつくことでござる」
3秒でコンビ解散。
「ブドーの奴、あのもったいぶった態度、我慢できん」
ダイヤモンドより硬いといわれる“鬼の石”こそギンガの光が潜むものに違いない、と改めて具体名をあげるブドーに対し、樽爺に続いてシェリンダも嫌悪感をあらわにし、積み重なっていく上層部の不満。
「大槌に さしもの石も 砕け散り」
船長がブドーについて「裏切る心配だけはねぇ男だ」とシェリンダをなだめるも、三下根性丸出しのサンバッシュの方が馬鹿だけど扱いやすかった、という態度が上層部の見解として一致しており、そもそも4人の幹部をまとめられていない所に始まり、この“器量の無さ”が今作における「悪」の一つの属性であり、強大な戦力を誇るバルバンの付け入る隙(敗因)として象徴されています。
またそれが、血よりも濃い盃で結ばれたギンガマンの意思統一性の高さとの対比としても、上手く機能。
ブドーの配下、珊瑚弁慶の得た情報通り、鬼の石が宇宙科学研究所に輸送開始されていた頃、目覚めたリョウマは自分を助けた黒騎士についてハッキリとした記憶を持っていなかった。
(あの時、俺は……何故か、兄さんに助けられたような感じがしていた。声も姿も違うのに、兄さんだと思えた)
黒騎士は兄なのか、それともそれは、兄を吹っ切れない弱さが生む思い込みなのか。
でも本当にヒュウガ兄さんだったら、お姫様だっこだったのではないかと思えるのです。
(もし言えば、またみんなをいたずらに期待させるだけだ)
リョウマの迷いを解消させようとしたモークの心遣いがむしろバッチリ暗示になってしまっているのが割と凶悪なのですが、口を噤む事を選んだリョウマの様子を気に懸け、考え込むサヤ。
ギンガ会議室内部は神秘的な雰囲気を出す為か、微妙にキラキラしたフィルターがかかっている(?)のですが、その効果によりアップのサヤが当社比1割増しほど可愛く映っており、割と女性キャラを綺麗に撮ろうとする長石監督と、サヤのクローズアップ回が絶妙にはまってくれました。
敵か味方か謎の黒騎士がギンガマンそれぞれの心中に思わぬさざ波をもたらしていた頃、鬼の石を輸送するトラックの前に立ちはだかったのはブドー魔人……ではなく、その黒騎士。
「それを渡すんだ。怪我はさせたくない」
紳士的に山賊を行おうとする黒騎士だが、ぞんがい使命感の強い研究員達が石を守って逃げようとすると、むんずと掴みかかる。
「選択の余地はない。渡せ!」
臨獣拳的に翻訳すると「選ばせてやるぜ。俺にいたぶられてからそれを渡すのと、それを奪われてからいたぶられるのと……どっちがいい?」と研究員危うしのその時、駆けつけるギンガマン
一方的に信頼を裏切られたと阿修羅モードに突入するギンガブルーだが、黒騎士は怒りのゴリラパンチを跳ね返し交戦状態に。だがそこに弁慶部隊も参戦し、まんまと鬼の石を入手した弁慶が撤収すると、黒騎士も姿を消す。
「黒騎士はヒュウガかもしれない」
一度乗馬倶楽部に戻ったギンガマンは善後策を検討し、外へ出て悩めるリョウマを問い詰めるサヤ。
「私、ヒュウガと一緒に戦士になりたかった。……ヒュウガが褒めてくれるから頑張れた」
冒頭の黒騎士絡みのやり取りにも参加せずまたも埋没を懸念していたのですが、ヒュウガとの訓練、ダンスの思い出……憧れの先輩的ポジションだったヒュウガへの淡い想いを語るサヤが、ここでようやく立ち位置を確立。
ネコ回やアイドル回はあったものの、花の戦士の座をゴウキに奪われたのを皮切りにどうもここまで不遇な扱いでしたが、ヒュウガ絡みの物事にはしっかり反応していたので唐突さはなく、やっと仕込みが開花したここからの巻き返しを期待したいです(が、リョウマに持っていかれる予感しかしない……)ま、まずは、目指せ花の戦士奪還!!
