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『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』感想

一番グッと来た台詞は、
「幸い俺は、マイティー・ソーだからな」
です!


 結集したヒーロー達が宇宙からの脅威を退けたり、キャップが勢いでアレしちゃったりしてからしばらく後の事、ロキの杖の行方を追っていたアベンジャーズは、ヒドラの残存勢力が潜む要塞を襲撃していた。目にも止まらぬ超スピードを持つ弟ピエトロと、念動と精神操作を武器とする姉ワンダのエスパー双子に戦線を乱されつつも、なんとか首謀者を確保してロキの杖を取り戻すアベンジャーズだが、そのさ中、トニーが内側に抱える恐怖のイメージ――自分の力不足で仲間達を全滅させてしまう光景――をワンダによって増幅されてしまう。
 その幻像に急かされるかの如く、平和維持の為に密かに研究を進めていたウルトロン計画に杖の力を応用しようとするトニーだが、新たな人工知能として目覚めたウルトロンは、トニーの全く予期しなかった目的の為に動き出す……。人類の平和とは何か、それを実現するのにふさわしい存在とは何者なのか、今、アベンジャーズの前に巨大な試練が立ちふさがる!
拡大を続けるマーベル・ユニバース映画の集約点であり核となる『アベンジャーズ』の第2弾。
シリーズ作品のキャラクターが入り乱れ、様々な伏線が絡まってまたほぐれ、映像・アクション・エキストラの数がど派手なアクション超大作。
とにかく映像の迫力とアクションは物凄いです。室内にしても外にしてもいちいちセットが広く、常に奥行きのある画面で展開するので、非常に豪華。特にクライマックスのあれは、仰天しました。
一方でやむを得ない事ではありますが、シリーズ作品の拡大にともない人物やマジックアイテムが順調に増大し、拾う伏線張る伏線、広げるネタに引っ張るネタと、各種要素の出し入れが激しく、2時間20分の映画としても、情報量過多。
関連作品を“全部”見ていなくても楽しめますが(とはいえもはや、見ていなくても楽しめる、とはとても言えない)、本気で映画のスタート時点から全力で楽しもうとすると、関連作品の視聴は当然として、「予習」が必要なレベル。
実のところ私、キャップがアレしちゃったの忘れていて、途中まで微妙に首をひねりながら見ていました(^^;
キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』は名作、とか事あるごとに言っている癖に(笑)
いやでも、『ウインター・ソルジャー』は、ヒーロー映画とアクション映画の高度な融合として良質の作品なので、お勧めです。……これもまあ、1作目が前提ではありますが(^^;
そんな具合で情報が多すぎるきらいはありますが、それでも各キャラの見せ場を作りつつ各種要素をまとめていき、随所にユーモアを効かせながらのたるまない進行――時間と金を持て余していない造り――は、一定水準を超える出来。
ただ例えば、(恐らく意図的に)どのヒーローに肩入れして見ているかで物語の捉え方が少し変わってくる造りなのですが、それが今作の中で着地しきらないなど、先へ向けた含みが随所で雑音となっており、正直、単体の映画としてはスッキリしません。
解明されない謎や伏線、というのとはまた別に、前作が大枠として非常にスッキリした構造だったのに比べると、今作は物語の構造そのものに“解決しない要素”がガッチリと絡み合ってしまっており、一本の作品としての美しさにどうしても欠けます。
例えるなら、豪華な劇場に一流のソリストを揃えて巨大編成のオーケストラで演奏される壮大な交響曲のところどころに、明らかに不調和な尺八の音が響いたり、エレキギターが一小節かきならされたり、ロックバンドのシャウトが入るような映画で、それらのノイズをマーベル・ユニバース拡大のギミックとして楽しめるか、或いは騒がしすぎると感じるかによって、原作知識の有無も含めて評価の変わってくる映画かな、と。
個人的には少々、雑音が多すぎると感じました。
そもそも“そういう映画”ではないのかと言われればそれまでですが、『アベンジャーズ』タイトルという事で、諸々の要素が美しくまとまるのを期待していたら、むしろ雑音が増えすぎてしまった、という部分は残念。そろそろ一度、何らかの形で区切りをつけないと先がどんどん厳しくなるようにも見えるのですが、まあ今作のラストはそういった意図も含んではいるのでしょうか。
次がもう決まっているのかは知りませんが、3部作の第2部、と言われると納得できる内容なので、これを踏み台に大きな花火が再び打ち上がるといいなぁと思います。キャップ好きとしては、『ウィンター・ソルジャー』が良すぎて、ちょっと消化不良、というのもあったり(^^;
で、メインメンバーだと次に好きなのがホークアイなので、今回スポット当たったのは良かったですが、色々と悩ましかったり(笑)
以下、本編の気になった部分を中心に、内容に触れながらの感想でネタバレを含みます。
−−−−−



物語の開始は、ヒドラの秘密要塞に殴り込みをかける超人軍団、という大人げないバトルシーンから。
アベンジャーズとか止められませーん、と泣きの入る部下を叱咤するヒドラの偉い人。
「弱い奴に集中砲火だ」
って、だ れ の 事ですか?!
