はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2019〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『獣拳戦隊ゲキレンジャー』感想・第45話

◆修行その45「ピキーン!宿命の対決」◆ (監督:諸田敏 脚本:横手美智子
「俺の紫激気に、不可能などない!」
半裸で滝にパンチを繰り返していたゴウは、俺流を貫き遂に秘奥義を修得。
「俺は、この拳で、俺たちの友情を果たす!」
一方、意識を取り戻したダンはジャンにトドメを促し、猫師匠と仲間達の見守る中、スウグの肉体にスーパーゲキクローを打ち込むゲキレッド。
「ジャン……我が息子よ……」
「父ちゃん……」
「恐れず、進め。それが、おまえの道となる」
ダンの魂は最後に息子に道を示して昇天し……個人的に大葉健二さんが最終盤に父子のドラマを演じる姿に、『宇宙刑事ギャバン』でのボイサー(千葉真一)×ギャバン大葉健二)の関係を思い出してならなかったのですが、25年の時を経て、今度は“父親”として父子の別れを演じた大葉さんにも思い返す事はあったりしたのでしょうか……(くしくもこの5年後、大葉さんはそのギャバンとして、宇宙海賊と擬似的な父子を演じる事になりますが)。
その頃、自分を呼ぶ強烈な気配にニコニコ笑顔で外出した理央だが、そこで待っていたのはゴウ。
「ゴウ。……貴様に用はない」
速攻で回れ右(笑)
この塩辛すぎる対応にいきなりだが俺とおまえの熱い友情をアピールして食い下がるゴウだが、そこに以前に生き延びた音波使いの幻獣拳士が割って入り、ゴウは理央を振り向かせる為、3カウントで幻獣拳士を撃破すると宣言。その言葉通りに秘奥義を用いて音波幻獣拳士を粉砕し、何のために生き残っていたのかと思ったら、ゴウの新技の噛ませ犬でした。
「この激気技は、おまえとの友情の為にある」
修行に励む理央に水筒を投げ渡すゴウ、という若き日の二人の回想シーンとなり、えらく爽やかな理央様が登場。
「もっと修行しないと、俺はダンさんには追いつけない」
「ばっかだなぁ。ダンさんに追いつこうだって?! いっくらおまえが天才でも……」
「俺は彼をライバルだと思ってる!」
「参ったぜ……」
軽く混ぜっ返したところ、飽くなき強さを求める理央の本気を見せつけられ、面と向き合う位置から離れたゴウは、しゃがみこんで無意味に焚き火をかき混ぜる。
「……おまえのライバルってのは、俺だろ」
理央に背中を向けながら、そーっとボールを投げてみるゴウに生じる、突然の可愛げ。
「ゴウは友達だ」
それに対して少し照れを滲ませながらも笑顔で言い切る理央、爽やかに見送ってボール。
「……じゃあ、いつか俺も、おまえのライバルに、ランクアップできるように、頑張らないとな」
「なぜ? ゴウはゴウのままでいいじゃないか。ずっと友達でいてくれよ」
うわー
うわー
うわー
爽やかなりに、他人の心の機微にはまったくもって疎い理央(魔道に堕ちる事なく成長していたとしても、まごう事なき拳聖コース)の、純粋な拳法バカぶりが清々しくゴウ兄さんの心を切り刻み、かつての二人のボタンの掛け違いが予想外に切なくて面白い関係なのですが、だから、こういう事は、もっと早めにやっておきましょうよ?!
