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『仮面ライダー電王』感想13

◆第25話「クライマックスWジャンプ」◆ (監督:舞原賢三 脚本:小林靖子
「いいからちょっと来い。手が足りないんだ。クライマックスシーンにな」
パジャマ姿の良太郎、寝込みを侑斗に拉致される。目覚めた良太郎が見たのは……恐竜?!
「説明はあとだ」
スプレーを吹きかけられ、気絶した良太郎。それに近づくウラタロス……?
「ゆうべ……侑斗とデネブが来たような。……夢?」
自分の部屋で目覚めた良太郎だったが、やけに体の節々が痛い。違和感を覚えつつ部屋を出るが、ふすまに残る、謎の足跡……。
本邦初公開・良太郎の自室は、和凧がぶら下がっていたり、そこかしこから何かが下がっていたり、割と謎。そういえば良太郎の趣味などはここまであまり明かされていませんが……もしかして:凧コレクター……?
ミルクディッパーを訪れた侑斗に昨夜の事を聞こうとする良太郎だったが、そこに店の外で瓶を踏んで滑って転がったと称する羽虫Bが転がり込んできて、愛理は羽虫Bを連れて病院へ向かう事に。店に残された良太郎は、午後からの貸し切りの為に星の飾り付けをする事になり……愛理を見送った良太郎が店内に戻ると、にこやかなD侑斗が、手伝いを申し出てくる(笑)
「自分はあくまで侑斗だ」と、“友達作り大作戦”として侑斗に人助けをさせようとするデネブだったが……勿論、D侑斗である事は一目瞭然。しかしにこやかに良太郎を手伝うD侑斗の奇矯な行動(によるご近所での自分の評判)に根負けした侑斗、デネブを追い出し、自ら良太郎を手伝う羽目になる。
登場から7話を数え、乱暴でガキっぽくて突っけんどんでしかし何かを秘めている侑斗と、ボディも面の皮も厚くてオカン気質でおまけに心も強いデネブのコンビも板に付いてきて、物語の中の立ち位置も落ち着いてきました。
D侑斗時の無理な作り笑いが逆に面白い、というのは演出の妙。
またこのミルクディッパーのシーンで、
「苦くないコーヒー、研究しなきゃねえ」
「無駄だと思うよ」
と、常になく態度の硬い良太郎に愛理さんが苦笑を見せる、というのは、単純に良太郎が男友達に対して珍しく負けん気を見せているのを微笑ましく見ているとも取れるし、もしかたら当初“桜井さん”に対して良太郎はこんな態度だったのかもしれない……などとも想像できて、地味ながら作品に奥行きを作るいいシーン。
まあこの辺りは完全に個人的な想像で、今後劇中でどう語られるかはわかりませんが、あれだけシスコンでかつ保護者兼だった愛理さんの彼氏に対して、良太郎が最初から受け入れていたというよりは一悶着あったのではないか、リュウタロスはその辺り、部分的に当時の良太郎の鏡として演出されているのではないかな、なんてことは見ながら思っています。
(と、当たり外れとかではなく、想像させる、のが面白みを作るというもので)
一方デンライナーでは、ナオミの新作・ゴールドジェントルマンコーヒーを飲んだモモタロスキンタロスが、ジェントルな顔と人格に変貌していた。
「ハナさん……それは良太郎くんのドリームですよ、ドゥォリーーム」
……は、本筋と関係ないのでどうでも良くて(面白かったけど)、良太郎の夢?の話を聞いてデンライナーでウラタロスから事情を聞くハナだが、ウラタロスにも良太郎に憑いた覚えはさっぱりない。そして、「侑斗と一緒に行動するなんて山に釣りに行くようなものであり得ない」と至極納得の発言。代わりに侑斗から離れたデネブを拉致してくるハナだが、デネブにも良太郎の元に行った記憶はない……果たして全ては良太郎の夢なのか? それとも、誰も想像もつかないような事態が起こっているのか……?
