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『特命戦隊ゴーバスターズ』感想17

◆Mission20「5体結集!グレートゴーバスター!」◆ (監督:舞原賢三 脚本:小林靖子
陣が持ってきた、13年前に届かなかったクリスマスプレゼントを見つめ、ちょっとアンニュイなヒロム。よりによってヨーコにそれを目撃されて慌てて退散するが、ヨーコはそんなヒロムの姿にどことなく不安を覚えるのであった。
一方、今日も地道に職務に励むエンターは、映写機からフィルムロイドを作成。
OPとCM明けに、古い白黒映画のフィルム調のエフェクトでエンターが1人語りをする、というのは舞原監督ぽい遊び心のある演出。
映した物を実体化する力を持ったフィルムロイドの繰り出した偽ゴーバスターズを撃破する3人だが、フィルムロイドは逃げ出し、転送されてきたメガゾードは、その能力で広域に映像を投影し、ドーム状の閉鎖空間を造りだす。
陣「あん中な、亜空間になってる」
それは、最近いい所なく連敗続きのエンターが、メサイア社長をもてなす為に企画した、我がマジェスティに人間どもの苦しみをちょっぴり捧げたい疑似亜空間ツアーであった。
真っ赤な空をバックに、青白い光に照らされたフィルムメガゾードの姿が、ウルトラ怪獣感溢れていて素敵。
「何カガ満チテユク、何カガァ……! ウアァ……コレコソ、私ガイズレ手ニスル世界!」
陣曰く、“全てが重くなる”亜空間では、人間は呼吸する事もままならず、疑似亜空間の中で次々と倒れる人々の苦しみに喜悦の声をあげるメサイア
ここで初めて、亜空間とは如何なる場所か、の一端が具体的に示されました。
バスターマシンやゴーバスターオーでも大きく動きを制限される亜空間だが、陣には秘策があった。黒木により本部に招かれた陣の指揮の下、5体のバスターマシンを合体させる、対亜空間用バスターマシンのチューンナップ作業が開始される。手伝いを申し入れるヒロム達だが、
パイロットは休むのも仕事だ。今の内に食事を取って休んでおけ」
司令が初めてまともな事言ったーーー。
久々に、大量の人員投入で整備班が動き回ってチューンナップ作業を進め、一方、投光器で照らされる疑似亜空間の暗黒のドーム……と、怪獣もの手法で、大規模作戦の緊迫感が巧く出ました。
そして翌朝――ドームを見つめる、ヨーコとヒロム。
「なんか、ちょっと怖いね」
「らしくないな」
「戦いは平気だけど! ああいう、亜空間みたいなよくわからないとことか、ヒロムの負担が大きいとか……」
ヒロムを心配し、ヒロインポイントを稼ごうとするヨーコ。
「なんか巧く言えない……やっぱ、もっと本とか読まなきゃ!」
残念ながら、重度な戦士脳です。
というかホント、司令のヨーコ育成における、戦士に余計な知識や感情は不要!感が物凄いんですが……。
そこへメタロイドが再出現して出撃する3人だが、エンターの入れ知恵によるフィルムロイドの新たな能力、願望実現光線を受けてしまう。
イエローの前にはウサダが現れて勉強を止めて遊びを許可し、ブルーの前にはマサトが現れる。
リュウジ、おまえはもう、エンジニアとして俺を超えた! これからは、師匠と呼ばせてくれ」
先輩に肩や腕を揉ませるブルーバスター……リュウジは、素が出れば出るほど、ダメ人間になっていきます。
小市民的願望に溺れたかに見えた2人だが、「仕掛け知ってるんだから、引っかかるわけないでしょ」とあっさり幻を振り払い、何故かVサインで消えていく幻マサトがおいしい(笑)
「この、偉そうに言うな! じゃあ、あいつはなんだ!」
意外とメンタル攻撃に弱いのが約1名居た模様です。
ヒロムが目にしたもの……それは、13年前の父と母と姉の姿。
勿論、家族が一緒だった頃のイメージという事なのでしょうが、ヒロム的に、お姉さんはこのぐらいの時が良かったのか(笑) 今の姉は、口うるさくて面倒くさい、が本音なのか。
懐かしい家族の幻に、子供に戻ったヒロムは幻覚に囚われてしまい、偽りの母と抱きしめ合う。青と黄がフィルムロイドに苦戦する戦闘の後ろで、幻と固まっているヒロム、というえぐい絵。極めつけは、この映像が司令部に大写しになっているというのが、痛恨のダメージ。
もう二度と、司令部で偉そうな事は言えない……!
「ヒロム……! 戻ってこい!」
「ヒロムに言いたかった事がわかった……。怖くなくても、寂しい時あるでしょ。言ってよ、いつも1人で我慢しないで!」
「ほら〜、呼んでるぞ、ヒロムちゃん。……ん? ははーん、もうこいつは戻れないみたいだよ?」
「「ヒロム!!」」
2人の呼びかけに僅かに反応を見せるも、幻に囚われたままのヒロム……だが、フィルムの攻撃が青と黄にトドメを刺そうとしたその時、爆発から2人をかばったのは、レッドバスター!
