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ものかきと映画:第4回『明日に向って撃て!』

明日に向って撃て! (1969年)


 1890年代の西部。ブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)とサンダンス・キッド(ロバート・レッドフォード)は、家畜泥棒と銀行強盗が稼業の悪名高いアウトロー。遂には列車強盗まで行い、大金を手に入れる。
 しかし時代は彼等を徐々に追いつめていき、二人はサンダンスのガールフレンド、女教師のエッタ(キャサリン・ロス)と共に、ボリビアへと向かうのだが……
1969年のアカデミー賞4部門に輝いた、傑作ウェスタン。実在の強盗の話をモチーフにしております。
初めて見たのはもうだいぶ昔……確かNHK教育か何かで放送してまして、何の気無しにTVをつけたらやっていて、そのままあれよあれよと最後まで見てしまった記憶があります。
とにかく面白かった。
世の中こんな凄いものがあるのか
と大ショック。
何せこちらは最初は見る気も全く無く、TVをつけたら偶然やっていて、有名な映画である事すら知らずに、ふーんこれは何だろう、と思っている内に作品に引き込まれて約1時間半。
最後は鳥肌物です。
メイスで殴打されて床に倒れた所を、更に手近の池に放り込まれた感じ。
以後、作品そのものの“ポテンシャルを上げる”というのは私の創作活動における一つの指標となっております。無論、映像作品のパワー、という物はあるわけですが、ホントに面白い物は、どこから触れてもとりあえず面白い、のですよ。全体を知っていればより面白いかどうかの差であって。
何よりも第一に、そういう感覚を教えてくれた作品。
そして、ポール・ニューマン
もう、ポール・ニューマンが格好いいのですよ!! 海外の俳優さんでは、ショーン・コネリーの次に好きな方なのですが、素敵すぎ。ロバート・レッドフォードより、ポール・ニューマンが好き。この二人の共演といえば『スティング』も好き。『スティング』も録画して残してある筈のビデオが出てきたら、紹介したいのですけど。
物語の方は、基本的に二人組の強盗の活躍から破滅までの話。アクセントを加えるのが女教師の存在ですが、演じるキャサリン・ロスも綺麗。
有名なのが、このキャサリン・ロスを後ろに乗せ、ポール・ニューマンが主題歌『雨にぬれても』(※この歌は既に単品で有名なので聞いた事ある方多いと思います)を歌いながら自転車に乗るシーン。
荒んだ雰囲気の物語の中で、ここだけ物凄く爽やかで、確かに印象に残るシーンです。演出も上手いし。コメディタッチの見せ方も上手。……まあ、私としては銃火がばちばち弾けるの割と好きなので、とりたてて物凄い好きなシーン、というわけではないのですが。ただ、このシーンが有るのと無いのでは大違いだろうなぁとは。
銀行強盗だって食事もすれば冗談も言えば自転車に乗ってこける事もあるわけで、そういう余裕のある見せ方、というのは好き。
全体的に、撃ってなんぼのウェスタンというよりは、叙情的なドラマ、なんですよね。多分その辺りが評価の高い由縁なのかな、とは思うのですが。
全体に通底している“時代の波に消されつつある男達”というのは好き。これ、日本人好みの感覚かとは思いますが。無論、主人公二人組は同情できないアウトローであって、破滅して当然、ではあるわけなんですが、その裏側にある人間的情けなさの描き方とかは秀逸だよなぁと。
セピア色に始まり、セピア色に終わる今作、アメリカ人にとってはやはりノスタルジーであるのかなとも愚考するのですが。
一番好きなのは、ラストシーン。
これもう、見て下さい、としか言いたくないなぁというのが正直な所。立った鳥肌がそのまま収まらない、そんなラストシーンでありました。
*追記)
なお今作の原題は、『BUTCH CASSIDY AND THE SUNDANCE KID』。
日本人に向けたタイトルとしては、邦題『明日に向って撃て!』は絶品だと思う。一見荒々しいのだが、作品の内容を考える限り、実はナイーブでリリックなセンス。明日が無いからこそ、明日に向かって撃つ。これはその足掻きの物語なのだと、個人的には思うので。