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『仮面ライダーキバ』感想31

◆第47話「ブレイク・ザ・チェーン#我に従え!」◆ (監督:石田秀範 脚本:井上敏樹
再生ファンガイア軍団を蹴散らし再び刃をぶつけ合うキバとサガだが、武器の差か、戦いの趨勢は徐々にキバに傾き、無様に地面に転がるサガ。……ふと思ったけど、ジェラシーキングは勢いでザンバットソードを壁に埋めなければ、親子キバに勝てていたような(笑) 何だかつくづく、可哀想な人です。というか「キング」の称号に、《幸運−50》とか、属性が付いているのでは。
「キングである兄さんより僕の方が強い!」
「貴様ぁ、俺を侮辱する気か?!」
「事実を言っただけだよ!」
音也との邂逅を経て男として新たな領域に到達した渡は、生身でも太牙を叩きのめすと、そのまま置き去りにして歩み去る――。
一方、ビショップは激しくパイプオルガンを奏で続けていた。
「真のキング――今こそ復活の時」
集められたソウルエナジーが飛んでいったのは、どこかで見たようなオブジェの転がる、乾いた大地。なるほど、親子キバvsキングバットファンガイア最終決戦の時の変なオブジェは、涸れた湖を同じ場所だと認識させる為の仕掛けでしたか。
ソウルエナジーにより、キングバットはかつて倒れた地で、徐々に実体を得ていく。
すっかりキレてしまったビショップは格好良く、ソウルエナジーを集める再生ファンガイア軍団により、街ではかなりの大被害。最終盤らしく登場した再生ファンガイア軍団は、量産型ではなく(その為のネズミだと思っていた)オリジナル着ぐるみを大量投入しているのがいい所。
そんな中、視力に異常を感じる名護は渡を青空の会の新会長に推薦しようとするが拒否される。暴れるファンガイア軍団と戦おうとするも逆に危機に陥った名護と恵を助けたのは、渡、そして――復活の首領S。
それとなくおかまっぽかったマスター、首領Sに抱き付いて大はしゃぎ(笑)
よくわからないが復活した首領Sはいきなり名護の目の異常を指摘し、名護啓介、電撃引退。だがそれを、恵が引き留める。
「私があなたの目になる」
そして、渡に叩きのめされた太牙は社長を解任され、とうとう地位と金を失ってしまう。
立派な無職となった太牙を始末するべく、ファンガイア軍団をけしかけるビショップ。戦闘に介入し恵に指示を受けながら戦う名護イクサだが、やはり無理がありすぎ、人生どん底に追い詰められる2人。
これだ、これが逆境だ!!
その時、目の据わった渡が、そこへ現れる。
「ここに宣言する。今から僕が新しいキングだ!」
エンペラーキバはファンガイア軍団をばっさり成敗すると、反抗するビショップを斬りつけて撃退。愛する弟からゴミ屑同然の扱いを受け、社会的にも無能と化した太牙は錯乱状態で真夜を刺殺し、唯一残ったキングの座にしがみつく為に、強引に闇のキバをその手にする。
「どうやら、おまえには俺が必要なようだな。おまえほどの哀しみを見せた男はいない。気に入った。おまえなら最強のキングになれるかもしれん」
ちゃっかり生きていたキバットバット2世により、太牙、ダークキバへ。
「闇だ。闇の歴史がここから始まる」
結局、闇のキバ=キバットバット2世、という事でいい様子。3世が軽いまま、特に物語上の焦点が合わずにここまで来てしまったのでハッキリしませんが、キバットバットの一族は、ファンガイアの血を持つ者にキバを纏わせる能力を持っている、という事で良いのか。2世が真夜を殺した太牙に協力する理由はわかりかねますが。
あとタツロットは…………どういう辻褄合わせる設定があるのでしょうか(^^;
同じ頃、渡は嶋と遭遇し、あの日の真実を聞いていた。
「太牙は殺せなかったんだ、この私を」
センザンコウファンガイアとして爆散したと思われた嶋だったが、太牙の一撃は故意に急所を外しており、倒れた嶋を人間として治療し直していたのだった。
太牙は純血のファンガイアであるが、口で言うほど人間に対して冷酷非情になりきれず、心の底に優しさを隠している――その優しさを認めた嶋は、改めて渡に、太牙の事を頼む。
……うん、別に、この人は始末しておいた方が人間社会の為でもあったと思うけど(笑)
