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『特命戦隊ゴーバスターズ』感想16

◆Mission18「地底3000メートルの共同作戦」◆ (監督:竹本昇 脚本:毛利亘宏)
ヒロムとヨーコの2人に加えて、マサトのお守りもするのが辛いとこぼす岩崎リュウジ・28歳、ゴリサキに胃薬を要求。
前回、欲望のままに生きる宣言(語弊あり)をした気がしますが、人間、一朝一夕では変われないものなのです。
ヨーコちゃんは昆虫図鑑を持ち出して、ビートとかスタッグとかって何、と子供向けに説明し、カブトムシ・樹液・クワガタムシって改めて意味不明な名前だな、とTVの前のみんなと確認(笑) まあこの辺り、Jが陣のアバターの転送システムである、というのを掛けたりもしているのでしょうが。
そんな中、メガゾードが掟破りの0秒転送で出現すると大穴を掘って地下へ姿を消してしまう。その目標は、地底3000メートルに眠る、採掘前のエネトロン。
……とここで始めて、エネトロン(の原材料)が地下資源である事が判明。薄々思っていたけど、この世界って、“石油などは存在しない”のかもしれない。
追跡方法を模索するバスターズは、とりあえず付近に出現したドリルロイド2号機を倒しに行くが逃げられてしまい、そこへ現れる陣。地下へ突入する作戦があるという陣が強引にヒロムとリュウジを連れ去り、取り残されたヨーコは会話の成立しない樹液と、ドリルロイドを追う事に。
ヒロムの連れ去りの為に、久しぶりに鶏フリーズが発動。ギャグとしての使い方は面白かったですが、基本的にギャグにしか使えない設定だな、と改めて。また、ビートバスターが単独で変身し、Jからパーツの一部が飛んでくるのが、わかりやすく描かれました。
バスターマシン1号をカブトクレーンで吊り下げて穴の中へ降ろし、1号は地下でメガゾードと遭遇。一方、Jと黄はドリルロイドを見つけて交戦するが、黄が途中で充電切れを起こしてしまう。
ピンチに陥った黄を助けたスタッグバスターは、物凄くシリアスに、木の枝を差し出す。
常識に欠ける銀の騎士は、真顔で告げるのだった。
「こいつの樹液は甘いぞ。こいつで、カロリーを摂れ」
やたら感動的な音楽が流れる中、命を取るか、ヒロイン的立場を取るか究極の選択を突き付けられたヨーコ――
舐 め た!
……えー、戦士力が強すぎて、一応ヒロイン枠としては超えてはいけないハードルを棒高跳びで越えてしまい、もはや後戻りできない感じなのですが、これで良かったのか。18話にして、ヒロインレース脱落なのか。
てっきり、真面目にズレているJ、というギャグシーンで流すのかと思ったのですが、思った以上に作品が容赦ありませんでした。
僕らの世界を守る為には、カロリーの選り好みなど出来ないのだ!
充電完了したイエローは、スタッグバスターとのコンビネーションでドリルロイド2号を撃破。
「俺は俺の命令でのみ動く」
「その割には息ぴったりだったけど?」
「陣に言われたから、俺は俺にそう命令した。おまえと息を合わせろと」
と、少し陣と樹液の事も見直すのであった。
地下のレッドは、ドリルメガゾードをクレーン車に吊り上げさせると、自機は量産型と交戦。地上の量産型がゴリラのディフェンスを突破するが、そこにウサギとクワガタが駆けつけ、窮地を脱出。地上と地下の量産型はバスターマシン1〜3号がそれぞれ撃破し、ドリルメガゾードはクワガタがダメージを与えた所を、カブトムシロボがシャットダウンするのであった。
今作、強大なヴァグラスに対する特命チーム一丸の戦いを表現する手法として、戦隊では基本的に、狙いほど盛り上がらない分割戦闘を、敢えてこだわって繰り返しているのが特徴としてあり、やはり今ひとつ盛り上がらない事が多いのですが、今回は二つの局面に分けた上でクライマックスに一度集約を経由してからまた3分割という構成に、格好いい挿入歌の力もあって、比較的盛り上がりました。
人間大でも戦えるし、ロボットに乗っても戦える――というのは戦隊シリーズの大きな特徴で、そこに着目して、ただ漫然とノルマとしての戦闘をこなすのではなく、2種類の戦闘を並行して物語の流れに組み込む。その事によって“戦隊ならでは”の面白さ・格好良さを新たな形で出せないか、というのは意欲的かつ挑戦的だと思うのですが、同時に結局、戦隊のカタルシスは「揃い踏み」にあって、戦隊フォーマットでそれを超えるカタルシスを生むのが難しい、というのが見えてしまう中、演出陣の慣れも含め、流れの組み方に、一工夫が出来てきた感じ。
金色カブトムシロボは、心の準備が出来ていた事もあってか、前回ほど酷くは感じませんでした(笑) どこからともなく取り出した銃を両手に持っての、腰だめの射撃シーンは格好良かったです。フォルムとしては下半身どっしりロボって割と好きなので、重量感を活かした見せ方をしてくれれば、そこまで悪くないかも。……上半身は、色々、どうかと思いますが!


