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『特警ウィンスペクター』感想2

◆第2話「笑うラジコン弾!」◆ (監督:東條昭平 脚本:杉村升
――特警ウィンスペクターとは、平和を愛し、友情を信じ、人の命を守るため犯罪に立ち向かう、警視庁特別救急警察隊の事である!


爆弾を仕込んだラジコンを使い、橋や工場を破壊する愉快犯的爆弾魔が登場。
犯人・足立は堂々と特警に電話をかけてくると、犯行の動機を「ラジコンで自由に遊ぶ場所が少なくなったから」だと語る、恐るべき幼児性の持ち主だった!
通話からマドックス(特警のコンピューター)が声紋を犯罪者データと照合し、前科2犯の犯人を割り出す。もう少し頑張れば逆探知も出来た気がするのですが、声を荒げるばかりで会話を長引かせようという意図が全く感じられない本部長
そうだ、特警には、秘書的お姉さんが足りない!
その頃、1話登場の喫茶店に、香川優子(主人公・香川竜馬の妹。中学生ぐらい?)が訪れていた。東京で働く兄の元に、千葉から花を届けに来たのだという。
主人公妹と、喫茶店の小山姉弟が知り合いで、お互いが、兄妹二人だけの家族、などが会話から明かされます。姉・久子(20代半ば〜ぐらい)に甘えて突っかかる弟・良太(小学校中学年ぐらい?)、それを微笑ましく見守るよく出来た感じの主人公妹、とこの辺りの見せ方は1話に引き続きスムーズ。そこでかかってくる1本の電話。
「私だ」
電話はどういうわけか正木本部長からだった! 真剣な表情になった姉は、正木の指示を受けると、弟達には「急に友達と会う事になった」と告げて店を出ていく。……お姉さん、喫茶店マスターを表の顔にした秘密のエージェント?
しばしば店を空ける姉を不審に思っていた弟は、自動車で出かけた姉をタクシーで尾行。主人公妹も付き合わされ、二人はオープン間近の巨大ビルへと辿り着く。爆弾魔の足取りを追って情報を収集していた姉は空振りするが、直後に、車ですれ違った爆弾魔が、このビルを爆破。互いを見失っていた小山弟と主人公妹は爆発に巻き込まれ、弟は大丈夫だったものの、妹は停止したエレベーターの中に閉じこめられてしまう。
ビルは倒壊こそ免れたものの、駐車場が炎上し、下からエレベーターに辿り着く事は出来ない。現場に駆けつけた竜馬の指示の元、ウィンスペクター出動! そして竜馬はパトカーに乗り込み、「着火」する!
その頃、爆弾魔の足取りを追う小山姉の車を、正木本部長がパトカーで前に割り込んで無理矢理停車させていた。
普通に停めろ
今回はヒーローでは無いので、自重してください。
お願いします。
彼女を尾行していた弟がビル爆破に居合わせた事を告げる本部長。
「敵を欺くにはまず味方から
そう思って君に秘密捜査官を依頼したんだが」
…………すみません本部長、意味、わかりません。
明らかに、偉くなったので大江戸捜査網』的な何かをやってみたくなっただけとしか思えません。
「寂しくて尾行したんだな……私の責任だ、謝る」
謝ってないよ本部長! 「謝る」というのは、謝る時の言葉じゃないよ!!
主人公妹が巻き込まれたのは自分のせいだと弟がショックを受けているので戻ってやれ、と言う本部長に「行きません」と断るお姉さん。
彼女の父は本部長の親友で、まったく家庭を顧みない刑事だった。だが、殉職したそんな父を尊敬しているからこそ、弟にも強くなってもらいたい、とお姉さんは決意を告げる。
2話にして、随分と重いドラマ。
本部長は色々と滅茶苦茶ですが、このぐらいは、ヒーロー物として許容範囲か。
ところでなんかそこはかとなく大人のロマンスの香りが漂う二人ですが、親友の娘に手を出すの犯罪だと思うので、自制して、本部長!
(あくまで筆者の妄想です)
捜査を続行するお姉さんに代わり、現場に戻った本部長は弟に声をかけるが、スキル:《説得》を持っていないので、役に立たなかった!
そんな本部長のパトカー無線に、犯人から直電。「許せないんですよ、自分のしくじりが」と語る犯人は、ビルの完全な破壊の為に、10分後に、更なるラジコン爆弾を発進させると予告する。
一方、ファイヤー、バイクル、ウォルターは、エレベーターシャフトに入り込み上部から閉じこめられた妹の救出に向かっていたが、吹き上がる炎を前に作業は難航していた。犯人が次のラジコン爆弾を放つ前に、彼女を助け出さなくてはならない!
エレベーターでの救出作業
犯人のアジトを突き止め突貫を連絡してくるお姉さん
なかなか救出されないのでビルの中に駆け込む小山弟

