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『超人バロム・1』感想8

◆第10話「地震魔人 モグラルゲ」◆ (監督:折田至 脚本:伊上勝
「出やがったなぁ……柔道5段、空手3段の木戸松五郎の腕を知らないな! 剣道6段、空手5段の、三条先輩と合わせて19段。ひとり3段で片付けてやる!」
こういう台詞は、伊上さんは実に上手い。
ドルゲは地上侵攻の為の前線基地として地上にドルゲ第一マンションを建設。夜中、地底へと沈んだマンションは何事も無かったかのように再浮上するが、なんと住人まるごと洗脳されてドルゲの忠実な下僕と化してしまうのだった!
ウルトラセブン』の某団地宇宙人を思い起こさせるエピソードですが、集合住宅の住人が(自分以外)まるっきり何者かと入れ替わっていた! というアイデアは系譜がありそう。
先輩のツテでこのマンションで夜警のアルバイトをしていた松五郎は、沈みゆくマンションから先輩によって逃がされるが、途中で気絶して翌朝目を覚ますと、そこは何故かマンションの屋上。木戸刑事から呆れられた松五郎は、猛と健太郎をともない、一緒に怪現象を目撃した筈の先輩の元へ……。
猛をそのまま大人にしたような雰囲気の三条先輩は、後輩を先に逃がしてマンションに残り竹刀一本でアントマンに立ち向かうなど、見た目はともかく魂がやたら男前。
だが三条もマンションの住人同様にドルゲに洗脳されており、その誘導で猛&健太郎と松五郎は分断されてしまう。猛は罠にはまって落とし穴に落ち、助けを求めて伸ばす手が土中に飲み込まれていく、という映像がエグい。地下でモグラルゲに土をかぶせられ、更にエグい。
助けを求めて松五郎と合流した健太郎も2人まとめて落とし穴に落ちてしまい絶体絶命となるが、根性で脱出を目指して横穴を掘り進んでいた猛が地中でモグラと遭遇し、健太郎&松五郎が捕まった落とし穴の壁の向こう側で猛とモグラが格闘をしている、というのを一画面に収めて見せる趣向は面白いのですが、どうもコントめいた映像に(^^;
猛の叫びを聞いた松五郎は、大人の意地を見せ、空手三段の正拳突きでコンクリートの壁を破壊。
コメディリリーフとして間の抜けた人格を与えられた都合で、あまりにも雑な扱いの上に精神的に不安定みたいな描写が続いている事のフォローを考えて活躍の場を与えたのでしょうが、やりすぎてすっかり危険人物になってしまいました。
猛と健太郎はなんとかバロムクロスし、モグラは逃走。フロントガラスに渦巻き模様が書いてあるドルゲジープが、凄く、走らせづらそう。
アントマンによる地雷……というか自走ロケット攻撃が直撃するも無傷なマッハロッドだったが、一計を案じたバロムワンは煙幕を出して車が破壊された偽装をすると、安心してアジトへ向かうモグラジープ後部に張り付く事にまんまと成功。
「ドルゲ様、やりました。バロム・1は片付けました」
第二ドルゲマンション予定地に到着したモグラは、そこに現れたミスター・ドルゲに胸を張って報告するが、ドルゲはそんなモグラを冷たく一瞥する。
「……愚かな。バロム・1を始末するどころか、この第二ドルゲマンションの場所まで奴に報せてしまった。――見よ!」
とドルゲが視線を動かすと、主題歌インストと共に崖の上に仁王立ちするバロムワン! と格好いいヒーロー演出。
2人で回している監督ローテも三巡目に入ってそろそろ変化をつけ始める頃合いなのか、今回バロムワン統合人格の台詞がだいぶ増量なのですが、アントマンも手斧や槍で武装するようになり、岩を飛ばしながら出てくるなど、色々細かいハッタリを付け加えて、全体的にアクション演出が強化。
アントマンを蹴散らすも土中に引きずり込まれそうになるバロムワンだが、格闘戦でモグラのゴーグルをはぎ取る事に成功。
「目が焦げる……!」
お約束通りに太陽光線に弱かったモグラが逃げ出した所を背後から捕まえ、豪快にバロムスイングで投げ飛ばすと、カメラに向かってレッ○マンばりにまっしぐらに突撃して放つバロムハイキックでモグラを爆殺。
これにより正気を取り戻した三条は、落とし穴の松五郎を助け出して最後までやたらな男っぷり。マンション住人ともども、渦巻き模様は完全なアントマン化ではなく、一時的な洗脳だった模様です。
ラストは猛と健太郎ではなく、バロムワンがマッハロッドに乗って走る姿にナレーションが被り、ここもバロムワンの出番増量で、次回へ続く。……だんだん人格の統合が進んで分離できなくなるのではないか、と少々不安ですがコプーは正義!
次回――「今度はゲジゲルゲが出てくるぞ〜。何をするのかなぁ?」
サブタイトルの読みはおどろおどろしいのに、どこまでも、軽い次回予告であった。