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『仮面ライダーオーズ』感想20

◆第29話「姉と博士(ドクター)とアンクの真実」◆ (監督:田崎竜太 脚本:小林靖子
グリードと手を組んでこそこそやっているようだけど私の欲望を邪魔するようなら考えがある、と鴻上会長から警告を受けたドクターはカザリと接触。残りのコアメダルも吸収するように促すが、カザリも簡単には丸め込まれない。
「私が望むのはその終わりなんです。世界の良き終末。人も世界も、終わって初めて完成する。終わりを恐れているようでは、君も大した器では――」
カザリは挑発するドクターにメダルを投入し、生まれたヤミーはドクター姉の墓にすがりつくと、街へと移動。道行く女性に次々と痴漢行為を働き、シャチパンダヤミーへと変貌。可愛がりすぎたぬいぐるみ、とでもいった歪んでグロテスクな風貌のパンダシャチはバースと戦うも逃亡し、ドクターが姉の面影を見る知世子の居るクスクシエへと近づいていく……。
パンダ……パンダは、黒属性?? 動きはガメル系っぽくはありますが。
ドクターはクスクシエに迫るパンダの前に立ちはだかり、コートの下に大量に身につけていた缶ドロイドで対抗するも負傷するが、そこにバースが駆けつけ、パンダは逃亡。ドクターは店の中で爆発音を聞いて様子を見に来た知世子に助けられる……。
一方、鳥のヤミーを作り出す存在の気配を追っていたアンクと映司は、その途中でカザリと遭遇。タジャドルでカザリとぶつかり合う戦闘中、大量の赤い羽が舞い散り、右腕が欠け、炎を操る、翼を持った赤いグリードがその姿を現す!
「映司! そいつ潰せ! 潰せ……潰すんだよ!」
「やっぱり僕の思った通りだ。あれが、アンクが腕しか復活できなかった理由」
オーズと赤いグリードの力は拮抗し、タジャドルは変身解除。そして、二人のアンクが、その存在を認識する。
「居た……僕だ」
「僕だと……? 誰が僕だ!」
「僕だよ」
「笑わせんな。おまえは俺だぁ!」
主導権争いが発生するが、アンク@右腕からは一気にセルメダルが吸い出されてしまって大ピンチ、で次回へつづく。
前回−前々回の事は置いておいて、後半戦の開幕という事で場面転換と情報の出し入れが多く、最初期を思わせるテンポの重い展開。ドクター話とアンク話を同時進行するのはややきつかったような気がします(この辺り、特別編のあおり、という感じですが)。
そんな中、衝撃的だったのは、アンク@90%が、まさかの捨てられた子犬系美少年演技。
変な話、想像されるアンク@グリード体に声をつけるなら、CV:三木眞一郎的なイメージを持っていたので、当惑しております。
というかアンクはそもそもは美少年ポジションで、ちょっと背伸びして粋がって盗んだバイクで走りたいお年頃の反抗期の魂部分が右腕がうずいて、お、俺に近づくなーな感じで凝縮されて、あんなねじれた性格で独立してしまったのか。
或いは、分離?時に精神年齢も分割されており、合計すると、真アンクは、CV:中田譲治みたいな感じになるのか、現在、オーズが使えるメダルは――!