と思ったら、ヒドラの作り出した強化人間、光速エスパーに攪乱され、ビーム砲で撃たれるホークアイ(涙)
続いて、光速エスパーにすっ転ばされるキャプテン・アメリカ(涙)
おのれヒドラ、許すまじ。
あまり好き勝手に戦うとハルクと被る為か、チームワークを覚えたソーがホークアイを後方へと運ぶが、アイアンマンがなんとか要塞のバリアを破壊して、ロキの杖の奪取に成功。しかしその時、エスパー姉の能力により知らず精神干渉を受けてしまう……。
ここで社長が右手を伸ばすと、待機中だったアイアンマンスーツの腕部分だけが飛んできて部分装着するのが格好いい。
後、いつの間にかキャップと兄上が合体攻撃を習得していたのも格好良かったです。
作戦を成功させてロキの杖を入手したアベンジャーズはアジトでパーティを行い、ここで一通りのキャラクター見せ(含むスタン・リー)。ファルコンがちょい役で出てくるのですが引き続き吹き替えが大惨事で、しれっと変えてしまえば良かったのにぃぃぃ……ラストに繋がる台詞が、勿体ない。
今作の難点として、各シリーズのヒロインまで出していられない、というのがあるのですが、それをフォローするべく、揃って、嫁に捨てられたわけではなくて忙しいんだ、とアピールする社長と兄上。しかし兄上は、彼女がどこに居るかわからない、とか言っていますが本当に大丈夫なのですか兄上?!
一方、マッチョ・マッチョ・マッチョ・不良中年というパーティーメンバーに飽き飽きしていたブラック・ウィドウはインテリ属性のバナーに惹かれていた……と、2人が急接近。そして、ナターシャからのアプローチに戸惑うバナーに、何故か上から目線で恋のアドバイスを送るキャップ。
この後、主要メンバーによる余興でソーのハンマーを持ち上げよう大会が開催され、キャップが挑戦するとちょっぴり動きそうになって、背景で超マジ顔になるソーは、今作で一番面白かったかも(笑)
またここが、ユーモアを入れながら各キャラクターの個性を見せ、軽いお笑いかと思ったら実は先の展開の布石になっていた、というのは秀逸。
そこにトニーがやってしまったウルトロンが現れてアベンジャーズに宣戦布告し、再び亀裂の生じてしまうヒーローチーム。ウルトロンに協力するエスパー姉弟によって精神干渉を受けたハルクが市街地で大暴れしてフルアーマーアイアンマン&オプションと戦う前半の山が一つあり、ここで、暴走ハルクの危険性を強調。
ウルトロンに出し抜かれ、精神干渉の影響も残る一行(ホークアイ、回避! なお兄上は勇ましい台詞と共に以下略)は、一時的にセーフティハウスへと身を隠す……なんとそこは、S.H.I.E.L.D.にも秘密のホークアイの家だった、とホークアイが子持ちであった事が発覚し、大切な家族、これから生まれてくる子供、など全力全開でフラグを立てまくるホークアイ
「あの神様たち、この目で見ちゃうとね」
「俺なんかいらないって?」
「必要とされてるわ。だから余計怖い。……巻き込まれる」
「ああ……でも、俺の仲間だ」
ここで、序盤ネタ気味に扱われていたホークアイの心情にスポットが当たるという組み立て方は秀逸。一方、ホークアイの計らいで竹中直人と再会したトニーも、秘密裏に進めていたウルトロン計画で先走った背景に「仲間」への思いがあったという心情を吐露。ここから、理想のボディを手に入れようとするウルトロンを止める為にチームが反撃に打って出る、という流れは良かったです。
