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『機動刑事ジバン』感想3

とりあえず、最初の扇澤脚本回である8話までは見て行く予定。
◆第3話「へんな男とおばけ野菜」◆ (監督:岡本明久 脚本:杉村升
町中で、野菜や果物が増殖して巨大化するという異変が発生。課長命令で少年野球のコーチ中だった主人公・直人は、異変の現場に踏み込んだところ、レモンの洪水に飲み込まれ、更に笑うレモンを目撃。おまけに、奇妙なガスを吹きかけられる。レモンばかりでなく、タマネギ、カボチャ、ありとあらゆる野菜や果物が、勝手に転がり、集まり、ガスを噴出し始める……。
「課長、これはバイオロンの仕業に間違いありませんよ」
女刑事の横で堂々と口にしていますが、課長には「バイオリン?」とスルーされており、どういう扱いだったか、バイオロン。
街は瞬く間に巨大化した野菜とその発する有毒ガスに埋め尽くされ、ガスマスクを装備して野菜を回収しようとする刑事達だったが、動き回る野菜に翻弄され、更にはカボチャの吐き出した強酸で倒れる警官、と間抜けな絵面に対して、割とハードな展開(笑)
この現象はごく一部の地域に留まっている為、早晩収束するだろう、という政府の見解に、「全くこれだから、見通しの甘い凡俗どもは度し難いッ!」と憤る小学生ボス・まゆみちゃんは、高性能コンピューター・ボーイに、野菜の流通経路を調べさせる。
そして勿論、その背後には、バイオロンの恐るべき陰謀があったのだ。
「見ろ、愚かな人間ども。バイオロンの恐ろしさを思い知ったか!」
「さっすがギバ様。野菜で街一つを占領しちゃうなんて、もう、とんでるぅ!」
「やがて野菜が東京を覆い尽くし、毒とガスで誰も住めなくなる。無血占領とは、まさにこの事だ。はっはっはっはははははは……!!」
秘書に持ち上げられて高笑いするギバ様。いつ見ても、ただれた組織バイオロン。
前作『世界忍者戦ジライヤ』における山路哲山の吹き替えは非常にぴったりだったのですが、ギバ様の飯塚昭三による吹き替えは全くあっておらず、どうしてこんな事に、レベルの激しい違和感。役者さんが日本語ほとんど出来なくて、適当に口を開閉しているだけだったり、下手すると英語で喋っている所に強引に日本語あてているのだろうか……といった感じです。
一昔前なら大月ウルフのイメージなんだろうなぁ、というドクター・ギバの見た目のインパクトは面白いのですが。
怪しい野菜の流通経路を追った直人と女刑事は、辿り着いたビニールハウスの奥で奇妙な装置を目撃するが、怪しげなヘッドギアをつけた男の攻撃を受け、女刑事は気絶、直人はビニールハウスの外へ投げ飛ばされてしまう。男は直人を追って外へ出るが見失ってしまい、その背後に迫る鋼鉄の手。
……何故、主人公の登場シーンなのにホラー演出(笑)
ジバンは超音波発生装置を破壊し、男は逃亡。回収したカボチャを分析した直人は、それが特殊な遺伝子改造を受け、ある種の超音波によって巨大化、毒ガス噴出などをするようになる事を突き止める。一方、ペットの文鳥を追って危険地域に戻ってしまった子供達が、地中から伸び上がった、巨大な電波タワーを目撃した事でバイオロンに捕まってしまう。その事を直人に知らせたまゆみも捕まってしまうが、アジトに連れ込まれる寸前、地上に発信器を落としていくまゆみちゃん、超優秀。
バイオロンの計画は、初動作戦で特定地域から住人を追い払った後、そこに建造した巨大な電波タワーにより、超音波を増幅。日本中にばらまかれた野菜が一斉に増殖し、列島は瞬く間に毒ガスの海に沈む……という恐るべき物であった。
「じゃあ、後は頼んだわよ。私達、こういうじめじめした所、苦手なのよ」
子供達に説明するだけ説明して帰る秘書ず(笑)
3話にして、物凄く大がかりにして周到かつ有効な作戦なのですが、これがバイオロンのピークなのでは、と心配になります(笑) 何が優れてるって、既に下準備が完全に終わっているという手際が素晴らしい……!
作業着から軍服風衣装に着替えた男はいよいよ作戦を最終段階へ移そうとするが、まゆみちゃんの落とした発信器を頼りに、アジトを見つけ出したジバンが壁を突き破って強襲する!

「警視庁秘密捜査官警視正・機動刑事ジバン!
対バイオロン法第一条・機動刑事ジバンは、いかなる場合でも礼状なしに、犯人を逮捕する事が出来る。
第二条・機動刑事ジバンは、相手がバイオロンと認めた場合、自らの判断で犯人を処罰することが出来る。
第二条補足――場合によっては抹殺する事も許される」

手帳を男に突き付け、読み上げながら迫るジバン、というえらいホラー演出。ジバンのメカメカしい喋り方も恐怖を濃くします(^^;
ジバンはサーチバスターを放ち、光線を浴びた男は、ドロノイドの正体を現す。外道照身霊波光線みたいなものでしょうか。
「おのれぇ、貴様に邪魔されてたまるか! 日本中を野菜だらけにしてやる!」
ドロノイドは人間体は地味なおっさん、正体もシンプルかつ茶色という地味なデザインながら、意外や派手なワイヤーアクションを展開。
「どうしたジバン! 貴様の力はその程度か!」
しかも何故かあおる(笑)
意外な強敵だったドロノイドだが、唐突な逆襲から「マクシミリアンソード・ジバンエンド!」でざっくりデリート。戦闘の導入が思わぬ盛り上がりだったので、もう少し成り行きつけてほしかった所で、勿体ない。
かくしてバイオロンのアタック・オブ・キラーベジタブル大作戦は失敗に終わり、子供達も助かり、文鳥も帰ってきて大団円。最後に「野菜食おうぜ!」アピールして啓発的に終了。
1・2話の酷すぎるイメージが強かったからかもですが、意外と、面白かったです。敵の作戦が大がかりかつ馬鹿馬鹿しかったのが、良かった。
改めて3話まで見てみると、悪の組織が大規模な犯罪を行って、メタリックなヒーローが正面からそれを叩き潰す、というストレートな構図は、初期シリーズへの意識を感じると共に、前年の『仮面ライダーBLACK』(1988)の流れもあるのかもしれません。
一方で、主人公がストレートに格好いい系ではなく、熱い正義漢だけど抜けた所の多い2.5枚目(『ジライヤ』主役であった山路闘破寄りといえる)、というのは変身後の鬼畜ロボット刑事とのギャップを狙った面もあるのでしょうが、どこかちぐはぐ。その辺りが馴染んでくると、またちょっと変わってくるか。