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『特捜戦隊デカレンジャー』感想37

◆Episode.50「フォーエバー・デカレンジャー」◆ (監督:竹本昇 脚本:荒川稔久
「負けるもんか……闇に潜んで悪を蔓延らすおまえらなんか、絶対に滅びる。正義は絶対勝つんだぁぁぁぁぁ!!」
バンの咆吼→ドアップからいつものナレーションに各人のアップを合わせる、省略OPが格好いい入り。
ヌマ・O長官にアブレラの罠を伝えようとするホージーだったが、強力な通信妨害により連絡を取る事ができない。生身で魚類たちに追い詰められていく5人だったが、その時、空気を裂く鋼鉄の牙!
マーフィー、生きてたーーー!!
途中、存在が消失していた事など忘れ去るような、マーフィー奇跡の大活躍に魚類がひるんだ隙に、5人は一時撤退して分散。外ではテツが、必死な顔でデカウロボを操りデカベロボと交戦中。テツの必死な顔は、必死感が物凄く伝わってきて、正直少し笑えます(おぃ)
一方、カプセルで脱出したスワンは、デカベースが占拠されたという状況を知る。
「完成したばかりのあのシステム……ドギーだけは知ってる筈なんだけど……」
死地を逃れたとはいえ、変身も出来ず、外部との連絡も取れず、迫り来る魚類とメカ人間に追い詰められていくデカレンジャー。そしてこのままでは、宇宙警察の主力艦隊がアブレラの罠によって宇宙の藻屑と消えてしまう。
この状況を打開する方法は無いのか……ボスの最後の言葉を思い出し、ボスが伝えようとしていた事に活路を見いだそうとするジャスミンは、落ちていたDソードベガを発見。それをエスパー能力で読み取る事で、スワン部屋のマーフィーの小屋に、デカベースの全コントロール権をスワン部屋へ移し替える隠しシステムのスイッチが設置されている事を知る。
Dソードベガを読み取ると、
血なまぐさいジェノサイドヒストリー精神を破壊される
のろけのスイートメモリー全く役に立たない
を危惧したのですが、そんな事はありませんでした。
ここで、5人の中ではボスと最も関係の深いジャスミンが関わる、というのは良かった所。また、前回ピンチ演出だったDソードベガの落下が、逆転へのキーになるというのも、鮮やかに繋がりました。
センちゃんと合流したジャスミンはスワン部屋を目指そうとするがスキーラに見つかってしまい、逃亡中にセンちゃんシンキング。2人は配電室へ向かうと停電を起こし状況を混乱させ……ではなく、照明の明滅を用いて仲間達にSPDシグナル(モールス信号的な暗号通信)でスワン部屋の秘密を伝える。
特殊技能−特殊性癖と来て、特殊チームらしい通信。
そして外では、アブレラ操るデカベースロボ相手に、テツが奮闘を続けていた。
「諦めろ、勝敗は見えている」
「ナンセンス!」
スーツ無しなので、Gで肋骨の2、3本折れていると妄想してみると、かつてなく格好いいぞテツ!
勝手に色々フラグ立ててみたけど、
死ぬな!
ベース内部では、SPDシグナルを読み取った、バン、ホージーウメコがスワン部屋へ向かっていたが、通路を警戒するガニメデに行く手を阻まれてしまう。ここでウメコ、必殺のバスタイムでガニメデを眩惑(笑)
「宇宙警察地球署、胡堂小梅ちゃんは、早替わりもだーい得意って、知らなかった?」
3話の台詞と重ねているのですが、まあそもそも、変装もあまりしなかったという(笑)
ウメコがガニメデを足止めしている間に奥へ向かうバンとホージーだったが、ウニーガがその前に立ちふさがる。ホージーは射撃で弾いた小石でリフトのスイッチを入れるという超曲打ちを披露すると、ウニーガを引きつけて食い止める。スワン部屋へ向けてリフトを上昇していくバンに向けて、渾身の思いを込めて叫ぶホージー
「後は頼んだぞ、相棒!!」
「へ? この野郎……相棒って言うな!」
スワン→ボス→ジャスミン→セン→ウメコ→ホージー……そしてバン。チームの絆とプロフェッショナルのスキルが繋がり、今、バンを起死回生の一手へと近づけていく。
各人の特技を生かしながら話を転がしていく、鮮やかなAパート。いや良かった。
誤解を招きそうな表現を敢えて使いますが、
こういう『デカレンジャー』が見たかったんだ!!
