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『機動刑事ジバン』感想11

◆第14話「愛の大逆転ゲーム!」◆ (監督:小西通雄 脚本:藤井邦夫)
休日、公園でまゆみちゃんといちゃいちゃバドミントンに興じていた直人は、落とし物の財布をねこばばしようとする駄目父と、それを止めようとする真面目な小学生の息子、という原田家のやり取りを目撃する。
日曜朝のお茶の間を挙動不審にさせる展開を果敢に突っ込んでくる藤井邦夫ですが、だらしのない父と誠実な子供の取り合わせ、というのは次作『特警ウインスペクター』第7話の雛形でしょうか。こうなると、この更に原型もありそうですが(時代劇パターンでもありますし)。
その頃バイオロンは、これまでの戦闘データからジバンの弱点を分析していた。秘書達の挙げたその弱点は、「子供に優しい」「秘密基地のメカと連絡を取れないと戦力激減」の二つ。
……確かにレゾン、多分ジバンより強いから。
決定打に欠ける回答に不満顔のギバ様だが、そこにバイオロン怪人キラーノイドが登場。
「ジバンの一番の弱点は、ヤツ自身、メカである事」
「その通りだキラーノイド」
教師みたいです、ギバ様(笑)
かくてバイオロンは、ジバンのコンピューターを狂わせる作戦を立案する。
バイオロンが再びジバン抹殺に照準を定めている頃、妻を亡くして安アパートで寂しく暮らす原田家では、父が息子の貯金箱から小銭をかき集めて酒を飲みに外に出ていた(^^; パトロール中に、公園で寂しく泣いている少年を目撃した直人は父親を連れ帰る事を約束して少年を家へ帰すが、少年は秘書ズによって誘拐されてしまう。直人が赤提灯で飲んだくれていた父を確保して家に帰ると、少年は当然不在。現場に落ちていた靴と、付近で発生している大量の子供行方不明事件から、バイオロンが絡んでいるのかもしれないと秘密基地へ向かう直人だが、その背後では、「誘拐犯人を目撃した」と語る秘書ズが、原田父にジバンの写真を手渡していた。
駄目父をどう物語に絡めて立ち直らせるのかと思ったら、割と積極的な組み込み方をしてきました。
そういえば始祖たるギャバンも、誘拐犯の汚名を着せられて社会的に抹殺されそうになっていたなぁ。まあジバンの場合、闇の公権力がバックについているので、社会的に抹殺するのは難しそうですが。多分そういう事をした日には「犯人はジバンではなくてこの男です」と別件で逮捕された犯罪者が罪を着せられてスケープゴートにされそう。怖いよ対バイオロン委員会。
秘密基地では、ジバンを呼ぶ怪電波が傍受されていた。大量の子供達を人質に取り、時限爆弾を仕掛けたというキラーノイドの呼び出しに応じて横浜の倉庫に向かったジバンだが、まんまと秘書ズに誘導された原田父に「息子を返せ」と組み付かれた所にキラーノイドの電磁波光線を浴び、コンピューターに大ダメージを受けてしまう。ジバンと連動している3大マシンも電磁波の影響を受けて召喚する事が出来ず、大ピンチに陥るジバン。
「子供に優しい」「秘密基地のメカと連絡を取れないと戦力激減」だけでは落第としつつも、作戦にしっかり組み込んである、ギバ様の優しさ(笑)
(ちなみに、駄目父の子供が誘拐されて……と似たプロットを辿る『ウインスペクター』第7話では、父親が子供のために一発では男気を見せず、主人公に説得されてようやく犯人との取引現場に向かう、ともう一ひねり加わっています)
原田父をかばい、更にダメージを受けたジバンは、敵のターゲッティングも出来ず、倉庫の外に吹っ飛ばされてしまう。
「どうしたらいいのボーイ?! どうしたらジバンのコンピュータが元に戻るの?!」
「時間はかかりますが、こちらからジバンにキーワードを送り、メカを刺激して回復させるのです」
「教えてボーイ! そのキーワード」
「キーワードは、愛…ということば…です……」
「愛?」
電磁波の影響でボーイも遂に沈黙。まゆみちゃんは、何故か秘密基地のコンソールパネルに用意されていた、
のボタンを連打しまくる。
「お願いジバン、甦って」
まゆみちゃんは非常に真剣で必死なのですが、物凄く狂った絵に。
標的を見失ったジバンは、武装も起動せず更なる危機に陥っていた。加えて、人質の元に仕掛けられた爆弾はキラーノイドと連動しており、キラーノイドを倒すと子供達が吹き飛んでしまう……と念の入った仕掛けであった事が判明。攻撃手段を完全に失うジバンだが、調子に乗ったキラーノイドは遂、聞かれるがままに子供達の監禁場所を話してしまうミステイク。だが、ジバン絶体絶命の状況に変わりはない。
その頃、ボスは愛を乱打していた。
基地のモニターに浮かぶ、


