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『特救指令ソルブレイン』感想21

◆第35話「新英雄(ニューヒーロー)九州へ!−PART2」◆ (監督:小西通雄 脚本:杉村升
それ自体が生命を持ち、タンパク質と同化する事で金属化した生物へと変質する、金属生命体オージー9。その特質の一つは金属化した生物は成長を続けるという事で、動物実験ではハツカネズミが10日あまりで全長1m以上のモンスターと化していた。
ICPOに出向していた筈の香川竜馬が日本へ帰国していたのは、この開発者である博士を半年前に殺害し日本に逃亡したと思われる助手・高岡隆一を追っての事だった。そしてボンバー本間が傷害事件を起こして失踪したのも半年前……おそらくボンバーには、高岡の手によって博士から奪われたオージー9が埋め込まれている。
ボンバー本間は金属人間→バックに居るのは高岡
冷静に考えるとおかしいのですがなし崩し的に事件の黒幕が判明。
本間を金属人間にした人物と誘拐事件の黒幕が同一人物である必然性実は無いので、本来ならこの後に高岡の関与を洗ったら中田専務との過去の関係性が浮上して……とならないといけないのですが、尺の都合で亜空間した模様。
ICPOとソルブレインの技術提携によって誕生した新スーツ、ナイトファイヤー、そして新兵器パイルトルネード。
ブレイバーは誘拐事件そっちのけで、パイルトルネードの試し撃ちに臨む。
……て、あれ、ブレイバーも、パイルトルネード使うのですか。
パイルトルネードは3つのモードを持ち、
モード1:スーパーディスチャージャー(消化弾)
モード2:コーキングパンチャー(粘着弾)
そして、
モード3:トルネードバースト(破壊光線)
色々と反省を活かした仕様。
ただの破壊兵器ではなく、レスキューにも使える新装備、というのは非常に良かったと思います。良かったと思うのですが…………えー…………あー…………ギ、ギガストリーマーは?
もしかすると、ギガストリーマー回がそもそも、ナイトファイヤー登場の前振りだったのでしょうか。
あんなに盛り上げて託した上に、色々と筋に問題のある回だったのに、何だったのか。
そして……なんだか同じ武器を持った事で、わかりあう二人
これだから男って……。
ナイトファイヤーとソルブレイバー、そし二つのパイルトルネード。新戦力に意気上がる大樹達のもとへ、中田専務と高岡の繋がりに関する情報が入ってくる。
高岡は養子に入った家の名前で、もともとの名前は水谷隆一。かつて中田専務が働いていた水谷ICの社長夫婦の一人息子であった! 画期的なICを開発した水谷ICだったが、その技術を狙う新和精密工業の引き抜き工作に乗った中田の暗躍によって不祥事が続発し、会社はICの発売に漕ぎ着ける事無く新和精密工業に買収される。そして社長一家は心中……ひとり生き残った高岡は、裏切り者の中田に対する復讐の為に現れたのであった。
その高岡から、園内に爆弾を仕掛けたという連絡が入り、必死に園内で爆弾を探す大樹達。
そういえばこのパーティには、探知係が存在しません。前作ならバイクルかウォルターが適当に見つけてしまいそうですが、ドーザーにも電磁波感知装置とか、付けた方が良いような(電磁波は魔法の言葉!)。
爆発まであと30分……その時竜馬が、遊園地のシンボルタワーに気付く。そこからなら、園内を一望し、大樹達の行動も監視できる!
