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『世界忍者戦ジライヤ』感想23

◆第40話「哀しみのジャンヌ」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:杉村升
OP、キャスト表記の
鉄忍ガメッシュ002
だけで笑えるのはズルい(笑)
ブラックセイバー洗車中の山地兄妹は、カラス天狗に襲われていた娘を助ける。「この近くに、テツザン・ヤマジという人の家はないですか?」と訪ねる娘の名は、世界忍者・宝忍ジャンヌ(凄い名前)。カナダで星占いを職業としている世界忍者であった。
ある日、占いで「ブラジルの日系人にあってパコの秘密を聞け」という卦を読んだジャンヌは、服部半蔵の子孫というある人物と出会い、徳川家康がパコを掘り出していたという情報を得る。しかし家康はパコの力を手に入れる事ができず、それを甲府の金山に封印。ジャンヌはその、パコの隠し場所とされる古地図を手に、山地家を訪れたのであった。
いったいこれは、何者かの罠なのか、歴史に隠された真実なのか……?
とりあえずジャンヌを匿い、哲山が裏を取ると、確かに家康が甲府の金山に出向き、直後に閉鎖されたという記録がある事が判明。ジャンヌへ対する疑惑は抱きながらも、彼女の事を信じたい闘破は、ジャンヌと一緒に甲府へと向かう事になる。
一方……
この情報を入手した毒斎の元に姿を見せる、水忍シルバーシャークと、化忍パルチス。金に目がくらんでケチな密輸グループと手を組んだばっかりにずんばらりんされたと思ったパルチスだが、「俺は変幻自在、不死身だ」とまさかの復活。
そしてパコを狙って来日した鉄忍ガメッシュ002は、宇宙忍デモストと接触し、手を組む事となる。
もともと鉄忍は登場時点で「一族」と明言されているので、一族のナンバー2がやってきた、という事なのでしょう。
甲府に向かう闘破とジャンヌ……相手が世界忍者という事で、闘破、容赦なく野宿を敢行。
「どうしたの、元気ないじゃない」
野宿が気に入らないんだと思います。
闘破の作った食事を見て、戦災孤児だった自分の境遇、今も内乱に荒れ果てた祖国への想いを吐露するジャンヌ。持ってきた話は如何にも怪しいが、しかしジャンヌは悪人には見えない……と迷っていた闘破、ころっと転がされる。
翌朝、ブラックセイバーの中で眠っていたジャンヌ(闘破は外で寝袋)は、シルバーシャークの襲撃を受けてさらわれそうになるが、そこへ駆けつけた風忍馬風破によって救われる。退却したシルバーシャークは、ガメッシュ002による手裏剣と落とし穴のコンボ攻撃を食らってリタイア。
古地図を巡って競い合う幾つもの忍者集団……実に忍法帖めいて盛り上がって参りました。
ところが、馬風破は馬風破で、「ジライヤは騙されている。この女は信用できない」と、捨てられた古女房みたいな事を言いながら、ジャンヌを抹殺しようとしていた。
そこに割って入ったのは……登別出張から帰ってきた雷忍ワイルド。
馬風破も大人げないぞ」
って、友達のように話しかけるのですが……たぶん初対面。
まあ、ワイルドだから仕方が無い。
ワイルドは、自分はジャンヌを信じているわけではないが、「しかしジライヤが信じるっていうんだから、それでいいじゃないか」と 相変わらずの適当ぶり 熱い友情パワーを発揮。馬風破は、「何があっても知らないんだからね!」みたいな感じでジャンヌを解放して走り去って行く。
「あいつはあいつで、おまえのこと、心配してるんだよ」
……って、馬風破、パルチスの変装だと思っていたのですが、素だったのか(^^;
声も違うし、変装の伏線だと思っていたのに。
先日も唐突に学を助けに現れましたが、本格的に何をしているのでしょうか。サイボーグなので飲まず食わずでも生きていけそうだからバイトに忙しいとかいうわけでもなさそうですし、毎日修行しながら「今ならジライヤに勝てる! ……いや待て、ジライヤもパワーアップしているかもしれないから、もうちょっと修行しよう。うん。あと一週間……いや二週間……念のために、もう3日…………よーし、今日こそジライヤに勝負を、いや待てよ? 今日の闘破は道路工事のバイトだった筈。疲れている所を襲撃して勝ってはどんな言い訳をされるかわからない。闘破の体調がベストなタイミングを狙おうじゃないか。そうだ、再来週なら確かスケジュールに空きがあった筈だし、よーし、このタイミングで今日こそ挑戦するぞ、って何どこの馬の骨ともしれない女を信用してるんだよ、まったく、俺が影からフォローするしかないな……」みたいな。