ウルトロンが世界の破壊による進化と再生を目論んでいる事を知ったエスパー姉弟はウルトロンと決裂し、遺伝子クレイドルボディを巡っての激しい市街戦が展開。キャップと姉弟は暴走する電車を止める為に協働し、8マン弟がその高速移動を活かして、電車の暴走する先の人々を逃がして回る、というのは、直前にブラック・ウィドウさんが大型バイクで歩道を疾走していただけに、格好良かった(笑)
ところが、ウルトロンのデータ入りかけの遺伝子クレイドルボディを入手したトニーは、それにジャービスを上書きする事で、今度こそウルトロン計画を成功させようと、バナーを言いくるめて再び悪魔の実験に手を染めてしまう(笑)
「僕らは怪物だよ。マッドサイエンティストだ。だったらもう……突き進もう」
そこへ姉弟を連れたキャップがやってきて揉めるが、最後は乱入したソーが雷神パワーを叩き込み、遺伝子クレイドルボディとジャービスの精神性にロキの杖に隠されていたマインドストーンの力と意識が合わさった新たな超人、ビジョンが誕生。
ビジョンは、必ずしもアベンジャーズの味方ではないが、ウルトロンの計画は阻止しなくてはならないと告げるとソーのハンマーを軽々と扱い、エスパー姉弟も加えたアベンジャーズは、ウルトロンに捕らえられたナターシャを救い出し、ウルトロンの野望を止めるべく、決戦の地へと向かう……!
ここがどうも展開として引っかかってしまって、個人的に物語にノリきれなくなってしまった部分。
みんなの勇気と正義と英知が結集して生み出した新たな力でウルトロンと決着をつけるぞ! ならまあわかるのですが、方針の違いから仲間割れでドタバタしている内に凄い超人が誕生し、水浴びで啓示を得たソーが問題ないと請け負って、今作単位ではかなり唐突なマジックアイテム・インフィニティストーンの力があれば大丈夫! だから5分前に掴み合っていた事は水に流してみんなで戦おう、というのは正直スッキリしません(^^;
ソーのハンマーを扱う資格がある、という部分で前半の要素を用いて視聴者に対する説得力を持たせているのは巧いのですが、インフィニティストーンにしろハンマーにしろ、視聴者への説得力は持っていても劇中人物を納得させるターニングポイントにするには、どうも弱い気がします。普段からソーが神の威厳で説得するキャラクターならともかく、そういう扱いには見えませんし。
また、ここでビジョンに焦点を合わせてしまった事で、前半に強調したエスパー姉弟のトニーへの個人的怨恨の問題が完全にすっ飛ばされてしまい、これは非常にいただけませんでした。双子の心情として、ウルトロンを間接的に生んでしまった事への自責や、戦災孤児であるが故に災害に一般市民が巻き込まれるのを良しとしない思い、などは見て取れるのですが、そういった背景と密接に絡んでいるからこそ、“今作の物語”として描かなければならなかったトニーと双子の問題が、なし崩しに流されてしまったのは残念。
もう一つ、この後クライマックスで、ホークアイエスパー姉に対して「一般人に戻るか、ヒーローをやるか」を問うシーンがあるのですが、その前にここで、ヒーローのイニシエーションとしての出撃準備シーンが描かれてしまっており、ヒーローへの意識付けが二重になってしまっています。
諸々合わせて、このクライマックス手前における物語の集約――新たな力を得て統一された意思を持って決戦に向かう――が美しく出来ませんでした。
ここが今作に混ざるノイズを最も強く感じる所であり、最大の減点部分。
この後クライマックスで、空に浮かぶ街の映像は迫力満点で物凄かったです。ただ、vsウルトロン軍団・市民救出・都市型落下爆弾の発動阻止、の3つを同時進行して各個の戦闘シーンを描く、というのはさすがに忙しすぎたような。シリーズ物の前作越えの難しさでもありますが、『アベンジャーズ』よりヒーローの人数が増えた上で、戦闘における要素も増やしてしまい、少々散漫になった気がします。
