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『仮面ライダーキバ』感想17

◆第25話「ファンファーレ#女王の目醒め」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:井上敏樹
1986年――ゆり、音也ルートへ。
顔写真だけ並べる、或いは人物相関図だけ見ると二枚目選り取り見取りなのですが、
次狼:渋くて格好いい大人の男。 (※ただし狼)
:凄腕マッサージ師。 (※ただしフランケン)
糸矢:たぶん金持ち。 (※ただしファンガイアの上に変態)
紅音也:天才バイオリン奏者。 (※ただしバカ)
……なんだろう、この残念ハーレム。
「おまえの作ったものはぜーんぶ俺が食べる。死ぬまでな」
自宅で作ってくれたオムライスにぶちぶち文句を言いながらも、しっかりと殺し文句は放つ音也。そんな音也に、ゆりはこれまでのお詫びとお礼を込めて、腕時計をプレゼント。
初めてのプレゼントに、
From YURI
って、薄々そんな気はしていたけど、ゆりさん、ヘビー級。
2008年――引き続きいい雰囲気の渡と深央を茶化す面倒くさいお姉さん。
「じゃあお姉さんが、デートのプラン立ててあげよっか」
「余計な事するのはやめなさい。
男女交際など2人には早すぎる。汚れた頭をクリアにし、人類の為に、世界平和の為に、君たちが出来る事をまず考えなさい」
名護さん、最初の一行は正しかったのに……。
1986年――姿を消した次狼は、イクサナックルを首領Sに返却する。
てっきりファンガイアと戦う武器として持ち逃げするのかと思いましたが、紳士ぶりを発揮。傷心でファンガイアへの復讐どころではなくなり、おニャン子クラブを支えに人里離れた山奥で生きるのか。
次狼の欠けた穴を埋めるべく改めて素晴らしき青空の会にスカウトされた音也は、イクサナックルを受け取る。
……それ、使う度に死にそうになるけどな!
自分が浮かれすぎでないかと考え込むゆりと、海へ行く事を音也は約束。そして、少女時代のゆりが思い出の海でなくした指輪を見つけてみせると誓う。
「俺を信じろ。奇跡を起こしてやる。愛の奇跡だ」
2008年――素晴らしき青空の会では、イクサの更なる強化計画が進んでいた。
「イクサは更に強くなる」
……というか最近、ほとんど役に立っていないような。
合わせて首領Sは装着者について再考慮、最近役に立たない名護の降格を検討していた。
「最近の名護くんの行動は目に余る。自分の中の弱さを知る者が、本当の戦士だ。名護くんにはそれが欠けている」
1986年――ルークは暇だった。
一方、クイーンは今日も風紀委員のお仕事に励んでいた。
「ねえ? 教えてくれない? なぜファンガイアでありながら人間を愛するの? どうして貴方のようなものが後を絶たないの?」
粛清完了の後、クイーンは通りすがりの音也と出会う。
「1度目偶然2度奇跡、3度目必然4運命……そう、まさに運命。と言いたいところだが、すまんな、俺の運命の女はもう、決まっているんだ」
ナンパ、しなかった!
25話にして音也にも、節度があった事が発見されました。今まで少し誤解していたよ、音也……。
そこへルークが現れ、バラの花を胸ポケットにさしていた音也はタイムプレイの標的にされるが、それと知らずにクイーンの手を掴んで逃亡。
「どうやらおまえ、相当やばい奴に狙われてるらしいな」
「私が? どうして?」
「いい女は狙われるもんだ。ま、心配するな。俺が守ってやる。おまえがお姫様なら、俺が城だ」
「私を守るって……どうして? 死ぬかもしれないのに」
「男とはそういうもんだ」
この、正義とか悪とかではなく、格好つける事に命を懸けるのが、音也の(結果的な)ヒーロー性でありますが、この辺りは何か他の形で、もう少し前半からわかりやすく見せておけば、物語の軸になった気はします。ゆりとの関係性が落ち着いた事で、ようやく音也が掴みやすくなったというのは、構成の難が出た点。
で、クイーン=風紀委員で気付いたのですが、そうか、『キバ』は、学園物だと思えばいいのか!(え?)
