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『仮面ライダーキバ』感想23

◆第34話「ノイズ#破壊の旋律」◆ (監督:長石多可男 脚本:井上敏樹
そういえば前回、久々に喫茶店のマスターが出てきたと思ったら首領Sが出てこず、今回は首領Sが出てきたと思ったらまたマスターがお休みで、単純に、お金の問題?? まあ、2人とも出す必然性も特には無いのですが。
1986年――音也は青い体験中。
今回ずっと青い体験中。
可哀想なゆりさんは、同棲中の筈なのに、間女モード。
2008年――イケメンズのテーマをハミングしながら、ケーキを作る渡。
「今日は僕の失恋記念日なんだ」
いっけん壊れていますが、もともとの社会不適格ぶりを思うと、家に火をつけたりしないだけ、だいぶメンタルに成長が見られるのか。リアルからの残酷な仕打ちを乗り越えようと、無理にはしゃぐ渡の失恋パーティに付き合う、名護と恵と静香。
「君がフられて実に嬉しい。こんな嬉しい事は、3年ぶりぐらいだ。これで君も戦士として、集中できるわけだなからな」
師匠は、どこまでも駄目な人だった。
「君をフるなんて、いったいどんな女なんだ」
真相を理解しないまま怒りに燃える若社長は渡を励まそうとし、何故か深央との遊園地デートに渡を付き合わせる。
失恋した友人を励まそうとして取った行動が、自分と婚約者のデートに混ぜるって、1200%意味がわからないのですが、社長! せめて! 秘書課の可愛い女の子を呼ぶとか! 深央にお友達を連れてくるように言うとか!
……深央さん、たぶんお友達居ないけど!!
…………どっちを向いても駄目だーーーーー。
貴重な友達の頼みを断れずに付き合う渡は、よそよそしい態度を取りながらも、太牙の好きではないアトラクションに、深央と2人で乗る羽目に。
「私が本当に好きなのは……」
「僕も同じ気持ちです」
「え?」
「僕も太牙くんが大好きです」
「良かった。渡くん楽しそうで」
社長の目はどこに付いているのかーーーーー!!
ハイスペック若社長は、変な性癖で下げられるのではなく、爽やかさをキープしたまま、天然のスカポンタン路線に乗りつつあるのは、実においしい所。キャスティングも良く、いい感じです。
友達の少ない3人が次のアトラクションを探していたところ、平和な園内に現れた暴漢が客を人質に取り、それを追って現れるBハンター。
また名護さんが逃がしたのか。
Bハンターは暴漢の隙をついて人質の救出に成功するが、普通に殴り負ける。名護さん危うし、というその時、飛び込んできた迷彩ズボンの男が暴漢を制圧すると、ついでに名護さんを蹴り飛ばす。
そこに立っていたのは――すっかり面変わりした襟立健吾だった。
「みんなに紹介しよう。青空の会の新しいメンバーだ。よろしくな」
「襟立、健吾だ」
口調まで変わった健吾に対して、こんな素人を加えてどうするのか、と抗議する名護だが、健吾に問答無用で殴られる。
「素人のパンチも避けられないのか、ボタン男」
反論できる所が、一つも無い。
様変わりした健吾に関し、
「夢を失った人間は時として、とてつもない力を発揮するものだ」
と首領Sがまたさらっと適当なコメントを付けていますが、どう見ても、○の穴的な所で殺人レスラーに改造されています。
レーニングのノルマを果たさないと電気ショックを受けたり、毎晩首領を称え良心を削ぎ落とされる洗脳ソングをヘッドホンで3時間聞かされたり、「食事が出来るのは生き残った方だけだ!」と昨日まで訓練所で共に汗と涙を流し合った同期との殺し合いを強要されたり、しています。
素晴らしき青空の会の洗脳調教を受け、立派な戦闘員となったデビル健吾に「おまえは偽物の友達だ」と切り捨てられた渡は深く落ち込み、深央と太牙の事にも思い悩む……そんな渡の惑いに反応するかのように、弦が切れ、ヒビが入るブラッディローズ。
その頃、クイーン辞職を願い出た深央は、ビショップから先代クイーンに会う事を勧められていた。
更に、若社長の悩み相談にも乗るビショップさん。
「彼女、誰か他に好きな人が居るんじゃないかな」
段々、ビショップさんは悪い人ではない気がしてくる今日この頃です。
ここで少しキバ回りの設定が明かされ、ビショップによると太牙は「キングであり、闇のキバの正統な継承者」。そして闇のキバとは、「ファンガイアの王が纏う鎧」。
どうやらキバは、ファンガイアが更に強化変身?しているような存在で、キバに変身できるという事が、キングであるという事?の模様。
“もう1人のキバ”の素性を気にするビショップは、遂に渡と直接ご対面。
「なぜ君がキバを持っているのですか? 君の母親……そして父親は、いったい誰です?」
……あれ、もしかして、キバットさん最重要人?物?
