◆GP−29「大翔ヲトメロ」◆ (監督:竹本昇 脚本:會川昇)
傷心旅行から帰還したヨゴシュタインは、キタネイダスとケガレシアの差し伸べる手を振り払い、害地目のパワーを注ぎ込んだ蛮鬼獣を誕生させる。
「我は悟ったナリ。他人の助けや協力、それが間違いだったナリぃ! 仲間と力を合わせるなど、炎神どもにやらせておくナリ。我は! 己の力のみを信じる!」
悪がヒーローに向ける定番の台詞に、きょとんと顔を見合わせるキタネイダスとケガレシア。
なんかおかしい(笑)
製造器から生まれたのは、これまでと全くノリの違う、機械的な反応の蛮鬼獣、ハンマーバンキ。
「せこいギャグなど不要!」
ヨゴシュタインはハンマーを連れて出撃し、その一撃はビル街を瞬く間に更地に変える……!
出撃したゴーオンジャーだが、圧倒的な強さを見せるハンマーバンキによって美羽が重傷を負い、激しく動揺する大翔。余裕を失い目が据わり、「ふしゅるるる」とか効果音を出しそうな顔になった大翔は、自分で崩して転がってくる岩石を受け止める、という謎の特訓を始める。
ハンマーバンキを倒す新たな力の為……と無茶な特訓を繰り広げる大翔は、美羽の看病をさせようとする走輔をボディ一発でノックアウト。
「大翔! 新たな力が何か知らないけど、君は、一番大切な事を忘れてるっす!」
「おまえらに教えられる事など、ない」
どちらかというと悪の幹部の勢いで、その場を立ち去る大翔。
シスコン全開で、怒りを通り越して錯乱気味の大翔を、役者さんが熱演。
一方、ヘルガイユ宮殿では、オーバーヒートで一時撤退していたハンマーバンキが再起動。
「破壊! 破壊! 破壊!」
遊びのない蛮鬼獣、我を失ったゴールド、同僚の思いやりを切り捨てるヨゴシュタイン、とそれぞれのこれまでに無かった姿を重ね合わせる、という面白い構成。
ガイアークの芸風を逆に利用する事で、兄のキレっぷりを補強する、というのが巧い。
大翔を連れ戻せずにぎんじろうに帰還した野郎3人は、目を覚ました美羽とポエール教官から、大翔の考えについて聞く。
「兄に、ゴローダーGTを、使わせないで」
ゴローダーGT、それは、ジャン・ポエール教官が開発した、凄まじい力を持った新兵器。大翔はそれを制御する為のパワーソウルの調整を進めていたが巧く行かず、現状では機動しても暴走してしまう。そこで、ゴローダーGTを使ってハンマーバンキを倒した後で、暴走したそれを自分で止める力を得ようと、岩石を受け止める特訓をしていたのである。
「暴走したら止めればいいんだ!」って、兄、割とかっ飛んだ発想。
連が美羽、ポエールと協力してパワーソウルを調整する事になり、ハンマーバンキ出現に4人は街へ。だが、一足早くその前に立ちふさがった大翔は、制御できないのを承知で、ゴローダーGTを起動。炎神キャスト並の大きさから人間大になったタイヤはハンマーを引きずり倒して吹き飛ばす!