という展開。
デカレン』はもっと敵のハードルを高く設定して、それをプロフェッショナル達が鮮やかに突破していく姿を描いていく展開で良かったのではないか、と思うところ。その辺り、全体としてはかなり意欲的な構成を組みつつ、戦隊シリーズとしてのお約束を突き破りきれなかったのかな、と(戦隊はロボ戦などノルマも厳しいのですが)。
最終回に至る流れとしては、それぞれが成長しているからこその究極のチームワーク……という描かれ方になっていますが、序盤の各キャラの台詞などを鑑みるに、『デカレン』って本来はもう少し初期から完成度の高いチームを描くコンセプトだったのではないかなぁ、とは、勝手に期待していた部分も含めて思う所です。
落ち着いた能力を発揮するプロフェッショナルのチームに、バンという刺激物が加わり、刑事としての能力は少々劣るけど、その熱い魂と行動力で周囲の人々を動かし、チームを変えていく……という感じだったのではないかと思うのですが、3−4話でバンとホージーの対比に失敗、デカマスター事変、真エリート登場、と色々あって、「正義は勝ぁつ!」に軌道修正。
結果として、バンの半人前扱いが基本設定から消え去り、チームとしては、全員がフラットな5人+1の若き刑事達の成長物にシフトした感があります。
そう考えると、48話のバンのやたらな上から発言は、“作品の中でのバンの立ち位置がいつの間にか変化していた”のだろうな、と。初期のバンの立ち位置を考えると急に階段の上から見下ろしている感じなのですが、途中でバンがもっとフラットな関係に置かれている(劇中の関係性ではなく、作中の存在として)と思うと、性格的にあの発言は納得のいく範疇のものとなります。そのシフトが視聴者に伝わっていたかというと、少し微妙な感じはありますが。
「正義は勝ぁつ!」以後の『デカレンジャー』が悪いというわけでは全くなく、ただ、私が今作に対してどこか引っかかっていたもやもやの正体が、この最終回でようやく判明しました。私はつまり、こういうプロフェッショナルな『デカレンジャー』の幻影、をどこかで追っていたのだなぁと。
……つまり、プロフェッショナルについて過剰な期待を抱かせたスーパークールでパーフェクトな人が悪い(笑)
しかしあの人は、キャラ作りだった事が判明したので、あまり責められない(笑)
作品としては、最終回だからこそ、という構成になりましたが、見たかったものが見られた、というのも含め、この展開自体は非常に良く、ホージーさんのネタも含め、軽い軌道修正を物語として凄く上手く収めた、と思います。
外部では決死の奮闘でデカベロボの破壊活動を食い止めていたテツが、デカバロボをオートモードで特攻させ、デカバイク、遂に殉職。だが、デカバロボの大爆発もデカベロボに傷を負わせる事は出来ず、宇宙警察主力部隊がアブレラの罠にはまる時間が、刻一刻と近づいていた――タイムリミットは、残り1分!