後、サガによる嶋の爆殺直後にエンペラーキバとの戦いに雪崩れ込み、深央死亡、両者大ショック、という展開のどこに嶋を助ける余裕があったのかはかなり疑問ですが、爆殺後に見えない所に隠した後は、事前に指示を出していた部下が回収したとかなんとか、そういう落とし所でいいのかどうなのか。
嶋の話を聞いた渡は、たぶん城のクローゼットに入っていた先代キングの衣装に身を包み、ドラゴン城の玉座に座る。
「今から、僕がキングだ」
……部下は、妖怪三銃士オンリーですが。
そしてビショップは、一生懸命、オオコウモリを復活させようとしていた。
思わぬ三つどもえの果て、キングの座を手に入れるのは誰か、渡は太牙を救う事が出来るのか、そして人間とファンガイアの行く末は――次回、運命の血の物語、フィナーレ。


◆最終話「フィナーレ#キバを継ぐ者」◆ (監督:石田秀範 脚本:井上敏樹
改めてイクサナックルを返上しようとする名護に不満を抱く恵は、2人のコンビネーションを磨くしかないと、名護を引っ張って特訓を開始。
「あたしさ、あんたがこうなってから、気付いた事があるわ」
傲岸不遜な男が弱っている姿を見るのって、超快感☆
「あたし、心の中であんたを尊敬していたって」
「俺もわかったことがある。おまえ、優しい女だったんだな」
闇のキバを持って渡の元を訪れた太牙は、真夜を殺したと宣言し、激突する2人のキバ。そこへ乱入してきたのは、2人のキングを認めない、ビショップ率いるお邪魔虫軍団。
「無能なキングと紛い物のキング、兄弟仲良く死ぬがいい」
最後の最後でビショップが面白いのは、あくまでキングメーカーに徹し、自分がキングになろうとは考えていないという事。能力不足の自覚があるのかとも思いますが、「ベンチが阿呆だから野球にならん」状態で、先代社長の返り咲きを必死に成し遂げようとするその姿には、業務上のストレスの深刻さを感じて胃が痛くなる思いです。
乱戦に駆けつけたのは、妖怪三銃士。
まさか、三銃士に、最後の見せ場があるなんて……!(笑)
三銃士の奮戦もあり、範囲攻撃で再生ファンガイア軍団を蹴散らした兄弟は、再び一騎打ちへ。そして追いすがろうとするビショップを、食い止める名護。
「決着をつけよう。その命、神に返しなさい」
ここに来て、決め台詞持ちという事もあり、やたらめったら格好いい名護さん!
戦闘だけですが、イクサとビショップを繰り返し接触させる事で、因縁が成立していたのも良かった。
ライジングイクサとビショップの格付けは既についており、「目が見えなくて丁度いいハンデだ」という勢いではあるものの、さすがに滅多切りにされるイクサは爆発鱗粉を浴びるが、しかし耐え、立ち上がる。
「天魔伏滅――」
恵の指示でカウンターを決めると連続攻撃を浴びせ、飛び上がるイクサ。
「イクサ・爆現!」
とうとう、必殺技の名前となり、回転斬りがビショップを両断するという、物凄い名護さん祭(笑)
名護さんは、最高だから!!
しかしダメージが大きく、その場に倒れる名護、だが……その時に頭を打った衝撃か、ビショップの攻撃の影響か、視力を取り戻して、名護さん復活。
「ばーか」
そのまま抱きしめ合い、なんだかいい雰囲気になってしまう名護さんと恵。……うんまあ、名護さん格好良かったからいいや。
元々、性格と相性の悪さを除けばスペック的に恵の好みでA判定だったという名護さんですが、「かばう」イベントもあっただろうけど、最終的な決め手は、弱っている名護さん、がぎゅんぎゅん来たのだろうなぁ(笑)
一方、宿命の兄弟は一騎打ちの果て、お互いの変身が解けたボロボロの状態で向き合っていた。
「どうしたぁ?! 戦わないのか、俺は母さんを手に掛けたんだぞ」
「わかる……兄さんの孤独が。僕が側に居るよ……ずっと」
こちらも、弱っている姿にぎゅんぎゅん来ていた(おぃ)
絶叫する太牙を抱きしめる渡。
「渡くんはお前を守る為に、キングを名乗ったんだ!」
いい場面が回ってくるのを待ち構えていた首領S、ここで登場。
渡が新しいキングを名乗ろうとしたのは、太牙から全てを奪い去る為ではなかった。命を狙われる太牙を守る為に、自らがその盾となろうとしたのだ。渡の真意――求めていた愛情を、遂に手に入れる太牙。だがその時、イクサに倒されたビショップのライフエナジーを最後の糧とし、復活を遂げたジェラシーキングが飛来する!