「見たかぁ……俺の、怒りの力ぁ……!」
しかし、ゴローダーGTはそのまま暴走。止めようとしたゴールドも敢えなく吹き飛ばされ、巨大なタイヤは街に大破壊をもたらしてしまう。
「お前の怒りとやらは、人間共を傷つける力の事ナリか?」
嘲笑うヨゴシュタインの前でタイヤの下敷きになりかけるゴールドだったが、寸前、駆けつけた4人のゴーオンジャーがそれを食い止める。
「なにぼーっとしてんだ! さっさと手を貸せ!」
4人が必死にタイヤを押さえ込んでいる間に、立ち上がったゴールド、側面からの体当たりでゴローダーGTをひっくり返し、停止に成功。
「そうか……俺が忘れていたのは……」
妹を傷つけられた怒りから我を忘れ、独りでの戦いにこだわって見失っていたものに気付くゴーオンゴールド。
目の前で展開した熱い友情の力に同じく失っていたものを思い出すヨゴシュタイン。
ゴローダーの攻撃から立ち直ったハンマーバンキの損傷を心配して止めようとするヨゴシュタインだったが、破壊しか心に無いハンマーは上司を殴り飛ばして産業革命。そこへ青と銀が駆けつけ、炎神王G9チューンナップ。青は調整を済ませた新たなパワーソウル――闘魂ソウルをゴールドへと渡す。
……その名称は何か嫌がらせか。
「おまえの言う通り……俺は大切な事を忘れていた。武器が力になるわけじゃない。人と炎神、仲間との絆こそが本当の力になるという事を」
「もうゴローダーはただの武器じゃないっす。人と炎神の、魂が注ぎ込めるっす」
武器の力に溺れてはいけない・その力を道具としてだけ使うのではなくそこに魂を併せ持たせてこそ、という、どんな武器も使う者の心が大事、というテーマを、繋がった2人のやり取りで、同時に二つのアプローチで描く、という見事な会話。
一時期、個人的な諸々でちょっと會川昇にアレルギーが出ていた事があったのですが、今作・『アバレン』・『ブレイド』などの仕事ぶりを見ていると、『ボウケンジャー』抑えておけば良かった……とちょっと後悔。
「皆との絆を力に変える……闘魂ソウル、セット」
ゴローダーGTは巨大化すると、アクションモードを起動し、真の姿、人型ロボットへと変形する。軽業系のタイヤロボは華麗な回避からの連続攻撃でハンマーを圧倒。最後は再びホイールモードに戻り、G9からエネルギーを注ぎ込んで打ち出される合体必殺技・ゴローダーストライク、でハンマーバンキを滅殺。
……てこれ、ジャイアントローラー?!
『超力戦隊オーレンジャー』に、レッドがタイヤに乗り込んで、敵マシン獣を轢き殺す、という必殺武器がありまして、脈絡無くタイヤな上に、オーレッド1人で乗り込むため他の4人の存在理由が全く無いという凄い必殺武器だったのですが、そっくり(笑)
まあ今作は基本車の戦隊なので、タイヤには説得力がありますが。あと、ロボット時のタイプや動きは、タイタンボーイ(『超新星フラッシュマン』)、テトラボーイ(『超人戦隊ジェットマン』)の系譜か。
「ハンマーバンキ……我が分身が負けた……」
ヘルガイユ宮殿でがっくりと崩れ落ちるヨゴシュタインの肩に手を置く、キタネイダス。
「1人だけの力で勝てるなど、驕りゾヨ」
そしてケガレシア。
「これからも三大臣の力を合わせて、ヒューマンワールドをきたなくよごして、けがれさせまくるでおじゃる」
「我を許してくれるナリかぁ」
微笑み合ってスクラムを組み、改めて心を一つにする三大臣。
……なんか、おかしい(笑)
最近へたれてきた炎神王G9のテコ入れを主題にしつつ、ピカピカ兄妹の繋がりの深さを描き、暴走したゴールドが仲間との絆を見つめ、改めて走輔ばかりでなく、ゴーオンジャー5人を認め直す、というウイングスとジャーの関係をもう一度まとめ直したエピソード。また参加脚本家の中でも、會川昇が最もこだわって書いている“人と炎神の絆”という要素もしっかりと盛り込まれています。
その上で、ヒーロー側ばかりではなく、悪の組織が仲間の大切さを確かめ合うという奇跡の展開。
もう完全にこの路線で行くようですが、ガイアーク、面白すぎます。
また、ガイアークが、炎神アレルギーはあるようですが、ただのへたれな駄目組織ではなく、割と蛮鬼獣の性能は高いし、航空戦力も生きているし、三大臣は前線でまともに戦えばウイングスより強いし、とまだまだ侮れない、というのがいい所。
ヒラメキメデス編では、ゴーオンジャー&ウイングスの怒濤の戦力増強に押され気味でしたが、そういう点で今回、ハンマーバンキは意義のある活躍でした。
……ところで、今回急に物凄い強い蛮鬼獣をヨゴシュタイン様が作れたのは、放浪中に酒が抜けたからではないか。酒だ! 酒がみんな悪いんだ!
