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『特捜戦隊デカレンジャー』感想34

◆Episode.47「ワイルドハート・クールブレイン」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:武上純希
連続行方不明事件が発生し、現場で稲光が目撃されたという情報に率先して捜査に乗り出す、ホージージャスミン
その様子に、嫉妬に狂うバン(笑)
「あの2人のコンビって珍しいよねぇ」
首をひねるウメコだが、実は地球署が出来た当初は、ホージージャスミンが主にコンビを組んでいたのだった。聞き込みを行う2人は、11人の被害者が全てエスパーである事を確認。前夜の被害現場で、ヒーリング能力の持ち主だった被害者が治療した花をジャスミンがリーディングし、浮かび上がる犯人の姿……それは2人の予測通り、2人にとって因縁浅からぬアリエナイザーであった。
「やっぱり奴か」
「デリートされた筈なのに」
そこを強襲する、ダイナモ星人テリーX。
「おまえ達も、あいつみたいに再起不能になりたいか?」
頭に血が上った2人はテリーXにあしらわれて危機に陥るが、仲間達が駆けつけ、テリーは退散、事なきを得る。だが、完全に冷静さを失っているホージージャスミンは2人だけでテリーXを追ってしまう。
事の起こりは数年前、まだウメコもバンも配属されておらず、デカスーツも配備されていなかった頃の地球署。
テリーXにより今回と同じくエスパーをプラズマ化して乾電池に変える事件が発生し、それを追っていたホージージャスミンが捕まってしまう。その2人を助けたのが、当時の地球署のエースにしてデカレッド候補だった刑事、ギョク・ロウ。見た目ライオン丸のギョク・ロウは2人の救出に成功するが、アジト大爆発の際に2人をかばって足に大けがを負い、デカを引退。その事に責任を感じている2人は、爆死したと思われたテリーXの再来に、我を失っているのであった。
ここまで特に触れられてこなかった地球署の過去が語られ、デカレッドの配属が遅かった理由は、先代候補のリタイアの為と判明。最終盤という事もあり、幾つかの要素を繋げてきました。
テリーXが造り出す高出力のエスパー乾電池・プラズマXを買い取っていたのは、宇宙警察に復讐しちゃうぞビッグイベント準備中のエージェント・アブレラアブレラエスパーだけではなく普通の人間もテリーXの能力で乾電池に変えてしまえるフィルターを渡し、それを手に街に繰り出したテリーXは次々と人間を乾電池へ変えていく、と、割と大殺戮?でこれも最終盤ぽい展開に。
連絡を受けて現場へ急行した青と黄は、今度は最初からSWAT変身、バン以外の仲間も到着するが、気持ちばかり逸る2人はチームワークを乱し、逆にテリーXに追い詰められてしまう。
その時、響く叫び声。
「だらしないぞ、ホージー! ジャスミン!」
そこに立っていたのは、地球署を離れて以来、全く連絡の取れなくなっていた松葉杖姿のライオン丸であった。
「2人ともなんてザマだ! ハートは熱く持て! しかし頭は常に冷静沈着に保てと教えたのを忘れたのか!」
怒りのあまり自分を見失っているホージージャスミンの為、ヌマ・O長官に詰め寄ったバンが、ギョク・ロウを地球へと連れてきたのである。尊敬する先輩刑事の叱責に、落ち着きを取り戻すホージージャスミン
「そうだ、俺達あの日からどんな時も、クールで居ようと決めたんだ」
……て、
作ってたのか、ホージーぃ?!(笑)
あー、なんか今、全ての謎が解けた気分です。
そうか、ホージー、スーパークールは、一生懸命、キャラ作り、だったのか。
47話目にして、ホージーに関して、かつてない納得。
これは武上純希が素晴らしい仕事をしました(笑)
完全に後付けですが、今、ホージーに関するほぼあらゆるもやもやが解消された(笑)
度々、ホージーの発言に対してジャスミンとセンちゃんが生暖かい視線を送っていたけど、あれは小馬鹿にしているわけでも何でもなくて、心からの優しいまなざしだったのかッ!
「燃えるハートでクールに戦う……それが私達のやりかた」
そして更に、OPナレーションの


「S.P.D――スペシャルポリス・デカレンジャー。燃えるハートでクールに戦う5人の刑事達」

に繋げる形に。
「久しぶりに怒鳴られて、目が覚めましたよ」
冷静さを取り戻した2人は、鮮やかなコンビネーションで反撃を開始し、その逆転に快哉を叫ぶバン。
「よっしゃあ! いつもの感じを取り戻したぜ! ね!」
「それより2代目。こんな所でぼんやりしてていいのか?」
「あーーーっ、ロジャー!」
バンもSWAT変身し、その突撃を見つめるライオン丸、と、過去と未来を鉄砲玉がその熱血ゆえに繋ぐ事に成功する、という良いコンセプトの話。
6人の一致団結したコンビネーションが決まり、追い詰められたテリーXは、プラズマXの力で巨大化。するが、ここまでが苦戦展開だった為、デカウロボが圧倒。
ダイナモ星人テリーX、あなたは既にデリート許可が下りてるわ!」
というわけで、ざっくりファイナルバスターで宇宙の塵となるのであった。
「これにて一件コンプリート」
「ホットなハートで、クールに決めたぜ」
実は玉露さんに長い間連絡が取れなかったのは、落ちぶれて引きこもっていたわけでも電話料金を滞納していたわけでもなく、ある秘密任務についていた為だった。それは、全宇宙のスペシャルポリスから選抜した、新たな特殊部隊の設立。
「名付けて、SPDファイヤースクワッド――いわば、赤い特凶です」
ヌマ・O長官、使えない特凶に見切りをつけ、どうやら密かに組織再編を目論んでいた様子で、長官の肩書きは伊達ではありませんでした。
「クルーガー先輩、二代目デカレッドを俺に預けてくれませんか」
そしてその新設部隊に、バンがスカウトされる……と、アブレラさんのビッグイベント以外の引きネタも入れて、今回は良かった。