はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2023〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『魔法戦隊マジレンジャー』感想26

◆Stage.38「アニキとの約束〜ゴー・マジーロ〜」◆ (監督:竹本昇 脚本:大和屋暁
兄者が脱落し、サイクロプスの狙撃から逃亡する4人。
(アニキは俺に、後は任せると言ったんだ。アニキが居ない時は、次男の俺が長男なんだ……俺が、俺がみんなを守らないと)
銃声と荒い息に合わせて、カメラが翼をズームしていく、というのは良かった。
遮蔽物の多い森の中に隠れる4人だったが、サイクロプスの銃撃により次々と樹木が消滅し、魔法で姿を消すも、赤外線センサーによる射撃で、芳香がリタイア。更に、負傷の魁をかばった麗もリタイアしてしまう。
一方、ドレイクのエネルギー波を受けて四散したかと思われたマジシャインだが、まさかのキャストオフ。装甲を脱いで天空聖者体になって突撃するという裏技「プロミネンスアタック」を直撃させるが、それでもドレイクを倒す事ができない。逆にドレイクの更に強力な攻撃を食らいそうになったその時、闇の戒律を守る為、スフィンクスがドレイクを止めに現れる。
頭脳派ポジションのスフィンクスは、バズーカ装備が、なかなか格好いい。
目の前で始まる内輪もめ(というか凄いナチュラルに、立ち位置でかばわてるよ僕……?)に困る先生だが、ドレイクは引き下がる。そしてわざわざ人間の姿になって何かをアピールした先生は、スフィンクスの口から冥府10神が絶対神ン・マの復活を目論んでいる事を知るのだった……。
「プロミネンスアタック」は面白かったのですが、これ以上の切り札が無さそうなので、引き続きヒカル先生もといマジシャインの立場が心配です。
地上では、芳香に続いて麗が脱落した事で、重圧と失態から翼が恐慌状態に陥っていた。
「俺は……アニキに頼まれたんだ……おまえを……みんなを……守ってくれって……それなのに……芳ねえも…………麗ねえもやられちまった。俺がしっかりしなかったばっかりに、みんなやられちまったんだぁぁ」
俺が偵察を怠ったばかりに、トムが、ジョニーが、マックがぁぁぁぁぁ、みたいな。
「ちい兄が悪いわけじゃないだろ」
「俺が悪いんだ……格好つけて、クールぶってたって、目の前の兄弟すら救えねぇ。俺は……無責任で、駄目な奴なんだよ!」
認めた(笑)
何があれって、翼のクールさが物語で活きた事がほとんど無いので、恐慌状態による自虐を越えて、ホントにクール分要らなかったよね……というあまり笑いに転化できないメタツッコミになっていて困ります。
まあ前年に「Supercool(笑)でPerfect(笑)」な人が居たので、クール系キャラの扱いそのものがちょっと難しかったかとは思いますが、多少被ってもせめてクール+ツッコミにしておけば良かったのになぁ、とは思うところ。
「あーもう、イライラするな! 見ろよ、情けないツラしてるぜ!」
魁、錬成魔法で壁に鏡を作り、翼の顔を押しつける、鬼畜プレイ。
「ちい兄はちい兄だ。蒔人兄ちゃんの真似なんか、出来るわけないだろ」
「俺は……俺……」
「ああ。ちい兄は、ちい兄らしく、やればいいんだよ」
「……まったく、すっかり生意気な事言うようになったよな」
うーん……40話近くなって、前後編で引っ張っておいて、着地点が「俺は俺」というのは少々残念な所。あと、大抵の状況において魁の行動がポジティブに描かれてしまう今作において、折角の上の兄2人の話が、魁の言葉から解決、というのもあまり好ましく感じませんでした。
上の兄から託された重圧を、下の弟の言葉で吹っ切る、という構造自体は特におかしな作劇ではないのですが、今作に関して言えばバランスが悪い。
魁が作り出した鏡から、倒れる寸前の緑が窓ガラスを攻撃していた事を思いだした翼は、サイクロプスの居場所を閃き反撃を決意。魁の傷も薬で治り、変身した2人はサイクロプスを挑発すると銃弾の雨を叩き落とし、イエローはサイクロプスの銃撃の瞬間を狙って、鏡の世界へと入り込む。そう、サイクロプスは光の反射するものの中を行き来できる能力を持ち、窓ガラスや水たまりの中から、4人を狙撃していたのだ。
「よく覚えておけ、サイクロプス。攻撃は最大の防御だってな」
いちいち頭を指さし、何かをアピールする黄色はレジェンド変身し、ダイヤルロッドが強化ボウガンに変形という新ギミックが発動。
「拾えよ。スナイパー同士、狙撃で勝負だ」
いつスナイパーになったのかはともかく、黄色は射撃勝負に勝利してサイクロプスを撃破。リタイアした3人はそれぞれ復活し、長男の苦労がわかった気がする、俺も少しは肩の荷が下りたよ、となんかわかりあう長男と次男。
敵が、ではなかったしな……。
ほのぼのしたところでサイクロプスが巨大化し、5人はマジレジェンドに合身。サイクロプスの特殊誘導弾に苦戦するマジレジェンドだったが、帰ってきたヒカル先生のトラベリオンが横から不意打ちで弾丸を焼き払い、随分久しぶりの活躍を見せると、どうやら銃を手にしていないと凄く弱体化するらしいサイクロプスを、ファイヤートルネードで撃破に成功する。
「なあ翼。地上が平和になったら、俺も夢、見ていいかな……」
一番下に凄く残念な弟が残っている気がするけどとりあえず置いておいて、がっちり拳を合わせる兄者と翼。
まあ、いい歳した男兄弟なんて、これぐらい複雑なプロセスを辿らないとわかりあえなよね、みたいなエピソードなのですが、この前後編でわかった事は、普段、下の4人をとても大事にしているけど、
翼には時々、イラッとする事がある
という兄者の本音(笑)
次回、末弟、人生の崖っぷちに立つ。