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『仮面ライダー555』感想6

(※サブタイトルは存在しない為、筆者が勝手につけています。あしからずご了承下さい)
◆第11話「幸せってなんだろう」◆ (監督:長石多可男 脚本:井上敏樹
スマートブレインを退社後、バー<クローバー>を訪れるふーふー社長。
「お久しぶり、村上くん」
「上の上ですね」
社長とも気安く話す妖艶なバーテンダー影山冴子、チワワを抱く屈強な黒人ジェイ、キザな眼鏡の琢磨逸郎……この3人に不在のもう1人を加えた4人こそ、社長も一目置き、スマートレディさえ顔を強張らせる、上の上のオルフェノク達、ラッキークローバーであった。
いわゆる四天王的存在が登場するのですが……いったい誰が名付けたのか、ラッキークローバー(笑) もしかして、社長が陰でこっそり呼んでいるだけなのか!
なお琢磨逸郎を演じるのは、『仮面ライダーアギト』において一部で絶大な人気を誇った北條透役だった山崎潤。井上敏樹によると、渋る白倉プロデューサーを説得しての、井上敏樹推薦枠だったとか。
一方その頃、馬ブレードを受けて傷ついた海堂は、結局マンションに転がっていた。
「ほっといてくれ! 俺に構うな!」
お節介を嫌がりつつも苦しむ海堂を見かねて「ここに居て下さい。あたしが出て行きますから」と、自分が引き下がっていくのが、結花らしい所。
自分から出て行けるほど回復していない海堂はベッドでもがきつつ、勇治に対してはスマートブレインに狙われているのにこんな所でのほほんとしていいのかと問いかけ、
「ありがとう。心配してくれてるんだ」
「馬鹿いえ」
とふて寝し…………海堂さん、もしかして、女子への接し方がわからない人なのでは。最初はかなり軽い感じで結花に接していましたが、思えば芸術畑をずっと歩んできたわけで、ギター以外の曲線に興味の無い青春だったのかもしれない。
[啓太郎さん、私のお願い、聞いてくれますか。何でもいいんです。メールを下さい。どんな言葉でも。私、啓太郎さんの言葉を聞けば、元気になれるかもしれない]
マンションを出た結花は街を彷徨いながら啓太郎にメールを送り、久々のメールを喜ぶ啓太郎は、配達中にまさか同一人物とも思わずに、公園で黄昏れる長田さんを発見。……主に啓太郎のせいで色々と面倒くさいよ啓太郎!
結花に声をかけた啓太郎が遊びに誘われて仕事を放り出してデートに直行している頃(僕の幸せ>みんなの幸せ)、真理の携帯には旧友から再びメールが送られてきていた。そこに写っていた変身ベルト、そして時間と場所の文面に、真理と巧は八景島シーパラダイスへ向かう事に。途中、財布を勇治のマンションに忘れていた事に気付いた真理は、部屋を訪れると息も絶え絶えの海堂と遭遇。
「ほら、どっちのシャツなの?! 赤、青、さっさと答えなさい!」
「……赤」
「ほら、着替えて」
思わず海堂をベッドまで運んで面倒をみつつも、着替えのシャツを投げつけるのが、凄く真理です(笑)
「はい、眠って!」
とても、真理です(笑)
そんな寄り道があったものの約束の場所に辿り着く巧と真理だったが、午後4時を報せる鐘の音と共に止まったメリーゴーラウンドで見つかったのは、灰となって消滅する旧友の姿であった。
ふーふー社長の依頼により動いたチワワの男・ジェイの変身したオルフェノクの攻撃を受け、ファイズに変身する巧。
その頃、仕事を放り出した啓太郎は、長田さんと遊園地デートを満喫していた。
(結花さん、これはきっとメールにはしないと思うけど……ごめんなさい。俺、実は好きな人ができました。……ごめんなさい。俺……どうしようもない男です。浮気物です。二股野郎です。でも……でも……好きなんです、長田さんが)
君の自分本位な妄想力は、中学生か。
……まあ、「みんなを幸せにする為に多少の非合法も辞さない狂人」だった啓太郎が、「恋をして目前の幸せを優先する凡人」になるという点では、大人の階段をスキップしながら昇って中学生から高校生になったのかもしれませんが…………いや、小学生から、中学生かもしれませんが。
本体はマッチョマンだが変身すると割とスリムな体型のJオルフェノクアルマジロ……?)にファイズは大苦戦し、受け止められ、砕かれてしまう円錐キック。
その頃、遠大な野心より身近な幸せを取った啓太郎は、ひたすらデートを楽しんでいた。
一方、たっくんは軽く死にそうだった。
格差社会の残酷な一撃がファイズに迫ったその時、Jオルフェノクを背後から銃撃する――第二の仮面ライダーが現れる! でつづく。


◆第12話「灰となりても」◆ (監督:石田秀範 脚本:井上敏樹
「俺にすら彼女が居ないのに……なんでおまえに」
「なによそれ。要するに僻んでるの?」
「二股なんて、言語道断ってやつだぜ!」
たっくん、珍しく、いい事を言う。
「真理ちゃんは、どう思う?」
「どう思う」
「最っ低……」
と、長田さんと結花の間で妄想揺れ動くお年頃の啓太郎に対する巧の僻みはさておき、エピソードの切れ目は引き続き2話セットで今回冒頭も前回と同じロケ地なのですが、どうして前回、長石監督3連投だったのか。
闖入した第二の仮面ライダー――カイザ――のXトンファーにより焼却されるJオルフェノク
「もう1人の…………ファイズ……?」
ところが突然、火花をあげて苦しみだしたカイザは姿を消し(まで描かれないのですが、この後の成り行きを見るに)、腑に落ちない思いを抱えながらも一度帰宅した巧達は、状況を検討。真理が受け取った同窓会の写真とは、一ヶ月ほど前に東京で行われたものであり、その同窓生達はいずれも、スマートブレイン前社長の養子である事が語られる。
