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『侍戦隊シンケンジャー』感想7

◆第十三幕「重泣声」◆ (監督:竹本昇 脚本:小林靖子
殿も狼狽する一大事が発生――
「茉子が……」
「もはや、止めるには手遅れ」
そう、最終兵器・姐さんが、台所でタマネギを一刀両断していた。
「最大の危機だ……」
背後では、薬を用意している黒子(笑)
前回の今回で酷い入りですが、殿が少し崩れるようになった(殿を少し崩せるようになった)、というアピールも兼ねてか。
その頃、ドウコクは二日酔いで倒れていた。
……こちらはいつも通りだった。
前回、回想シーンで先代シンケンジャーを壊滅させていたドウコクですが、現在、自ら人間界には出られない状態だと自己申告。特に理由には言及されていませんが、封印の影響といった可能性が高そうか。
外道衆の方では、あまり封印の文字について表沙汰にすると妙な考えを起こすアヤカシが出るかもしれないと、直接的な丈瑠抹殺作戦は取りやめ、じっくり三途の川を増水させつつあわよくばその首を狙う、と路線の再修正。一応、細かく理由をつけておくのは、らしい所。
志波家では、「茉子が夕食を作る」という史上最大の危機に対応すべく、青と緑が腹筋に励んでいた……空腹は最高のスパイス作戦?
男衆の反応が理解できず、きょとんとしていることは。……というかこの場合、ことはが居ても平然と対策に励み、「茉子が料理好きで夢が“普通のお嫁さん”とか信じられない」という野郎共のデリカシーの無さはどうなのか(笑)
修行三昧で女心とかわかりません、という事なのかもしれませんが、シンケンの男衆は凄く、これまでにない感じでダメだと思う(笑)
「茉子ちゃんやったら、うちがお嫁さんにしたいぐらいやわ」
「それは無理だぞー」
特に流ノ介、君だ。
茉子に心酔することはは、男衆に茉子の優しい所をわかってもらおうと、実の姉の事を思いだして寂しくなっていた夜に、なぐさめてもらったエピソードでアピール。
「内緒にしておくから、泣いても大丈夫」
天使センサー恐るべし、なのですが、姐さんは他人の悲しみを吸収してエネルギー補給している生き物なので、本当にいい話なのかどうかは、怪しい。
一方買い出しに出ていた茉子は、全身白タイツの成人を自分の子供と思いこんでいる母親を目撃。それは、ボールをぶつける事で実の子供と分身体を入れ替えて誤認させてしまうという、子泣きアヤカシの妖術によるものであった。
全身白タイツの成人を肩車する父親とか、物凄いシュール(笑)
アヤカシに立ち向かうシンケンジャーだったが、青と緑が、赤いタイツの分身体を背負わされてしまう。その重量で動きを封じ、斬ると背負っている人間までダメージを受けてしまう子泣き分身体により青と緑が戦闘不能に陥り、アヤカシの攻撃を受ける桃。頼みの殿も子泣きクロスカウンターを受けてしまい、アヤカシは乾燥肌で撤退するも、シンケンジャー、思わぬ危機に。
ここまでの戦いを見ていると、どうもシンケンジャーは、搦め手に弱い気がします。惜しむらくは、外道衆がヒャッハー集団なので、搦め手を使えるアヤカシがあまり居ない事ですが。
泣けば泣くほど重くなる分身体をあやす5人+彦馬、全身赤タイツの成人と抱き合う殿の姿がとにかくシュール。3人とも背負わすと面白くないので、1人は正面からにしたのでしょうが、狙い通りに、凄く 酷い 面白い感じになりました。
親にはぐれた子供達は黒子が回収して1箇所に集め、保育士スキルを発動した姐さん、ことはを助手に子供達を即席お遊戯会で楽しませる事に。
男子が体を張っているので、女子も猿と亀の着ぐるみで体を張ってみました。
志波家の蔵には多分、獅子と龍と熊の着ぐるみも常備してある。
「ああいうの、やりたかったなぁ……」
子供達が落ち着いて遊び始め、先程の戦闘の負傷で一休みした茉子は、侍の稽古三昧で縁が無かった女の子らしい遊びへの憧れを、心配することはに吐露。いっけん同じ境遇なのですが、ことはは姉のリタイアで途中から侍修行に入ったので、やや視点が違う所が、ちょっとしたポイント。
戦いに負けたら、お嫁さんになる事は出来ない……と珍しく弱音のこぼれる茉子を、抱きしめることは。
「たまには、茉子ちゃんの事、ぎゅってしてもいいやろ。今まで頼ってばかりで、ごめんな」
……いけない、ダメ男が多いので、ことはが、“いい男”ポジションに急浮上(笑)
冷静に考えてみると、『シンケンジャー』の男性レギュラー陣って、
穀潰し・蘊蓄屋・バトルジャンキー・社会不適格者・面倒くさい・未熟者・小舅
……て、あれ、もしかして、一番まともそうなの、骨のシタリか?!
