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『魔法戦隊マジレンジャー』感想14

◆Stage.21「魔法特急で行こう〜ゴー・ゴー・ゴルディーロ〜」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:横手美智子
マジシャイン参加で、OPマイナーチェンジ。メインキャラの紹介シーンを完全に新規にするのは、ちょっと珍しいか。映像が最初のバージョンままだと、時々、劇中では上手くなっているのにOPの表情が延々と強張ったまま、という事もあったりするので、こういった撮り直しは嬉しい所です。
魔法の実力で兄妹の敬意を勝ち得る犯罪者一歩手前でお馴染み変態家庭教師ヒカル先生。
センスの良さを誉められた赤とか物凄い食いつきでべったりなのですが、前回の今回でこう繋げるなら、前回ラストの兄妹の不満げな態度は全く必要なかったような(そもそも兄妹が天空聖者を嫌がる理由が無いですし)。一応、青だけは他の3人(赤・黄・桃)より距離を置いた感じになっていますが、末弟の適当さがまた強調されてしまいました。
一方、訓練で魔法センスの未熟さが露呈した兄者は、家庭内ヒエラルキーの下落に落ち込んでいた。
兄者、「長男の責任感」に物凄くアイデンティティを依存しているので、相変わらず足下が崩れると打たれ弱い。そういった軸がしっかりしているので、作中でのキャラクターの立ち方は一番なのですが。
そんな兄者の様子を気にしたヒカルは、5人に課外授業を行う事に。それは、魔法で別次元にそれらしく作られた原始の世界で、自分力(じぶんぢから)――人間の本来持っている力を鍛える事。
別次元(マルデヨーナ世界)へ向かう手段として、魔法特急トラベリオンエクスプレスが登場。電車ギミックは、アレの関係で盛り込むのは前提だったと思われますが、シャインがどうして改札で変身するのかは電車繋がりだった事が判明しました。この人、自称:勇者で、本業:車掌なのでは……!
5人はヒカルの魔法で皮の腰巻き一丁みたいなわかりやすい原始人ルックにされ、原始の世界でマジカルチケットを探す事になる。なぜ原始人ルックかといえば勿論、ヒカル先生が麗に変なコスプレさせて楽しむ為です(断言)。
マルデヨーナ世界の麗の活動は常時、変態カメラで録画されています。
「頑張って、お兄ちゃん」
ヒカルに声援を送られる蒔人だが、へたれモード一直線でさっぱり役に立たない。チケットを探して彷徨う5人はややてきとーな感じのマンモスに襲われたり、食事もままならない状態でボロボロになっていき、遂に麗が熱を出して倒れてしまう。マンドラの叱咤、パニック状態の文明人達、危険な状態に陥る妹……原始の世界で追い込まれたその時、兄者の中に熱く脈打つ、ダイノガッツが目を覚ます!!
「落ち着けぇぇぇ!!」
覚醒した兄者は弟妹に手早く指示を出すと、そのサバイバル能力を遺憾なく発揮。麗を安静にする環境を整え、水と食料の確保にも成功する。
(センスが無くても、ださくても、それでも俺は俺だ。小津蒔人だ。兄ちゃんだ!)
ところで、燃えないゴミ状態の蒔人をマンドラ坊やが叱咤する時にマンドラ坊やがまた例の「伝説の5色の魔法使いの歌」を持ち出すのですが、それで少し気力が回復していた辺り、やはり何らかの条件付けが施された、マジトピア洗脳ソング疑惑。マンドラ(燃えるゴミ)が蒔人を励ます所自体はいいシーンなのに、この歌の為に素直に受け止められない(笑)
麗が回復したのも束の間、再びマンモスに追い詰められる5人だが、兄者、野生の咆吼でマンモスを仲間に。マンモスの体毛の中に埋もれていたチケットを発見した5人は、元の世界へと帰還する。
地上界では、冥獣人ベヒモスのベルダンがインフェルシアから送り込まれ、大地のツボに牙を打ち込んで地殻変動を起こそうとするが、シャインがそれを阻止。そこにようやく馬に帰ってきてもらえたらしいウルさんが現れ、初顔合わせ。
ウルさん曰く「元ヤカン将軍の剣を自分用に鍛え直していた」そうですが、一応、今後を見越した強化の理由付けか。また、「5色の魔法使いを闇色に堕落させたい」的な事を言っており、何やら思わせぶりに語っておりますが、要するに、正面から戦うと勝てないので路線変更したという事の模様です!
