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『特救指令ソルブレイン』感想8

先週分。
◆第13話「殺人プレイバック」◆ (監督:新井清 脚本:杉村升
轢 い た!
……夢だった。
少女を車で轢いてしまう夢を見た大樹が出勤すると、本庁に届けられたビデオテープと手紙を持って、監査官がやってくる。そのテープに映っていたのは、大樹の轢き逃げシーン
「そういえば、昨日これと同じ夢を見ました」
意味不明な供述をする、西尾容疑者。
……あー、やってる、これはやってるよ。
大樹は監査官に身柄を拘束され、正木以下は、大樹の無実を証明しようと捜査を開始。玲子と純は被害者の少女に運転手の顔を見ていないか聞きにいくが、空振り。ついでに医者に事件へのアドバイスを求めるが、「夢遊病じゃねーの?」とむしろだめ押しを受ける。正木は前作で竜馬が行動不能になった時の事を思いだしたのか大樹の部屋をくまなく調べるが、手がかりはない。そんな正木に接触してくる、大樹のファンを名乗る怪しげな男、広沢。そしてビデオテープの調査の結果、映っているのは間違いなく大樹本人――しかし映像が全体的に奇妙に歪んでいる事がわかる。
大樹の無実を証明する事は出来ないのか……思い悩む本部に、雑誌を手に駆け込んでくる亀吉。そこには、夢をコントロールする医療用の装置が完成したという記事。もしかしたらこれが用いられたのでは?! と早速セントラル医療へ向かったメンバーは、被験者が見ている夢を、機械に素材を加える事で好きに加工できる実験を目の当たりにする。更に素材さえ揃えれば、見せる夢のシナリオを操作する事もそれを録画する事も可能だという。
このマシンが用いられたなら全ての謎は解ける……だが、セントラル医療にあるマシンは、一つきり。他社で開発中の同様のマシンが盗まれたのかもしれない、と捜査に動く玲子達。そんな彼等を見つめる警備員……それは、あの広沢であった。
せっかく地道な捜査シーンを描いたのに、亀吉がたまたま読んでいた(としか思えない)雑誌の記事から話が動く、というのは残念だったところ。大樹の見たという夢に引っかかった、というのも描写としては厳しいですし。
深夜、警備員の立場を利用し、研究室に忍び込んでドリームマシンを持ち出した広沢は、正木に夢を照射。
機能もトンデモですが、先端だけ取り外して狙撃銃のように使えるドリームマシンは便利すぎ(^^;
広沢を追跡する夢を見た正木は、翌日、広沢の身辺を調査。彼がセントラル医療に務めているという情報を得て広沢のアパートを訪問すると、露骨に怪しい動きで逃げ出す広沢。追跡する正木は、それが前夜に見た夢の光景と同じ事に気付く……一方、正木から連絡を受けた玲子と純が広沢の部屋を探ると、大樹に見せる夢の素材となった轢き逃げ現場などの写真が発見される。そして近所の住人に預けられていたビデオテープ……その中に映っていたのは、正木による、広沢の殺害シーン!
なんと広沢は、故意に追い詰められる事で、正木に自分を殺させようとしていた!!

「突き飛ばさなくたっていいんですよ。僕が勝手に飛び降りれば。テープが何よりの証拠になりますからね」
「自殺をするのか。なぜだ?」
「なぜ? 僕はソルブレインが好きだったんですよ。西尾さんも、貴方も。
だから友達になりたかった!