と、3つの「どうなる?!」が重なり、なかなかのスペクタクル。
何とかエレベーターの更なる落下を食い止め、状態を安定させたファイヤーは、バイクルとウォルターに妹の救出を託し、連絡のあった犯人のアジトへと向かう。その途中で、ビルに駆け込んできた小山弟とすれ違う。
「優子姉ちゃんはもう助かったの?」
「まだだ! 私は犯人を逮捕しにいく!」
……え、えげつなー。子供相手だから甘い事言うのかと思ったら、ファイヤーさん、超直球。でも格好いい。
一方、単独で爆弾犯のアジトに乗り込んだお姉さんは、爆弾を積んだヘリコプターの発進にはストップをかけたものの、犯人の操る改造ラジコンの攻撃を受けて護身用のデリンジャーを失い、更に毒虫ラジコンに取り囲まれて絶体絶命のピンチに陥っていた。毒針が迫るその時、間一髪、銃弾が毒虫ラジコンを破壊する!
時代劇展開ですが、主題歌と共に登場するファイヤーが、超格好いい。
ファイヤーはハンドガンでラジコンを次々と破壊すると犯人を逮捕。その頃、バイクルとウォルターによって妹も救出され、事件は無事に解決を迎えるのであった。
……揃って大団円シーンとかが無かったので、お姉さんと弟の間が微妙にこじれたままな気がするのが、少し気になりますが(^^;
これ引いたら凄いけど、次回には何事も無かったかのようになっていそう。
妹さんの方は、兄に置き手紙。


お兄ちゃん お仕事ごくろうさま。
お花 飾って下さいね。
良太君に、優しくしてあげて下さい。
ホント言うと、私もほんのちょっぴり寂しくて、お兄ちゃんに会いに来たんです。
でも、お兄ちゃんだって頑張ってるし、私も頑張らなくちゃって分かりました。
だから今日は帰ります。みなさんによろしく。
さようなら
優子
何この、出来すぎた娘。
見た目中学生ぐらいなのに、花畑に常駐しているっぽいのは気になりますが。
2話、非常に面白かったです。
1話で特警の司令部にまで入り込んでいた、賑やかし要員兼巻き込まれ役兼視聴者目線マスコット的存在であるだろう所の小学生男子に、お姉さんを正木本部長と絡めつつ物語に繋げる事でしっかりと背景を与え、更にエピソードとしては、香川兄妹と対比させてそれぞれの劇中のポジションを明確に。
妹をエレベーターから救出するレスキューアクションと、爆弾魔の確保というバトルアクションを、二面で並行展開する、という構成も盛り上がりました。
お姉さんが隠密同心となった事で、今回いきなり女刑事が役に立ちませんでしたが、この辺りは巧く使い分けされるものだと期待しています。まあ一応、今回も少年の相手でちゃんと役割を与えており、画面に居て違和感ない様には配慮されていたり。ファイヤーにえげつない言葉をかけられて落ち込んだ少年に声をかけるシーンがあったので、本当はあの後に、少年を説得するシーンがあったけど尺の都合でカット、とかあったのかも。
ラジコン爆弾魔の犯人役は非常に好演。
悪の組織や統一された背景の怪人が存在せず、人間の欲望から起こる犯罪に立ち向かう、という、言うなれば社会派路線ですが、この路線でどこまで話を転がせるのか、この面白さが持続してくれる事に期待。