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たまには流行りのマンガを読んでみようプロジェクト:2

プロジェクトの存在そのものを忘れかけていたよ(おぃ)
加えて、読んでから割と日数経ってしまったので、あまり細かい所までは覚えていません(^^;

D.Gray-man (1)    ジャンプコミックス

D.Gray-man (1) ジャンプコミックス

というわけでいきなり何の宗旨変えかとか思われそうですが、既刊6巻、全て読みました。
雑誌連載の方も読んだ事が無く、ほぼ初見。ほぼ、というのは、友人から印象・感想を聞いたり、仕事の関係で存在と傾向は知っていたから。

時は架空19世紀。人を素体とした殺戮兵器AKUMAを用い、世界の崩壊を目論む千年伯爵。一方で、対AKUMA兵器を手に千年伯爵に立ち向かう、『黒の教団』のエクソシスト達の姿があった。生まれながらに左手に対AKUMA兵器を宿し、呪われた瞳によって人間に偽装したAKUMAを見破る力を持つ少年アレンは、世界に散らばるイノセンスを巡り、教団のエクソシストとしてAKUMAに立ち向かう――。
大雑把に言って、ファンタジーでバトルでアクションです。
とりあえず個人的には、千年伯爵がナイスミドル系だったら良かったのにと、それが残念です(笑)*1 そしてまんまと作者の術中にはまっているなぁと思いつつも、好きなキャラは、手から蝶出す人(名前失念)。あと、クロちゃん。ああいうキャラをメインで使おう、という気概(?)は割と買えるかもしれないとは、思ったりも。
それから、女性キャラを可愛く描く気がある、という点には好感を持ちました(笑)
いや正直、評判だけ聞いた限りでは、もっと女性キャラはぞんざいな扱いなのだと勝手に思っていたもので、御免なさい。
話としては、2巻のあたりの、快楽人形のエピソードとかは結構好きです。というか、あーいうエピソードの積み重ねをもう少しやっても全然問題無かったのではないかというか、あのぐらい書けるのだったら、むしろそっちの方が好み。
予定通りなのか嗜好の問題なのか技能的にショートエピソードが苦手なのかどれかはわかりませんが、重い長編化するのが、早かったような気もします。設定的にはかなり壮絶な戦闘を進行形で展開しているというのはわかるのですが、読み手がそれを実感するよりも早く入ってしまったという感じで、まあそれに限らず、読者に今ひとつ伝わりきってない作者の設定&思い入れの部分で展開する話が多いんですが。
……まあこれは、近年の若い造り手に多い特徴ですけど。
なんとなくですが“今時のマンガはこのぐらいの展開にしないといけないんだ”みたいな妙な思い込みで走っているという感じもするのですが、これは単なる個人的な推測。とはいえ、新人という事を考え合わせると、もう少し編集サイドで手綱を絞る所のような気もしますけど。まあ逆に編集の勧めという可能性もあるので、その辺りは何ともあれですが。
正直私は、4巻ぐらいから展開が早くなりすぎて、ついていけなくなりました(^^;
絵としては、主人公がパワーアップ左手から出した光線みたいな物の上に乗るシーンとかは結構好きで、割と面白いものを書くなぁという印象。しかしあの、手抜きシーン(週刊連載している以上、これをうまくこなすのは必要なスキルだと思うので悪い意味ではありません。また、ギャグシーンのシンプル化などとは別の意)の描き方が本当に杜撰なのは、もう少し何とかならないのかなぁとは思いますが。……これは個人的に興味のある所でもあるのですが、最初から恐れ気もなく、「ここは丁寧に」「ここは適当で」みたいな豪快に緩急をつけたマンガ、てどの辺りから出てきてどういう系譜なのでしょうかね。一昔前までは、連載ペースの中で徐々に「どこをどうやって手抜きをすれば手抜きがわかりにくいか」みたいな事を覚えながら書いていく、という感じの漫画家が多かったようにイメージしているのですけど。
もっとも絵柄はこの後(先日、雑誌を見た)、急速にシャープになっていくようですが。
というわけで、案外と嫌いではなかったが、御免なさいついていけなくなりました、みたいな(笑)
あと、このマンガを読んでようやく、個人的にここ何年か一部のマンガに感じていた違和感の正体がわかりました。
マンガそのものの感想から離れるので、続けて別項で。

*1:実際にはちょっと戯画的なややクリーチャー系