またこれは、教師であるマジシャインとの対比にもなっていくのか。
一度は逃亡するも再び現れたベルダンの前に立ちはだかるシャイン、そしてそこへ帰還する5人。
「やっぱり自分力なら蒔人、君が一番だ」
なんか、別の戦隊に入れそうな感じになりましたが。
荒ぶるダイノガッツに目覚めた蒔人は、新たに配信された筋力増強の魔法でマッスル化。弟妹を怪力で投げつけ、最後は肉弾攻撃でベルダンを撃破する。相変わらず、自分達の肉体を弾丸の代わりにするのが好きな兄妹ですが、色々と感覚が鈍くなっているので、そうやって痛みを感じる瞬間が大切なのです。
特殊能力をまるで発揮できないまま倒されたベルダンはメーミィの魔法で巨大化。それに対して、マジシャイントラベリオンエクスプレスを変形させる!
「魔法変形ゴー・ゴー・ゴルディーロ――連結完了、魔法鉄人・トラベリオン!!」
胴体内部が思いっきり空なのが気になるトラベリオンですが、鉄人の名にふさわしい、重量級タイプ。
相手を蒸気で吹き飛ばす「スチームバズーカ」、脛から小型の列車を放ち線路で拘束する「リモートライナー」、などの武装でベルダンを圧倒すると、最後は必殺の「デストラクションファイヤー」発動。
胸からビームを出すのかと思ったら、火室蒸気機関車の石炭を燃やす所)に吸い込んで焼死させるという、物凄く惨たらしい必殺技。性格が滲み出ています……。
ただの変質者ではなかったヒカルの、出来る男の気配りに感銘を受ける兄者。ヒカルもまた、自分の師であったブレイジェルのように、5人に魔法を教える事を改めて約束するのであった。そこにまさかの江里子さんが再登場して、蒔人の前でヒカルをナンパして、というドタバタでオチ。一応、まだ付き合っていて、ホッとしました(笑)
すんなりと教師ポジションに落ち着いてくれたヒカルが、今作に欠けていたパーツを埋めてくれた事で、物語がだいぶ落ち着きました。今回も、なんやかやあって勇気承認→新魔法DLで敵を撃破、という構造自体は普段通りなのですが、「問題点」「課題」「成長」という要素がはっきりとした事で、すんなりと納得行く形で収まりました。
ただ基本、兄者回はあまり外れないので、他のキャラと絡んでも巧く流れるかが今後の課題。兄者は一番キャラクターが立っているのに加え、他のキャラクターとの関係性も一番ハッキリしており、明らかに、脚本のノリは兄者回が一番良いので。
次回、そうだ、京都行こう。


◆Stage.22「京都でデート?〜ルーマ・ゴルド〜」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:荒川稔久
ヒカルを強引に引っ張り、魔法の絨毯に乗って京都へ向かう芳香。一方インフェルシアでは、メーミィがシャインのトラベリオンチケットを狙い、地上界へ冥獣人ニンジャ・キリカゲを派遣する。
……さすがニンジャ、ファンタジーのモンスターと同じ扱いの種族名です。
そしてトラベリオンは、チケットがあればメーミィの魔法力で自由に操る事が出来るそうで、鉄人だけに、いいも悪いもチケット次第。
というわけで、忍者だ京都だ太秦回。
芳香にはある理由でどうしてもお参りしたい神社があったのだかそこがはっきり思い出せず、ヒカルの魔法で記憶を探って、それらしい場所へ手当たり次第に向かう事にする……と、京都寺社巡り。
行方不明のヒカルと芳香を占いで探していた麗は、水晶玉に映った光景から2人がキスをしていると勘違い。変質者が無理に芳香に迫ったに違いないと激怒して、兄弟3人を引きずって京都へ――。
記憶を探る魔法がチケットを挟んで額と額をくっつける、という物だった為にセクハラと勘違いされて……という事なのですが、ヒカル先生は相手が男だったら絶対にこんな魔法は使わないので、あながち、間違いとは言い切れない気がします。
「はっはっは、このマジカルハンマーで後頭部を渾身の力を込めて殴れば、記憶が甦るのさ!」
移り気な芳香に振り回されるヒカルは、博物館でSLに大興奮。
やっぱり、車掌なのか。
そう思うと、衣装もそんな気がしてきました。
ヒカルは思わず闇の力に染まって鉄への道を転がり落ちそうになるが踏みとどまり、一つの事に身が入らず集中力の足りない芳香をたしなめる。自分勝手な芳香に付き合ってはいられない、と帰ろうとするヒカルだったが、そこへ忍者キリカゲが強襲を仕掛けてくる。
