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『仮面ライダーW』感想6

◆第7話「Cを探せ/フィリップはそれを我慢できない」◆ (監督:田崎竜太 脚本:荒川稔久
星の図書館の検索中に鍵が掛かっていて閲覧できない本に出くわしたフィリップは、その本のタイトル――「ヘブンズトルネード」に強い興味を抱き、大暴走。隠し部屋のホワイトボードだけでは飽き足らず、事務所の壁にまでメモを書き続けた挙げ句、1人で外へと飛び出していく。
「馬鹿! おまえ、組織に狙われてるんだぞ。不用意に出歩くな」
前回、ナスカドーパントの腰のベルト(メモリドライバー)を見て「組織の幹部」と言及がありましたが、「ガイアメモリを売りさばき、フィリップを狙う組織が存在する」という所までは認識している模様。まあ、1話冒頭でどこかからフィリップを助け出しているので、ある程度の認識はしているのが自然です。
翔太郎の制止も聞かずに外へ出たフィリップが、追いかけてきた亜樹子を連れて見つけ出したのは、ヘブンズトルネードの使い手であるカリスマ高校生ストリートダンサー。「鳴海探偵事務所」という言葉に反応を示す少年だが、ヘブンズトルネードは1人では出来ない、と言い残して走り去ってしまう。
その頃、事務所への投げ文により不審者が現れると予告された高校へ向かった翔太郎は、校長先生を襲う怪人と遭遇する。
「街の害虫は、私が駆除する。おまえは1人の男子生徒を、深く傷つけた」
それは、若菜姫のラジオで新たな噂になっている、闇の仕置人・ゴキスター。まあつまり、Gのドーパントであった。
てらてらした皮膚感がいちいち強調されて、とても嫌な感じです。苦手な人には、無駄に辛い回(^^;
「この風都に、ヒーローは2人もいらない」
ヒーローを自認するGドーパントはダブルに敵愾心を燃やして戦闘に。その高速移動はトリガーの射撃すら回避するが、ルナトリガーの誘導ビームを背中から直撃させる事に成功。しかしトドメを刺そうとした所で、カリスマダンサーを尾行中だったフィリップの意識が逸れ、逃げられてしまう……とこれまで翔太郎をサポートしてきたフィリップが他の事に夢中になると割と自由で大迷惑、という展開。
Gにかわされて一発も当たりませんでしたが、光のエフェクトがかかったサイクロンの回し蹴りは格好良かったです。当たりませんでしたが。
園咲家では、フィリップを見つけた猫が、お父さんにメモリを入れてもらって、スミロドン(サーベルタイガーの一種)ドーパントに変貌。これまでも暗に匂わせる描写はありましたが、明確な変身シーンは初。この、猫まで変身して幹部、というのは非常に面白い。
そして霧彦さん、猫と較べられる。
……む、婿殿、まだ一桁、まだ話数一桁ですよ婿殿?!
その頃、翔太郎は女子高生といちゃいちゃ、もとい、女子高生ネットワークに精通する情報屋、クイーンとエリザベスから、「闇の害虫駆除」という闇サイトの情報を得、校長が襲われたのは同姓の為の人違いであり、本当の標的は星野千鶴という女生徒であったと知る。
この後、
フィリップ達が尾行していたカリスマダンサーはG襲撃事件があった学生の元生徒で、「千鶴」「千鶴」と連呼しながらいきなり踊り出して教師に叩き出され、ヘブンズトルネードが2人のコンビ技だと理解したフィリップが私利私欲のために2人を揃えようとするがスミロドンドーパントに見つかって亜樹子と逃走する事になり、千鶴を探す翔太郎は千鶴を襲うGを発見、今はシンクロナイズドスイミングをやっているという千鶴を探すダンサーがそこに居合わせ、と悪い意味でバタバタと展開。
とにかく、ダンサー少年の青春の感情が迸りすぎて、何となくわかりはするけど説明不足というか、説明の省略が話の面白さに繋がっていません。荒川稔久の基本的な技術を考えるとかなり酷い出来で、作品世界が全くピンと来なかったのか、ダンスとかAKBとか、何かそうとう厄介な縛りでもあったのかと、首をひねりたくなるレベル。
フィリップがなんとかスミロドンを振り切り、翔太郎はダブルに変身してGと戦うが、Gの「千鶴を襲うように依頼したのはダンス少年」という言葉から千鶴と少年が揉めるのを見たフィリップの意識がまたも戦闘から離れ、ダブルはGの高速移動により、ルナとトリガーのメモリを盗まれてしまう!
