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『仮面ライダービルド』感想・第20話

◆第20話「悪魔のトリガー」◆ (監督:諸田敏 脚本:武藤将吾
あらすじ劇場にはみーたんと猿渡が乱入し、重要キャラの割にはさらっとした扱い。
そして戦兎はマスターから、葛城巧の作りだした禁断のアイテム・ハザードトリガーを投げ渡される。
エスとかノーとか言わせる隙を与えず、とりあえず渡してしまう、というのが実にマスターえげつない。
更に、ハザードスマッシュ倒すと死ぬよ、とわざわざ教えておくのが、またさいてー。
万丈龍我は生まれながらに戦いの才能を持ったいわば天然もの、桐生戦兎は科学の力でそれを補う養殖もの……タイプの違う2人が切磋琢磨して強くなる事が俺の望み、と言い残してマスターは姿を消し、以前に「俺の中で石動惣一は死んだ」と訣別を宣言した筈の戦兎が、なんだかんだ面と向かうと言われるがままにマスターの話を聞いてしまうのは、見ていてなんだか辛い光景。
戦兎はどれだけどっぷりマスターに洗脳されているのか……或いは記憶をいじられた際に何か条件付けでもされているのではないかとドキドキします。
戦兎と龍我、猿渡と3馬鹿の関係が揃ってこじれ、「ホントに記憶を消したんですか?」という問いかけに答を濁す猿渡。
「この先も俺についてくる気ならこれだけは必ず守れ。絶対に死ぬな」
「「「……かしらーーー!!」」」
でグリス一味は再び結束するが、またもスクラッシュの力に飲み込まれて倒れた龍我は、戦争を止める手段でも戦兎と対立。龍我が単に力を振るいたいだけだという戦兎の誤解は美空によって解け、あまり引っ張りすぎると面倒くさいのでこれは良かったのですが、戦兎と龍我のいざこざは、もう一つ楽しめず。
実は戦兎は同年代の人間との距離感を掴めていないので割とすぐ喧嘩腰になる、というのがどうも面白さに繋がっているように感じません。後やはり個人的には、「戦争」という要素を直接的に持ち込んだ作りが、比喩的な作劇に比べてあまり効果的に感じられず……この先で、ヒーローもので「戦争」を描く事が、どうにか一跳ねしてくれると良いのですが。
龍我を癒やせる新たな(?)力で意識不明の氷室パパを治せるのでは? と考えついた美空はエージェントと共に看護士コスプレで病院に潜入し、パパの治療を敢行。一方、龍我を探して司令部に乗り込んだ戦兎が見たのは、情報漏洩を逆手にとってグリス一味を罠にかけ、その隙に万丈を北都に送り込むという、ヒゲ長官渾身の作戦だった!!
「なんであいついにそんな事を?!」
「北都のファウストを潰さなければ東都はますます苦境に立たされる。これは正当防衛だ」
「しかし! 首相代理といえども、侵略を独断で決める事は許される事では」
司令本部詰めの部下にさえ面と向かって批判されてしまったヒゲ長官は、器の小ささを発揮して激怒。
「黙れぇ!! 俺が全てを決める。俺がこの国のリーダーだ!!」
「おまえにこの国を束ねる資格はない」
最高に気持ちのいい台詞を口にした所に、会心のタイミングで現れる、氷室パパ。
「オヤジ……どうして」
愕然とした表情に、大・爆・笑。
非常に芸術点の高い、背中からの撃たれ方でした。氷室幻徳、期待に応えてくれる男です。
「北都への侵略は許さん。すぐに撤回しろ」
「話を聞いてくれ。これは東都の為なんだ! 今すぐ攻めなければ東都は」
ここで「話を聞いてくれ」が出てくる所にヒゲ長官のパパへのコンプレックスを感じて、この父子関係の奥行きは今後も広がりを期待したいところです。野心家で小悪党で小物ゆえに非合法な手段も行ってしまうけど、ヒゲ長官の根っこにあるのは「この国をより良くして父に認められたい」という気持ちであるように見えるので。……それ故にこそ、葛城巧と悪のベストマッチをしてしまったのでありましょうが。
「いい加減にしろ!」
だが父は、そんな息子を一刀両断。
「…………今すぐ東都から出て行け。もう親子でもなんでもない」
すさまじい加速で、ヒゲ長官、更迭そして勘当。
「いいだろう。なら好きにさせてもらう」
護衛の兵士に銃口まで突きつけられ、周囲を見回しても味方不在を知ったヒゲ長官は、失職と追放を受け入れると、なんとその場で蒸血。
裏では後ろ暗い事をやりつつも、表の世界で政治家として父親に認めてほしかったと思われるヒゲが、自らの裏の部分をさらけ出す形で父と訣別する、というのは今回の非常に好きなシーン。
ヒゲがこんな魅力的なキャラになってくるとは、夢にも思いませんでした(笑)
パンドラボックスを奪って逃走したナイトローグを追ったビルドは、タカガトリングで撃墜し、地上戦に。
パンドラボックスは渡さない」
「決着の時だ」
と家出した勢いでテンション上がっているナイトローグですが…………数話前に完敗していた記憶があるのですが、東都を守る為の正義のトライアングルを結成している内に、敗北の記憶は忘れ去ってしまったのでしょうか。
たぶん覚えていたビルドはスプラッシュになるとローグパンチを軽々と受け止め、
「勝利の法則は決まった!」
すなわち、最近溜まったストレスを、全ておまえで解消する!!