愛 愛 愛 愛 愛 愛 愛
LOVE LOVE
がちょとサイコ気味。
……いやまあ、そういう、緊急復帰システムなのでしょうが。
「ア……イ……? あい……コンピュータに届く、この言葉はなんだ」
またも吹き飛ばされたジバンは、おずおずと顔を出した原田父と接触するが、戦闘員に囲まれてしまう。そこへ車で突っ込んでくる先輩(倉庫へ向かう際にジバンとすれ違って追いかけていたという伏線あり)。怪人相手には何の役にも立たないものの、二話連続で先輩がジバンを助ける活躍。ようやくポジションが落ち着いてきましたが、序盤の悪印象が強すぎて、まだ払拭されるには遠い(^^; 後はもう少し、頭使う描写があると良いのですけど。
なんだかんだで戦力としては信用していないのか、子供達の監禁場所を伝えるでもなく、原田父を洋子に任せて逃がし、キラーノイドへ立ち向かうジバンだが、引き続き大苦戦。合間に会話シーンなどは挟んでいるものの、Bパート入って延々続くかなり長い尺での戦闘シーンという事もあり、両者がトタン屋根の天井を突き破ったり、なかなか派手で凝ったアクション。
ボスは引き続き、16連射中。

愛 愛 愛 愛 愛 愛 愛
LOVE LOVE
AMOR AMOR
LIEBEN LIEBEN
かなりサイコです。
「あい……愛……さっきから僕のこのコンピューターに打ち込まれる、この言葉はなんだ」
だが、まゆみの必死な願いとともに、その狂気な電波は確実にジバンの元へ届いていた! 若干ノイズ気味に感じていたジバンだが、キラーの剣が迫ったその時、愛の力がヘビーメタルのボディを満たす。
「愛・まゆみちゃん!」
色々と問題視せざるを得ない発言と共に、コンピュータが復帰したジバンはターゲット認識にも成功するが、キラーノイドの攻撃で工場の屋根から地上へ落とされてしまう。
「ジバンを倒した!」
だがそこへ、走り込んでくるレゾン。
「ここは、このレゾンに任せろ」
レゾン、格好いいゾ(笑)
ジバンの落下位置に駆けつけて走り去ったレゾンが、大ダメージのジバンを回収したと思いこんで後を追うキラーノイドだったが、それは陽動で、ジバンはその間に子供達を救出。そして、レゾンの運転席が無人である事に気付いたキラーノイドの背に突き刺さる銃弾。
対バイオロン法第一条・機動刑事ジバンは、いかなる場合でも礼状なしに、犯人を逮捕する事が出来る」
人質の子供達がどうなってもいいのか、と高圧的に迫るキラーノイドだったが、既に子供達は救出済み。
「まんまとレゾンの罠にかかったなキラーノイド。我々のコンピューターは既に、正常に戻ってるんだ! ――第二条・機動刑事ジバンは、相手がバイオロンと認めた場合、自らの判断で犯人を処罰することが出来る」
さあ、お仕置きの時間だ。
周囲に現れた雑魚の十字砲火を浴びるも、ジバンはそれを圧倒。思うに洋子先輩は、警察(対バイオロン委員会視点)における戦闘員の立ち位置だと考えると、あらゆる意味で正しい扱いの気がしてきました。
「第二条補足――場合によっては抹殺する事も許される」
飽きられないように手を変え品を変え愛・連打を挟みながら、長々とジバンの苦戦を描いてきた事により、この大逆転は格好良く盛り上がりました。キーワードであった「愛」とかはあまり関係なく、本来ジバンが持っていた、ポテンシャルとしての格好良さですが(笑)
キラーノイドが剣使いなので、ちょっとしたチャンバラの後、ジバンエンド。この事件がきっかけで原田父は心を入れ替え、真面目に働く事を決意。そして直人は、まゆみちゃんといちゃいちゃするのであった。
時間の大幅な進行なしにBパートずっと戦っていた、というのはなかなか凄い。適度に別のシーンを挟みながら場所移動を繰り返し、雑魚を交えてみたり天井を突き破ってみたりと単調にならないように変化を付けながら長大な戦闘シーンを維持する事で、最後の逆転劇の盛り上げに繋げたのは綺麗にはまり、前回・今回は、小西監督がいい仕事。物語ともしっかり連動し、アクション的には充実の一編でした。
次回予告から問題になっていた「愛」ですが、いっそ清々しいほど、何が愛だったのかは語られず。エピソードのテーマとしては「親子愛」なのですが、原田父が土壇場で見せた息子への愛情がジバンに影響を与えたわけでなく、親子愛とジバン復活の愛は全く繋がっていません(^^;
万能用語としての便利使いを通り越して、五十嵐博士の用意した緊急復帰システムが純粋に頭おかしいという、マッドサイエンス。
“これは人を愛し、正義を守り、祖父の狂気に弄ばれる、若者と少女の心のドラマである”