ワイルドを加えた一行は地図の示す金山へと向かうが、シルバーシャークが倒れた事を知りパルチスと妖魔一族がそれを待ち受ける。罠にはまり危機に陥るワイルドを救いに現れる馬風破、そして世界忍者の激しい乱戦に「みんなまとめて地獄に送ってやる!」と切り込んでくるガメッシュ002。
ジライヤ、ワイルド、馬風破、紅牙、烈牙、パルチス、ガメッシュ002
という、驚異の7人バトルロイヤル。
「みんな戦え! 戦って自滅しあうがいい!」
――そしてその戦いを遠くから見つめるデモスト。
混戦の末、パルチス&妖魔一族は撤退。馬風破はガメッシュ002を川に叩き落とすが、直後、自身もどこからともなく飛んできた手裏剣を受けて激流に飲み込まれてしまう。現場に残されたのは、見た事の無い手裏剣。ジライヤとワイルドは馬風破の無事を信じ、身を隠していたジャンヌを連れて、再び先へ急ぐ。
その頃、ICPOに裏を取っていた麗により、ジャンヌが話を聞いたという服部半蔵の子孫は、2年前に死んでいたという事が判明する。
やはりジャンヌは嘘をついていたのだ。麗をともない、急ぎ闘破のもとへと急ぐ哲山。だが毒斎の待ち伏せをワイルドに任せ、金山の奥へと入り込んだジライヤは、忍者装束に変身したジャンヌの不意打ちを受けていた。馬風破を倒した手裏剣、そして謎の光線技ダイヤモンドシャワー。追い詰められるジライヤだが、その時、復活した馬風破が駆けつけて窮地を救われる。
ジャンヌは祖国の子供達の為に、金でデモストに雇われ、ジライヤを金山へと誘い込んでいたのであった。3人は金山内部に閉じ込められそうになり、馬風破はなんとか脱出に成功するが、怪我をしたジャンヌを気遣ったジライヤは脱出に失敗してしまう。
「はははははは、どうだ、洞窟に取り残された気分は」
そこへ姿を見せる(イメージ映像?)デモスト。全ては、デモストの意趣返しを兼ねた計略だったのである。
「パコの在処を知るものはもう、磁雷神しかいない」
そして磁雷神を操れるのは現在、ジライヤのみ。脱出したければ磁雷神を呼び出せ、というデモストとの取引をジライヤは拒否し、デモストは洞穴内部に毒ガスを放つと去って行く。洞穴の壁は宇宙忍法によるものなのか、磁光真空剣でもびくともしない。このままでは二人とも毒ガスの餌食になってしまう……自分を最後まで信じ、裏切られてもなお一緒に脱出しようとしてくれたが故に、命に危機に陥ったジライヤを救うべく、ジャンヌは最終自爆忍法を発動。己の命を犠牲にして洞穴の扉を破壊し、ジライヤを外へと脱出させるのであった。後には、いつも身につけていた首飾りだけを残して……。
中盤、忍法帖的バトルロイヤルで盛り上がって、次々と参加忍者が減っていく展開だろうかとワクワクしたのですが、終わってみれば、非常によくある、単発ゲストヒロイン悲劇ネタ。
忍法帖的にも、盛り上がらず。
“お約束”を否定する気はありませんが、
〔偽情報をもたらす→重い事情がある→裏切る→主人公の思いに打たれる→自爆〕
というプロットは、さすがにもっとひねらないとまずい。あまりにひねりがないというのもありますし、ジャンヌの事情が彼女の“語り”だけで済まされて、視聴者の共感できる映像で表現されなかったのも痛い。こういう背景事情は、劇中で描写されなくてはいけません。
ひねり部分の要素として、世界忍者を大量出演させたのでしょうが、初参加の杉村升が全く各忍者を使いこなせず(^^;
馬風破もワイルドも、この使い方では勿体ない。
これなら登場忍者数を減らして、スポットを当てる忍者をジャンヌ+2人ぐらいに限定した方が良かったと思います。
ガメッシュは川落ちとして、シルバーシャークはこの話でリタイアしたとしたら、酷すぎなのですが……ジライヤが殺る気の時の磁光真空剣を受けて生き延びたのって、実は毒斎様除くと、シルバーシャークだけなのに。
また、別に変化の術が活かされるわけでもないのに、凄い適当にパルチスを復活させてしまったのは何故なのか。さすがにこれは後で何か使うと思いたいですが、今回に限ってはさして意味のない雰囲気数合わせで、よろしくない。
なお外部の戦闘は、毒斎率いる妖魔一族vs雷忍ワイルド&脱出した馬風破、になった所に麗と哲山が駆けつけ、
「やめろ毒斎、パコはここにはない! これはジャンヌの罠だ!」
「なに?」
「無駄な争いはやめろ!」
の一喝で、妖魔一族が撤退した模様。
説得に応じたというより、単純に戦力の問題、多分。
物語としては、「パコの在処を知っているのは磁雷神」という、非常に重要な情報がデモストの口から語られました。……目の光ったところ、まだ調べてないしなぁ(笑)
あと前回今回と、割と無理矢理めに麗が登場しているのは、最終盤へ向けて存在感を増す為か。