◆GP−30「友情ノパンチ」◆ (監督:竹本昇 脚本:會川昇)
大翔からゴローダーGTを預かる事になったゴーオンジャー、走輔がためしにスピードルの炎神ソウルをセットしてみると、巨大化したタイヤが「気持ち悪いぃぃ」と大暴れ。実はゴローダーGTには炎神のパワーを吸い取る性質があり、これが原因で、走輔とスピードルの関係が険悪になってしまう。
街に特殊ドリンクを飲んで様々な能力を発揮するストローバンキが出現。爆薬ドリンクによって放たれたシャボン玉爆弾によりビルが破壊され、人気取りに「ウイングス」を強調しながら人々を救援する金銀。
金銀が蛮鬼獣よりレスキューを優先する描写は恐らく劇中初だと思うのですが、(主に兄が)ランキングを気にしているのか、ジャーとの共闘に伴う変化、という意図的な描写なのか。まあランキング、兄が気にしなくても、妹が範人みたいな感じで、「兄のランキングを上げなきゃ!」とかやりそうだったりも。
蛮鬼獣は更にストロー乱れ打ちで一般市民にストローをくわえさせると、ストローを加えた人々の口から毒の霧が吹き出すようになってしまう。そこにジャーが駆けつけるが、満タンガンにチャージされるのを嫌がるスピードル(笑)
「いいから入れって」
「入って下さい、だろ」
「なんだよまだ今朝の事怒ってんのか?!」
「おまえを相棒に選んだことを後悔してるぜ!」
結局、残り4人で一斉射撃。ケガレシア特性のドーピングドリンク・ガイアクアを落としたストローバンキは煙幕を張って逃亡し、人々の口から毒霧ストローも外れる。皆で「大丈夫ですか?」と声かけをしている間、
「おまえがついていながら」
「すまない」
と黒と金が小ネタを挟んでおり、関係性の変化が描かれています。
走輔はたまたま現場に落ちていたガイアクアを拾い、成分を分析しようと連がキャップを開けた途端、炭酸入っていたのか、噴き出したガイアクアが両者の顔にかかり、途端、豹変する2人。
「やりますかー、香坂さん」
「ああ、やろうぜ、走の字」
急に乱暴になり、服装から安いチンピラ化した2人は、ガイアーク保険説明会を開催。ブザーを鳴らすとゴーオンジャーが助けに来る、と偽り、集まった主婦層からお金をまきあげる。
「ヒーローがお金を取るの?」に対する、「物価が上がって彼等も大変」という返しが、リアルネタで泣けます(笑)
そう、ヒーローも、たまには肉が食べたいんだ!
黒「正義の味方が、詐欺なんかやっていいと思ってんのか!」
青「正義の味方なんか飽きたんだよ。俺たちは、悪い事がしたくなったの」
赤「好きな事をやって、何が悪いのです。そこを、どきなさい」
そう使うか(笑)
2人を止めようとするスピードルとバスオンのブレスさえ投げ捨て、次の悪事へと向かう走輔と連。
その頃、三大臣は心を一つに合わせてガイアクアを大量生産していた(笑)
走輔と連は黒板を引っ掻いて宝石店から宝石を奪っていくが(強盗シーンはギャグ風味で誤魔化し)、慌てて駆けつけた美羽がゴールドカードで支払ってフォロー。「これは何かの作戦なの?」と問う美羽に、走輔は戦利品の中から指輪をプレゼントし、喜んでしまう美羽。
「まー貰ってやってもいいかな、なんて」
いやそれ、実質的に買ったの貴女(笑)
ちょろい……。