でも貴方たちは、全然僕なんかに関心を持ってくれなかった。だから、だんだん憎くなってきて。せめて夢の中で、貴方たちより格好良くなろうと思ったんです。毎日毎日、仕事の合間に夢を見て……
そしたら最近になって聞こえるんですよ。誰かが僕の耳元でささやくのが。
おまえはもう死ぬ、もう死ぬ…………だから、ソルブレインを道連れにしろって」

ソルブレインに対する愛情が歪んだ憎悪へと変貌し、更にドリームマシンの過剰使用で精神に変調を来した広沢は、完全な狂気の領域にあった。正木を振りきった広沢はアジトを爆破し、予告通りに自ら炎の中に飛び込む事でその妄執を完成させようとする。だがその瞬間、炎の中に飛び込んだ広沢を横からさらって助けるソルブレイバー! 玲子達が入手した証拠を監査官に届けるのが間に合い、間一髪で大樹が釈放されたのだ。
かくて広沢は逮捕され、正木はその背に、病院で治療を受けた後しっかりと罪を償うんだ、と心で声をかけるのであった……。
大樹、エピソード通してほとんど台詞無し。
監査官に問いつめられている時もほとんど無言。
何か、今回の轢き逃げ以外に、後ろ暗い事があるとしか思えません(おぃ)
大樹ほぼ不在というシチュエーション、金も力もない男の妄執がソルブレインを追い詰める、などの特異な構造に加え、いつまで経っても大樹が釈放されないのでなにか事件に大きな黒幕が居て前後編だったりするのか、と思わせてからの怒濤の決着などは、裏読みを逆手に取られた感じで面白かったです。
ただ、ドリームマシンは少々トンデモすぎ。無論、全編トンデモ満載ではあるのですが、1エピソードにおいて許されるトンデモ・超科学ギミックというのは、数に限度があると思うのです。
「夢を加工できる」「それを録画できる」「携帯して狙撃銃のように使用可能」
の3つは、やりすぎだったかな、と。
ネタの中心ではあるのですが、特に録画(しかも夢なのに、間違いなく本人と断定される映像)がトンデモすぎる上に、話の都合とはいえあちらこちらの会社で似たようなものを開発しているとか、怖すぎます(^^; この辺りの設定はもう少し縛ってほしかったところ。
しかし、『ソルブレイン』に入ってからの、正木の主役度の高さは凄いなぁ(何かオカシイ)。


◆第14話「愛を呼ぶ銃弾」◆ (監督:新井清 脚本:山田隆司
前回から、ドーザー変形に合わせて、微妙にOP映像がマイナーチェンジしているよーな。
これまで見覚えのないカットが有るような無いよーな。
あと、前回から衣替えで大樹が黒ジャンパーに着替えましたが、見た目は落ち着いたけど、ますます竜馬さんと被ったような……(^^;
放課後、ソルブレインの話で盛り上がっている小学生達……やっぱり、ブレイバーの武器の話題ばかり
それでいいのかソルブレイン
そんな彼等に、交番勤務の警官である父を尊敬する級友が
「装備ばかり頼りにしているソルブレインなんてたいしたことねーよ」
と、危険な爆弾発言。
そんなわけで、クラスメイトで揃って少年・信之の父、影山の勤務する交番を見にいくが、影山は地元を愛し、また地元民に慕われてはいるものの、傍目にはとても格好良くは見えない。口喧嘩から掴み合いに発展した少年達の元をたまたま通りがかり仲裁に入った大樹、影山をバカにした小学生(なんかサイクリング屋の子供でセミレギュラー扱いなのですが、個性が薄すぎて顔見ただけではわかりません)をたしなめ、派出所警官が如何に立派であるかをフォロー。
お、なんか今回、ここだけでも凄くいい話です(笑)
フィクションのヒーローが、リアルの現場で働いている人達が立派である事を語るのって、いい事だと思うのですよ。教育に悪い展開が続く色々と逸脱気味なシリーズなので、いい意味での子供番組らしさが挿入されたのは良かった。
そんなある晩、影山の勤務する交番が暴漢に襲撃され、若い巡査が拳銃を奪われ、影山も撃たれて負傷。
翌日、病院の影山に物凄い剣幕で詰め寄る玲子。
「目撃者の証言によると、充分犯人を撃つチャンスがあったのに、貴方は銃を撃たなかったそうですね!」
反対側では、親の仇を見るような目つきで影山を睨む増田。
…………えー、なぜ貴方がた、撃って当然、むしろパニッシュ!みたいな勢いですか。
いくらレスキューシリーズの世界観が、世紀末東京ディストピアにしても、どうなのか。
「怖くて拳銃が撃てなかった」と答えた影山を、「警官が拳銃を怖いなんて信じられない」と虫でも見るような目で見る玲子さん。
見舞いに訪れてそんな父の言葉を聞いてしまった息子・信之は、一度も銃を使わずに犯人を逮捕してきた父の誇りが、実は拳銃を撃てなかった臆病さなのだとショックを受けて、出ていってしまう。そしてそこへ入ってくる、拳銃強奪犯が、工事現場でダイナマイトを奪って姿を消したという連絡……。