変なエフェクトで登場シーンがおかしいのですが、今回随所に『仮面の忍者赤影』オマージュが盛り込まれているそうで、その一つかと思われます。
京都へやってきた麗のセクハラ許すまじキックをかわしている間に芳香がキリカゲにさらわれてしまい、5人はメーミィがマルデヨーナ世界に作り出したシノビ城へと芳香奪還に向かう事に。マルデヨーナ界、便利。
トラベリオンでの道中、芳香がお参りしたかったのは一年前の小津家の家族旅行で母がお参りした南禅寺に違いない、と気がつく麗。母が年に一回、そこで行っていた「家族が一致団結するおまじない」を、芳香は母の代わりに行おうとしていたのだ。
ここの回想は男達を絡めずに、早朝にこっそり抜け出す母、それについていく娘2人、で女同士の話にしたのは良かった所。
それにしても若かりし日の父、南禅寺でプロポーズとか、どういうシチュエーションだったのか気になります。
家族の為のお参り、自分にSLを見せる為の寄り道……自由奔放で何も考えていないように見えて、実は他者への優しさを秘めた芳香の真心を悟るヒカル。……まあ芳香の場合、人生の9割方ラリっていて、たまに正気に戻る人、という感じもします。
そんな芳香を救い出すべく、一致団結した家族と居候は、メーミィの作り出したマルデヨーナ世界へと突入。
「なんでこんな格好に?」
メーミィのふざけた演出だ!」
ヒカル=サムライ、4人=忍者、という服装で、囚われの芳香=お姫様を救い出すべく、京都太秦スペシャルスーパー忍者タイムが開始!
同じく忍者装束のインフェルシア雑魚を相手に、チャンバラあり、手裏剣あり、爆裂弾あり、と忍者らしいバトルが展開。城へ向かった黄と青の前には、立ちはだかる巨大ガマ(『赤影』1話の敵が、巨大ガマだったか)。赤と緑の前には、くノ一ルックのナイとメアが登場し、太腿チラッで悩殺を試みるが……
「そんな色仕掛けに乗るか! 俺には江里子さんが居るんだ!」
「そうだ! 俺にも山崎さんが!」
愛のパワーで抵抗判定に成功する2人。割とこういう、真っ当な無効化は珍しいような(笑)
天守閣に囚われていた芳香はヒカルの「集中すれば、必ず打開策が見つかる」という教えを思い出し、キリカゲの鳴らすでんでん太鼓が魔法変身を封じていると気付くと、体当たりでそれを奪い取る事に成功。
そしてそこへ、先生が凧で来た!
ヒカルの攻撃でキリカゲは逃走し、変身妨害アイテムの破壊で変身できるようになった6人は反撃開始。
黄と青は魔法で巨大ガマを打ち砕き、赤と緑もマジパンチと兄者マッスルでバンキュリアを撃破。兄者マッスルはCGではなくスーツの上に追加パーツを作ったので勿体ないと思ったのか、珍しく魔法の継続使用。そして普通に負けたけど大丈夫ですか、バンキュリア……。
キリカゲとナイ&メアは合流して逃亡をはかるが、そこに6人が揃い踏む!
太秦回で前半ほぼ観光デートに費やしながら、逆転劇で盛り上げた流れでシャイン込みの名乗りまで入れたクライマックスに持ち込んだのは、さすが、渡辺×荒川の、匠の技。
スキル:《集中力》LV1を身につけた桃に新魔法がダウンロードされ、組み体操のようにタワーを組んだ状態から魔法力を束ねて日本刀のごとき一閃を放つ新魔法マジカルタワー(二度と使われそうにない)で、キリカゲを成敗。忍法・巨大身の術で巨大化するキリカゲだったが、トラベリオンにかすり傷一つ負わせられずに、焼死するのであった。
「これにて、一件落着」
て、前作がパロディをやっていた為、もはや普通に言うとパロディが成立していない感じ(笑)
魔法戦隊のなんでもありな部分を巧く活かし、アクション充実、かなり良質の太秦回でした。京都の必然性を“母との思い出”に繋げる事で、定期的な母の出番を確保しつつ、家族テーマを掘り下げられたのも良かった。母は色々とアレな人ですがちょくちょく出番を作っており、前回の江里子さんのチョイ出しなど、キャスティングの都合で難しい事が多い中、割とサブキャラクターを大事に使っているのは今作の良い所であります。
次回、やっぱり盾に収まらなかったので打ち直した剣を手に、あの男が帰ってくる?!