ビショップは渡を殴って踏むと、ファンガイアの姿に変身し、そこへやってきた名護さんがライジング。だがイクサの前には、謎の女ファンガイア(キノコ?)が姿を見せる。
「ごめんなさい。あなたの命、いただきます」
それは、進化生物研究所の神田博士に囚われて従属させられ、博士の考案した個体能力移植実験により、他のファンガイアの力を吸収して強化されたファンガイアであった。その力はライジングイクサを圧倒し、蹂躙する。
名護さんがすっかり、一時期の音也のような燃えないゴミっぷりなのですが、…………えー……もしかして、過去に跳んだ時に、空気感染したのか。
渡はエンペラーとなり、ビショップと激突。ビショップは事務仕事担当の為か、それなりに強いけど、ルークほどの圧倒的な力ではない、といったバランスの描写。エンペラーは、キノコにざっくり刺殺されそうになっていたイクサを何とか救い、ビショップはフィーバーキックを回避して逃走。
前回のルーク同様、エンペラーが必殺技を放とうとした所で態度に変化を見せましたが、フィーバーには何か秘密があるという伏線か。
一時撤退したキノコの前には太牙が立ちはだかり、サガに変身。ライドルホイップ(違う)でキノコを振り回すが、逃げられてしまう。ここで入る、サガ用と思われる挿入歌が格好いい。
そして深央は、暗い洞窟で先代クイーンと接触する――その姿は、隻眼であった。
てっきり先代クイーンは死去しているのかと思っていたのですが、枯れた感じで生きていました。色々な鍵を握りすぎているので、巧く使わないと話がしらけてしまいますが、いったいぜんたい、どんな状態なのか。
キノコファンガイアを操り、太牙が“投資”の視察に向かった進化生物研究所の神田博士は、元・青空の会。「ファンガイアをもってファンガイアを倒す」という方針の違いから青空の会を抜け(た事になっており)、接触した首領Sが「そんな事はやめろ」と忠告をして、悪いのは青空の会ではないからね、とメタ的に言い訳の予防線を張っているのですが、両方とも真っ黒にしか見えません。
そもそも、対比として語られているイクサが、数々の非道な人体実験の産物ですし。
善悪の境界線が一筋縄ではいかない今作に、いよいよ、ファンガイアを食い物にする人間、という明快な「人間の悪」が登場。「世界はいずれ私のものになる」というその真意はどこにあるのか。
人間を食べるファンガイアが悪ならば、ファンガイアを殺すキバは善なのか。
わかり合える異種族が居て、わかり合えない人間も居る。
果たして、“人間”とは何なのか。
ややこしい構成にややこしいテーマ――いよいよ物語の全貌が見えてきた感じです。
父が子に託した“想い”とはいかなるものか、というのも気になる所。
それにしても、若社長フィーチャー編ではあるものの、長らく引っ張ってきた因縁を解消したし、大金星の見せ場も作ったから、とここ数話の恵さんの扱いの粗雑さはさすがに引っかかる所(^^; ただの浮かれたお姉さん状態(笑)
そしてもっと酷い生ゴミ扱いを受ける妖怪ボタンハンターに救済はあるのか。お客様、お客様の中に音也ウイルスを消滅させるワクチンをお持ちの方はいらっしゃいませんかー?!