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『仮面ライダーキバ』感想11

◆第15話「復活#チェックメイトフォー」◆ (監督:長石多可男 脚本:井上敏樹
前作『電王』で、序盤の傑作3−4話、劇場版、最終3話、と要所要所を締めた長石監督が『キバ』参戦! 時間移動は西暦のテロップ表記と、かつてなくざっくり圧縮(笑)
1986年――ゆりがやってきて、音也はあわやモザイクの危機を回避するが、イクサナックルを次狼に取り返されてしまう。一方街では、がたいのいい男が「罰ゲームだ……俺は俺に罰を与える!」と叫びながら電線を掴んでひっくり返ったと思ったら、声をかけてきた通行人を「退屈だ。何か面白い事はないのか」と捕食していた。男はファンガイアであり、その手の甲には、塔を思わせる入れ墨が刻まれていた――。
さすがに入院した音也は、結果的にイクサの人体実験のサンプルに。
やたら広めの個室ですが、恐らく、SSS会(世界を素晴らしき青空にする嶋護の会)の息のかかった病院だと思われます。
一応見舞いに来たゆりさんを、懲りずにナンパする音也。
「病名は――恋の病だ。特効薬は――おまえだ」
「あなたの病名は――馬鹿だ。馬鹿につける薬はない」
2008年――渡と静香は川で溺れそうになっていた記憶喪失の大男を拾って家に連れ帰る事に。
箸の使い方もわからず手づかみで食事しようとする、まるで赤ん坊のような大男にほだされた2人は成り行きで面倒を見る事に。
「体が大きいから……大ちゃん」
1986年――ファンガイアに見つからないように、ガード下で地道に日銭を稼いでいる力とラモン。種族最後の生き残りである事を相当気にして生きている様子ですが、どうにも、後ろ向きです(^^;
そんな中、人生を明るく前向きにする為に子作り計画を推進する次狼は、自分以外のウルフェン族が殲滅された日の事を思い出す。それを行ったのは、右手の甲に塔の入れ墨が刻まれた男……ゆりの母親の仇と同一人物であり、セルフ高圧電流デスマッチのファンガイアであった。
「桜か……美しい。タイムプレイの始まりだ」
塔の男は時計のスイッチを入れると、次々とピンクの服を着た人間を襲撃。この情報にゆりは囮作戦を決行し、襲撃を受ける寸前まで行くが、塔の男は時間切れで攻撃を中止。
「俺は俺に罰を与える」
再び、自ら電線を掴む男(笑)
また新しいMが出てきました。
そして道に倒れた所に声をかけてくれた通行人を捕食……とても、困ったファンガイアです。
囮作戦の途中に音也を見舞って、要望に応えてなんだかんだであーんしてあげるゆりさん、根はいい人というか、病人には優しい。……さすがに、母の形見にして、所属組織がどう考えても未完成で人体実験中のイクサシステムが原因に見えるのを、気にしているのかもしれませんが。
塔の男は、宝くじ売り場を見ていて思いついた、新たなタイムプレイを開始。
「おいおまえ、宝くじで3000万以上当たった事あるか」
ハードル高!
「は? なんなの? ナンパのつもり?」
さすが、今作で最もモテる女、麻生ゆり。声をかけてくる男は基本的にまず、ナンパフォルダにドロップします。その後で、男が母の仇、復讐の相手だと気付くゆりだったが、タイムプレイ中の男は別の標的を求めて姿を消してしまう。
そして……当たった人、居た!
