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『手裏剣戦隊ニンニンジャー』感想・第27話

◆忍びの27「夏休みスペシャル 夏だ!超絶スター誕生」◆ (監督:加藤弘之 脚本:下山健人)
見所は、よりによって天晴に「一人で突っ込みすぎだ!」とツッコミを受けるスターニンジャー。
夏休みのラストを締めるアクション編としては見所がありましたが、話の内容は引っかかる所が幾つかあって、ちょっともやもや。
まずは、西洋三大妖怪・来日を知った時の軽い反応から、狼男は狼男でも、キンジの仇とは限らない(同種族の別個体)という事なのかなーと思っていたのですが、今回、特に確認する前から仇と決め打ちしており、それなら、来日を知った時点からもう少しキンジの反応を思わせぶりにしてほしいな、と。
昨日今日の因縁ならともかく、ほぼキンジ登場時から引っ張っている話であり、キンジの土台とも言える要素なので、もう少し丁寧に扱って欲しかったです。
発祥としてもヨーロッパから来たとおぼしいのに、「西洋」の名の下にアメリカとヨーロッパがひとくくりにされているのも少々引っかかりますし……根本的には、因縁の相手が狼男であった必然性、というのが物語として全く無いのはいただけなかった所。……重ねて書きますが、昨日今日の因縁ではなく、キンジの根幹設定なので。
無類の回復力を誇る狼男の必殺攻撃にスターが敗れ、ニンニンジャーは一時撤退。仇討ちにこだわって冷静さを失ったキンジは好天から弟子失格を言い渡されてしまい、そこに再び、九衛門がヘッドハンティングに現れる。
「仇討ちぐらいさせてやればいいじゃんか!」
「馬鹿者! ニンジャの力をなんじゃと思っておる。感情で使うものではないじゃろうが」
……いつ、そういう事に?
天晴の発言もどうかと思いますが、今回の好天はやたらに発言が道徳的かつ倫理的で、二週続けて本物かどうか怪しい(笑)
ここで、好天がキンジの心の弱さを「元馬鹿弟子みたい」、九衛門が話を聞かないキンジのせっかちさを「あのクソジジイみたい」と、それぞれなぞらえる、というのは面白かったです。
「爺ちゃんの弟子なんだろ! もっとキンちゃんのこと信じてやれよ! なんだかんだで一番恐れてるのは、爺ちゃんじゃんか!」
心の弱い奴はダメ、ホントダメ、何やらせてもダメ、という好天に、孫達が反論したのは良かった所。
そもそも好天、弟子を全く導こうとしないので、そこを正面から描いてしまうと、根本的に駄目師匠ですからね……好天は何を考えているのかわからないジョーカーとする事で、師匠としての駄目さを覆い隠している所があったので、同じ所に立たせて真っ向から切り込むと、ちょっと厳しい。
再び街で暴れ出した狼男に挑むニンニンジャーだが、キンジは九衛門の出した好条件に釣られ、転職を考えていた。普通の人間の力では傷を与えられない狼男を倒す為、キンジは九衛門から妖怪の力を注がれ、ここでどうやら、九衛門が半妖となっている事が判明。
「僕にはわかるんだよ、スターニンジャー。君の心に、深い闇があるという事をね。僕と同じさ。僕らは似たもの同士。手を組む運命なんだよ」
出たてで強かった頃のキンジならともかく、今のキンジと「似たもの同士」発言をすると、凄い勢いで株価が下がっていきますが、もしかしなくても九衛門、昔から落とし物とか多かったのか。
「すみません師匠ぉぉぉぉぉぉ!! <終わりの手裏剣>をどこかに落としましたぁぁぁぁぁぁ!!」
みたいな事が5回もあれば、それは破門されても仕方ないかもしれません。
「いや……あっしは……おめえさんとが違いやす!」
心の揺らぎにつけこまれ、妖力に呑み込まれかけるキンジだったが、天晴達の「俺達はキンちゃんを信じる!」という言葉が届き、妖力を振り払うと5人に合流。
「あっしは仇討ちどころか、父と兄を復活させる為に、<終わりの手裏剣>を手に入れる私情で、好天様に弟子入りを願っておりました」
あ、そこまでみんな言うんだ……(^^;
まあ、この辺りで触れておかないと、そもそも<終わりの手裏剣>自体が忘れられた設定になりそうという都合もあったのかもですが。
「確かにあっしは妖怪ハンターの息子でございやす。しかし、今はラストニンジャの弟子。私情を捨て、世の人の為に、戦わせていただきやす」
ここで、浮かれた普段着からニンジャ装束に切り替わる、というのは格好良かったのですが、本当にいつの間に、ニンジャは「私情を捨て、世の人の為に戦う」職業になったのか。
復讐に囚われて悪の誘惑に溺れそうになったキンジが仲間達の絆で正道を取り戻す、という表向きの大筋は真っ向スタンダードで特に悪い構成でもないのですが、劇中のニンジャ観がいつの間にか偽造されていて、今ひとつ盛り上がりきれませんでした。
ここで、「ニンジャとはこうだ!」という話を持ってくるなら、もっとしっかり、「ニンジャ」に関する積み重ねをしておいて欲しかったです。
また、ニンジャの正道と対比させる為に「私情」という言葉をキーワードにしているのですが、これまで特に用いてないし、あまり日常的な言葉でもないのに、やたらめったら「私情」「私情」と使うのが、どうにも不自然になってしまいました。
もう少し、キーワードを巧く用いてほしかった所。
普通の人間の力では傷つけられない狼男だが、精霊の力なら大丈夫、とスター、先日拒否したばかりの超絶に。強化装甲の色が一緒(赤)な為に見た目の差異がアカとあまり無い所を、二刀流で区別したのは良かったです。
「キンさん、キャラまで変わっちゃったよ」
……まあそもそも、落ち着いた事がない。
超絶キンは5人との連携から、二刀流で狼男をずんばらりん。巨大化後はシュリケンジンハオーで天晴バスターし、父と兄の仇討ちを果たすのであった。<終わりの手裏剣>を狙っていた事を告白しようとするキンジだが、好天はそれを押しとどめると弟子見習いから正式な弟子にして、大団円。だが一方、有明の方に現場指揮権を願い出た九衛門は、「ニンジャにはニンジャ」をぶつけようとしていた……。
父兄の仇討ちから<終わりの手裏剣>まで、一気に過去の因縁と動機を片付けられたキンジですが、狼男の攻撃で受けた傷を妙に強調、超絶の時の青い瞳、と、新たな伏線めいたものが描写されました。また狼男の断末魔で「妖怪ハンター……必ず! 必ず貴様等は! 根絶やしとなるだろう……うはぁぁっ!!」と、これまた妙に「妖怪ハンター」を強調しており、妖怪ハンターの血統そのものに何かの意味があるのか、或いは九衛門に妖力を注がれた影響なのか、今後の展開に繋がる……かもしれない。
さすがにキンジの畳み方は今作にしても強引な気がするのですが、何か内部で、路線修正の動きでもあったのかなぁ……(^^; というわけでこの新たな伏線めいたものも、あまり期待も信用もしないで心の片隅に留め置いておこうと思います(笑)
次回、予告が妙に格好いい音楽で、新展開はニンジャvsニンジャ?!