- 作者: 石塚真一
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/04/26
- メディア: コミック
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主人公は海外での豊富な経験を持ち、日本アルプスで山岳救助のボランティアを行っている青年、島崎三歩。文字通りに山を住まいとする三歩と、山を訪れる人々、山で起きる事件の関わりを描く。
主な題材は遭難者のレスキュー活動で、ときどき人情話もあったりして、という形で基本は一話完結形式。
久しぶりにビッグコミックオリジナルのマンガを読んだのですが、改めて日本のコミック雑誌市場における、ビッグコミック及びビッグコミックオリジナルという存在の凄みと深みを感じさせてくれた、噛み応えのある作品。
良い悪いではなく、例えばこれを少年マンガでやると、スーパーレスキューマンガになるのでしょうが、主人公の能力をかなり高く設定した上でなお、救えない命があり、悲劇があり、それでも山にしか無いものがあり、それら全てひっくるめた所でほぼ一話完結形式でドラマをまとめているのは見事。これを連載できるのは、ビッグコミックならでは、という気がします。
欠点というか、内容がかなりハードなので、具合悪い時などに読むとダメージが後に残ります(^^; シビアでシリアス、それ故に骨太。よく出来ている故に苦い。しかし、面白い。そんなマンガ。
雰囲気的には、『MASTERキートン』の頃の浦沢直樹をやや彷彿とさせる感じ。