これは龍我にイラッとした分! これはダサいブレスレットで盗聴されている分! これは3馬鹿に殴られた分! これはグリスにしばかれた分! これは昨日10円玉を落とした分! これは(以下略)
スプラッシュは強さの違いを見せつけると、ローグウイングによる飛翔からのバットスピンもあっさり受け止めて投げ飛ばし、最後は炭酸キックですかっと爽快。グリス一味とは何となく戦いにくそうだったのに、ヒゲ相手だと容赦のよの字もありません。変身の解けたヒゲ@今度こそ本当に無職は華麗なる階段落ちを披露した上で無様な姿をビルドに見下ろされるという完璧な着地を決め、10.0、10.0、9.9!
「これが……ライダーシステムの力か」
「これで終わりだ」
「……まだ終わらないぞぉ!! ……俺は必ず貴様等の前に現れる。更なる力を手に入れてな」
乱れ髪の捨て台詞で更に芸術点を加算したヒゲは、スモークを撒き散らして逃げ出すのであった…………次は、被り物による再登場を心からお待ちしております!!
「俺は闇の使者・ファントムナイト! 氷室幻徳ではない」
一方、ガスの罠にはまっていたグリス一味は、グリス必殺のブレイクナックルで壁をぶち破って脱出に成功するも、消耗が激しいグリスは変身解除。東都サイドの動きを怪しんだ猿渡は3馬鹿を急ぎ北都方面と向かわせ、東都の軍勢と接触した3馬鹿はガーディアン部隊を薙ぎ払うと、クローズ銀と激突する。
「俺は勝つ! 戦争を終わらせる為に、勝ち続ける!!」
戦いを止める為に駆けつけたビルドはクローズ銀に振り払われ、荒ぶるその姿――その裏にある万丈の真意を知った戦兎は、万丈との思い出を美しくアレンジして回想。……いや、普通にあったシーンを編集したのだとは思うのですけど、妙にキラキラとして笑顔が多くて、違和感が激しいんですが(笑)
「……筋肉馬鹿が。……泣かせる事しやがって」
まあ戦兎も、実際のところ友達少ないしな!!
「俺がおまえを止める。この身を懸けても」
戦兎からすると万丈の気持ちを嬉しく思う部分がある一方で、戦争の遠因になったのが葛城巧であるならば、龍我がそれを終わらせようと体を張るのも、その為にスクラッシュの力に飲み込まれていくのも、全て自分(戦兎/葛城)の責任と捉えている部分もありそうで、自分の身命にどこか捨て鉢な龍我も、それを止めようとする戦兎も、守りたいものの為に人柱になる事を選んだグリス一味にしても、光明の見えない負の連鎖の中で自分たちの命を賭けてしまっているというのが非常に辛い構図で、それをプロデュースしているブラッドスタークの外道ぶりがうなぎ登り。
その思惑に乗せられている事を感じながらも戦兎はハザードトリガーを起動し、スーパービルドマッチの漆黒のビルドやべー! が誕生して、つづく。
……よく口にしますが、前回−今回と、予告で見せた一番のセールスポイントに辿り着いたところで次回へ続く、になってしまったのは不満で、予告にもう一ひねり欲しいところです。……まあ今回に関しては、一番面白かったのは氷室幻徳のフリースタイルではありましたが(笑)
主役コンビそっちのけで面白い氷室幻徳さん(自称ファウスト首領)は、ゴミ捨て場で転がっている所をスタークに拾われたり、山で川魚を釣っている所を内海に拾われたり、サッカー場のベンチの隅で体育座りしている所を紗羽に拾われたり、どんな拾われ方をするのか楽しみです!