“幽霊”の名をもつ機械よ…… もし消えゆく人の痛みと悲しみが ほんのひとかけらでもわかるなら 力を貸せっ!
機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト (4) (カドカワコミックス・エース)
- 作者: 長谷川裕一,富野由悠季,矢立肇
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2013/06/24
- メディア: コミック
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前巻で登場したファントム、満を持して大暴れ編。
今作は主人公のモノローグを多用して、アクションに至るまでの流れ、“爆発の手前”、を描く事に力を入れているのですが、前巻の流れを受け、非常に熱い展開。
話運びから、MSファントムの能力/アクションから、もう完全に長谷川節なのですが、今作、『Vガンダム』演義の世界観と長谷川節が、改めて非常にはまっています。
原典『クロスボーン・ガンダム』をそれとなくなぞりつつ、新しい物語を展開していく、話運びの巧みさは実に見事。
『鋼鉄の七人』は原典『クロスボーン・ガンダム』に近すぎた為に、悪い形で上滑りしてしまい、結果的に蛇足めいた展開となってしまったのですが、今作は時間をジャンプする事により、原典から適度に遠ざかった所で長谷川節+『Vガン』世界が上手い具合に絡み、パスティーシュの達人としての長谷川裕一の本領が活き活きと発揮されています。……て、毎回これ同じような事を書いている気がしてきましたが、とにかく、そこがいい!
……まあほら、長谷川裕一は長谷川裕一なので、アクション面の作画を誉めるとか、どうしてもそうはならないので(笑)
“見せる”カットとかは、経験の蓄積もあってツボはきちっと押さえてくるので、ファントムの見せ場は充分に格好いいですが(MSとしてはだいぶ無茶ですけど)。
前回、美形キャラであった事が判明したジャックさんはますます面白いキャラになり、物語の先行きはますます楽しみ。
次巻も期待です。