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『仮面ライダービルド』感想・第1話

◆第1話「ベストマッチな奴ら」◆ (監督:田崎竜太 脚本:武藤将吾
無表情でベルトのハンドルをぐるぐる回す姿が最高に面白かったです!
――10年前、火星で発見された未知の文明の遺産、パンドラボックス地球に持ち帰られたそれに何者かが触れた途端、大地と空を分断する巨大な壁――スカイウォールが出現し、3つに分断された日本はそれぞれ、北都・西都・東都を首都として独立、パンドラボックスに秘められた力を巡って対立する事になる。
その一つ、東都ではスマッシュと呼ばれる異形の未確認生命体が市民を襲い、それと戦う「仮面ライダー」というヒーローの存在が噂されていた……。
仮面ライダー」に関しては都市伝説パターンを取り込み、「仮面ライダー」と呼ばれる噂のヒーローが存在する、という形で冒頭から劇中定義付け。合わせて主人公は既に一定期間、仮面ライダービルドとして活動している事になり、まずは冒頭に戦闘を一つ。
スマッシュに襲われた記者を助け、ドリル剣で成敗したビルドは怪人の成分をカプセルに吸収。スマッシュ化の解けた人間は記憶を失い、ビルドは地下秘密研究所において石動美空の能力(詳細不明)を用いて、その成分をビルドのパワーアップアイテムへと精製する。
……とまずは手早く、世界観とギミックの基本を紹介し、田崎監督が手堅い仕事。一方で、主人公を顔中に落書きされた姿で初登場させ、その後もヒロインの顔を落書きだらけにし、妙な角度で攻めてきます(笑)
仮面ライダービルド――その正体は、記憶喪失の自称物理学者・桐生戦兎。
ガスマスクの科学者達、人体実験、コウモリ男……自分の過去にについて断片的な映像の記憶しか持たない戦兎は、実験を見つめていたコウモリ男を捜す為にビルドとして活動しており、美空の父である惣一の支援を受けて、惣一の経営する喫茶店の地下で寝泊まりしているのであった。
声質が軽いのがちょっと気になる戦兎ですが、第1話ではとりあえず、優秀な頭脳と高い技術力を持ち、興奮するとアホ毛が跳ねる体質である事をアピール。記憶喪失という設定もあってか、現時点では主人公としては、ややつかみ所のない印象。
それはそれとして、記憶の中の怪人を「コウモリ男」と称するのですが、どう見てもその怪人で一番印象に残るのは額の煙突だと思うんですが!
惣一の差し金でパンドラボックスに関わる研究所で働く事になった戦兎だが、その惣一からスマッシュ反応ありの連絡を受けて職場をエスケープ。服役中の刑務所を脱獄してバイクで逃走中の殺人犯・万丈龍我を追った戦兎は、行く手を遮る為に進行方向のドラム缶を横倒しにし……殺す気か!
バイクでドラム缶に突っ込んで派手に転倒した龍我は軽く見ても骨折コースなのですが、スマッシュ反応アリなので人権は無いのか。
「誰だてめぇ!?」
「殺人犯のユーを捕獲しに来たんだよ」
「俺は誰も殺してねぇ!!」
「脱獄するような奴が、何を言っても説得力ないんだよ」
殺人犯で脱獄犯だから、死んでもいいと思っているのか!