続けてやってきた大翔のパンチで連はノックダウンするが、走輔は華麗なスウェーバックからサマーソルトキックを放ち、なんと大翔を撃退。
「走輔、格好いい……」
「美羽、どっちの味方だ……」
打撃の影響か効果時間か連は正気に戻り、2人の豹変がガイアクアの影響であった事を知る面々。ガイアクアには悪の心と力をパワーアップさせる効果があり、もともと正義一直線で悪への耐性が無い上に、大量のガイアクアを浴びてしまった走輔は、暗黒パワー全開で強化されてしまったのだ。
ス「走輔の野郎……簡単に悪に染まっちまいやがって。あいつの正義は、こんな簡単に裏返っちまうものだったのかよっ」
金「人間はもともと、悪に惹かれやすい。正義も時に、簡単に悪に変わる」
黒「だからこそ、正義を守るヒーローが必要なんだ!」
「正義のヒーロー」と「正義」を守るヒーローをさらっとかけて、何よりヒーロー自身こそが、己の「正義」を守らなければいけない、という話で、相変わらず、ヒーロー論を小刻みに入れてきます。また、それが作品総体としての押しつけではなく、キャラクター個々の信念と繋がっているのが、いい所。
果たしてどうすれば走輔を止められるのか……思い悩む面々だが、ストローバンキの反応に出撃。立ち直った連に、「殴ってでも止めたかった」と声をかけるバスオンの姿に、1人取り残されたスピードルは「走輔の、ばかやろう……」と力なく呟く。
ヒラメキメデス編でウイングス登場の煽りを受けてスポットの外れていた炎神達を、人格変化ネタと絡めて改めて焦点を当てる、と今作は本当に、スポットライトのバランス配分がよく出来ています。
ビルの屋上(ここ後でポイント)から眼下の人々にまとめてストロー乱れ打ちを放とうとするストローバンキの前に、走輔を欠きながら立ち塞がるゴーオンシックス。
「あんたのお陰で走輔が格好良く……」
「え?「え?「え?「え?」
銀の衝撃発言に青が満タンガンを取り落とすなど、今回は小ネタがノリノリ(笑)
「美羽……」
はい訂正、やり直します。
「変になっちゃったんだからね!」
だが今回こそガイアクアを吸収したストローバンキはドーピングで超強化、6人の攻撃を軽々と受け止めて弾き返すと、内側からは決して破壊不可能なバブル結界の中に6人を閉じ込める。
黒「諦めるな! 走輔がきっと来る!」
金「あいつの正義の心は消えない…………多分」
その頃、噂の正義の男は、マッハでコショウを振りまいて、銀行強盗中だった(笑)
走輔の熱い正義はこのまま失われ、今度こそ刑務所送りになってしまうのか。
「走輔が居たって駄目だ。あいつは弱いんだ。簡単に悪の心に染まっちまった。あんな奴、俺の相棒じゃねぇ」
「スピードルは、走輔が強いから相棒に選んだの?」
黄昏れるスピードルに、痛烈な一言を浴びせるボンパー……てまさかここでボンパーさんまで拾ってくるとは!
「そうじゃない……あいつの、熱い正義の心を感じたからだ!」
「だったら、どうしてそれを信じられないんだ! ボンボン!」
札束を手にほくそ笑む走輔の前に、走ってくるタイヤ。ゴローダーGTは人間大の大きさのまま、アクションモードに変形する。
「江角走輔」
「……喋った」
「目を覚ませ、おまえの中にある、正義の炎を、もう一度燃え上がらせるんだ!」
「ふん、正義など、知った事ですか」
「この……馬鹿やろぉ!!」
伝統の、ジャスティス鉄拳制裁!
