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『魔法戦隊マジレンジャー』感想29

◆Stage.43「茨の園〜マジ・マジ・ゴジカ〜」◆ (監督:竹本昇 脚本:荒川稔久
大和屋さんと入れ替わりでもしたのかと思った荒川稔久が、悪夢の31話(レジェンドパワーを使い続けると人間としての記憶を失って天空聖者化する筈だったけど、新しい魔法でそれが防げたよ!)以来の登板。
裁きの石版に選ばれた冥府神トードは、地上を無数の冥府カエルで埋め尽くすという神罰執行の準備を始め、爬虫類や両生類が苦手な麗は恐慌状態に。直接戦闘を好まないトードは5人を自らのテリトリーであるマルデヨーナ世界へ引きずり込み――その地こそ、トードがコレクションした魂を飾る、茨の園であった。冥府神と戦い続け、遂に茨の園へと辿り着いた5人だが、カエルへの恐怖で戦意喪失する麗を、かつて自分が姉にそうしてもらった、母親のおまじないで励ます翼。
これまでの描写を見るに、兄妹の中でも翼が一番マザコンでシスコンなのですが、駄目な末弟に皆の甘やかしが行く前の、自分が優しくされていた頃の思い出を輝かしく美化しているのだと思うと、切なくて泣けてきます。
暑苦しくて口うるさい長兄、自由すぎる長姉、自分にはあまり優しくしてくれなくなった次姉、我が儘放題甘やかされ放題の弟……に挟まれていたらそれは、ちょっと粋がってワルっぽく生きようとしたのも、「お、俺はクールだから放っておかれても寂しくなんかないぜ! クールだからな!」となってしまったのも、全てわかるような気がします。
地上に取り残されたマジシャインは冥府カエルの孵化を阻むためにトラベリオンで卵を吸い続け、マジレンジャーはトードの仕掛けた魔法の双六へ挑む事に。偽マジレンジャーとの戦いで赤・緑・桃がフィギュア化されて戦闘力を失い、巨大カエルに睨まれた青は絶体絶命のピンチに陥るが、勇気のおまじないを思いだして立ち直ると、高水圧ドリルの新魔法により危機を脱出。
……なんか最近、青は攻撃魔法ばかり追加される気がする(笑)
黄色も強化ボウガンを持ち出して、残る偽マジレンジャーを撃破。従来から最も使われていた個人武器ではあるのですが、結局ダイヤルロッドの変形は今のところこのギミックだけで、黄色は何故か武器だけ優遇されています。
その頃、ダゴンの鱗の力により、ナイとメアは結界を張って冥府の闇に潜んでいたウルザードを発見。ダゴンワイバーンティターンを伴うと、結界を破壊してウルザードを引きずり出す。
「冥府神が3人か。光栄な話だな」
――逆境とは?!
思うようにならない境遇や、不運な境遇の事をいう!!
だが男とは、イザという時には、やらなければならない!!
「残念だが、ン・マの復活は二度と無い!」
逆境でみなぎるウルザードは、冥府10神の曲者ワイバーンと対峙する……そして茨の園では、水流ドリル魔法でサイコロを削る事で9の目を作り出すというイカサマで、マジレンジャーは双六のゴールに辿り着くと、フィギュア化していた3人の状態異常も回復。5人はそこで、囚われた母の魂をその目にする――。
…………なんかですね、その場その場の適当な発言、妙なカリスマ、追い込まれるとスパークする、熱い、根っこは割と駄目人間、とブレイジェルはもしかして、島本和彦キャラなのではないか、という気がしてきたわけです、ハイ。


◆Stage.44「母さんの匂い〜ジルマ・ジルマ・ゴンガ〜」◆ (監督:竹本昇 脚本:荒川稔久
スピードを活かした戦法でウルザードといい勝負をするワイバーンだったが、必殺技による反撃を食らい、ティターンと選手交代。これまでせいぜいトードとお喋りするぐらいで地味な扱いだったティターンは、雷撃をまとった双刀でウルザードを追い詰めていく……と陰の実力者設定だった模様。
「こいつ……できる」
……た、たぶん(ウルさんの実力評価は全く当てにならない事に定評があります)。
一方、母を取り戻すべくフルパワーを発揮する5人はマジレジェンドとなってトードを一気に追い詰めていたが、窮地に陥ったトードは母の魂を爆破して逃亡してしまう。もう、母を取り戻す事は出来ないのか……絶望に陥る5人だったが、母との思い出を胸に何かを閃いた翼が立ち上がる。
