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次から次のメカ――『Gのレコンギスタ』感想・第21話(Aパート)

本編の熱量が凄すぎてそれどころではなくなり、中断していた各話感想を再開。もはやリアルタイム視聴感想では無くなってしまいましたが、気持ちなんとなくそんな感じで(^^;
◆第21話「海の重さ」◆ (脚本:富野由悠季 絵コンテ:松尾衡斧谷稔 演出:松尾衡
見所は、ギゼラさん、ロマンスグレイにときめく。
シーディスクの海を突き破って内部へ入り込んだG−セルフは、ジャイオーン、そしてジャスティマと戦闘を繰り広げる、というスピード感ある迫力の海上戦から、ベルリ、ジット団、クレッセント・シップメガファウナメガファウナのMS部隊、と視点を次々と変えてハイスピードでドタバタ進行。
キア「海の底に穴を開けたか……! 俺は、地球人のお陰でとんでもない事をしちまった!」

キャピタル・タワーのケーブルを盾にする
聖地ザンクト・ポルトを背後に背負う

と、口では「タブー」とか「たたられる」とか言いつつ、いざとなると一切躊躇しないで聖域を利用できる鬼畜反射神経という、相手が悪すぎました。
ディスクの下で待機していたメガファウナは、ロールパンが姿を消したのを見計らい、ジット・ラボへと移動。一方クレッセント・シップでは、キアが船長と副長に仕掛けていた爆弾が、パーティグッズのフェイクであった事がフラミニアによって判明する。前回G−セルフにはたかれて、命綱なしで軽く宇宙遊泳などした為か、少々テンションおかしいフラミニアさん(笑)
まあ、「多分フェイクに違いない」と行動に移せたのは、キア隊長の性格を知っていたから、という要素はあったのでしょうが。
デザイン・行動・言動と、山賊感溢れるキア隊長ですが、この後のジット団員の描写などからも、団員からはかなり慕われている様子が窺えます。まあ一団を率いて上層部に逆らい、レコンギスタ計画を遂行しようという人物なので、一定のカリスマ性の持ち主ではあるのでしょうが、リーダーとしてはかなり、出来る男なのかもしれない。
メガファウナはジットラボへと近づき、向こうから来いって言ったわけだし武装もないし、と奇襲作戦にノリノリのMS部隊。クレッセント・シップを制圧しに来た時のジット団と似たようなテンションですが、そういえばそもそも、この人達は宇宙海賊でした。
その最中、ケルベスの乗ったレックスノーの不審な動作に興奮するリンゴ。
「ラライヤの股に手を突っ込んで、何をしようっていうんだ!」
リンゴ・ロン・ジャマノッタ、ラライヤが乗っていれば、たぶんMSにも欲情できる男。
レックスノーがネオドゥの股の間から引っ張りだしたのは一本のロープ……と、それにぶら下がって潜入に参加しようとしたノレドとマニィ。
個人的にはそういう方向へ行って欲しくはなかったのですが、ノレドの「ベルに役に立ちたい」は、極めてアクティブな方向へ振り切れて参りました。……まあ、アクティブといえば最初からアクティブだったのですけど。必ずしも「待っている女」であって欲しいわけでもないのですが、ノレドにはあまり、最前線には加わって欲しくなかったなぁ……と。この辺り、ルインの為に何か成果を得たいマニィと、お互いでそそのかしあった感もありますが。
レックスノーはつまんだロープをくるくる振り回し、と展開は緊迫しながら、今回は随所にコミカルなシーンが目立ちます。それも、画面の端でバタバタしているといった種類ではなく、明確に置かれており、場面転換の多いドタバタ感と合わせて、喜劇性の強いエピソード。
ディスク内部のジット団は、G−セルフの迎撃と海底の穴を塞ぐ為に戦力を結集し、巨大な目玉MAと、新たなMS・ズゴッギーに乗ったドリル頭のオカマが登場。
「ここで実戦が体験できるなんてぇ! 想像もしてなかったな、あたし」
金星圏でMS作っても外敵と戦う機会が無さそうだけど……というのを裏付けるような言動。ここでも、旧世紀の技術を保全・発掘しながら、作ってみたらそれを使いたくなり、やがてそれに振り回される事になる、という人間の姿が描かれています。
目玉MAからジット団のMSが発進する時も、操縦にやや手間取る描写があったり。
金星くんだりまでやってきてみたら、宇宙世紀の凄い技術を伝えて使いこなしているような雰囲気のジット団が出てきたけど、内実はあまり地球の人々と変わらなかった、という皮肉。ただしこの後の展開を考えると、そんなジット団の中にこそ「人間らしさがある」という意図も見て取れる気がします。
一方、ベルリは海岸近くで小休憩して栄養補給。コックピットの中で何かを口に入れているカットが入るのが、いつもながら丁寧。ここでもG−セルフを見て驚く住民の姿がだいぶコミカルに描かれているのですが、海が割れて巨大な何物かが近づいてきたというのは怪獣映画なので、地上の人間が慌てふためくのはお約束か(笑)
ジャイオーンは目玉と合体し、その際に風圧で飛ばされそうになった整備員を空中キャッチするなど、細かい仕事。G−セルフとジット団は戦闘を再開し、ジャスティマを蹴散らすG−セルフと、今回かなり戦闘シーンに力が入っているのも目立ちます。
その頃、外ではノリノリの海賊達が桟橋から内部へ入り込もうとしていた。
アイーダ「私達は、クレッセント・シップから、叛乱分子を牽制しろと言われているのです」
テン・ポリス「ジット・ラボから叛乱分子って、本当なのですか?」
この辺り、かなり統制の取れた動きに見えるテン・ポリスも、現実のアクシデントにあまり慣れていない事が窺えます。そしてその混乱に付け入る、姫様一行。
ラライヤ「それはそちらで調べて下さい。中からの反応がありませんから、入ります」
テン・ポリス「ど、どうぞ。……その宇宙服には、中身が入ってるのか?」
ノレド「偵察なら、ちゃんと悪いヤツを捕まえなさいよ」
……完全に、無法者の集団です(笑)
内部に潜入した海賊部隊は海に驚き、ノレドとマニィはMSを降りて、ラボへと潜入。ルアンのグリモアズゴッギーがハンマーパンチで襲いかかり、それを迎撃するレックスノー。
「四角い玩具がぁ!」
更にズゴッギーの隠しマニピュレーターでネオドゥが危機に陥るが、割って入ってそれを切り払うリンゴのモラン、と割と貴重な、メガファウナ組のMS戦。……普段、如何にG−セルフが暴れすぎかわかります。
「あたしのマニピュレーターがぁぁっ」
大事なものを切り落とされ、絶叫するドリル。こういった、実は別に無くてもいいような台詞を、凄く重要な事のように大袈裟に言わせて溜めを作り、テンポの緩急とスポットライトの強弱に変化をつける、というのは、如何にも富野演出らしいところ。
見得を切ったドリルと、ジャスティマのチッカラはフルムーン・シップへと引き下がり、海上で奮戦するG−セルフの前には、キアの操る巨大な目玉が迫っていた――。
「次から次へと、なんだっていうんだよ」
で、Bパートへ続く。