あともう一つ、アイドル回でそれとなくサヤとリョウマの物理的絡みが見受けられたのですが、ヒュウガの控えから伝説の戦士の一員となったリョウマには、同時にサヤにとってヒュウガの代用品になる可能性が存在しており、少し高めの年齢層向けの、応用問題もさりげなく仕込まれている感。
「前に一度、戦いの中で、兄さんの声を聞いたような気がした。そして今度は、黒騎士を兄さんのように感じた。声も姿も違うのに」
「それじゃやっぱり!」
「でもそれだけだ」
リョウマはぐいぐいと来るサヤを押しとどめ、自分の弱さへの恐れと、仲間への気遣いから、皆には言うなと口止めするのが、これまでの積み重ねをしっかりと踏まえて納得がいきます。そしてリョウマとサヤがヒュウガへの想いから秘密を共有し、黒騎士の正体を確かめようとするというのが、サヤの存在感が出て良い展開。
「一人で考え込んでるなんて、リョウマらしくないよ!」
第1話で衝撃の死亡 → 第1章(サンバッシュ編)ラストで生存の可能性を匂わせる → フォーマット確立前とはいえ如何にもなタイミングで登場するフルアーマー → 幼なじみの関係に肉親の情と男女の情もエンハンス
と、黒騎士の正体がヒュウガだったらいいな……と、キャラクターと視聴者の願望を同調させる物語の組み立てが、鮮やかすぎてエグい。
堀学校の虎の子・小林靖子が、高寺プロデューサーとの化学反応を得て、初メインライターにして鬼畜の片鱗をまざまざと見せつけてきます。
一方、自慢の大槌を振るうも鬼の石を破壊できなかった弁慶は、ギンガマンを呼び出す果たし状を街にばらまく。モークの写し出す映像から、一目で「果たし状か?」と判断するハヤテ、バルバン文字が読めるのか、こういうのは果たし状だ、という戦士の直感なのか(笑) まあモークには読めるようなので、ギンガの民の知識の範疇のようですが。
罠を承知で石を取り戻すチャンスに賭け、果たし状の場に赴いたギンガマンは銀河転生し、主題歌→「銀河を貫く伝説の刃!」→ナレーション「ギンガマン、それは……」→「銀河炸裂!」と、個人名乗りは省略されたものの久々のフルセット。特に「銀河炸裂!」は無かった事にされそうな雰囲気だったので、復活して良かったです(笑)
戦闘員を引きずるアクションは木などにぶつけるのが定番でしたが、黄と桃が互いに引きずってきた戦闘員の頭と頭をぶつけた瞬間に手を離し、その勢いを殺さないまま前転して両サイドに流れていく、というアクションはスピード感があって非常に格好良かったです。
ギンガマンを挑発した弁慶はモークバズーカを撃たせると、その衝撃を鬼の石で受け止め、というか魔人衆を次々と木っ葉微塵にしてきたバズーカの威力を利用して石を破壊しようとしたのだが、なんと鬼の石はモークバズーカを跳ね返し、予想外の鮮やかなカウンターが炸裂してしまう(笑)
「む?! なに?! これでもまだ割れぬというのか!」
凡百の頭の悪い怪人だとここで一度帰ってしまう所ですが、弁慶は好機とばかりにギンガマン殲滅に目的を切り替え、素早い撤収・任務遂行の為にモークバズーカ直撃を辞さない精神力と忠誠心・機を見るに敏な咄嗟の判断力、と弁慶怪人、非常に優秀。
「ギンガレッド、まずはおまえの首から貰う」
踏みつけにした赤に長刀を振り下ろそうとする弁慶だがその時、風を切るJPカード! じゃなかった、弁慶の腕に突き刺さる短刀。
「何者だ?!」
短刀の柄に下がった飾りが鳴らす、風鈴のような澄んだ音色をBGM代わりに、陽炎のようにシルエットを揺らめかせながら歩いてくる黒騎士が、超格好いい。
「また貴様か! こいつらに味方するつもりか?!」