音也=何故か憎めない落第生 ゆり=真面目なクラス委員 次狼=バンカラ転校生 名護さん=学園の支配を目論む生徒会長 恵=人気はあるけど「彼女にするのはちょっと……」と思われている先輩
みたいな(何が)。
2008年――バイト先の弁当屋の人々が次々に見えざるファンガイアの餌食となり、深央は渡に「もう会えない」と別れを告げる。
「ちょっと渡、誰この人?! いったい何がどうなってるの?!」
という台詞がメタにリアルすぎて、可哀想すぎるな、保護者(静香)……。
渡は久々にお風呂で体育座りし、タツロットは城を抜けだして紅家に居る事が判明。またタツロットの台詞で「なにしろエンペラーフォームはキバの真の姿」とあり、キバの鎖は何らかの封印であり、エンペラーフォームはタツロットによってそれが解放された状態であるとわかりました。タツロットが何かは、さっぱりわかりませんが。
渡を遠ざけるも、思い悩む深央の前に現れる、痩せた神父風眼鏡――ビショップ。
「運命からは逃れられませんよ、クイーン」
割とあっさり、深央=クイーン、と明言され、深央はビショップから、ファンガイアの風紀を乱す恋愛条項違反者リストを渡される。
「お願いです。クイーンとして生きて下さい」
会話の流れからすると、深央はクイーンの力を押さえ込んではいたものの、クイーンである事には自覚的だった模様。その上で、ファンガイアとしての力を振るいたくない、風紀委員の仕事をやりたくないらしい深央はリストを焼却するが、それをお久しぶりにして4回目?ぐらいの登場の変態蜘蛛に目撃されてしまう。
「役立たずのクイーンは、死ぬしかないな」
この辺り、ファンガイアが一枚岩ではないのか、或いは、今のクイーンが死ねば新たなクイーンに風紀粛正の力が委譲されるから問題ないのか、深央に襲いかかる変態蜘蛛、そしてサメのファンガイア。
恵が蜘蛛にカウンターでラリアットを決めてみせるも、名護さん(燃えないゴミは水曜日)はイクサベルトを蜘蛛に奪われ、深央に追いすがる蜘蛛とサメだったが、その前に立ちはだかったのは、傷心の渡。
蜘蛛とサメに2対1で苦戦するキバだったが、エンペラーフォームになると、サメを文字通りに瞬殺。蜘蛛はイクサベルトを奪ったまま逃亡するのであった……。
今回のビックリドッキリメカ的に、実にノルマっぽく登場したキバでしたが、エンペラーになった途端に、必殺技発動でサメを一切の抵抗の余地無く滅殺するという凄まじい力を発揮。もはやイクサとか、デコピン一発で倒せそうな勢いです。
ところで蜘蛛は、クイーンが真面目に風紀のお仕事をすると、人間のストーカーをした罪で、粛清されるのではなかろうか(^^;
デートや同棲は駄目だけど、ストーキングはOKなのか、ファンガイアルール。
1986年――成り行きで逃走中の音也とクイーン。音也が様子を窺いに別行動を取った間に、逆から回り込んできたルークは、クイーンに気付く。
「クイーン! まさかあんたが一緒だったとは。どういう事だ?」
ここまで素で気付いていなかったルーク、面白すぎます(笑)
そんなルークにクイーンは敢えて、ゲームを続行して自分を追いかけるように指示。
「知りたいの。なぜ人間を愛するファンガイアが多いのか。人間とはなんなのか」
ルークの承諾を得ぬ内に、戻ってきた音也の方に走るクイーン。
「あ」
ルーク、面白すぎます(笑)
音也はイクサに変身するがルークも変身し、当然のように一方的に叩きのめされる事に。愛のパワーを得たぐらいでは全く太刀打ちできないルークの強さは相変わらず素敵。為す術も無く敗北して変身の解けた音也は気絶し、クイーンに揺り起こされるが……
「おまえ……誰なんだ。いや、俺は……誰なんだ?」
なんとビックリ、 イクサシステムの副作用 ルークの攻撃で受けた衝撃で、音也は記憶を失っていた! (演出でダメージシーンの強調あり)
そこまでやるか、という意味でまさかの展開(笑)
「一つだけ、覚えている事がある。俺には愛する女がいた…………」
腕時計に刻まれた文字を、見つめる音也。
「ゆり」
「――ええ。私が、ゆりよ」
そしてクイーンは、艶やかに微笑むのだった……。