戦兎さん、いっけん法秩序の従者みたいな事を言っているのですが、実際の行動は法秩序をはみ出し加減なので、記憶喪失なのをいい事にその場の勢いで適当やっている感じが凄く怖い(笑)
一触即発というか銃殺の状況下、刑務所に戻る事を怯え、人体実験から逃亡したと語る龍我の言葉が戦兎の記憶と重なるが、そこに拳スマッシュが現れて龍我を拉致。
「生身でスマッシュに立ち向かうなんて……根性あるじゃねぇか。……後は任せろ」
元格闘家の気迫で素手でスマッシュと殴り合うも叩きのめされた龍我の元へ戦兎が追いつき、地面に倒れた龍我を映す事で自然と戦兎が履く左右色違いのスニーカーを印象づけているのが、秀逸。
「さあ――実験を始めようか」
赤と青のボトルをベルトにはめた戦兎は、ハンドルをぐるぐる回して、レッツ・ラ・まぜまぜ。
《ラビット》 《タンク》
『ベストマッチ!』
前後をガンプラの金型のようなものに挟まれ「変身!」すると、鯛焼きの要領で“鋼のムーンサルト”ラビットタンク、できあがり♪
「勝利の法則は、決まった!」
変身から決めポーズの初披露となったビルドですが、左手を腰にあてて右手を半開きにして軽く持ち上げたポーズといい、右手を顔の横でちょっと可愛らしく開くポーズといい、アピールが格好いいより可愛い寄りで、記憶を失う前はプリキュアだったのでは。
つまり、スイーツは物理。
ビルドは、赤と青が混ざるのに黄色になるのが微妙に納得いかないドリル剣を振り回すと、さっそく新たに作り出したハリネズミのボトルを使用し、パーツはめかえ、ビルドアップ! 白青の色彩はスマートで、針千本ガードもスムーズな描写で悪くなかったです。拳スマッシュの打撃を防いだビルドは再び赤いボトルをセットすると無心でハンドルをぐるぐる回し、敵の脳内に強制的に難解な数式を送り込む事で行動不能に陥らせるという恐ろしい必殺キックで撃破。
拳スマッシュの成分も回収するビルドだが……スマッシュ化が解除されて地面に転がっていたのは、龍我が実験施設で見た覚えのある男。
「おまえの話が、本当なら…………あれは、スマッシュの人体実験?」
断片的な記憶と龍我の言葉を繋ぎ合わせようとするビルドだが、そこに偉い髭の人率いる追跡部隊が姿を見せる。
「俺は殺しなんかやってねぇ!! 俺はどうしようもねぇバカでクズだけどよ……そんな事は絶対にしねぇ。どうして……どうして誰も信じちゃくんねぇんだよぉ!!」
膝を付く龍我の絶叫を聞くビルドが、後先考えずにお人好しを発揮して龍我を助けるのではなく、かなりギリギリまで判断を保留して、考えた末に龍我を助ける事にしたのはキャラの色が出て良かったところ。勿論ここで見捨ててはヒーローになれないわけですが、「脱獄するような奴が、何を言っても説得力ないんだよ」という発言を踏まえた上での行動になっています。
「…………ああ、最悪だ。今日という日を俺は、きっと後悔する」
愚痴りながらも論理よりも直感の閃きが後押ししたのか、ビルドはしゃがみ込みながらもバイクを召喚。
「乗れ。……乗れよ!!」
……まあ、判断ギリギリすぎる上に自分から助けに行かないので、あと数センチのズレで銃殺寸前になりましたが!
龍我を後ろに乗せながらガーディアンの追撃を振り切る逃亡劇でバイク成分をねじこみ、ここで、壁の赤い部分に触れると木っ端微塵になる、という描写が入ったのは良かったです。
「俺まで逃亡犯になっちまった……」
「なんで助けた?」
「俺はおまえを信じた。ただそれだけの事だ。ホントのバカは自分をバカなんて言わねぇんだよ。おまえは嘘をつくような奴じゃない。……ズボンのチャックは全開だけどな」
そして始まっちゃう2人のランナウェイ……えええ、ベストマッチな2人ってこの2人の事なの?!
珍道中の予感を背負う2人を、壁の上から煙突男が見下ろし、
「戦争の始まりだ」
と呟いて、つづく。
とりあえず、出勤初日に早退した戦兎に、明日の仕事はあるのか。
世界観から説明する都合もあって手堅い作りの第1話で、最初から頭を抱えるような事もなかったけれど、凄くグッとくる、という事もなく。本編と予告では逃避行を煽っていましたが、研究所の存在などを考えると、男2人のロードムービーにはならないでしょうし。
気になる事というと、戦兎にとっての龍我は、失われた記憶に関わる重要参考人なので利用価値もあるとして、ラストで共感を覚えた要素として取り上げられたのが、「バカ」とか「クズ」とか自らを卑下する言葉というのが凄くヤンキー風味なのですが、これが果たして、『仮面ライダー』とうまく馴染むかどうか。
戦兎は物語としては頭脳派の扱いのようですが、少なくとも第1話における「誰も信じちゃくれない」をキーワードにした戦兎と龍我の関係性は、凄くヤンキーファンタジー
あと、初回からビルドアップを見せる都合で、基本フォームであるウサタンクの何が“鋼のムーンサルト”なのかさっぱりでウサタンクの特性がピンと来なかったのですが、この手の名称は勢いの産物という事でいいのか(笑)
割とどうでもいい点としては、戦兎の容貌が若干『キュウレンジャー』の鳳ツルギと似ている気がして、いつ「なんてこった!」と言ってしまわないかどうか、ずっとドキドキしていました。……は?! パンドラボックスの中身はもしかして、鳳凰キュータマ?!(やめなさい)
それと、途中で入ったゲームCMのキャッチコピー、
「誰が強いか、実験を始めようか。」
完全に悪役の台詞なのですが、それでいいのかバンダイナムコ
次回さっそく煙突男と拳を交えるようですが、今回はとりあえずという形で散りばめられたキャラクター達が今後どう繋がっていくか、楽しみにしたいと思います。