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『ビーファイターカブト』感想13

◆第21話「雨を呼べ泣き虫英雄(ヒーロー)」◆ (監督:東條昭平 脚本:小林靖子
猛暑の続く東京では深刻な水不足となり、気象ロケット・ナイルはなんでも知っているを打ち上げ、人工降雨によりこれを打開する事に。だがその頃、メルザードでは熱風を吹き出す力を持ったコンドール怪人が誕生し、この機に地上を渇ききった不毛の世界へ変えてやる、と出撃する。
……えー……猛暑と水不足にメルザードが噛んでいるのかと思ったら全くそんな事は無く、地上の状況を征服作戦に利用しようというのは頭脳的とはいえますが、その為に雨が降っては困るからまずはナイルを破壊するのだ、となると迂遠に過ぎるというかせせこましいというか、根本的な所でこの作戦、普通に雨が降ったらご破算なのでは。
メルザード怪人のスペック的にやりすぎという判断があったのかもしれませんが、水不足に繋がる異常気象の原因がメルザード怪人、とすればもっとスッキリ収まったように思えるのですが、どうしてこうなった。
いっそ


「今、地球は、その星に住む一部の人間達によって汚され続けている。光は陰り、大地は砕かれ、そして海は死んだ。これらは全て自分の利益だけを求める、人間達の仕業であった」
という勢いで、猛暑の原因は人類による環境破壊だ、とでも持ち込めばまた別の方向性もあったかもしれませんが、そういうテーマ性は一切なし。
横糸として絡んでくるのは、泣き虫中学生・恭一とビットの友情で、パソコン通信で知り合った少年への激励機能を持つビット、有能。
と思ったら、直接会いたいと言われて一方的に連絡を絶ち、甘い言葉をかけるだけかけてポイ捨てという、なんという外道AI。
「なんでだよ、会えばいいじゃないか。誰にも遠慮する事ないって」
プログラムである為に人間として友達になれない事を気にして及び腰になるビット、という要素は面白く、それを励ます甲平は毎度の事ながらいいヤツなのですが、後ろでうんうん同意を示す健吾と蘭は、今回完全に置物状態。健吾はともかく蘭はビットの作成者であり、本来はもっと絡んでいって然るべきだと思うのですが、凄くやる気無し。
ちなみに今回、妙に小山内博士の表情が挿入される回数が多く、今更ながら、本部で作戦指揮を執り若者達を暖かく見守る博士、の印象操作を目論んでいるのか。良いか悪いかで言えば良いのですが、遅きに失した感も(^^;
宇宙センターが爆破された事でナイルの打ち上げが不可能になり、街はコンドール熱風による激しい乾燥により炎に包まれていく。この危機を打破するにはなんとしてもナイルを打ち上げて雨を降らせる他ない。オリジナルの打ち上げプログラムを入手したビーファイターは、センターと同系統のシステムを利用してナイルを打ち上げる事に……と敵も味方もナイル打ち上げに焦点を合わせるのですが、肝心のナイルが冒頭になんとなくイメージ映像で出てくるだけで実質的に劇中に登場しない為、幻の超兵器の噂を弄んでいるような事になってしまい、どうにも盛り上がり不足。
これに恭一少年が巻き込まれ、最終的にはビットの声援で立ち上がった少年の活躍で打ち上げ成功、となるのですが、一面炎に包まれた出口無しの空間! と恭一少年を追い込みすぎてしまい、泣き虫少年が勇気を奮って立ち上がるどころの騒ぎで無くなってしまったのもマイナス。
そして恭一がシステムを復旧したタイミングで、外でコンドル怪人に大苦戦していたカブトン達が急に気合いで反撃を始めるのですが、二つの場面進行がクライマックスで一つに繋がっているようで、恭一サイドの出来事はカブトンサイドの出来事に何の影響も与えていない為、実は全く繋がっていないという、上辺だけ見せかけた粗雑な構成で、どうしてこうなった。
システム復旧→ナイル打ち上げ成功→降雨でコンドル怪人が弱体化、という展開なら二つの流れが繋がりますし、実際エピローグ前に、降雨を喜ぶ人々のシーンも描かれるのですが、これ、脚本段階では雨中の戦闘になっていたのが、なんらかの大人の事情で雨天戦闘が撮影できなかったりしたのでは。
なお、「恵みの雨だわー」と手に手にバケツを持ちながら雨の中に飛び出す人々の喜びぶりが、若干『コンドールマン』世界っぽい(笑)
最後は、プログラムと人間という壁を乗り越えて、ビットと恭一が友達になって大団円。……演出なのか脚本なのか、スタンダードな交流エピソードにしては、随所に噛み合わせが悪くて盛り上がりに欠け、残念。
ところで、ミオーラの武器が新しくなっている気がするのですが、気のせい?
次回――「メルザード、炎の女将が相手よ!」
ビーファイターカブト』は、どこへ行こうとしているのか。炎の女将録が始まってしまうのか。