スマートブレイン前社長は、真理だけではなく何人もの身寄りの無い子供達を引き取っており、自ら作った「流星塾」という名の施設に通わせていたのだった。
「それもみんな、事故とかにあって、九死に一生を得た子達ばかりで」
ベルト、オルフェノク、地下35mの小学校、という点と点がじわじわと繋がり始め、真理の周囲がどんどん不穏に。真理だけが特別なのではなく、篤志家の顔で引き取られた子供達が謎の施設に集められていた? という怪しげな企みの気配が面白い展開です。
その頃、キャンピングカーから飛び出した5人の男女が、懸命の捜索の末に草むらに倒れ込んでいたカイザを発見し、手動で変身を解除。
「先生……俺、や、やりました……オ、オルフェノクを……倒しました……」
だが変身の解けた眼鏡の青年は5人に見守られながら灰となって消滅してしまい、カメラがベルトに寄っていく、という、新ライダーが出てきたと思ったら、イコール新キャラクターではなく、中心はベルトだった、という強烈な展開。
「カイザのベルトを使いこなせる者はいないのか……」
養父は真理以外の子供にもベルトを送ったのかもしれない、と真理は他の友人に連絡を取り、その電話を受け取るキャンピングカーの一員。謎めいた一団を乗せたキャンピングカーが夜の闇の中を走っていく、という映像が何ともいえず薄ら寒い怖さ。
翌日、勇治は公園で暇を潰していた結花に声をかけ、海堂との事を取りなす。
「彼が君に冷たく当たるのは、本心じゃないよ。君を……傷つける事で、自分を保とうとしてるだけなんだ。子供なんだ」
これを平然と言ってのける勇治が、やはり一番人間として酷い。
しかも、巧とか真理とか啓太郎とは種類の違う酷さで、勇治の抱える本質的な人間味の薄さが意図的に描かれているのが凶悪。そんな勇治が、周囲からは世話焼きの良い人、と見られている構図が、実に邪悪。
そして突然、結花に向かって海堂が好きなのか、とボールを投げる勇治。
「……はい」
二重の意味でざっくりフられる啓太郎。……まあ、結花は結花で、誰かを好きになる事で自分の中の人間の部分を維持できるかもしれないと目の前を流れてきた溺れた野良犬を掴んでみた感があるので、まだまだチャンスはあるかもしれないぞ啓太郎!
「とにかく、本当のこと探ってみようぜ。死んだお前のクラスメイトの為にもな」
一方、連絡を取った同窓生と会う事になった真理に同道する巧は、照れくさいので目は合わせないものの、ファイズギアという鍵をきっかけに、少しずつ周囲に対して前向きな姿を見せていく。
その頃、社長は昼間っからバーでサボっていたが、お酒を出してはもらえなかった。
「あのベルトはどれも、我々の王の為に造られたものです。――どうしても取り戻さねばなりません」
1クール目の終わりにして、ようやく“ベルトの意味”が明かされるのですが…………ええと社長、そんな大事なベルトを、オルフェノクなりたての新人(海堂)に貸したの、物凄い選択ミスだったのでは。
(ちなみに社長、3人の前で平然と「ラッキークローバー」と呼称)
カイザにやられるも灰から復活した、3つの命を持つというジェイはベルトを狙って再び行動を開始。同じ頃、レディの接触を受けた勇治は、「社長さんに伝えて下さい。俺は絶対人を襲ったりはしないって」と、改めてその誘いを拒絶する。
「カイザに変身した者は、死ぬ運命にある」
真理は旧友の里奈、そしてキャンピングカーに集った同窓生達と再会し、既に2人のクラスメイトが、カイザギアを身につけて死亡した事を知る。そして、同窓会に参加していなかった筈なのに、何故か教師への寄せ書きに名前のあるクラスメイト、草加雅人――。よそ者扱いを受けた巧が降りた後、移動する車中で事情を聞いていた真理だが、車がJオルフェノクの襲撃を受け、カイザに変身した男があっという間に死亡。
使用する度に命を削るギミック、というのは珍しくありませんが、変身→即死亡、のカイザギア、消費が激しすぎて実にえぐい(^^;
こっそり車の後を追っていた巧がバイクアタックを決めて変身し、いいも悪いもベルト次第、なバイクロボが援護攻撃。……そういえば、いつの間にかごく自然にまたがっていましたが、気がつくとベルト所有者の家の駐輪場に止まっていたりするのか、バイク。
……怖い。
オルフェノクは撤退し、3つの命の2つ目があっさり灰にならずにちょっとホッとしました。
「あぁ……い、言って……おかなければならない事がある。あの……同窓会の日、あの日……君たちは――」
割と怪しげだった先生は、思わせぶりな言葉だけ残し、ざっくりと灰になってリタイア。
呪われた第二のベルトの出現により、様々な謎と波乱が渦巻くのであった――で、つづく。
流星塾の設定は凄く面白いと思うのですが、実写特撮TVシリーズとしては、キャスト量的にかなり無茶な事をやっている印象(^^;
新ライダーのカイザは、黒・金・紫、の配色が映え、ファイズ同様にスマートな格好良さ。初見時の感想はもはや思い出せないのですが、文字記号、というモチーフの良さもあってか、10年以上経っても古びないデザイン性の高さ。記号の中に記号を落とし込んで人型にする、というのは改めて良く出来たデザインです。
物語の方は、この数話の新キャラの出し入れが激しく、ラッキークローバーの面々の押し出しも今ひとつ弱いなど演出陣が少し大変そうですが、次回、たっくんテニスをする。