まあ現実的にベターなのは、黒子さんの中から探す、だと思われますが。
赤青緑は調教次第で成長の可能性はあると思うので……えーあれか……キョウリュウピンクかゴーオンシルバーに踏まれると良いかもしれない。
この、「敗北への恐怖」をメンバーに語らせる事で、外道衆との戦いが“命を賭けた真剣勝負”である事を随所で強調するのは、従来シリーズと比べても一歩重く踏み込んでいる所で、今作の特徴の一つ。
これは“先代が全滅している”という所から構築した要素だと思われますが、小林靖子の戦隊デビュー脚本『電磁戦隊メガレンジャー』(1997)第16話では、戦隊メンバーがバイオテロの当事者となり「死の恐怖」と直面するというエピソードが描かれており、その発展系という部分もあるのかもしれません。
三途の川の水かさがむしろ減った事により、子供達を再び泣かせる為に子泣きアヤカシが強襲。桃の負傷もあり2人は苦戦し、駆けつけた男衆も赤タイツの重みで変身不能
「終わりじゃ、シンケンジャー。これで好きなだけ子供達に泣いてもらえそうじゃ」
だがその一言が、桃と黄を奮い立たせる。
「そんな事、させへん!」
「子供達は、私達が」
「「守る!」」
立ち上がった2人は、合体モヂカラ攻撃を発動。「風」と「山」を合わせる事で「嵐」を作り出す、というのは非常に面白いアイデアになりました。嵐で巻き上げたアヤカシを、上下からのクロス攻撃、シンケン丸・天地の舞で撃破。
このところ戦力的にやや目立たなくなっていた2人ですが、合体モヂカラはそれらしくなり、いいタイミングで浮上。
巨大化したアヤカシと対峙するシンケンオーだが、赤タイツを背負わされ、動きを封じられてしまう。男衆は大天空を呼び出し、何を思ったか青、大天空をアヤカシに背負わせる(笑) 今日は一度も上がっていないのに、勝手にどんどん底へ底へ落ちていくな、流ノ介……高いプロ意識を感じます。
何はともあれ、大天空を背負って動けなくなった子泣きアヤカシを、シンケンオーは侍斬りで一刀両断。侍斬りは2人で発動できる事が判明しました。もう、野郎共は最初から大天空で、シンケンオーは女子専用ロボ、という事でいいのではないでしょうか。
戦い終わり、覚悟を決めて茉子の夕食を口にする男性陣だが、予想外にまともで皆感嘆…………したのは黒子が手伝ったところで、油断して茉子オリジナルの付け合わせを口にした殿、気絶。
ことはは平然とそれを食べ、男達の反応が理解できない、と顔を合わせる女2人。
「侍同士、女同士、料理のセンスも似たもの同士。剣の腕ほど上達するのはいつの日か」
あ、ナレーションさんが、殿の命の危機を割とさらっと済ませた(笑)
ベース好感度が高いと踏んでか、流ノ介や千明に比べて後回しにされていた女衆(特に茉子姐さん)のエピソード。キャラの掘り下げと合わせて、戦闘面の株を上げたのは、特に良かった所。


◆第十四幕「異国侍」◆ (監督:竹本昇 脚本:大和屋暁
志波家を訪れる、巨漢の外国人。
「ずっとずっと探しましたぜ、シンケンブルー」
流ノ介、ぎゅっとされる。