「戦おう、兄さん」
「一緒にな!」

渡と太牙は揃って変身し、22年前の因縁の地で再び、2人のキバとキングバットファンガイア対決する! とこれはハマりました。そしてこれは、父殺しの(父を越える)戦いでもある、と。
だが、ジェラシーキングは圧倒的な力でダブルキバを粉砕。吹っ飛ばされた渡は急斜面と化したかつての湖底を転がり落ち、深い穴に呑み込まれる寸前、伸ばした手が何かを掴む。
――それは、22年前の戦いで砕け散り、湖底の泥の中に沈んでいたイクサの腕パーツであった。
東映Youtubeの画質と画面の大きさだと、何か落ちた演出はあったけど何が落ちたのかよくわからなかったのですが、イクサの腕でした。崖から落ちそうになった時に誰かが手を掴んで……というネタをこう持ってきて、既に故人である父親と最終決戦で繋げたのは、お見事。また、「手を伸ばす/手が届く」というのは、ゆりとゆり母で使われたモチーフでもあります。
(渡、諦めるな。おまえの中には――俺がいる。俺たちは一つだ)
「父さん……」
その頃、兄さんは見事に死にかけていた。それを助ける、合体生物軍団(除くサガーク)。そして、父との絆を胸に、復活する渡。
「兄さん、まだ戦える?」
「当たり前だ」
「行くよ、兄さん」
「行くぞ、渡」
ここでエンペラーキバのテーマでもある格好いい挿入歌「SUPER NOVA」が入り兄弟は再びキバへと変身。もうこうなったらテンションの勝利だ、と電撃ハエ叩きトラップでキングバットを痛めつけると、ダークキバの三味線攻撃で釣り上げた所にエンペラー野球キック、そして最後に必殺! という合体奥義で遂にキングバットを滅却する。
「渡……俺は多くの罪を背負った。決して許されない罪だ。おまえでも俺を救う事はできない」
「兄さんの罪は僕の罪だ。一緒に背負うよ、僕も」
そこへやってくる真夜。実は、太牙は真夜に当て身をしただけだったのだ……兄さん、結局誰のトドメも刺せない人(笑)
まあ、本当に殺していたら真夜ラブのキバットバット2世が協力するのはおかしいので、この方が自然でもあります。なんかもう2世も、見ていられなくなったというのはわかる(笑)
「兄さんならきっと、ファンガイアと人間に明るい未来を作る事が出来る筈だよ」
太牙の人間に対する心境の変化というのは特に描かれていないのですが、愛を知らぬ孤独さ故にキングという殻にすがり、内に秘めた優しさを押し殺して冷酷非情なファンガイアのキングであろうとした太牙が、肉親の情愛を知る事でファンガイア至上主義を捨て己の優しさを認めるに至った、とでも思っておけばいいか。
首領Sの方は、散々いたぶられた上に三途の川を覗き、リアルに思い知らされた自分を死ぬほど憎んでいる相手に命を救われて、改心したという事でいいのか。
この物語がここまでこじれた原因の半分ぐらいは首領Sにあるとしか思えないのですが、お母さんは本当にどうして、こんな人間のクズに太牙を預けてしまったのか。今作終盤最大の謎であるその点が解明されなかったのは心残りです(笑) 誘拐してきたのではないか、という疑惑を抱いているのですけど。
「……渡。おまえ、でかくなったな。キングなんてものが、ちっぽけに感じるほど、でかく」
「兄さん……」
「渡、もう一度戦ってくれ。そんなおまえを乗り越えていきたいんだ」
兄さんとかザコ(笑)を根に持っていた太牙と渡は真夜に促され、生身、そして変身して心ゆくまで殴り合い、お互いの命、そして音楽を確かめ合うのであった――――。
それから暫くの時が経ち……麻生恵は、ウェディングドレスに身を包んでいた。
「母さん、あたし、結婚します」
ああこれは、今作にふさわしい、ラストだなぁ。
イメージで登場したゆりさんが娘に祝福を送り、静香や健吾に妖怪三銃士、やたら目立つ恵弟まで含めて、オールキャストがおめかしして大騒ぎ。
その頃、社長に再任した太牙は、人間とファンガイアの新たな世界を作る為にやり直そうとしていた。