あ、後藤店員が復職して、里中の部下になりました。


◆第30話「王とパンダと炎の記憶」◆ (監督:田崎竜太 脚本:小林靖子
とりあえず、アンク@ヤンキーとアンク@美少年が、OPのクレジット表記で両方とも「アンク」表記になっており、文字にするとややこしい事この上ないのですが、ここは伊達さんの「餡子」を採用するしかないのか。この時の為の、周到な伏線だったのか。
餡子ーーーーーーーー。
漢字で書くと、餃子に似ているなぁ。
そんなわけで、ダイソンばりの吸引力を誇るアンク@90%に吸い尽くされそうになる餡子だったが映司が何とかそれを助け、シャウバに変身して逃亡。
カザリは、支配力の高い肉体を持ち、ヤミーを作り出す事も出来ながら、800年前の記憶を持たないアンク@野良に接触し、アンク@ボディは人間の少年の姿を取る事に。
クスクシエに運ばれたアンク@手乗りは、タイミング良く情報交換にやってきた伊達を交え、体力回復の為のセルメダルと交換に過去を語る事に。そして事務仕事の合間にメダルの情報にアクセスしようとしてバレバレだった後藤も、鴻上会長に呼ばれて800年前のオーズの真実を聞かされる……と、設定説明のターン。
800年前、欲望から生まれたグリードに対し、コアメダルを用いて戦ったオーズ――その正体は、グリードを作り出した国の王であった。そして、その王に協力し、他のグリードと対立したグリードが、アンク。アンクは、800年前もまた、オーズの協力者だったのだ。
だが、コアメダルの力を揃えて神にもなろうとした王は、オーズの力を使いすぎて暴走。結果として、数多のコアメダルとグリードごと封印される事になる。その際アンクは右腕だけが封印に巻き込まれ、記憶や精神も封印された側のコアメダルに宿っていたのだが、外に残った体も消滅しないまま残ってしまう。その為に、右腕だけながら過去の記憶とねじくれた精神を持ち狡知に長ける手乗りアンクと、グリードとしての能力を強く有しながらも精神的に幼稚な野良アンクとに、分離してしまったのだった。
「800年の間に育った、自分を求める、まさに欲望の塊! それはコアメダルを抜いた途端に解放されぇ、まさに新しい命の誕生だったぁぁ! ハッピーバースデー!!」
一切悪びれる事なく、年末年始のヨーロッパ旅行で持ち帰ったアンクのミイラを甦らせて世に放った事を語る鴻上会長を見つめながら、俺この人から給料もらっていて良いのか、という顔になる後藤さん。
世界を救う男への道は、まだ遠い。
毎度の事ですが、鴻上会長が喋るか喋らないか、で設定にまつわる情報公開を操作するのは、スマートではない所。結局、鳥ヤミー絡みの元凶も鴻上という事になりましたが、メダルを出したり隠したりも含め、あまり好きな手法ではありません。
その頃、負傷したドクターを車に乗せた知世子は、かつてドクターが暮らしていた屋敷で、亡き姉の話を聞く。
この二人、「先日お目にかかりましたね」的な気配が一切無いのですが、やはり、 ヘブンズトルネード 映画撮影なんてなかったのか(笑)
「物語がエンドマークで完成するように、人もまた、死で完成する」
結婚前夜に火事で死んだ姉の言葉を語るドクターは、知世子の優しさから逃れるように彼女を屋敷から追い出し、ますます上昇するマスター知世子のヒロイン度! 天然・ほだしスキル・強固なマイワールド、と揃っていて割と最強系なのですが、果たして、鴻上会長との頂上決戦はあるのか。
ドクターの思慕の念に反応するかのようにパンダシャチが活動を再開し、ヤミーの元へ向かう、映司達。
「アンク。肝心な事まだ聞いてない。おまえと、もう一人のおまえが一つになったら、どうなるんだ」
「…………多分、弱い方が消える。当然消える気はないがな」
意外と軽快に動くパンダ戦では、タジャバオーズ(ジャさえあれば火球を撃てる事が判明)が時間稼ぎをしている間にバースがゲージを溜め、ブレストキャノンで撃破。
屋敷ではドクターの回想により、姉を失いたくないあまり、結婚を機に自分を突き放そうとした姉の寝室に火を放ったのはドクター自身である事が判明。
「そう、私の中の姉さんはいつも笑顔をたたえている。優しく微笑んでる。死んで初めて完成する――」
ドクターが世界から目を逸らし、人形の中に見つめていたのは、変わる可能性を失った理想――そして、自らの欲望だけで築かれた、他者との関係。
そこへやってくるカザリと子アンク。
「そろそろ答が出たかと思って。僕と組むかどうか」
「答は出ていました最初から。世界は早く終わらせなければならない。美しく、優しい内に。いずれ、その人を醜く変える前に。――良き終わりを」
ドクターは研究所の自爆スイッチをぽちっとなし、大量の缶ドロイドで愛好する絵だけを運び出し、鴻上ファウンデーションから離反。ここに、ドクター−カザリ−子アンク、によるドクター組が誕生し、仁義なきメダル争いは、新たな局面を迎えるのであった!
病的な奇人変人だったドクターの背景が明かされ、ラスボス争いにエントリー。今のところ、鴻上も、ドクターも、どっちもどっちという感じですが、ここからどう転がるか。現状、◎鴻上 ○ドクター ▲4クール目に出てくる凄いグリード という面白くない予想で。
それにしても、4話連続(実時間1ヶ月)、主人公(映司)にピントが合ってないまま話が進んでしまうのは、良いのか悪いのか(^^; 個人的にはようやく映司のポイントが掴めた所だったというのもあり、映司から焦点が外れっぱなしというのはどうも、設定の重さに振り回されすぎて物足りなく感じてしまう前後編でありました。