修業時代の理央はギリギリまで見せたくなかったのかもしれませんが、1クールぐらい前にこの素材が提供されていれば、今作終盤戦(少なくともゴウ)の印象がだいぶ変わった気がしてなりません。
「ずっと……友達か……」
「永遠の友達」宣言クリティカルヒットから月日は流れ……今、理央の「宿命」になれない事を認めたゴウは、唯一人の「友」として、その前で拳を握る。
「今こそ、友として、道を誤ったおまえを正してみせる。これが、俺にとっての友情を果たすって事さ」
「いいだろう。おまえのその拳、受けてやる」
幻気鎧装したグリフォン理央とバイオレットは激突し……一方、父の死を受け入れたジャンはその存在を忘れない事を誓う。
「俺! 父ちゃんのこと忘れたくない! 父ちゃんの顔も、言った事も! 俺、父ちゃんを苦しめた理央を懲らしめる! もう二度と、誰もメソメソにさせない! ピキーン! 来た!」
改めて主人公が戦う事の理由を掴み、それを決意する格好いい宣言だったのに、強引なジャン語(TNT換算30キロトン)で台無しに。
サブタイトル縛りもあってどうにもならなかったのでしょうが、もういっそ、ここで卒業しても良かったのでは、ジャン語。
「進め、ジャン! おまえが未来に進む事こそ、ダンの願いじゃ」
ジャンの背中を押す言葉をかける猫師匠も、もはや何か喋る度に欺瞞ゲージが上昇して信頼度が下がるので、むしろ無言を守ってくれた方がスッキリするのですが、猫はいったい、どこで道を間違えたのか……。
拳聖全体でいうと、好感度が全面的に下降傾向にある中で、物語の大きな節目となった3拳魔の退場について揃って無反応だったのが致命傷で、「7拳聖を並べる」事には大変気合いを入れたのに「3拳魔との因縁の処理」を放り投げてしまった為に、人格への不審に加えて劇中での位置づけまで不透明になってしまったのが、厳しかったなと。
やはり3拳魔の退場後に、かつての兄弟弟子達との関係性及び、猫とゲキレンジャーとの師弟関係を整理した方が良かったように思えます。
「ズシズシだけど、ワッシワッシで行く! 理央を倒す!」
ジャンが宿命の戦いに挑む道を選んだ頃、前座を任されたバイオレットは、グリフォンと激しく拳を打ち合わせていた。
臓腑を抉る回想シーンによりブーストがかかり、せっかくゴウと理央の激突に劇的な重みが乗ったにも関わらず、構成の関係で120%前座扱いになってしまっているのが大変勿体なく、もう少し、なんとかならなかったのかと惜しまれます。
理央の挑発に乗った紫は、秘奥義、俺・大回転パンチを放ち幻獣王を完全に捉えたかと思われたが、その拳は受け止められており、連続攻撃を浴びて海中にリングアウト
…………1分、保たなかった。
「おまえの激気技は、一度俺に見せた時点で、破られていた」
また微妙な勝ち誇り方をする理央様ですが、前座の前座だった音波幻獣拳士の乱入がなければ、直撃を受けて「ひでぶ?!」と叫びながら肉塊と化していたのでしょうか……まあ、理央を立ち止まらせる為に3カウントK.O.を宣言して初手から秘奥義を見せてしまったゴウが迂闊なのであり、戦う前から心理戦で負けていたのだ、とも言えますが。
「弱さは……悪だ!」
理央、今度こそ回れ右。
(……今も昔も、おまえは俺の相手ではない)
バッサリと切り捨てられ、にいさーーーーーん!(涙)
「……理央ー! まだだーーー!」
「……二度と俺の前に顔を見せるな」
なんとか水面に浮上して追いすがろうとするゴウに対して理央は背を向け、邪悪にして冷淡ではあるのですが、かつても今も、理央は「ずっと友達」であるゴウに、直接手を下せないのではという事が朧気に窺えもします。そう考えると最初の、「ゴウ。……貴様に用はない」も少し違った意味に見えてきて、望む形で交わらない二人の拳がますます切ない。
そこへジャン達がやってきて理央は足を止め、背後で転がっている、にいさーーーーーん!(涙)
「参ったぜ……宿命の、本当のライバルが来たってわけか」
にいさーーーーーん!(涙)
「俺では……俺の力では、理央を止めることはできなかった。ジャン! 頼む! 理央を、倒してやってくれ!」