音也の立ち位置が定まった事で過去編が少し落ち着いたと思ったら、そこからまさかの場外乱闘。さてこのネタ、どのぐらい引っ張るのか。後半戦の軸になるのは、過去と現在、2人のクイーンになりそうですが、クイーンは両方とも、キャスティングがいいのは、良い所。果たして元祖ヒロインたる麻生母娘は、ここから逆転の一打を放てるのか。そしてもはや、立場を失いつつある静香は革命を起こせるのか。粗大ゴミと化した次狼、不燃物として処理される寸前の名護さん、2人はあの輝きを取り戻せるのか――。


◆第26話「メトロノーム#記憶のキセキ」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:井上敏樹
「決心がつきましたか。貴女はクイーンとしての運命を受け入れなければならない」
再び深央の前に現れたビショップさんは、えらい早口というか滑舌が微妙というか。
「私には、人を愛したという事が、そんなに大きな罪だとは思えません」
「いずれ貴女の前に新しいキングが現れます。その時までに貴女は完全なクイーンとなってなければならない」
ビショップは蜘蛛に深央の抹殺を依頼していたが、その真意は生命の危機に陥る事でのクイーンの覚醒にあった。ビショップは更に、クイーンの力に揺れる深央が見逃したファンガイアと人間のカップルを物凄いビームで消滅させ、深央を精神的に追い詰めていく。
チェスの駒の格でいえばルークの下、ナイトの上になるビショップですが、人間の姿のまま、その力の一端を見せ、実力をアピール。チェックメイト・フォーはそれぞれ、とにかく強い、という見せ方は好みです。
1986年――ノリノリで音也を襲おうとするがクイーンに止められるルーク。
「ルーク、ゲームはもうおしまい」
「どういう事だ?」
ルークは毎度、驚いた顔に可愛げがあって、どんどん、萌えキャラになっていくなぁ(笑)
「今面白い事になってるの。もしかしたらわかるかもしれないわ。愛というものの秘密が」
ゆりを称するクイーンは音也にバイオリンを渡し、それを弾いた音也は、海で指輪を探す約束について思い出す。
2008年――ビショップビームで負傷した深央は紅家に逃げ込み、その枕元でバイオリンを奏でる渡。とここは、親子の演奏が格好良くシンクロ。
「深央さん、僕、強くなります。深央さんを守れるぐらい、強く」
26話にしてようやく、渡に確固たるモチベーションが生まれました。が、深央は再び姿を消してしまう……。
1986年――音也とクイーンは海へ行き、指輪を探す為に海へ飛び込む音也。
「不思議な生き物ね。人間って……」
いやそれは、そいつだけです。
そこへ音也を探すゆりがやってきて、クイーンは問いかける。
「ねえ、教えて。人を愛するって、どういう事? 教えて。人に愛されるって、どういう事?」
「人は、愛する事で、今日を生きる。愛される事で、明日を生きる」
ゆりは海に潜っていた音也を発見して引っ張り上げ、音也は海の底で見つけた指輪を手に、記憶を取り戻す。
「人間って……ほんと面白い生き物だわ」
記憶喪失ネタは引っ張って面倒にはせず、愛のキセキで元の鞘に。そしてクイーンは、人間に興味を持ち始める。……凄く、人間の中でもイレギュラーなサンプルに目を留めてしまったのが気になりますが。
2008年――深央を守る恵と名護に対して、蜘蛛、イクサに変身。イクサナックルを左の手の平に押しつけるのって、静脈認証でもしているのかと思っていましたが、割と誰でも変身できてしまう事が発覚しました(^^; それでいいのか、イクサ。
恵が蜘蛛イクサにニートラップを仕掛けてイクサベルトを奪い返し、名護はイクサに変身するが、蜘蛛には結局逃げられてしまう。
深央を見つける渡だが、そこへやってくる蜘蛛。お互いの力を見せる事の出来ない2人だが、渡の危機に遂に目覚めるクイーンの力。その力に恐怖して逃げ出した蜘蛛だが、その前にはいつの間にやら先回りしたキバが立ちふさがる。
「許さない。深央さんは、僕が守る」
キバは一切の容赦なくいきなりエンペラーフォームになると、ガルルセイバーにスロットをくっつけるガルルフィーバーを発動。……とうとう、次狼は、召喚も、されなくなった!!