いよいよもう駄目かも、という所で、フューリーの指揮するヘリキャリアーが駆けつけてくる、というのは表向き熱い展開なのですが、大を取るか小を取るかを問われてどちらも選べないキャップの志の限界が描かれており、なかなか苦い。
アベンジャーズ』世界は明確に、ヒーローはあくまで突破戦力であって、それを補う組織力及び財力が世界平和の維持の為には必要なのではないか、というラインが引かれているのですが、ここでは時にそれを振り捨てようとするキャップの側の問題点が、トニーと比較する形で浮き彫りにされているように見えます。
で、この辺りの部分も描かれるだけ描かれて、今作の中ではどこにも着地しない、というのはちょっと引っかかる所(^^; いやなんか、続編への振りなのだろうなーという気配はわかるのですけど。
「その数でどうやって私を止める?」
「そりゃ、古い人が言ったように……みんなで」
アベンジャーズはウルトロン軍団を撃破し、市民の救出もほぼ終えるが、全力疾走で死亡フラグを立てまくっていたホークアイからのキラーパスを受けて、エスパー弟が死亡。
…………死亡シーンが全く信用できない世界なので、死亡????????ぐらいな感じですが(^^;
ウルトロンは、ハルクにぐしゃぐしゃにされた後にエスパー姉に心臓部を抜かれ、ビジョンによってトドメを刺される(?)。だが自分の存在の危険性を恐れるハルクは、ステルス戦闘機に乗ったまま姿を消してしまうのだった…………熱烈なキスの直後に「それはそれとして、戦力が必要だわ」と大穴に蹴落とした女から受けた心の傷が致命傷になった気がします!
都市型落下爆弾はアイアンマンとソーの合体技で破壊し、ひとまず世界の危機は回避。ホークアイは引退?し、ソーは芝生を燃やしてアスガルドへ帰還。トニーも新アベンジャーズ基地に一時の別れを告げる。
「のんびりするのか?」
「君もそうしろ」
「……どうかな。家族とか、安定とか……そういうものを求めていた男は氷に埋もれたよ。……出てきたのは別人だ」
「……大丈夫か?」
「……うん、ここがうちだ」
そして、戦い続ける男キャプテン・アメリカは、傷心を内に秘めるナターシャと共に、ウォーマシン、ファルコン、ワンダ、そしてビジョンからなる新たなチームを結成する。
アベンジャーズ!」
キャップ(それにしてもこいつら……)
ナターシャ(飛べる連中ばっかりね……)
飛べない2人の明日はどっちだ?! そして宇宙帝王パパの魔手が、地球に迫っているのであった……たぶん。
パーティシーンに登場し、ラストのシーンにも出てきたのに、ファルコンがクライマックスバトルに参加していなかったのは、役者が顔出しの都合でしょーか。合成するのも大変そうだしなぁ……。そしてワンダまで何故か浮き上がって登場した事で、空と陸の格差がますます広がり、続編で、キャップが自ら投げた盾に乗って空中を飛んでも驚かない。
キャップとソーは若いからいいとして、今後も拡大を考えるなら、そろそろ役者陣の入れ替えも検討しないといけなくなっているとは思うのですが、ホークアイさんの引退?はその流れの一貫なのか。別人になってもいいから、帰ってきてくれるといいなぁ。社長も遠からず限界が来そうですけど、顔になっているだけに、難しい感じもあるけど、どうするのかしら。
現状の拡大路線の先行きに若干の不安を感じる内容ではありましたが、今後の展開も楽しみにしたいと思います。とりあえず、レンタル始まったら『アントマン』見たい。