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『仮面ライダーキバ』感想2

◆第2話「組曲・親子のバイオリン」◆ (監督:田崎竜太 脚本:井上敏樹
知っているか! アメデオ・モディリアーニとは、1884年生まれのイタリアの画家である。肖像画と裸婦画を好み、顔と首を長く描く独特の表現が特徴的である。
愛好するモディリアーニの解説から入るキバットさん(笑)
洋画家の解説をバックに前回ラストの戦闘を振り返る、という物凄い入り。
そのナレーションのまま、キバは背後からの狙撃を弾き、去っていく。モデル女はその写真とキバの登場を上役(過去に登場した嶋さん?)に報告。家に戻った社会不適合変質者の方では、ニスの実験に失敗。父親がヴァイオリン造りの名人であった事が明かされ、不在の間に女子高生が勝手に受けたヴァイオリンの修理をする事に。
1986年――女性ヴァイオリニストばかりを狙うファンガイアを倒す為、麻生ゆりは次のターゲットになりそうなヴァイオリニストのマネージャーとして密かにその警護にあたるが、そこで、変質者と再会してしまう。
「運命って、やつだな」
ナンパ男の名は、紅音也。かつて有名なヴァイオリニストだったが今は一線を退き、彼女の専属コーチを務めていたのだった。
嶋(1986)の髪型がなんか不自然だったのは、22年間の歳月の差を出す為か。で、1986年でやたらに体脂肪率を気にしているのと、2008年でウェイトトレーニングしているのが、キャラクターとして繋がっているという事なのかしら。
2008年――穴の空いたヴァイオリンの修理に最適な古い木材を探す渡と女子高生は、蕎麦屋の看板を勝手に切り取ろうとして見つかり、逃走。社会不適合変質者から、まごう事なき犯罪者へと坂を転がり落ちようとしていた。
にしてもあっさり、マスクとゴーグルは止めたのか(^^;
むしろどうして、1話であんな無理をしていたのだろうレベル。
続けて、喫茶店の店頭に飾ってあったテーブルが気に入り持ち去ろうとするが、そこは例のモデル女が常連の喫茶店で、身柄を確保されてしまう。
「君、いったいどういう生き方してんの?」
「渡のお母さん」発言で擁護に回った女子高生も撃墜されて機能停止し、店内が微妙な空気になる中、なんとか口を開いた渡は、店長に直球でテーブルの天板を無心。……どうやら、知らない人とコミュニケーションを取るのが苦手な天才肌タイプ、といった感じの模様。
女子高生はモデル女にごく真っ当な説教くらって黙り込んで涙ぐんでしまうなど、ごくノーマルな世話焼きで、今のところあまり良いキャラとは言い難いですが、もう少し変化ついてくるといいなぁ。逆に、涙ぐまれて追撃しきれないモデル女の根っからきついわけでもない、という描写になっているわけですが。
1986年――コンサート会場から姿を消した女ヴァイオリニストが公園で響かせるヴァイオリンの音色に誘われた男が、捕食される。女ヴァイオリニストはファンガイアのターゲットどころか、この事件を引き起こしているファンガイアそのものだったのだ。彼女をガードするつもりでその後を追っていた麻生ゆりは武器を引き抜いて対峙するが、そこに割って入る紅音也。
「よせ! 俺の為に争うな! 2人同時に、愛してやる」
馬・鹿・だーーーっ
何が凄いって、「馬鹿だーーー」としか、ツッコミようがないのが凄い(笑)
良くも悪くも、世界が一瞬、マンガのコマみたいに制止した、恐ろしい破壊力。
ヴァイオリン女はタコに変身し、ゆりと戦闘開始。
公園の噴水池の真ん中にギリシャ風舞台?があるという印象的なロケーションなのですが、噴水池の中で派手な格闘戦。というか、凄く普通に怪人と格闘戦していて恐ろしい。ゆりの鞭の一撃がバイオリンを壊し、タコはそれを拾って逃走。蜘蛛も馬もそうでしたが、食事さえ済めば、あまり目の前の敵を倒す事にこだわりは無い様子。
「やれやれ。これでやっと二人きり。だよな?」
「あんた、どうかしてんじゃないの?」
人間からファンガイアへの変貌を目の当たりにしても平然としている音也はゆりからキ○ガイ扱いされるが、「俺は君の事しか、見ていない」と言いつつ、ゆりがベルトに収めた武器をこっそり奪う手癖の悪さを発揮。
そして、逃走し、人間の姿に戻ったバイオリニストの前に立ちはだかる音也。
「許せねえな。おまえ、音楽をなんだと思ってるんだ」
音也はゆりから拝借してきた特殊警棒でタコ怪人と華麗に戦闘するが、結局は逃げられてしまう。
2話で多少は背景(というか思考回路)が見えてくるのかと思ったら、むしろどんどん謎になっていく音也ですが、まああれか、早川健*1とか静弦太郎*2みたいな生き物だと思えばいいのか。
2008年――渡が修復したヴァイオリンを受け取りに来たのは、22年前に麻生ゆりと紅音也が取り逃がしたあの女ヴァイオリニストだった。
女がヴァイオリンを奏でると、その音色に誘われるように撮影現場を後にするモデル女。
「可愛い子……よく来たわね」
タコファンガイアの牙がモデル女に迫るが、渡が屋敷で奏でるヴァイオリンの音色がタコファンガイアのそれと混じり合い、誘いの調べを断ち切る。正気を取り戻したモデル女は特殊武器を構え、ここで「おまえの母にも、世話になったな」と、過去と未来の女戦士の血縁関係が言明。
……お母さんはファンガイアを取り逃がしすぎではないのか。
まあ、ファンガイア相手に決定打になる装備を持っているのかわかりかねますが、決定打も無しに戦いを挑むほど、無謀でもないだろうし、母の不始末の蹴りを頑張って娘がつけようとしているのか。
それにしても、母娘揃って、よく吹っ飛びよくしばかれ、よく転がり回って大変そうです。
前年のヒロインが確かに打撃系でしたが、あくまで日常パートの扱いなので、女性キャラが生身で正面から怪人ときったはったするというのは、色々やってきた平成ライダーでもかなり独自ラインでしょうか(戦隊・メタルヒーローも含めて考えれば、とても珍しいというわけではないけど)。
2人の交戦にヴァイオリンの弦の震えを感じ、バイクで出撃する渡。
た ぶ ん 無 免 許
どう考えても教習所に通えたと思えないですし。きっとキバット辺りが、こども銀行券みたいなドリーム免許を渡してその気にさせている。
キバとタコの戦いは、ハーレー系という異色デザインのキババイクに対し、足が車輪に変形したタコとのハイスピードバトル。最後は月面野球キックが炸裂し、今回もぱっくんちょ。そして怪獣城の中では、OPに居た3人の男がチェスを打っていた……。
もう少しファンガイアやキバの背景を出していくのかと思われた2話ですが、ひたすら謎だらけ。渡と音也の職業と、麻生母娘の関係がはっきりした以外は、さっぱり見えてこないどころか、むしろ謎が増えました(^^;
音也は86年の仮面ライダーかと思っていたのですが、作品の味付け考えると、どうもそうではない感じ?
渡のキバへの変身が少しファンガイアっぽいのも気になりますが、コウモリがモチーフなのは、そういう事かしら。
タコファンガイアがヴァイオリンにこだわっていた理由は特に描かれませんでしたが、あれはミステリ要素というより、怪人も、人間的執着を持っている、という事でしょうか。先を見ていかないと何ともですが。
次回、告訴?

*1:快傑ズバット』主人公

*2:アイアンキング』主人公