「わかった!」
メンバーがそれぞれジャンの背中に声をかけ、ジャンの心情に寄り添える部分を見せているケンはともかく、ジャンの心情に寄り添えない上で大変当たり障りのない一言しかないランが大変辛いのですが、今作の、物語の集約点に対するゲキレンジャー側の仕込みの不足はつくづく残念。
「ゴウの分も、レツとランとケンの分も、父ちゃんの分も! ズシズシ貰った。ズシズシが俺に、力をくれる!」
一方で、自らのルーツを知り、宿命と対峙する道を選んだジャンが、誰かの想いを背負える男になるという成長は美しく、その想いこそが力をくれるとする事で、ジャンが世界と接続する事の意味、も綺麗に収まりました。
「これが宿命の戦い」
「儂らは見守るのみじゃ」
そして拳聖は本当に、もう黙っていた方がいい。
ジャンがスウグを倒した事を確認した理央は、ダンを越え、ダンに代わる者としてジャンの存在を認め、対峙する。
「やっとおまえが……俺にふさわしい相手に成り上がった印なのだから」
スーパーゲキレッドに完敗したメモリーは保存しなかった疑惑のある理央様は喜悦の表情を浮かべ、遂に再び激突する、紅き虎と黒き獅子。
「まさに宿命! 俺とおまえは、戦う事を定められていたのだ! 来い、ゲキレッドぉぉ! おまえの力を見せてみろ。全ての激気を、俺にぶつけろ! おまえは俺を、強くする!」
「理央――おまえを倒す」
「俺はおまえを倒し、誰も到達できなかった力のいただきに――昇る」
両雄は咆哮と共に互いの気を激しくぶつけあいながら変身し、火薬が弾けまくる壮絶な戦いを見つめるゲキレンジャー、ロン、メレ。メット割れしながらもジャンが放った白虎の拳がグリフォン理央を捉え…………え、あれ、30秒ぐらい記憶が飛んだだろうか、というぐらい、意外とあっさり決着。
「…………これが…………敗北か」
鎧装の解けた理央は口の端から血を流しながら、しかし笑顔を浮かべてジャンから離れると、再びグリフォンの姿に戻って大・爆・発。
グリフォン理央のスーツが長期間の活動に向いていなさそうな見た目なので、その辺りの事情もあったのかもしれませんが、ここに至るまでの盛り上げが派手だっただけに、正直、決着は拍子抜け。理央様の憑き物が急に落ちたのは、ジャンを通して十数年前のダンとの戦いに決着が付いた、というニュアンスがあるのでしょうが、そのダンを含めて、ジャンは一人で戦わなかったらから勝てた(ゴウは一人で戦おうとしかたから敗れた)わけで、そこは演出でフォローして欲しかった部分です。
宿命に終止符が打たれたかと思われたその時、爆炎の中で立ち上がった理央が黄金の幻気に包まれながら、まさかの巨大化。執着を失った理央はロンの目論見通り、世界を滅ぼす真の幻獣王――破壊神と化したのだった!
「今こそ来たれり、破滅の刻!」
幻獣コンサルタントがその本性を露わにし、出撃したサイダイオーは、もちろん秒殺。だが、高笑いするロンを突き飛ばしたメレの叫びが、破壊神に届く……?
「なに? いまさら幻獣王が理央に戻る?!」
さすがのコンサルタントもビックリです(笑)
純粋な力との一体化から解放され、元の姿にに戻ってぼんやり海岸に座り込む理央に駆け寄ったメレは、迫るロンを蹴り飛ばすと理央を連れて逃走し、それを追うロン、取り残される激獣拳組、でつづく。
長きに渡って展開していた宿命に一つの決着が付くと同時に、長きに渡って暗躍してきた幻獣コンサルタントの大願が形を見せ、いよいよ物語は終局へ。
まあ破壊神よりも、
「……じゃあ、いつか俺も、おまえのライバルに、ランクアップできるように、頑張らないとな」
「なぜ? ゴウはゴウのままでいいじゃないか。ずっと友達でいてくれよ」
の方が破壊力高かったのですが!!
友にしかなれないのか、友にならなれるのか……男の意地は風に消え、互いを認め高め合う存在を持てなかった男達の、一人は魔道に堕ち、一人は孤独の激気を身に纏った――。
理央様は懐かしの人間玉座からキャラソンを披露し、エンディングはビジュアル系アーティストのPVのような事に(笑)
次回――繋がる過去! 解き明かされる真相! ラブ・ストーカーはいつも貴方の影に!!