「俺がきっちりアンカー務めさせてもらうぜ!」
チームの仲間達を思い浮かべながら、スワン部屋へ向けて通路をひた走るバン。
ちゃんとマーフィーの事も思い出してくれました(笑)
だがその前に、イガグリ先生率いるメカ人間軍団が立ちふさがる。魚類三羽がらすに追い詰められていく仲間達、超必死のテツ(笑) 闇に潜む悪を砕き、宇宙に正義を吠える為、バンはメカ人間を蹴散らすと、イガグリ先生の体を踏み台にした反動蹴りでスワン部屋のガラスを突き破って突入。遂に隠しスイッチの起動に成功し、デカベロボのコントロールを取り戻す。
バンは長官に通信を送って宇宙警察艦隊の制止に成功し、意気上がる4人は反撃開始。ホージーさん、決め技となったアッパーでウニを吹き飛ばす。あわや成仏寸前だったテツの前でデカベロボは変形を解除、デカベース状態へと戻り、コックピットのアブレラの元へと飛び込むバン。
「見たかエージェントアブレラ!」
「おのれぇ! 変身も出来ない状態で、この私を出し抜いたというのか!」
「変身できなくたって、みんなバラバラだって、俺たちの心は一つだ!! エマージェンシー!!」
ラストで分割展開を行うと、別にひねらないで良かった……と割となりがちなのですが、かなり上手い展開。この辺り、前年の『爆竜戦隊アバレンジャー』がパーティ分割クライマックスとしては正直大失敗レベルだったのは、いい肥やしになったか。
流れとしてバンのファイヤースクワッドへの異動ネタが入っていた事で、それぞれのスキルがチームワークとなって繋がるという展開から、バンの決めの台詞が、より盛り上がる事にもなりました。正直、繋ぎにくいテツを、割り切って外で孤軍奮闘させる事により、“本当は優秀だったテツ(が更に計算を越えた力を出す)”を描写する事も出来、そこもうまく転がりました。
デカレッドはラッシュ攻撃からアブレラを飛び蹴りで外に叩き出し、同様に転がってくる魚類三羽がらす。このまま分割したままでも充分盛り上がったかと思いますが、ここでの収束も綺麗。
テツも合流し、勢揃いする6人のデカ。
「エージェントアブレラ、おまえの野望もここまでだ!」


「ひとつ、非道な悪事を、憎み!」
「ふたつ、不思議な事件を、追って!」
「みっつ、未来の科学で、捜査!」
「よっつ、良からぬ宇宙の悪を!」
「いつつ、一気にスピード退治!」
「むっつ、無敵がなんかいい!」
「S.P.D!」
「デカレッド!」「デカブルー!」「デカグリーン!」「デカイエロー!」「デカピンク!」「デカブレイク!」

「「「「「「特捜戦隊・デカレンジャー!!」」」」」」

ここで流れるOP。
そう、静かな地球を取り戻すため、悪の匂いを逃がしはしない。熱い拳を握りしめ、闇の力の息の根を止める! 燃えるハートでクールに戦う、それが、スペシャルポリス・デカレンジャー!!
「私は幾つもの銀河を滅ぼしてきた。こんな辺境で、やられはしない!」
「そいつはどうかな。みんな行くぜ!」
「「「「「ロジャー!」」」」」
ここではそれぞれ、黄・桃vsスキーラ、青・緑vsガニメデ、ブレイクvsウニーガ、赤vsアブレラ、とマッチアップ。
「お金の為に人の人生を奪う奴等に!」
「私達は、絶対に負けない!」
イエローとピンクのステッキ捌きがスキーラを切り裂き、
「生きる為に、一番大事な事がなんなのか!」
「おまえらには、わからないだろう!」
ブルーとグリーンの怒れる打撃がガニメデを砕き、
「それは勇気と! 愛と!」
ブレイクの拳がウニーガを吹き飛ばし、
「正義を信じる心なんだぁーーー!!」
レッドのジュウクンドーがアブレラを貫く!
ツインカムシュート、ブルーフィニッシュ&グリーンクロス(珍しい、青と緑のコンビ攻撃)、ソニックハンマー(テツ、まさかの1人でウニ撃破)が次々と魚類軍団を葬り去り、ハイブリッドマグナムがアブレラを追い詰める。
「レイン星人アブレラ、銀河消滅及び、惑星間戦争における大量殺人の罪で、ジャッジメント!」
お約束のジャッジメントタイムなわけですが、ここで○が出たらいっそ笑えるなぁ、とちょっとドキドキ。
そして宇宙最高裁判所の判決は……デリート許可。
「私を倒して終わりと思うな。この宇宙に人類がある限り、絶対に犯罪はなくならない! 誰の中にも、私と同じ欲望があるのだ!」
「それでも俺たち信じてる。宇宙に生きているみんなの中に、正義の心だって永遠に燃え続けてるってな。それが有る限り、悪の栄える未来はないんだ!」
途中、完全にスクラップ置き場行きだった事など無かったかのようにこの最終盤に活躍を見せたマーフィーが召喚され、アブレラさん、まさかのDバズーカでデリート執行、ここに、宇宙犯罪史上に名を残す稀代の武器商人は、辺境の地で灼き尽くされるのであった。
辞世の句 浜の真砂は尽きるとも 世に犯罪の種は尽きまじ
ごっちゅう!