「ゲームクリアだ。俺は俺に、ご褒美を与える」
2008年――渡のバイオリン作りを手伝おうとして余計な手出しをして怒られた大ちゃんは、自転車のチェーンが外れて困っていた女性を助ける。大ちゃんを探しに来た渡を背負って家に帰るシーンでの、満開の桜並木が、如何にも長石監督。
1986年――塔の男は、甘味食べてた。
ここまで“変態”寄りの多かった今作ですが、ここで力強く“キチガイ”が登場し、塔の男はいちいち面白すぎます。
「最高だ」
「見つけたぞ。母さんの仇!」
だがそこへやってきたゆりが、容赦なく甘味を破壊。怒った男の攻撃でゆりは気絶し、駆けつけた次狼は、その男が自分の復讐の相手でもある事に気付く。
「貴様ぁ……チェックメイトフォーのルークだな」
ファンガイアの姿を露わにする、塔の男・ルーク。そして次狼も、狼の姿へと変じ、両者は激しくぶつかり合う。
2008年――頭痛に苦しんで紅家から姿を消した大ちゃんは、ファンガイアへと変貌し、その正体は、ルーク。
ルークファンガイアは、両肩に旗が立っているワンポイントがお洒落。
ブラッディ・ローズの響きに渡は出撃し、キバット変身。いきなりガルルセイバーを召喚し、ここから1986年と2008年がシンクロして戦闘。
激怒演技が素晴らしく格好いい次狼はイクサに変身するも惨敗。キバの方もやはり惨敗。ルークが凄まじい力を見せつけて両者大ピンチ――という所で、以下次回。


◆第16話「プレイヤー#非情のルール」◆ (監督:長石多可男 脚本:井上敏樹
キバを追い詰めたルークは頭痛で撤退し、1986年では次狼が逃亡。捨て置かれたゆりさんはイクサナックルを拾い、ルークは新たなタイムプレイを開始する……。
2008年――勝とうが負けようが戦闘の事はすっぱり忘れる渡、前回助けた定食屋の娘と再会し、蕎麦打ちに興味を持った大ちゃんが、アルバイトとして働き始める事に。大ちゃんと娘さんは何となくいい感じになっていき、菓子折持って「大ちゃんを、くれ!」と紅家を訪れるお父さん。外堀から定食屋の跡継ぎにされそうになる中、大ちゃんは噴水の音に刺激を受けて、記憶の一部を取り戻す……。
1986年――次狼は退院した音也の前に現れ、協力を要請。今度の敵がゆりの母親の仇だと知った音也は、それを受け入れる。
相容れない2人の男の間に立つ、公立朝日病院の看板の使い方が素敵。
敵はファンガイアの頂点に君臨するチェックメイトフォーの1人、ルーク。自らにルールを科した殺人ゲームを行い、成功すれば褒美を、失敗すれば罰を、自分で自分に与えながら永い時を生き続ける、桁違いに強く、そしてイカれたファンガイア。
この難敵を打ち破るべく、孤独な狼と変態音楽家は即席コンビを組み、まずはゆりからイクサナックルを回収。音也がゆりさんを首筋チョップでさっくり気絶させるのですが、2人揃って、気絶したゆりさんを道に放置とか、扱いが割と雑だ(笑)
麻生ゆり、敵どころか味方にまで、叩かれずにはいられない女(ちょっぴり不幸)。
2008年――喫茶店を訪れた渡は、恵が調べていた未解決ファンガイア事件の資料の中に、大ちゃんが口にした「赤いタイルの噴水」の写真がある事に気付く。そこは1986年にルークが暴れた場所であり、タイルについたルークの爪痕を目にした大ちゃんは記憶に刺激を受けて苦しみだす……。
恵さんは15−16話における登場シーンがこの、資料調査でお疲れで「老けました?」と渡に言われるという酷い場面だけなのですが、リアルでも忙しかったりしたのか(笑)
まあ、ゆりさんヒロイン度アップ編という事で、出番少なめにしたというのはあるでしょうが。
1986年――ゲームの標的を追い詰めようとするルークの前に、立ちはだかる音也と次狼。
つい10分ほど前に結託した即席コンビですが、マッスル+グラサンの次狼と、スーツの伊達男という音也の2人が並ぶと、絵的に思わぬ格好良さ。
「悪いな。ゲームは終わりだ。……いや、新しいゲームだ。俺がおまえを――倒す」
次狼がイクサに変身して殴りかかるが、吹っ飛ばされて変身解除。音也がナックルを拾うがそこに復帰したゆりがやってきて――しばき倒される。
首領Sは早く、ゆりさんに飛び道具をあげた方が、いい。
激怒した音也はイクサに変身し、次狼も狼の姿に。
しかし、ガルルさんはわざわざ音也に共闘を呼びかけるぐらいだから何か策でもあるのかと思いきや、予想外に正面突撃(^^; 前回、半魚とフランケンの2人に、道端に咲く花のようにひっそり生きたいと言わせておく事で、手を借りられそうな相手が音也しか居なかった理由付けはされているのですが、それにしても筋力過剰です。
ゆりさんも感情的になっていようがいまいが突撃ヒャッハーの人ですし、Shit! このパーティにも、知力が足りないヨ!!
