はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2019〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『仮面ライダービルド』感想・第47話

◆第47話「ゼロ度の炎」◆ (監督:上堀内佳寿也 脚本:武藤将吾
今回の、3つの面白台詞!
ひとつ!
「弱点を仕込んでおいたんですよ。このボトルでのみ、奴の攻撃を無効化できるように」
そ、そうなんだ……。
ふたつ!
「なんで変身した……」
戦兎さんが、滅茶苦茶そそのかしていたからだと思います!
みっつ!
「この人間風情がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「難波会長の仇ーーーーーーーーーーー!!」
からの、
「……あ〜、そうだった。おまえはサイボーグだったなぁ」
素で忘れてたな。
骨の髄まで難波チルドレン、全ては難波会長の仇を取る為の雌伏だったのだ! と内海が言い出してローグに協力するのですが、大変根本的な所で、「難波会長の仇を取る為に内海がエボルトに決死の戦いを挑む」という状況設定自体が1ミリも盛り上がらない為、目が虚ろ。
マッド内海ローグ誕生の時点で想定されたルートの一つではあったのですが、このルートを面白くする為には、マッドローグになる以前の内海の思考や信念を掘り下げておき、「エボルトの恐怖の前に膝を屈したと思った内海だが、その根幹にあるものを捨ててはいなかった」としてこそなのですが、その場その場の話の都合で動かされているようにしか見えない内海にはそういった足場が存在していない為、高飛び込みのつもりで、目の前の地面に倒れただけ、みたいな事に。
まだしも内海の心情として描かれ、その後の劇中でも強調された要素といえば第12話の「俺はただ、他愛の無い事で笑って、人の思いに泣いて、そうやって、普通に生きたかっただけなんだ」なのですが、これ、死の商人として戦火を広げようとする「難波会長の為にー」と矛盾しますし、難波会長に忠誠を誓う事でそれが実現できると内海が思っているのなら、その摺り合わせが内海脳内ではどうやって成立しているのかを視聴者に向けて説明しないと伝わりませんし、「難波会長を裏切れない体」発言と明かされたサイボーグ設定を繋げると忠誠回路内臓という事になりますが、それだと内海自身の意志ではないので仇討ちを内海の信念の形として見せようとする作劇と矛盾しますし、裏切る事ができないメカ人間の悲哀を描くならサイボーグ設定を明かすタイミングが遅すぎる、とどの角度から見ても四次元怪獣。
「おまえに撃たれて、内海はサイボーグになったんだ」
(なんかもう、字面だけで笑えて凄い)が回想シーンまで入って劇的な台詞として扱われていた事と、先日ヒゲが妙に内海については俺が悪かったと反省していた事を考えると、「普通に生きたかった」内海がヒゲにばきゅーんされてしまった為に、「難波会長の仇ーーー!」になってしまった悲劇性に焦点があったのかもですが、そう捉えるとマッドローグvsエボルを復讐心で限界を超えようとするヒーロー、といった描写でヒロイックに描いた事と矛盾しているので、やはり「どこで道を間違えたんだろうな」。
ところで、第12話の内海というと、


「冗談も言えるんですね。……どっちが本当の貴方なんですか?」
「……愚問だな。君と私は、同じ籠の中に居る」
−−−−−
「俺のようにはなるなよ。――桐生戦兎」
「内海さん、俺の事知ってて……」
「いいか! 今ならまだ引き返せる!」
という戦兎との意味深なやり取りがあった上でその後全く拾われず、なんだかもうこちらは無かった事にされている気配なのですが、その時に妄想した

 ガーディアンレベルに人間を模したロボットを作れるようなので、難波重工製の精巧な人造人間(に葛城巧の脳を移植したのが桐生戦兎?)など、妄想が色々と広がる所です。ガーディアンがヘルメットを外したら、中身は全て佐藤太郎の顔だったらホラーだなぁ……。
に近い桐生戦兎の正体案(難波重工製サイボーグ)が本当にあったのではなかろうか、という気がして参りました。
エボルドライバーの力を人間を越えた限界まで引き出すもマッド内海ローグはエボルの前に倒れ、重傷のヒゲは紗羽を連れてこの期に及んでミスト退場というのがまた残念な展開ですが、そこで何故、内海を自爆させないのか(待て)
サイボーグ設定が、最高に活かせるタイミングだったのに。
一方、心火を燃やし尽くすブリザードモードで3馬鹿ダミーを撃破すると共に、命を賭けて最後の?ロストボトル?を精製?したグリス――猿渡一海に消滅の時が迫っていた。
「最後まで、グリスかよ……」
「…………当たり前でしょ。名前呼んだら居なくなっちゃう気がして……だから呼べなかった」
……ごめんみーたん、よくわかりません!
美空の猿渡に対する「グリス」呼びは、適当に繰り返していたら途中で退くに退けなくなってしまい、理由をこじつけてはみたもののどうにもならず、膝から着地して複雑骨折した感。
「…………これからも絶対呼んであげないんだから」
涙を堪えて、猿渡の最期を笑顔で見送る美空、は良かった……と思ったのですが、結局この後、ねっとりとキラキラしながら延々と泣きの芝居が入ってしまって、個人的には台無し。
序盤で覚えた悪い予感が、結局最後の最後まで貫かれてしまいましたが、女性キャラの主な扱いが「メロドラマの回路」というのは、率直に、今作の嫌いな部分。男児向け商業作品として、変身ヒーローの主体となる男性キャラを格好良く描くのが中心、というのは当然だと思うのですが、あまりにも露骨な「女は添え物」という作劇には、大きな疑問を感じます。
そしてミスト退場した幻徳と紗羽と、一緒に何故か戦兎と万丈が居て……そこに美空までやってきて、え? ここどこ?
グリス死亡の報告を美空から受け、無言の慟哭のシーンが重ねて入って、そこに「よっ」とマスターがやってくるのはスターク外道ぶりが強調されて良かったですが、えー、つまり、ここ、最上階なの? でつづく。
結局の所、タワー内部での戦いもエボルトにとってはロストボトル精製の為の茶番劇であったのかもしれませんが、ボトル精製のメカニズムと、どちらに何本あるのかなどがちんぷんかんぷん(これは理解できていない私の問題かもしれませんが、見ていてもさっぱり頭に入ってこない……)な為、キーアイテムを巡るやり取りに常に疑問符が浮かぶ、というのが見ていて非常に辛いところ。
ロストボトル以降のボトル周りの描写は致命的に失敗を重ねた感がありますが、「情報」の挟み込み方と強弱を付けた見せ方を如何にするのか、という反面教師として考えさせられるところです(余裕があれば解析してみたい部分ではあり)。
次回――見せるぜ! 俺のキラキラ!!(正直、キラキラはもうキラキラしすぎて、喜劇になっていると思うのです)