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悲しみのサイボーグ

◇『ワンパンマン』最終話
うーん……結局、もう一つ肌に合わなかったなぁ……。
凄く台無しな事を書くと、長すぎる戦闘が半分ぐらいだったら、もっと面白く感じた気がするのですが、個人的に幾ら動いても物語の乗らないバトルに面白みを感じないので、サイタマvsボロスよりも、後始末のあれこれの方が、今作では面白く感じてしまいます(^^;
決着後のボロスとサイタマの会話とか、ああいう要素を、中に入れて、戦闘と物語を繋げてくれればなーと個人的には思うのですが。
その点で、
「どっちの味方だ」「正義の味方さ」
とか、捕虜を瞬殺とか、アマイマスクさんが本性と実力の一端を見せるのは良かったのですが。
そういった要素が後ろに回されてしまう作風と、どうも噛み合いませんでした。
まあ今作に関してはそういう「物語の集約としてバトルがある」よりも「バトルの後に物語がある」という構造自体が、意図的なメタ要素という感もありますが、そこが合わなかった次第。
やや過剰な破壊シーンを「劇中の現実」として取り組むシフトをした上で更に、今回の大破壊によりヒーロー協会の出動態勢が変わる、というパラダイムシフトを入れてきたりとか、そういう描き方は面白いと思うし、ぐちぐち言いながら最後まで見るだけの魅力と期待はあったのですが。サイタマは引っ越さないまま、というのも良かったし。
にしても、既に2期の予定が立っているのかもしれませんが、ラスト3話、全く何の見せ場もなく、タツマキの踏み台にされて終わったジェノス……(涙)


◇『すべてがFになる』最終話
あまりアニメ的なカタルシスのある結末ではないのですが、最後まで丁寧な作りでした。原作者の真賀田博士への愛情もきちっと投影されたアニメだったと思います。たまにはこういうのも、良かった。


◇『コンクリート・レボルティオ』第12話
被ると声が関智一になるマスクは、販売したら申し込みが殺到しそうだなぁと思った第12話。クライマックス直前、これまで描かれてきた諸々の事件が一本の糸に繋がっていき、さすがに、ジャンプの手前の踏み台回。1エピソードとしては説明部分過多で少々面白みに欠けてしまいましたが、ここから次回どうまとめるのか、期待です。
というか少なくとも父子関係に関しては致命的に決裂しそうな要素を入れておいて、爾朗はどうすると「もう怒ってないから帰ってきなさい」で済む事態になるのか(笑) ……まあ笑美さんも妖怪なので、その辺り、価値基準がちょっと狂っている可能性もありますが。
爾朗が随分と都合良く記憶を失っているのに孫竹が何かしたのかも気になる所。あと、伏線の流れからすると、デビル輝子の朝鮮人参に笑美さんは関わっているのやら。それと前回今回と存在感の出てきたマジカルサイエンスの人たちが割と面白いので、次回、やばいものを見過ぎて死なないといいなぁ……(女の人のキャストが嶋村侑さんだし)。
大きなトピックとしては、マスター・ウルティマ、遂に喋る。
マスター・ウルティマに関しては、あくまで世界観の背景に留まる存在かと思っていたのですが、ここに来てじわじわと出番を増やし、とうとう、会話を!
モチーフがモチーフだけに超大物の位置は揺るぎないでしょうが、この後、物語に密接に関わってくるような事になるのか。
大物といえば、陰で暗躍する里見さんが孫竹と旧知の人物として登場しましたが、微妙に甘粕正彦入っているのかなぁ、この人。ヒーローではないですが、戦時中に大陸で活動していた謎めいた大物扱いで色々と伝奇の世界で使われやすいので。
いまいちスタンスの読めなかった秋田課長は割とあっさりずんばらりんされてしまいましたが、この人、「超人を守りたい」という活動目的は純粋だけど、「目的の為に手段は選ばない」というよりも「手段の判断基準が人類と違う」ので、白黒わかりにくかったのか。
超人は居ても世界の白黒はハッキリしない、というのは今作の世界観のベースですが、その灰色の世界でなすべき事をなす為に清濁併せのむ
腹黒い大人達も
マッドサイエンティスト」:孫竹
「未来人」:ジャガーさん
「超宇宙的視野」:秋田課長
とそれぞれ違う視点と個人的な信念があって、決してひとくくりに描かないというのは、凝った所。
そして、若い超人達と社会の関係を、普遍的な“大人はわかってくれない”という要素と繋げた上で、超人課の中では青臭い正義の超人大好きっ子である所の爾朗が、高校生超人からは“公権力の汚い大人”扱いを受ける、という構造が、徹底的にねじれていて素敵。
次回、このどうしようもない世界で爾朗が何を目にするのか、楽しみです。
なお人吉家のメイドさんは、カラスの餌とかにはなっていませんでした!(良かった)