男の名は、リチャード・ブラウン(ジョン・カミナリという、芸名?のインパクトがむしろ凄い)。カジキのエピソードでアヤカシの毒から助けられ、シンケンジャーに憧れる弟子入り志望者であった。
志波家の屋敷を知られてしまった以上、叩き出してこじれても面倒と、適当に稽古をつけて追い返す係に任命される流ノ介。だが途中で我慢できなくなった千明がずばっと拒否してしまい、打ちひしがれるブラウンの様子に、流ノ介はつい親身になってしまう。
「ミスター・ブラウン、諦めずに頑張ろう!」
……まあ、最初の人選が悪い(笑)
屋敷の外でブラウンに稽古をつける流ノ介だったが、外道衆出現の方に盛り上がったブラウンまで付いてきてしまう。火属性吸収/風属性反射、の放火アヤカシ(虚無僧+象)に対して有効な水属性のブルーだったが、勢いあまってアヤカシに突撃するブラウンをかばってダメージを負い、アヤカシは乾燥肌で撤退。
熱い師弟関係を築いていた流ノ介だが、侍の使命に支障が出るのを許すわけにはいかないと、ブラウンを破門。
「これ以上、君に侍道を教える事はできない」
「教える事、ない」
……勘違いの予感。
翌日、再び街に出現した放火アヤカシは、久々の大破壊。揃い踏みで名乗るシンケンジャー
「天下御め」
「同じくブラウン、リチャード・ブラウン」
に乱入するブラウン。
やはり、流ノ介の「教える事は出来ない」を「教える事はもうない」=「免許皆伝」と勘違いしていました。
天下御免の侍戦隊、シンケンジャー、参る!」
(俺の台詞……)
殿、意外なこだわり。
アヤカシの火炎攻撃でブラウンが負傷した事に怒りの青は猛然と斬りかかるが冷静さを欠いて苦戦し、大火炎攻撃で全員が変身解除レベルのダメージを受けてしまう。だがその時、5人を叱咤するブラウン。
「諦めるなーーーっ! 侍は絶対に諦めないよ」
「いい弟子を持ったな、流ノ介」
「はい! ブラウンは真の侍です。この声援に、応えぬわけにはいきません」
「ナイス侍!」
5人は再変身すると、放火アヤカシの火炎放射を青が水の幕で反射し、連続攻撃。最後は殿が大筒をブルーへ渡し、ブルーとブラウンでカジキ五輪弾を炸裂させる。
「「成敗!!」」
相性の関係で難敵だった放火アヤカシですが、これ、最初から真っ当にブルーが戦っていたら、すぐに勝てた疑惑(笑)
まあ、こういう属性の有利不利描写は好きですし、青&ブラウンによる必殺砲は、大筒の使い方としては面白かったですが。
巨大化した放火アヤカシは、ダイシンケン天空唐竹割りで、さっくり抹殺。
5人に見送られ、侍道を世界に広める為、ブラウンは祖国へと帰っていくのであった。
しかし、これで、いいのか……?
能力も無いのに結果オーライで満足して全く反省が無いのに無駄に前のめりという、マジレンジャー』的な勇気を身につけた危なっかしい人が生まれただけだと思うんですが(^^;
大和屋さんは単発エピソードの構成力が高いので何となく成立してしまうのですが、落ち着いて考えると色々酷い(笑) 浦沢門下生として期待される事を期待通りにやっているといえばやっているのですが。