音イクサ&青狼の格好いい共闘ですが、2人がかりでも全くルークの相手にならず。変身も解けて仕留められそうになる2人だったがそこでタイムプレイが時間切れ。ルークはセルフ電流デスマッチの為にその場を立ち去り、後には無力な3人が転がるのであった……。
2008年――過去の自分の痕跡に記憶を刺激されて苦しみだした大ちゃんは、娘さんに連れ帰られるが、そこでファンガイア化。定食屋の客、お父さん、そして娘さんを次々と捕食する。
大ちゃん=ルークによる悲劇はどこまで描くのかと思いましたが、作品としてかなり好意的に描写していた父娘まで、容赦なく消化。カエル回で、「わかりあえるファンガイアも居るんだ」という要素を盛り込んだ後だけに(あの人もあの人でかなり問題ある感じでしたが)、いっそう痛烈。
ブラッディ・ローズの響きに呼ばれた渡はその光景を目撃し、目覚めた大ちゃんに蹴り飛ばされる。
「22年前……俺は眠りについた。長い眠りのせいで、記憶を失ってたみたいだな。我が名はルーク。偉大なるチェックメイトフォーの1人」
「嘘だ……嘘だ嘘だ嘘だ!」
大ちゃん=ルークはファンガイアの姿を現し、目の据わった渡はキバット変身。
「おお、おまえがキバを受け継ぎしものか。面白い」
怒りのキバだったが、ルークの力は圧倒的で、手も足も出ないまま追い詰められてしまう。
「とどめだ。いでよ、地の底で眠る、我が同胞達の魂よぉ!」
久々に、巨大怪獣が出現し、ドラゴン城も出撃。そしてそこへ、新たな力を得たイクサが現れる。イクサの新たな力――その名は、パワードイクサ。先のアタッチメントが恐竜の顔めいた、見た目白い油圧ショベルに乗り込んだイクサは、まずは恐竜城を投げ飛ばす(笑)
「見なさい。イクサの新しい力を」
名護さん、すっかり、乗り物に頼るように(涙)
イクサ&パワードイクサはファンガイア怪獣の攻撃を華麗に回避すると、爆弾の連続投擲で撃破。ドラゴン城は気絶したキバを回収すると飛び去っていき、渡は次狼にお姫様だっこされて城の中へと運び込まれるのだった……。
ルークとイクサの新しい力にどう折り合いを付けるのかと思ったら、イクサは怪獣担当となりました。ルークを落とさず、イクサを少し上げ、忘れがちだったドラゴン城にも出番を作り、と巧い構成。
特に、せっかくテンション上がった名護さんがルークに完封負けして、廃人にならなくて本当に良かった。
同時に、ルークがイクサバージョンアップの踏み台にならなかったのも良かった所。
ルークは久々に、これはどうやって勝つのか、という絶望的な力を見せつけてくれる幹部キャラで、大事に使われてほしい。チェスの駒の基本的なランク付けだと、ナイトやビショップよりも上ですし。音也&次狼が共闘したところをノーダメージ粉砕という見せ方が衝撃的で素晴らしかった。
で、そんな凶悪なルークはどうして22年も眠っていたのか(単に、飽きたから、という可能性もありそうですが)、「キバを受け継ぎしもの」とは何なのか、22年間を直接繋ぐキャラクターの登場で、物語の謎の部分が見える形で転がってきたのも良かった所。
13−14話に続き、渡の変身に焦点を当ててカタルシスを作る構成に、長石演出のテンポと絵作りも加え、面白かったです。基本構造がひねっているのだし、このぐらい素直でいいと思うんですよ(笑)
次回、やっぱりイクサはショベルカーと合体するのか?! 油圧式名護さんに期待して待て!!