ナイトファイヤーの変身時のキーワードは「ブラスアップ!」である事が判明。ううーん、そこは「着化!」が良かったなぁ。まあ基本、ブレイバースーツをベースにしているようなので、仕方ないか。後ここで、大樹・竜馬・玲子が、並んだ車に一斉に駆け寄って乗り込むシーンがあるのですが、格好いいというよりは……正直、間抜け(^^;
特に、申し訳ないけど玲子さんのおまけ感が。
実際、大樹と竜馬は変身シーン入ったのに、玲子さんスルーですし。
シンボルタワーに乗り込んだソルブレインの前に立ちはだかるのは、金属化が進み、ほとんど理性を失い異形のモンスターと化したボンバー本間! ナイトファイヤーの装備は、ケルベロスから謎の棒まで、何から何までソルブレイバーと一緒である事が発覚(^^; 奥の部屋でジャンヌとドーザーが光夫少年を助け出すと、高岡は体から変なケーブルを出してor外から変なケーブルに捕まえられて、脱出。ここは高岡も金属人間能力を有している演出だったのかどうか、今ひとつわかりませんでした。故意にどちらともとれる演出にした可能性もありますが。
爆弾を止める為にやむなく本間に向けてパイルトルネードを向けるブレイバーとナイトファイヤーだったが、解放された光夫少年の涙にボンバーは理性を取り戻し、その隙にブレイバーが爆弾を解除。しかしボンバーは金属生命体としての急成長の副作用で命尽きてしまう。高岡の話を聞いた光夫に「パパは悪い人だったんだね!」となじられ、「私は悪くない」「会社の為だったんだ」の一点張りから急に改心する中田専務。
ううーん、この辺りの描写が丁寧なのがレスキューシリーズの良い所だったのに、今回、凄く適当(^^;
そこへ背後から現れてビームライフルを乱射しまくった高岡だが、ソルブレインにガードされ、攻撃を断念、狂気の矛先を復讐の妨害を邪魔したソルブレインへと向ける。
「貴様等ソルブレインを、必ず叩きつぶしてやる! 覚えていろ! ははははは」
高岡は見た目のはったりはともかく、高笑いの声などは格好いいと思ったら、現クロス2000、かつての世紀王シャドームーン、後のキンタロスこと、寺杣 昌紀(てらそま まさき)さんでした。キャスト見て誰かなぁ……とは思っていたのですが、てっきり、ボンバーだと思っていた(笑)
こうして事件は解決したが、高岡は逃亡。正木の交渉の結果、竜馬はソルブレイン本部内にICPO東京支部を置く形で常駐し、ソルブレインに協力しながら高岡を追う事になるのであった。
……なんだろう、この島流し感。
前作を記憶にある方なら、どこかで見たパターンだな……となると思いますが、恐らく前作31・32話の焼き直し(脚本も同じくメインライターの杉村升)。ギガストリーマー初登場回/パイルトルネード初登場回、というのも意図的に被せたものでしょう。
前作31・32話に登場した、娘を交通事故で失った哀しみから全国のバイクへの復讐を計り、それを邪魔した警察に矛先を変えて警視庁を大パニックに陥れた狂気の天才科学者・広崎は、31話ラストでの逃亡後、後編となった32話ですぐ始末してしまったのが惜しかったのでは、と思われるキャラクターでした。『ウインスペクター』自体も、因縁の相手として最終話に、1話のゲスト悪役であった博士を割と無理矢理に持ってくる事になっていたので、おそらくその反省を踏まえた構成かと思われます。
ソルブレインに復讐を誓う因縁の相手を残しつつ、竜馬さんを日本に残す理由も作り、加えてこの設定なら普段は高岡の件を追っているという事で竜馬さんを毎度出さなくてもいいですし、全体の構成としてはなかなか良いと思います。単体ではかなり無茶な金属生命体というネタを用意した事で、竜馬さんがひとりICPOやるぐらいの大きな事件、として納得のできる範囲ですし。
惜しむらくは、新戦士登場と全体構成の為の引きに重点が置かれ、地方ロケ名物観光案内も加えた事で、前後編のエピソードの出来が良くなかった、という事ですが(^^; あと竜馬さんのセミレギュラー化(?)は嬉しいけど、ナイトファイヤーはちょっと線が細いのが惜しいなぁ。もう少し骨太の方がデザイン的に好みではあります。中の人補正もあるので、格好いいけど!
そして、主人公と追加戦士が武器が一緒というのは驚天動地というかもはや斬新のレベルですが、ぎ、ギガストリーマー……(はやはり悪魔の兵器だったので封印されたのです)。
後はパイルトルネードのレスキュー的要素が、ちゃんと使われる事を祈ります。SS−1の存在意義がだいぶ危険になりそうですが。


次回、
またか、またやっちゃったのか……