「君、僕にはわかっちゃうよぉ。君、嘘つけんタイプやからねぇ」
なおキンちゃんはジェントルというより、変な客引きみたいに。
ミルクディッパーでは、嫌々手伝いをする事になった筈の侑斗が、案外ノリノリで妙に凝った星の飾り付けをしていた。
「もしかして……星とか、好きなの?」
「別に」
そこに先に荷物を置きに、貸し切り予約していた学生の一人、青木雅史がやってくる。雅史がイマジンの契約者である事に気付いた良太郎と侑斗は、店をハナとナオミに任せ、雅史の後を追う事に。雅史がスパイダーイマジンと契約した願いは、体が弱くて病床にある妹・真由に、星空を見せたいというものだった。病院からさらってどこかの鉄塔にでもくくりつけよう、とぞんざいに願いを叶えようとするスパイダーは真由を見舞っていた雅史を吹き飛ばすが、そこへ侑斗が駆けつける。しかし一緒に来ていて変身して戦う筈だった良太郎は病院の廊下で
「ごめん、クライマックスだから」
と、突然デネブにさらわれていた。
「あれ……野上?」
けしかけようとしていた良太郎がついてきていない事を知った侑斗、仕方なくゼロノスに変身する事に。なおイマジンラジオの最新情報で、ゼロノスの情報も既に共有されている事が判明。
「最初に言っておく。俺はかーなーり、機嫌が悪い」
ゼロノスvsスパイダーイマジンは、蜘蛛怪人といえば糸という事でか、今作では珍しいロープアクション混じりでなかなか面白く展開。地面に倒れたスパイダーを執拗に剣で叩きまくる所を、デンライナーから戻ってきたデネブに止められたゼロノスは、ヴェガフォームにチェンジ。
「最初に言っておく。……今日はもうさっさと終わらせて、帰りたい」
ヴェガフォームはいきなりフルチャージでスパイダー瞬殺。ヴェガは砲撃仕様かと思っていたのですが、大剣の必殺技も発動可能で、単純な上位互換? そもそもゼロノス/アルタイルフォームの大剣はなんか、侑斗が「でかい方が強そうで格好いい」みたいなノリで選んだ感じで、変に使い慣れていない雰囲気だったりしますが。完全に間違ってはいないけど、打撃武器みたいな使用法ですし(笑)
ゼロノスによってざっくり惨殺されたスパイダーイマジンだったが……良太郎の姿は消えたまま。
そして良太郎はなぜか、ゼロライナーで時間の旅に巻き込まれていた。
謎のライダーと戦うゼロノス、謎の忍者集団と戦うイマジン達。
「また、夢……?」
侑斗「言ったろ。クライマックスに手が足りないって」
そして岩盤を破壊して現れる、新たな時の列車……。
いったい何が起こっているのか?! 謎また謎すぎる中、次回へ続く。
どうやら色々と錯綜しているのは、映画版の仕込みの模様。


◆第26話「神の路線へのチケット」◆ (監督:舞原賢三 脚本:小林靖子
新たな時の列車、それは――
「あらゆる時間を支配できる列車……牙王ライナーだ。とにかくクライマックスにはおまえが必要なんだよ」
またもスプレーで気絶させられた良太郎、今度の良太郎に近づくのは、キンタロス……。
デンライナーでは、行方不明の良太郎を皆で心配中の所に、スパイダーイマジンが二つに分かれるタイプである事を知った侑斗が、良太郎を探して乗り込んでくる。そこへおかしな格好かつぼろぼろの状態で戻ってくる良太郎。
「侑斗、いったいどういう事?」
「なんのことだよ?」
「いきなりあんな、恐竜時代や江戸時代に連れていくなんて」
侑斗/デネブにさらわれ、ゼロライナーで時の旅に巻き込まれた良太郎だったが、病院でスパイダーイマジンと戦っていた侑斗には全く身に覚えが無い。
「ホントに何しようとしてるわけ?」
「何の事だか全然わかんないね」
お互いの不信感が募り、ハナ達も止められない、珍しい剣幕の良太郎は侑斗を追ってデンライナーの外へ。残されたのは、良太郎が置いていった戦利品の数々。
日本刀を振り回すリュウタロスは、まさに――キチ○イに刃物。
しかしいったい、様々な時間を旅行する事など出来るのか? そこへ現れたオーナーによると、“人の記憶に頼らず、どんな時間にも行ける方法”が一つだけあるという……だがその方法は失われた筈で、真相は謎のまま。
一方、愛理不在のミルクディッパーでは羽虫Aが学生達の集まりを合コンのノリに変え、売り子属性の高いナオミがウェイトレスを見事にこなしつつも、地獄コーヒーを振る舞っていた。
もう一体のスパイダーイマジンの襲撃を警戒し、病室の前で見張りをする良太郎と侑斗……を、廊下の隅から見つめる、もう一人の侑斗……?
だが、今回のイマジンはひと味違った。
スパイダーイマジン、送電線を破壊して大規模停電を引き起こし都会に無理矢理、星空を作り出す。
こいつは凄いぜ!
このイマジン史に燦然と輝く力業には、正直、感動しました(笑)
相手をベッドから動かすのが面倒ならばベッドから動かさずに星空を見せてしまえばいい――逆転の発想で契約を完了したスパイダーは、2001年11月18日、真由の6歳の誕生日へと跳ぶ。ぼろぼろの良太郎の姿にイマジンを任せるべきか躊躇する侑斗だったが、良太郎は過去へのチケットを自らその手にする。
「言ったでしょ、僕がやる」
良太郎はイマジンを追って過去へと跳び、病院を出る侑斗の前に姿を見せる、もう一人の侑斗――。
「おい良太郎、機嫌なおったんなら、俺にやらせろよ」
「うん、ごめん」
「ねえ! たまには僕もやりたい!」
「なに?!」
リュウタロスの横入りにより、Mさん、敢えなく変身できず(涙)
「おまえ倒すけどいい? 答えは聞いてないけど」
蜘蛛がどこへ行ったかはともかく、意外やガン電王と拮抗する射撃戦を演じるスパイダーイマジン。だが、物陰に潜んでいたゼロノスが背後からボウガンでスナイプ。ゼロノスの存在こそ確認できなかったものの、その展開に「もう面白くなくなっちゃった」とやる気を無くしたガン電王は、ソード電王にフォームチェンジ。
Mさん、おこぼれを頂戴する。
…………あー、あー、スタッフによるモモタロスへのイジメは、そろそろ文科省に報告を上げないといけないレベルだと思います。
「もっと早く替われこの馬鹿! 俺・参上!」
有り難くも出番を譲っていただいたMさん、弱ったスパイダーを滅多切り。しかしまあ、Mさんのチンピラバトルは徹底していて素晴らしい。カウンターでヤクザキックを炸裂させて地面を転がる相手に向けて「へへへへっ」と笑いながら襲いかかる、とかなかなか出来ません(笑)
「必殺――俺の必殺技、パート5!」
祝・18話以来、8話ぶりのクライマックス!!