「父さん……母さん……姉さん……ごめん、俺が今帰る場所は、そこじゃない」
フィルムは幻の家族を盾にするが、レッドはそれを振り払ってなんだか凄いビームを放ち、フィルムロイドをデリート。
「削除……完了」
ヒロムのメンタル面のブレをアバンタイトルから積み重ねた割には、最終的にはヒロムがほとんど1人で乗り越えてしまったように見えて、ちょっと残念。一応、リュウジとヨーコの言葉に反応はしているのですが、もう一声欲しかったです。また、こういう時に役に立ってもいいと思うのですが、前回スポットが当たった事もあってか、ニックからは何もなし。現場の仲間優先が当然ではあるのですが、この辺りがどうも、バディロイドの扱いの中途半端な所です(^^;
「司令室から格納庫へ! パイロット達が戻ってくる。徹夜で厳しいだろうが、システム完成までもう一働き頼む!」
司令がもう一つまともな事言ったーーーーー?!
前半、パーフェクト無能クズだった黒木司令ですが、このままマイルドに軌道修正されていくのか。
なおここで、黒木の言葉にペンで首をかいていた陣が、整備班員一斉の「「「「「了解!」」」」」コールに振り向くというシーンがあり、黒りん、よくここまでスタッフを洗脳した……! と驚いているようにしか見えません(笑)
ヒロム達が戻り、リフトに乗る5人。
「ヒロム、一つ強くなったみたいだな」
「……逆ですよ。自分でもあんなに弱いと思わなかったです」
「それだ。強さってのはな、弱さを知る事だ」
と、ここはやや取って付けた感じであまり面白くなく月並みでしたが、背後で合体の最終シーケンスが完了し、最後に顔パーツがはまった後で、
「行くぞ!」
と、リフトの上で5人が並んで変身し、一旦ロングにして巨大ロボットと変身の光を一緒に収め、乗り込んでいく5人、というのは変身→ロボ搭乗を、必要要件によるギミックではなく、意志の流れとして描き、ロボ戦をドラマに組み込む事を重視した『ゴーバスターズ』的なるものの結集として、格好良かったです。
「グレートゴーバスター、起動を許可する」
遂に完成した、対亜空間用バスターマシン――その名を、グレートゴーバスター!
整備班に見送られて出撃したGGBは、下駄キャタピラを唸らせ、巨大な武装を振り上げる。
「こいつは普通の空間より、亜空間が得意だ。突っ込め!」
予告に映った顔のデザインがあんまりで、心配していたグレートゴーバスターですが、出撃シーンの音楽と演出が格好良くて、思ったより、いい感じ。ここまで装備がごてごてしてくれると、顔もあまり気になりません(笑)
新合体のプロセスを細かく描くだけでも、発進シークエンスを見せるだけでもなく、整備班の働き、というのをある分量を持って描く事により、出撃シーンの見送りに物語と感情を乗せる。途中途中では司令の調教による「了解!」ポーズを取るのがちょっと鬱陶しかったのが、最後に大量の整備班員が揃ってポーズを取る所では格好良く見えてしまうようになっており、モブ整備班員が、ギミックではなく、キャラクターとしてしっかり成立している。
今作にここまで不足しがちだった、上辺のディテールを置くだけではなくその中身を詰める事、が成されており、良い構成と演出でした。
5ヶ月かかりましたが、ようやく特命戦隊ゴーバスターズ』が形になったという気がします。
TVシリーズとしてはこれを、4話……はちょっと厳しいとして、せめて8話までには形にして欲しい所でしたが。
「まさか、ゴーバスターズ? この空間でまともに動けるとは……トレビアーン」
ドームを切り裂いて突入してきたGGBの姿に、なんかもう、やだこいつら、みたいな顔になるエンター(笑)
GGBは槍の一撃でメガゾードを粉砕し、ツアー満喫中だったメサイアと初顔合わせ。エンターとメサイアは撤退し、疑似亜空間に囚われていた人々も無事に助かるのであった……。
オペレーションルームとの共闘、整備班の存在と奮闘、メカ関係の細かい描写、亜空間に囚われた家族を助けるというモチベーション、不器用な仲間達の約束、自由な兄貴分と自由な樹液、巨大ロボという形で結集する力――と、今作これまでの要素(除くバディロイド)をまとめた、前半の集大成といえるエピソード。
頭でっかちなまま走り出して迷子の自転車みたいになっていた今作ですが、5体のバスターマシン全合体を軸に今作の主要なポイントをしっかりと物語に組み込み、その上で久々登場のメサイアの目的確認、亜空間の具体的な描写、と物語の流れも見せて繋げ、全体の構造がスッキリとまとまりました。ようやく、やろうとしていた事が形になった、といった感じで、仕切り直しとしては上々の出来。
ただ、ここまで来るのに本当に長かったなぁ……(^^;
次回――年齢の壁、引退の危機。