◆Mission19「俺の合体!バスターヘラクレス」◆ (監督:舞原賢三 脚本:下山健人)
仮面ライダー電王』でいい仕事をしていた舞原監督が参戦。
Jから「バイクの人」扱いを受けたニックは、戦闘の出来るJへのコンプレックスもあって、筋力トレーニングを開始するが、バディロイドに筋肉がつく筈もなく、巧く行かない。自分にしかないものとは、いったい何なのか……割と何でも出来る万能型(自己申告)ゆえに、アイデンティティを模索するニック。
迷走するニックが料理したり絵を描いたりメイクしてみたり、という姿はCG多用でギャグっぽく演出。今作ここまでのノリからはややはみ出しましたが、正直ニック、バディロイドの中では一番キャラが薄いので、少し過剰なぐらいで丁度良かったとは思います。
ニックはヒロムのフォロー役(ストッパー)としては機能しているのですが、その当然の帰結として、リュウジと被ってしまっていたので、自分とは全く違うバディロイドであるJ(悩まない・フォローしない・戦える)の姿を見て己の存在意義にじっと手を見る、としたのは、バディロイドらしさを打ち出せて良かった所。
一方、前々回、もんでゅぅぅぅぅぅー!したエンターさんは、1週間山籠もりしている間に頭が冷えたのか、ニコニコ顔でバディロイドを狙う新たな作戦を発動し、スパナロイドを誕生させる。
前回とは打って変わって4時間以上の転送完了時間が本部で検知され、出現したスパナロイドは、たまたま公園で子供達に囲まれて即席空手道場を行っていたニックに襲いかかる。
「じゃ、バラさせてもらうよ」「バラすのさいこぉーーーっ!」
両手に巨大なスパナを持ち、機械類をバラバラに分解する光線を放つスパナロイド……は、バラバラマン(『ロボット8ちゃん』)オマージュでしょうか(笑)
Jとゴーバスターズがやってきてスパナは撤退するが、ニックがアイデンティティの確立を求めてプチ自分探しの旅に出ていた事を知ったヒロムは、厳しい言葉を投げつける。
「悪いけど、俺は自信の無い奴と組む気は無い」
相変わらず、ヒロムは途中経過吹っ飛ばして結論から言うな……(笑)
傷心のニックはオペレーションルームを立ち去り、手分けしてスパナロイドの捜索に向かう3人。分散の寸前、リュウジはヒロムに声をかける。
「ヒロム……大丈夫か?」
「何がですか?」
「ニックの事。確かに、ヒロムは思った事をストレートに言うけど、さっきのニックは、なんだかいつもと違ったんじゃないかなって」
「――大丈夫です」
「そっか。……なら心配いらないな」
ヒロムからの信頼を知らぬまま、傷心旅行で彷徨っていたニックの前に現れる、エンターとバラバラマン。エンターの狙いは、敢えて転送時間を長く取る事で、メタロイドの探索にゴーバスターズを分散させ、その間にバディロイドを狙う事にあったのだ!