スパイダーイマジンを倒して現在へ帰還した良太郎は真由の病室に向かうが、何故か侑斗も向かう。二人はともに、真由に星空を見せる為、希望ヶ丘へ連れていこうとしていた。
星空に歓声をあげる兄妹を見守りながら、星についての詳細な知識を披露する侑斗。
普段無愛想なのに、自分の好きな分野はやたら饒舌とか、ちょっとオタク気質なのか侑斗。
(桜井、侑斗……同じ名前……)
やはり、侑斗は桜井侑斗なのか?
「野上、正直おまえがあの状態で戦いに行くとは思わなかった」
「え?」
「それだけだ」
そして、口だけでも理想だけでもない良太郎の覚悟と行動に、良太郎を少しだけ認める侑斗。
――だが、クライマックスはまだこれからだった。
良太郎の前に突如ゼロライナーが姿を現し、中から出てきたデネブが良太郎をさらっていく。
「野上、頑張ってこいよ」
「なんのことぉぉぉ」
ゼロライナーから侑斗に手を振る、もう一人の侑斗。それは、
「俺は少し先の未来から来た。……かなりまずい事が起きてるからさ」
「まずい事って?」
デンライナーがハイジャックされた」
良太郎をあちこちで拉致していたのは、“少し先の未来からやってきた侑斗とデネブ”であった。二人は時の列車専門の強盗・牙王の野望を打ち砕く為に行動していたのだ。
「奴の狙いは、時間を支配できる神の列車だ」
「神の列車?」
「このままじゃ、全ての時間が消されるかもしれない」
「そんな」
「だから牙王を倒す。その為に、いろんな時間からおまえを集めていたんだ」
ゼロライナーが辿り着いた時間で、良太郎に憑依するリュウタロス。そして合流する、U、K、R、3人の良太郎。ゼロライナーは神の列車を手に入れた牙王を追い、1988年へと向かう――!
「けっこう面白い事になりそうだな」
果たして侑斗と良太郎達は、牙王の野望を砕けるのか?!
……と、映画版の内容と裏話を織り交ぜながらTVの1エピソードも展開するという、滅茶苦茶な話。
誉めてます。
物凄いハードルのアクロバットを華麗にこなしていて、このシナリオは、脚本家・小林靖子史上でも最高傑作候補ではなかろうか。
凄まじい出来。
もっとも私は、長石多可男監督が好きでTV本編見ずに劇場版見てしまった駄目な人なので、映画の内容がわかっていた上で非常に楽しめたというのはあり、そこがまっさらだとどのぐらい楽しめるのかは、ちょっと何ともですが。
なお劇場公開とのタイミングは、25話(7/22)、26話(7/29)、劇場版(8/4)。
完全にこれを前振りに劇場版へという流れで、非常に大胆な事をやっています。TVシリーズとしての評価となると、この後、映画を見に行かなかった人でも違和感なく楽しめる繋ぎになっているのか、という所がポイントになりますが。
なお来週、出来れば劇場版をレンタルしてきて、ライブ感覚でもう一度見るつもりです(笑)
劇場版、単独でも楽しめるレベルの傑作でしたし(レンタル期間中に3回見た)。
TVシリーズを見た上で見ると、また色々と見えてきそうですし。
貸し出し中でないといいなぁ。
というかこの流れなら、東映Youtubeで劇場版を流さないと駄目ではないか、という気もするのですが(笑)
で、脚本が凄かったですが、映像としてこのテンポでまとめた監督も非常に良い仕事。
予告からもっとギャグっぽい回かと思いきや(予告はむしろ、映画との絡みのシーンを見せないようにした結果、ああいう感じになったのか)、やりすぎない範囲でコメディ要素を挟みつつ、忙しく、かつ人物の入り交じる面倒な構成を一定のテンポで巧くまとめました。
25話冒頭の怪奇調演出とか、追跡シーンで長石階段が出てきたりとか、病室の廊下の望遠のカットとか、幾つか長石テイストな演出が入っているのは、映画のシーンが挿入される事なども踏まえて、意識的に演出ラインを寄せた感じか。
それほど好きでは無かったのですが、舞原賢三監督の株は凄く上昇。