ラスボスになるとはさすがに思いもよりませんでしたが、それほど際だって格好いいわけでも貫禄があるわけでもないデザインを、台詞回しと指先の動きのダンディズムなどで魅せ、一風変わった面白い悪役でした。金儲けを目的にしていた悪の組織/ラスボスというのはこれまでも存在しましたが、あえて組織を持たず、黒子に徹するというのも、面白く機能。
敗因は、表に出て挑発しすぎた事……引いては、プライドを取ってしまった事でしょうか。やはり、金にこだわるなら、誇りなど1円にもならないと最初から切り捨て、常に生き延びる事を優先しないといけないのです。
アブレラをデリートした喜びで、思わずボスへと通信してしまうウメコ。だが、そこから聞こえる声はない……。
「そうだ、ボスは……もう……」
「ボス……」
「泣くなよジャスミンウメコ。泣いたら……天国のボスだって……悲し……」
だがその時、
「誰が天国だって……?」
もはやなんの説明もなく、スワンさんに肩を借りながらであるものの、ボス、しれっと復活(笑)
「みんな……よくやってくれた。おまえ達6人が、宇宙最大のピンチを救ってくれたんだ」
「俺たちだけじゃないっすよ。ボスや、スワンさんや、みんなが居てくれたからです」
ここで調子に乗らないで、さらっと周囲への感謝を述べられるのは、バンの成長がすぱっと描写されました。
「ねえドギー。この子たち……とうとう宇宙一のチームになったわねぇ」
「そうだな。俺は、おまえ達を誇りに思う」
全員を順々に抱擁していくボス……ウメコ、ホント小さい(笑)
かくて一つの悪は滅びた。この世に犯罪の尽きる事は無いかもしれない、だが、正義の心もまた、永遠に燃え続ける。宇宙の平和と人々の暮らしを守る為、熱いハートでクールに戦えデカレンジャー

「これにて一件コンプリート」
メガロポリスはぁ……」
「「「「「「「「日本晴れぇ!」」」」」」」」

ここから、OPテーマをバックに、後日談。
テツ、正式に 特凶を追放 地球署に配属。
「気取らない性格ですので、相棒、って呼んで下さい」
「「「「ナンセンス」」」」
から、メンバーそれぞれの、活躍シーン。
ウメコの尺がやや長め?でマーフィーまで出ているのは多分、竹本監督の、愛(笑)
そしてバンは、宇宙のどこかでファイヤースクワッドとしての任務についていた。
……嫌だなぁ、この赤い軍団(笑)
「一気に行くぜぇぇぇ、エマージェンシー!」
と、警察ものなので、彼等の任務は続く……というエンド。
大雑把に言うと、『ウルトラマン(セブン)』+《レスキューシリーズ》+戦隊、といった感じの作風でしたが、キャラクターが魅力的で楽しい作品でした。当初はキャラクターの出来上がりに対して、物語面でのもたつきもありましたが、なるべく前後編を止めてすぱっと1話完結で収めるようにしたり、横手美智子の参加などで締まり、若干の路線修正を感じさせつつも、綺麗にまとまったと思います。
個人的にはもうちょっと、色々な脚本家を試してみてほしかった作品ではありますが、その辺りどうしても、リアリティバランスの難しさがネックになったか。
最終回は、見たかったものが見られて、非常に大満足。その他、構成面の話や、思いついたことなどあれば、まとめで。