はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2023〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『百獣戦隊ガオレンジャー』感想23

◆Quest31「百獣戦隊、全滅!!」◆ (監督:竹本昇 脚本:酒井直行)
究極体と化したウラに特攻して返り討ちにあったブルー、いい死にっぷり。続けて、ブラック、イエロー、ホワイトが次々に惨殺され、なんかちょっと、楽しくなってきました(おぃ)
いや、話数的にも展開的にも生き返るの前提ならば、半端にやるよりも派手にやり切ってくれた方が面白くなるので、そういう点で、今回の立て続けの4人死亡は、TVの前の子供を本気で泣かせに行く殺しっぷりがとても良かったです。
あっという間に仲間を失い、窮地に立たされるレッドとシルバー。すわガオレンジャー全滅かと思われた時、突然ガオゴッドが現れると神の電撃でウラを吹き飛ばし、死体と2人を回収して教団へと帰還する。
前回、ガオゴッド=ウラ説を提唱しましたが、すぐさま否定されてしまいました。
……強大な敵に崖っぷちまで追い詰められた所を規格外の存在が助けてくれる、というおよそ考えられる最悪の登場の仕方で(^^;
綺麗な十字に並べられた4人の死体はゴッドにより回収され、泣き叫ぶテトムを止める赤。
「諦めろテトム! 4人はもう、死んじまったんだ!!」
走先生(元傭兵疑惑)はホント、くぐってきた修羅場の数が違うから、割り切り早いな……!(笑)
「パワーアニマルを召喚する事も……百獣合体も……もう……」
そして早速、戦力の計算を始める、ハード&クール。
神「決して諦めるな。戦い続けろ」
どう足掻いても絶望的だ、と床に倒れ込む赤に対し、何の希望も方策も示さず、精神論だけ語って無責任に姿を消すゴッド。
ガオラオガオラオと唱えていれば、たとえ戦場で死んでもアニマル極楽浄土に召されるので、現世の痛みや苦しみなどものの数ではないのです。
ガオラオガオラオ。
矢玉尽き果て心折れ、降伏やむなし、と失意に沈む赤だが、その時、ウラが街中に姿を現し、助けを求める子供達の声がガオズロックに響いてくる。
「あの子達を放っておく事が、おまえには出来るのか?!」
「………………出来るわけがねえ!! この世の全ての命を守る為に、俺は、ガオレンジャーになったんだ! 俺達は、諦めちゃいけないんだ!」
「決して諦めない!」
「戦い続ける!」
勇気と覚悟を取り戻し、飛び出していくレッドとシルバー。
ここで再起のきっかけにストレートに子供の叫びを持ってきたのは今作らしくはあるのですが、子供達が「助けてガオレンジャー!!」と叫んでおり、若干以上の、こうらくえん遊園地で僕と握手感。
――そしてその叫びは、アニマル極楽浄土に召されつつあった4人の魂にも届いていた。足を止めた4人は謎の少年の助言を受け、溶岩の沼へ沈むのもいとわない勇気を見せると、一枚のレリーフを完成させる。それは羽ばたく鳥の姿をした弓矢・ファルコンサモナーとなってレッドの元へと届き、レッドがその矢を放つと、ウラ究極体、まさかの一撃で大爆発。
自動的に巨大化したウラに対抗手段を持たないレッドだったが、1日3回朝昼晩にガオラオガオラオと唱えていれば、もう心のくじける事は無い。
「俺は、灼熱の獅子! 最後まで諦めてたまるかぁ!!」
ファルコンサモナーに獣皇剣を合体させる事で召喚機能が発動し、天空島の火山の中で眠っていたガオファルコンが目覚めると、それに応えるかのように、キリン、鹿、サイ、アルマジロが“奇跡の復活”。
ナレーション「という事は、まさか――」
まさか、死後15分で、4人、謎のリザレクション。
何が「という事は」なのかは、まっっっっっっったくわかりませんが、黄青黒白、アニマル極楽浄土の一歩手前で原隊復帰。
一切の前振りも、伏線も、根拠も無く、奇跡のお裾分けで死者が蘇生するという、凄く突き抜けた戦隊。
ごくあっさりとレッドゾーンを振り切りすぎて、これはこれで面白くなってきてしまったかもしれません(笑)
「ウラ究極体の力を見せる為に死ぬ」という展開が決まっていたら、「どうやって生き返らせて逆転するか」の所に説得力を持たせて盛り上げる為に、仕込みをしておくと思うのですが、一切無し。勢いや力技ですらなく、理由など何もいらない、という潔さが、これはこれで凄い(笑)
ここまでやられると、面白い面白くないは別に、今作はこういう戦隊である、という世界観は受け入れざるを得ません(^^;
復活を成し遂げた4人がガオアクセスし、ファルコン、キリン、鹿、サイ、アルマジロが合体した天空の王・ガオイカロス(飛行タイプ)が誕生。なお、黄色の担当アニマルは居ないのですが……黄色、どうやって甦ったのだろう(笑)
あと、4人が死んだ時にそれぞれのガオの宝珠が砕けているのですが、ファルコン登場時にキリンなどが「奇跡の復活」扱いになっているという事は、ライオンとゴリラ以外は戦死扱いなのか。
一気に、動物園の、経営がピンチ……!
ガオイカロスはウラ究極体と空戦を演じ、翼の呪いで動きを封じた所を、オーバーヘッドシュートで蝶々サンバ。千年の邪気は霧散し、元の姿に戻ったウラに切りかかるガオシルバー。トドメは走ってきた5人が破邪百獣剣で邪気退散。
「無念でおじゃるーーーーー!!」
かくしてあっさり爆死したかと思った後がしつこく長かったウラは今度こそ消滅し、ツエツエとヤバイバも元の姿に戻るのであった。……恐らく、ツエツエは皆が早く元に戻したかったに違いありません(笑)
臨死体験から甦った4人によると、地球の大いなる命が甦らせてくれたそうですが、神秘体験を経て、ますますカルト度が増しました(^^; そして事の成り行きを考えると、ガオゴッドはガオファルコンを目覚めさせる為に、4人が死ぬのを待ってから手助けしたと思われます。まあ、神様から見れば人間などゾウリムシのようなものだから、仕方ない……!
長かったウラ編は、追加戦士の踏み台だと思ったら後期ロボの踏み台だった、という二段構えでしたが、その後期ロボに追加戦士が全く関係しないという構成はまた、物凄い(笑) 最後に強引に出てきましたが、ファルコンサモナーで盛り上がっている間、シルバーが完全に画面から消えていたり、今作は今作なりに、商品展開と物語の噛み合わせにあちらこちらで苦慮も見える所。
物語世界が「おお、ガオ○○よ、死んでしまうとは情けない!」というステージまで振り切れてしまいましたが、普段なら2話構成でだらだらとしそうな所を、1話にぎゅっと詰め込み、面白い面白くないは別にして、いつもの尺余り感が無かったのは良かったです。毎回これぐらいの内容量だったらなぁ……(^^;
31話にして、予想を超える次元へ凄い脱皮を果たしてしまった今作ですが、さて後半戦、どう転がっていくのやら。次回、第三のハイネス、現る――。