歯を食いしばる間もなくゴローダーパンチを受け、土手を凄い勢いで転がった走輔は、自分の中に呼び覚まされる熱いものを感じて正気を取り戻す。同時に、苦しむゴローダーの姿に、その中身がスピードルである事に気付く。
「スピードル……おまえ、スピードルだな!」
そう、スピードルはエネルギーを吸収されて苦しいにも関わらず、自らの拳で走輔の心を取り戻す為、敢えてゴローダーGTの中へと入ったのであった。殴って解決……というのは若干大雑把でしたが、前回の今回で、文字通りに“魂のこもった拳”というのは面白い所。そして器(キャスト)の使用が限られる炎神が、リスクを冒してでも直接相棒と触れあおうとする、というのは異種族間の友情の表現として巧い。あと細かい所では、ゴローダーとスピードルをちょっとした声音の違いで演じ分けている、プロの技に感心。
「走輔……俺もおまえも、弱い時がある。だけど弱いから、相棒が必要なんだぜ」
これまで、“炎神の力を借りて戦う”事に対し、“ヒューマンの相棒が居るから炎神はこれまで以上に強くなれる”という事を描いてきた今作ですが、ここで、“そんなヒューマンを炎神が支える時もある、それが相棒だから”と、構造がもう半回転。
怯える炎神たちを走輔たちが立ち直らせる15話(ヒラメキメデス初登場回)の合わせ鏡となりました。
閉じ込めた6人をいたぶっていたストローバンキは、爆薬ドリンクでまとめて始末しようとするとが、その時、 風を切るJPカード! じゃなかった、走輔のコインがドリンクを吹き飛ばして破壊する!
久々のコイン、ヒーロー演出に。
そして、ビルの屋上に姿を見せたのは、空飛ぶタイヤの上に仁王立ちの走輔。
流れ出すOP(インスト)。
「みんな、待たせたな! 行こうぜ、相棒!」
「ドルドル!」
ストローを弾き飛ばし、そのまま空中でダブル変身し、地上へと降り立つ一人と一体。
文句なく格好いい。
「マッハ全開! ゴーオンレッド!」
「勇気満タン、ハイウェイスター! 炎神スピーーードル!」
「「真っ赤に燃えるスピードキング! 俺たち、ゴーオンマッハ組!!」」
コンビ名は、微妙。
にしても、あのタイヤの着ぐるみで、名乗りの回し蹴りが出来るとは。
「行くぜ、スピードル!」
「おうよ、走輔!」
ゴーオンレッドとゴローダー:アクションはドーピングしたストローの元へ飛び降り、この飛び降りるシーンでコーラスの「ゴーオン!」を入れて、2番からは歌詞が入る、と完璧。
竹本監督、これは素晴らしい仕事。
おまえは右 俺は左
若さの十字路 喧嘩もするけど
同じ痛み 感じた時
同じ行き先を 地図に刻もう
涙のトンネル抜けたなら
チューンナップ 絆よ燃え上がれ
マッハ組は見事な連携でストローに連続攻撃を浴びせ、最後はタイヤアタックをレッドが打ち込んで撃破。6人は解放されるがストローは産業革命し、スピードルがエネルギーを使い果たした為、残りのキャストで戦闘に。久々にそれぞれバラバラでの攻撃から、青空王と頑張王に繋ぎ、最後はW必殺攻撃で撃破。ちゃんとバスオン怒りのアタックには他より尺を取り、『ゴーオン』のロボットは弱体化は早いけど、忘れ去られないで継続使用されているのはいい所。
また、6人がただ助けられるのではなく、最後に走輔とスピードルをフォローする、と構造的にも美しく着地しました。
こうしてストローバンキは倒れ、二人のヒーローは正気に戻り、走輔と連はまずは保険詐欺への返金から、謝罪回り。美羽が支払った宝石店はともかく、銀行強盗はどうか……という感じですが、高度に政治的な圧力が上からかかったのか、或いは、これも間接的なガイアーク犯罪であり、そんな事件は公式には存在していないのか……。
殴って解決、は若干どうかという思いがあったのか、オチはナレーションで「昔の学園ドラマみたい」とでややメタに(笑)
今作、炎神にナレーションを持ち回りさせる事で、それぞれ炎神が埋没しないように調整しているのですが、これもコンセプト的に非常に巧いところです。
いやー、名作回。
幾つもの要素を見事に組み合わせ、普段どうしても手の回しようがないボンパーさんにまで見せ場を用意した上で、クライマックスを抜群に格好良く締める、と、シナリオと演出が噛み合い、お見事。特にちょっとギャグ寄りかと思われた演出が、Bパートのクライマックスであそこまで盛り上げてきたのは、やられました。
今作、8話の壁、というのが長らくあったのですが、クライマックスバトルの格好良さと盛り上がりに関しては、今回、超えたかも。
そして本当の最終盤のハードルが、また上がった(笑)
次回、多分あの人が本気出す。