……や、都合により顔が出てこなかっただけで、飛んできた剣の中には次狼が入っているのかもしれませんが。……どうなのでしょう。……これで何もしていないと、完全に、毎日トランプで遊んでいる穀潰しなのですが。
ガルルフィーバーは、柄からロケット噴射という一発ネタは非常に面白かったです(笑)
ロケット噴射剣で両断され、1話から数えて4エピソード目の登場となった変態蜘蛛、遂に大爆死。
その頃、名護さんは度重なる失態を反省、泣きべそかきながら自分の未熟さを認めイクサベルトを返却しようとしていた。その反省の弁を聞いた首領Sは「自分の弱さを認めた君は真の戦士で、今こそ本当にイクサにふさわしい男になった」と改めてベルトを名護に預けるが……勿論、嘘泣きだった(笑)
まあ、首領Sに人を見る目が無いのは今に始まった事ではないですし、それらしい事を言って悦に入っている人という事が改めて証明されましたが、学園ドラマで言えば、“生徒に慕われていると思いこんでいる体育教師”みたいな。
こうしてビショップによるクイーン覚醒計画は失敗に終わった……かに見えた、が、しぶとく生き延びて恵の写真を手にしていた蜘蛛の前に、深央の影が落ちる。
「貴方、人間の女を愛してたのね。――貴方の、夜が来る」
クイーンの力を受けた蜘蛛、今度こそ、今度こそ、完全消滅。
ストーカー行為も、ファンガイアの風紀を乱す行為として許されませんでした!
これで蜘蛛は、第1話の冒頭で劇中初のファンガイアとして登場し、自らの最期で前半戦のフィナーレとクイーンの覚醒を飾るという、大活躍。特に好きなキャラというわけではありませんでしたが、ここまで繋げて使いきってくれたなら、満足です。
それにしても、この展開の前振りの為とはいえ、蜘蛛にさえトドメをさせなかったガルルフィーバーの意義っていったい……。
過去編で音也が落ち着き、現在編では渡に戦う意味が生まれと、ようやくにしてダブル主人公の軸が定まり、話の骨組みが定まりました。少々引っ張りすぎた気はしますが、ここで2クールが終了し、クイーンそしてキングを巡る後半戦へ、という構成は綺麗。……ただどうしても、ここまでの道のりが蛇行して迷路に過ぎたとは思います(^^;
次狼自体は格好いいのですけど、次狼周りはどうしても、話を必要以上に混線させたかな、と。時間が取れない時の名護イクサの雑な扱われっぷりも、その弊害といえますし。このサイドの要素をどちらかに絞れれば、もう少しスッキリしたのかとは思いますが。商業的要素を物語に取り込むに際して、さすがにトリッキーに過ぎたか。
次回、遂に悪の組織・素晴らしき青空の会に法の手が伸びる……!