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『手裏剣戦隊ニンニンジャー』感想・第21話

◆忍びの21「燃えよ!夢の忍者野球」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:下山健人)
北別府+浩二……って、下山さんは、広島ファンなのか?!
お互いに卑怯な手段を駆使しまくるという教育上よろしくない野球回(笑)でしたが、些事ながら少々気になったのが、2015年現在、ボールカウントはボール先で例えば「スリーボール・ツーストライク」と読み上げ、「ツーストライク・スリーボール」とは言わないのですが、どうして劇中ではストライク先で言っていたのか。実況担当は足軽兵でしたが、牙鬼軍団、基本的に現代社会に精通している筈。
球場の表示板はボールが上になっていましたし、アフレコ段階まで誰も気付かないほど最近の野球を見ているスタッフが全く居ないとは思えないのですが、単なる凡ミスなのか、何か都合があったのか。少年野球のコールはまだストライク先なのかなと思って軽く調べたのですが、どうもハッキリわからず。
キンジが正式に伊賀崎流忍術に弟子入りを許され、好天から忍者装束を与えられる。ところが風や雷の上級忍術を独学で修めたキンジは基礎の五遁の術をうまく使えず、5人の足を引っ張るわけにはいかない、と1人で修行に励む事に。そんなキンジはプロ野球選手を目指して練習を続ける野球少年と出会い、少年の横でいきなり忍術の修行を開始。
一歩間違えると通報されますが、少年がごく普通に「タライを頭にぶつけている間抜けなニンジャだなー」ぐらいの生暖かい視線を向けているので、ご町内の広場で忍術の修行をするぐらいは、ふつー、ふつーです。
何度か書いていますが、この辺りの常識と非常識のブレンド具合が非常に中途半端なのが今作の問題点なので、振り切るなら思い切って振り切ってほしい所。その際に重要になるのがゲストのリアクションなのですが、今回の野球少年が、妖怪以外は概ね平然と受け入れるので、ニンジャ=街で時々見かける(ただし女子高生としてはちょっと恥ずかしい)、という方向に舵を切ったのだと思ってしまう事にします。
修行に協力しようとキンジに合流した天晴達は、野球少年が友達に小馬鹿にされているのを見て、「おまえら、頑張ってるヤツに酷い事言うなよ」と割って入り、抜き身の刀を握ったまま小学生を囲むニンジャ6人。
一歩間違えなくても、通報した方がいい。
ニンニンジャーに再び逮捕の危機が迫ったその時、妖怪バクが現れ、野球少年と天晴が夢を食べられてしまう。バクに指示を下すのは、般若と翁に続き、女面から復活した新幹部、ハイテンションにして高飛車な牙鬼幻月の妻・有明の方!
(この名前はもしかして『マジレンジャー』オマージュか?)
蛾眉さんの無残なリタイアから順次交代制かと思われた幹部ですが、ここで正影が存命の内に、女幹部を緊急補強。複数幹部体制になったとはいっても、有明の方に対して正影が引き気味の上に顎で使われるというヒエラルキーが明確すぎて、イカ軍師の存在感が薄くなりそうな気がしてなりませんが(^^;
いっそこれなら、蛾眉さんを生かしておいて、高飛車に命令する奥方→面倒くさくなって下に丸投げする軍師→割を食って嫌々出撃する蛾眉さん、ぐらい上下関係の厳しい牙鬼軍団、みたいな組み方をしても面白かったのではと思われますが、本編でこの関係を巧く転がしてくれる事に期待。
ラストニンジャになる、という夢を食べられてしまった天晴は、早速、アルバイト探しを開始。ここでアクティブに真人間の道を目指すというのは、天晴らしい(笑) 一方キンジは野球少年を気にするが、少年はグローブも帽子も捨ててしまうのであった……。
で、今回の問題なのですが、“ニンジャに興味を失う天晴”という非常に面白く広げられそうなネタ(実際この時点で面白い)と、“夢を失った少年とキンジの交流”という、それぞれ単独で展開できそうなエピソードを混合した結果、どちらも非常に中途半端になってしまいました。
特に前者のネタをこのエピソードで消化してしまったのは、非常に勿体ない。
せめてこのエピソードの中でキンジと天晴が線で繋がればいいのですが、キンジは少年しか気にしないし、天晴は状況に乗っかるだけだしで、詰め込んだ劇中の要素が連動せず、折角だから屋根裏部屋を付けようとしたら天井が抜けた、みたいな感じに。
最終的にキンジを、自分の目標に一直線であるが故に他人の夢も大事にする男、として微修正しつつ着地させるのですが、それなら、キンジと少年の関係に絞るか、少年を抜きにして、夢を失った天晴の為にキンジが奮闘する話にして2人の関係も補強するか、で良かったと思うのですが、キンジと天晴の話を同時進行でやりつつ何故か2人が絡まない、という軸足を見失ったエピソードになってしまいました。
ロボ戦も営業の都合で、野球バトルで立ち直った少年の助力で天晴が復活してライオンハオーでバクをガオラオしてしまい、少年と主に絡んでいたキンジ(バイソンキング)棒立ち、という、どうにも締まらない事に。
「俺達が戦うってのはさ、自分の夢の為でもあるけど、みんなの夢を守る為でもあるんだな」
この台詞だけは、基本、本能の赴くままに戦っている天晴が自分の戦う意義を見つめ直して良かったのですが。最後だけ綺麗にまとめれば良いというわけでなく、いつも以上に、ネタを使い切れない『ニンニンジャー』の勿体なさ、を感じるエピソードでした。
……惜しげもなくネタを絨毯爆撃しているという見方もあるかもしれませんが、どうも今作の場合は、ネタを掘り下げる事が出来ないという印象です。もう一踏ん張りして掘り進めば、岩盤の下に金脈が眠っている事もあると思うのですが、その前に別の所を掘ってしまう感じ。
声だけですが獅子王が引き続き登場してくれたのは、単なる強化アイテム扱いで終わらずに良かった所。次回は少し、物語に絡むようですし。