果たして目的が分裂気味の2人で1人の探偵はこの危機を乗り越える事が出来るのか。一つ言える事は、先生が渡洋史なので、たぶん犯人だ!(待て)


◆第8話「Cを探せ/ダンシングヒーロー」◆ (監督:田崎竜太 脚本:荒川稔久
先生は犯人ではなかった!
まんまと騙されましたが、名無しの教師役に渡洋史とは、なんだったのか。
ドーパントの高速機動に翻弄されるダブルは、何とかヒートメタルでカウンターを決めるが、その二つのメモリも奪われ、Gに逃げられてしまう。
千鶴と決裂して黄昏れていたダンス少年は、突然理由も言わずにダンスを辞めて水泳部に入った千鶴への怒りでつい闇サイトに依頼を書き込んでしまった事、Gの仕置きが本当だと知って鳴海探偵事務所に手紙を投げ込んだ事、所長が頼りなさそうな亜樹子だと知って慌てて学校へ向かった事、などを白状。
まあそんな所だろうな、と筋は繋がったのですが、前回の少年が走り回る展開が特に面白くなかった上に無駄にドタバタしたのと(特にバスの尾行シーンが面白いというより無理がありすぎた)、改めて繋がった真相も特に面白くはない、という冴えない展開。
翔太郎はGを止める為に情報屋と接触し、闇でGの活躍を描いた同人誌が出回っている事を知る。Gドーパントの正体は、自らの活躍するドリームマンガを実現化しようとする、歪んだヒーロー願望の持ち主だったのだ。
一方ヘブンズトルネード以外に興味が無いフィリップは、男女の仲直り方法を検索(笑) ……絞りきれなかったので、適当に手に取ってみた一冊を参考に、千鶴とダンス少年をアジトに連れ込み、車の中に閉じ込めるという荒療治を敢行。最初は激しく揉める2人だったが、千鶴がシンクロを始めたのはダンスの練習の為だったと判明し、仲直り。
色々、面倒くさい、青春のはしかでした。
同人誌に描かれたリアルな街の風景を辿り、Gの住処を突き止める翔太郎だが、Gは逃走。これまでほぼ手裏剣扱いだったクワガタに追跡機能がついている事が判明するが、Gは逆にクワガタを確保して電話機能で亜樹子から情報を聞き出し、千鶴を狙う。怪我をした千鶴の口にした「波」というキーワードからフィリップはヘブンズトルネードについて読み解き、駆けつけた翔太郎とダブル変身。
「「さあ、おまえの罪を数えろ」」
ノリノリのフィリップは華麗にステップを踏み、Gを翻弄。その動きに触発されたダンス少年が合わせて踊りながら攻撃に参加し、一般人を巻き込んでのバカダンス攻撃は突き抜けていて面白かったです(笑)
確か『電王』の時にR電王のダンスステップに苦戦したという高岩さん、今回も大変だったのでしょうか。
波に乗るダブル(フィリップ)と少年はヘブンズトルネードを炸裂させ、ガイアメモリを取り返す事に成功。ルナトリガーのフルバーストでGを撃破し、メモリブレイク。かくてダンスカップルは仲直り、闇の仕置き人は退治され、霧彦さんの立場がまた一つ、悪くなるのであった。
特異なポジションのフィリップはともかく、主人公の翔太郎が“未熟なりに自分の流儀を持って自活するオトナ”であり、職持ちライダーという事を強調する為か、対比として少年少女の青臭さを描く意図があったのかもしれませんが、その青臭さが物語としては全く面白くなりませんでした。少年少女がただ面倒くさいだけ、となってしまい残念エピソード。