「俺はあきらめねえ!」
鋭敏感覚の呪文で、母の匂いを追う翼。
「俺が信じてる通りだとしたら、きっと何とかなる。可能性は、自分で作るもんだろ」
サブタイトルはアレですが(誰がつけたかわからないけど)、従来の呪文の応用、ブレイジェル(父)の言葉に繋げる、とこの辺りやはり、荒川さんは巧い。巧い筈なだけに、前回担当した31話は本当に何だったのか(^^;
翼の言葉に励まされた4人は揃って鋭敏感覚の魔法を発動し、麗が母の魂の光を発見。そう、母の魂は父の魔法によりガードされており、トードの攻撃を受けても爆散する事なく無事だったのである。安定の適当さでマジトピアが新魔法を配信し、それにより母が肉体をともなって完全復活。
ここは今作のお約束を処理する為にはこうするしかなかったのでしょうが、「バラバラになったものをくっつける魔法」だそうで、マジトピアがいつでも都合良く魔法を配信可能なところ含め、今作のコンセプト自体がドラマ的深みを失わせがちな事を裏打ちしてしまいました。楽と言えば楽ですが、脚本陣も歯がゆい思いはあったのではないか、と思います。
「やっと会えたね」
復活した母を抱え、かつて自分が麗と廃車置き場で閉じ込められた時、助けに来てくれた母の言葉をそのまま返す翼。
翼はこの土壇場で、いい回を貰えました。翼に対する好感度は高くないですが、これは良かった。良かったけど、この戦隊は本当にクール要らなかったな……!
麗と翼が共に見て、助けを求める母のメッセージだと感じた幼い日の夢……そして母もまた闇の中に囚われながら、同じ夢を見ていた。
「嘘みたい。凄いね、凄いよね」
クズいで定評のある母ですが、ここで落ち着いて状況を受け止めてしまうのではなく、感極まって言葉にならない言葉、一般市民の感想のような、言うなれば芝居っぽくない台詞を敢えて言わせる事で、魔法戦士ではなく、人間・小津美雪の部分を引っ張り出したのはお見事。
また、子供達が母を取り戻す為に戦っている裏で、父が父の戦いをしているというのも、今作としては珍しく、父の貫禄がしっかりと出る構成になりました。
地上では卵の吸い込み過ぎで故障したトラベリオンがトードに倒され、神罰執行まであと僅かとなっていたが、その時、降り注ぐ冥府カエルの雨を、白い光が凍り付かせ、砕き去る。
それこそが復活したマジマザー・小津美雪にマジトピアから与えられたら、新たな凍結呪文であった。そして今、6人の魔法使いが揃い踏む。
「煌めく氷のエレメント、白の魔法使い・マジマザー!」
母と兄妹の合体攻撃「ファミリーレジェンドフィニッシュ」を受けたトードは、改めての巨大戦もなく、消滅。戦闘力には劣るものの、実力勝負ではなく厭らしく立ち回ってくる、と個性は出て面白かったです。
そして一皮剥けた次のエピソードで、物凄く立場の無くなるヒカル先生であった。
追 い 出 さ れ そ う。
ぶぶ漬けでも出されながら、「ヒカルさんは、そろそろ、里帰りしなくていいのかしら?(にっこり)」とか母に言われそう。
再会した家族が笑顔を取り戻す中、クズ母は夫の魔力を僅かに感じる。
「勇さん?!」
冥府で激闘を続けていたウルザードは、ティターンに苦戦の末、ダゴンの不意打ちにより、ン・マの魂を奪われてしまう。深傷を負ったウルザードブレイジェルの姿に戻ると、冥府の地割れへと呑み込まれていく――。
ダゴンの台詞によると、ン・マの魂を抱えている為にブレイジェルは弱体化していたとの事なので、ブレイジェルが闇の力に触れて弱体化するとウルザードになるという事が公式に認められました(笑)
そんなウルザードに虚仮にされたスレイプニルの事は……そっとしておいてあげて下さい。
トードが倒れ、冥府神はいよいよ残り5体。ダゴンは己のもくろみを進め、スフィンクスは魔法使い達が「母親」が絡むと異常な力を発揮する事に興味を得て分析し、とダゴンとの仲が険悪になった事で更なる独自路線へ。ティターンに陰の実力者ポジションを持っていかれたワイバーンはどこへ行くのか、残り話数でスレイプニルに活躍の場は残っているのか。次回、おいしいポジションに急浮上したティターン、こうらくえん遊園地で芳香と握手?
……それにしてもマンドラはすっかりおまけコーナー専用だなぁ。美雪との再会というドラマ部分すら、おまけコーナーで処理されるという(笑)