「我が社にとって2009年は勝負の年となる」
……ちょっとメタ?(笑)
恵の結婚の相手は、もちろん、名護啓介。式中、やたらに次狼がエキサイトしているのは、ゆりの娘をあんなボタン妖怪にやるのは許さーんという感じなのでしょうか。
「それでは新郎新婦の結婚を祝って、紅渡さんからお祝いの演奏です」
と渡がバイオリンを構えた所で、式場に飛び込んでくる謎の少年。少年は22年後からやってきた渡の息子・正男(演じているのは音也役:武田航平)を名乗ると、命を狙われているから助けてくれと、渡達を外に連れ出す。一同がそこで目にしたのは、上空に浮かぶ巨大な円盤のような物体。正男を狙う新たな敵、その名を、ネオファンガイア。
会場に太牙が駆けつけ、渡、太牙、名護、正男、4人は一斉に変身し、背後で妖怪三銃士も変貌。4人のライダーと妖怪三銃士は大空に向けて飛び上がる――でエンド。
折角いい話でオチかけたのにやり過ぎで台無し感も若干ありますが、道中色々あったけど、最終回はサービス盛りだくさんで楽しかったです。好みとしては渡の演奏でエンディングに入って欲しかった所ですが、これは『ディケイド』との絡みの都合があったのか……?
最終的に兄愛に落ち着いた渡ですが、一応、22年後に息子が居る事が判明したので、静香ちゃん、コースアウトからまさかの逆転大勝利?! シリアス展開の時にリタイアしたと見せかけて命のやり取りから身を隠し、物語が落着したおいしい所で顔を出すとは、なんという策士……!
まあ、更に人間の血が入ってクォーターファンガイアだと正男が弱そうなので、ぽっと出てきた薄幸そうなファンガイア女性に渡を持って行かれた可能性が、物凄く高い気はしますが!
そして間違いなく、おじさん(太牙)はまた部下に裏切られた。
最後にちゃっかり三銃士も突撃要員に加わったのは驚きましたが、物語途中での扱いが次狼除いてかなり悪かったので、フォローしたという所か。……サガーク!(涙)
太牙への好感度が高かったというのはありますが、クライマックスバトルは、とても良かったです。
さて、最終回後に音也について書くと予告していたのですが、割と最終回見たらどうでも良くなってしまいました(^^; いやちょっと、音也、というか、今作の構造に対する不満点(多分に好き嫌いの部分)があったのですが、最終回は美しかったので、まあいかな、みたいな。
さらっと書くと、個人的にはもう少し早く、渡が音也を乗り越えていく展開を期待していたのですが、結局ほぼ最後まで、渡は音也に守られ音也の思いを受け継ぐ形だったなぁと。良い悪いというよりは、乗り越えていく展開の方が個人的に好き、という好みの話なのですが、最終盤にノリきれなかった一つの要因ではありました。
「大切なものを守る為に……男は戦うんだ」というのは格好いいのだけど、結局そこが着地点になるのではなく、もう少し先が見たかったな、と。
途中で書いたように渡が自ら行動しない事に疑問があったのですが、それは過去の音也を乗り越えてはいけないという、劇構成上の要因が大きく、結局ラスト2話、それも父の想いを改めて受け継ぐ形でしか渡が“自分の戦い”を出来なかった(途中「深央さんの為に」は少しありましたが)のは、今作に関する不満点。
……だったのですが、最終回のイクサと手を繋ぐのが良かったのと、太牙の方に父を越えるテーゼが入ったので、まあいいかな、と。
トリッキーな構成に加えて登場人物の多さで描写が散漫になってしまったり、各種ギミックの扱いがあまりに雑だったり、作品としての問題は色々とあり、正直人にはお薦めしませんが、「人間はみんな音楽」というのは、とても好き。個人的には、見えたかと思えば遠ざかり、掴めそうでなかなか掴めない、そんなふわふわとした不思議な感触の作品でした。
あ、渡が過去に行った影響が出ているというタイムパラドックスが結局よくわからなかったのですが、どの部分だったのでしょうか(^^;
残り諸々、書き残した事が思いついたらまとめの際に総括で。