さて、ここで大きな問題が一つ。
前半から存在していた問題点が、一つ前のシーンで致命的な傷口になってしまい、正視せざるを得なくなったのですが、これまで、対ヴァグラス戦力の中核としてバスターマシンを最重要視し、ヒロム達の命とか割とどうでもいいから、バディロイドは外出ちゃ駄目! という態度を取り続けていた黒木司令が、ニックを放置してしまっています。
前半はギャグ展開でしたし、外出に気付いていなかった、というのはギリギリ言い訳が効きますが、メタロイドが出現している状況で、ヒロムとニックが揉めているのを目撃した上で、ニックを司令室に留めておかないのは、あまりにも矛盾が過ぎます。
それどころかこの後、スパナに襲われたニックのエネルギー反応の減少をキャッチして3人を急行させるのを見る限り、完全にニックを囮に使っています。
黒木司令が外道で無能なのは今に始まった事ではないですが、本人なりの優先順位付けさえ崩壊してしまったのは、あまりに支離滅裂。
無能なりの一貫性すら消えて無くなってしまいました(^^;
作品自体が色々な要素を組み立て直している過渡期な上で、脚本家は2本目、監督は初参戦、と色々な理由が重なっての擦り合わせ不足だと思いますが、エピソード都合を優先して積み重ねを吹っ飛ばしてしまう、という非常によろしくない展開。……なんだか、このまま1クール目の黒木司令のメカフェチ路線自体が無かった事にされそうな気配も漂いますが。
ニックの危機にかけつけたヒロムは、弱気のニックに飛び蹴りし、スパナのいましめを脱するニック。
「おまえな……あそこで、蹴るか、普通……」
「何言ってんだよ。迷わずツッコんでこいって言ったのはニックじゃないか」
「ヒロム……おまえ、それ……」
それは、ニックが幼いヒロムの訓練中に伝えた 漫才の極意 言葉。
「いいかヒロム、迷わずツッコんでこい。自分の信じた通り、思いっきりやってみろ」
その言葉に応えて、ヒロムは切れ味鋭く容赦ないツッコミを修得したのだった!
……ええ、日本語としては「突っ込んで」だと思われますが、映像的には「ツッコんで」いるので、なんだかまあ、意図して掛けている気はします(笑)
「覚えてたのか」
「いっつもニックが言ってただろ。自分を信じろって。なのに、おまえが今までの自分を信じないで、どうすんだ」
「ヒロム……」
ヒロムに自分を信じる事を教えたのはニックであり、そんなニックをヒロムは信じている。だからニックは、ヒロムの信じるニックである。と、ヒロムとニックの関係がまとめられましたが、ニックがヒロムの自分主体の人格形成にかなり責任がある事が判明しました(笑) どうして、まだ容量に余裕がある内に、フォロー機能やヘルプ機能や紳士アプリをインストールしておかなかったのか!
「熱いねぇ。敢えて言わせてもらう。そういうの大好きだ」
そこに現れる、陣とJ。マサトは茶化すというよりも、本気っぽいのはいい所。
「おいJ、おまえ、ただのバイクの人って言ったらしいが、違うだろ? ……チダ・ニックは?」
「仲間から信頼されるバディロイド。最初から知っていた」
結局、個性は弱いままなので綺麗な話でまとめました(笑)
まとめて盛り上げてみたけど、戦闘で役立たずなのは変わらないですし。
エンターは変なポーズで撤退し、5人はスパナロイドを撃破するが、スパナメガゾードと破壊のカブトムシが転送されてくる。破壊のカブトムシには金色カブトロボで勝っているのですが、何故か分担を逆にし、お互い苦戦(^^; スパナに近づくとエネルギーを奪われる事から、ビートはクワガタジェットと合体し、新たな形態になる……その名を、バスターヘラクレス
どうして髭が生えているのか、と思われた金色カブトロボですが、割れた!
天才エンジニアの本気、二枚目フェイスのヘラクレスは胸のガトリングガンでスパナをひるませると、全砲門フルバースト。ゴーバスターオーはニックの号令一下、全エネルギーを集中したエクスプロージョンキックを放ち、同時にシャットダウン。
新必殺技を先導するという形でニックの見せ場を組み込みましたが、これまで情報処理以外の戦闘ナビゲーションをした記憶も無いので、どうにも強引(^^; 持ち上げようとすればする程、ニックってこれといって長所が無いよね……という、本人も自覚している残酷な現実が浮かび上がってしまいました(笑)
「俺はわかった。俺は、自分の信じた通りに、思いっきりやるだけだってな」
だがそんな残酷な現実を受け入れ、前向きに生きていこうと決めるニック。そうだニック、世界はキャラの濃さではなく、真面目に働く人々で回っているんだ! 頑張れニック! 耐えろニック! 明日はきっとポテンヒットだ!