大樹がこういう時に無言で役に立たないのは、いい加減そろそろ何とかした方がいいような。
主人公として間違えられない都合、というのはわからないでもないですが、かといって部下を止めるわけでもなく、考えているふりをしているだけで、考えてないように見えて仕方がない(^^;
ソルブレインの罵倒による集中攻撃にあった影山であったが、実は彼には、犯人を撃てなかった真の理由があった。病院を抜け出し、家に置き手紙を残した影山は、ひとり街へ消えてゆく。
「信之へ 夜7時までに帰らない時は、これをソルブレインに届けてくれ」
という封筒の中身は、辞職願いと警察手帳と正木への手紙。
手紙によると、交番襲撃の犯人は、マキオカシンイチ17歳。影山が子供の頃から知っている少年だったが、中学生の時に両親が離婚し、街を離れていた。そのシンイチが数日前、「母さんが三日前に死んだ」と交番を訪れ、ろくな養育費を払ってこなかった父への恨みを吐露。話を聞こうとした影山だったがその矢先に強盗事件が発生してしまい、派出所で待っていてくれるように言ったが、事件から帰ってきた時には彼の姿は消えていた……。もしあの時、もっと親身になって話を聞いていれば……影山はその後悔ゆえに、シンイチを自首させようとその身を張るつもりでいたのだ。
信之が届けた封筒の中身を見て、ソルブレインは影山を追うとともに、シンイチの父のガードに動く。同じ頃、シンイチを発見した影山は説得を試みるが、サイレンの音に恐慌状態になったシンイチに足を撃たれ逃げられてしまう。
翌日、いったいぜんたい誰が辞表の話をばらまいたのか(しれっと見舞いに訪れている一人しか居ない)、「辞表を撤回してくれ」「影山さんが居てくれなきゃ」と、影山の病室を地元の人々が大挙して訪れる。その光景に、信之にそっと声をかける正木。
「信之くん、腰抜けの警察官の為に、こんなに大勢の人が来てくれると思うかい?」
病室の光景に、真の男の格好良さを知る信之。
ここは凄くいいシーン。
ソルブレイン』で、こういう話が見られるとは、正直思わなかった。
父と子が心の絆を取り戻した時、病院の廊下を激走してくるバイク(おぃ) それに乗っていたのは、影山がよく小言を言っていた、不良予備軍の学生だった。「本官の小言が無いと寂しいぜ」と言う学生は、拳銃を持っている男を廃工場で見た、という情報を影山に伝える。
ここは、影山に反抗的だった学生も本心では……というシーンではあるのですが、さすがに、病院の廊下をバイクで走るのはやり過ぎだったような(^^;
正木はソルブレインを廃工場へと急行させ、あくまでシンイチを自首させたいと同行を申し出た影山に、「最悪の事態を考えてこれを持っていくなら」と、懐の拳銃を渡す。
先行したソルブレインは、シンイチのダイナマイト無双を突破。追い詰められたシンイチは「こうなったら自爆してやる!」と手持ちの爆弾に火を付けるが……その瞬間、影山の拳銃が火を噴いた。シンイチはダイナマイトを取り落としてうずくまり、ソルブレイバーに逮捕される。
慣れない拳銃(なぜか正木に渡されたのはオートマ)を使って左手ギブスでバランスが悪い状態から片手撃ちでピンポイントにダイナマイトを持っている手の甲だけ撃ち抜くとか、実は影山さん、あまりにも射撃が上手すぎてハッピートリガーになりそうな自分を抑える為に拳銃を封印していた疑惑
或いは、夜な夜な犯罪者を狩る闇のヒットマンなので、素性がばれない様に普段は気弱で人の好い男を装っているのか。
よくよく考えると、病室における地元住人の台詞「影山さんが来てから犯罪が無い」は、この世紀末TOKYOでは不自然すぎます
犯罪の芽を全て事前に影山さんが刈り取っていると仮定すれば……! 犯罪ゼロの不自然さの秘密も! 影山の狙撃の腕も! そして風体に対して妙に格好良すぎる苗字も! 全ての謎が解ける(おぃ)
最後は大樹が珍しく説教モードに入り、敢えて引き金を引いた影山(アフター5はヒットマン)の思いを代弁、正木が影山の辞職願いを破り去り、事件は解決。
ヒーロー物の立場から敢えて普通の巡査警官を立てる、というコンセプトは良かっただけに、最後に影山にもうちょっと説得させたほしかったかなぁ……結局、説得不能で銃を撃って止める(しかも超射撃)というオチは少々残念。『ソルブレイン』らしからぬ(あれ?)道徳的なエピソードだっただけに、もう一歩、やり抜いて欲しかったです。
ところで、EDにも新映像入った……?
いつも予告まで飛ばしてしまうので、記憶してないだけかもしれませんが。
ラグビーとボートと犬のシーンは初めて見たような気がする……。