「いいや。ただ貴様等バルバンの思い通りにさせたくはないだけだ。それより、貴様の持っている例の石、渡してもらおうか」
そして自由。
弁慶がヤートット軍団を繰り出すとBGMが一気にウェスタン調になり、これまでも音楽や馬要素、EDテーマなどそこはかとなくウェスタン風味を散りばめていた今作ですが、なるほど黒騎士は、騎士だけど流しのガンマンなのか。登場シーンは西部劇で主人公が酒場に入ってくるシーンのイメージめいていましたし、ブル(雄牛)ブラックという名前もカウボーイからの連想を思わせます。ここで大変今更ですが、『宇宙戦隊キュウレンジャー』(2017)のオウシブラックって、完全に黒騎士のセルフパロディだったのですね。
「違う……兄さんの剣捌きじゃない」
黒騎士は逆手持ちの斬撃で次々とヤートットを切り裂いていき、太刀筋から別人と判定する、というのが戦闘民族らしくて大変良かったです。
そして黒騎士は剣を銃モードに変えると、ショットガンスタイルで次々と海賊兵士を吹き飛ばしていく。
「貴様、なぜギンガの光を狙う」
「3000年前、ギンガの光を地球に持ち込んだのはこの私だ。貴様等を倒す為に!」
え? という事は、サンバッシュにやられて嘘教えた人なの?! と、急上昇していた株価が大暴落する衝撃発言が飛び出し、黒騎士と弁慶は決闘モードで対峙。
弁慶の長刀の一撃をガントレットで受け止めた黒騎士は逆手抜刀術で連続攻撃を浴びせると、トドメは黒騎士ダイナミックで一刀両断。その一撃は弁慶もろとも、ハザードレベル80はありそうな鬼の石も真っ二つにしてみせる!
「ギンガの光では、なかったか」
黒騎士はがに股スタイルの振り返りモーションを決め(色彩とポーズの関係で、どこかRXを彷彿)、弁慶は大爆発。
モークバズーカ返しのダメージにより、この戦闘は見つめるだけだったギンガマン、弁慶が巨大化すると、とりあえず反射的に星獣呼ぶのが訓練された殺意の高さ(笑) そして弁慶の長刀をあっさり片手で受け止めたギンガイオーは、動きを封じた弁慶の土手っ腹を剣で貫いて力任せに投げ飛ばすと、今日も鳥頭ボウガンで圧勝するのであった。
「成る程……少しは戦えるようだな」
冷静に星2つ評価を与えた黒騎士は、3000年前、地球に降り立つもサンバッシュにギンガの光を奪われそうになり、とりあえず光を解放して隠れるに任せ、サンバッシュに偽の隠し場所を伝えて自身は崖から転落していたという真相を語り、サンバッシュに敗れたのは地球に来るまでにHPとMPを消費し尽くして満身創痍だったからであり決して実力ではありません、と自らの価値をフォロー。
「私は地の底で3000年の時を過ごし、ようやく甦る事ができた」
「じゃあ、あなたはやっぱり……」
「今こうして甦った以上、私が再びギンガの光を手に入れ、バルバンを倒す」
拳を握って力強く宣言すると、黒騎士は風にマントを翻して去って行くのだった……で、つづく。
3000年前の事件と絡める事で黒騎士とヒュウガが別人である事を明確にしてきた一方、リョウマの感じた兄の気配、なぜ3000年後の今になって黒騎士は甦る事が出来たのか、と含みを持たせた展開で、ギンガマン側の縦軸になる要素を良い感じにブースト。ヒュウガの存在が、殺伐とした抗争の中でギンガマンの情の部分に奥行きを与えており、死んだキャラがしっかりと生きています。
次回――
「今の私に人質など意味は無い」
私の中の黒騎士株が、上がって、下がって、また上がりました!!
果たして黒騎士は、東映ヒーロー史における新たな人質無効体質として、諸先輩(超人バロム・1、ジャンパーソン、など?)に続いて名を轟かす事が出来るのか?!