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『仮面ライダービルド』感想・第3話

◆第3話「正義のボーダーライン」◆ (監督:上堀内佳寿也 脚本:武藤将吾
「人助けのビルドか自分の過去! どっちが大事なんだよ!?」
「決まってんだろ。ビルドだよ」
指名手配中にも関わらずスマッシュの目撃情報に出動し、鍋島の情報収集を後回しにする戦兎の態度に焦れて突っかかる万丈ですが、戦兎さんのビルド活動の目的は「人助け」ではなく、
「実験」「ボトル集め」だと思います!
ビルドはゴリダイヤのダイヤモンドスプラッシュでホークスマッシュを撃破し、タカボトルを入手。研究所の壁にベストマッチ判定装置が付いており、マスターから「全組ベストマッチになったらとんでもねぇ事が起こるらしい」と言及。
装置には10個のスロットが見え、ギミックをストーリーを動かす鍵に繋げつつ、とりあえずの目標地点を見せてきたのは良かったと思います。
ベストマッチに関する戦兎の講釈を聞かされた万丈は、野生の勘でタカ×ガトリングの新たなベストマッチをさらっと発見。
「強いて言えば、生き物と機械」
つまり、ビルドはデストロン怪人。
たぶん職場で、いつまで経っても制服を着ないあのアホ毛、と陰口を叩かれているであろう戦兎は、ヒゲ上司に鍋島について聞いてみるも情報は得られず、代わりに、殺された葛城が元パンドラボックスの責任者で「悪魔の科学者」と呼ばれていた天才である事を知る。一方、実は大人気ネットアイドルだった美空のファンから鍋島の情報がもたらされ、いてもたってもいられない龍我は、チェーンを引きちぎって脱出。
前回に続いて人間離れした怪力を見せる龍我の姿が、どうしても『無敵鋼人ダイターン3』OPにおける破嵐万丈の檻破りを思い出して仕方がないのですが、名前が「万丈」だけにオマージュという事で良いのですか、良いのですか?!
美空のスマホを奪って鍋島に電話をかけた龍我は、裏で蠢く組織・ファウストが鍋島の家族を人質に取っている事を知り、鍋島の証言を得るためにその家族を救出するべく、西都を目指そうとする。
だが勿論、俺の無実を証明しやがれ!→家族が人質になっているから無理だピョン→俺が助けてやるから証言しろ!→西都に居るからお願いピョン、は罠に決まっており、ジャーナリストの助けで西都行きの船に密航しようとした龍我はガーディアンの襲撃を受ける。
高い格闘能力を見せる龍我はガーディアンと互角に渡り合い、更に咄嗟にドラゴンボトルを握りしめて放ったパンチが凄まじい威力を発揮。
「なんだよこの力…………これなら楽勝!」
と調子に乗る(ところで少々引っかかったのですが、後述)も飛び道具に囲まれて進退に窮する龍我であったが、そこに新兵器を手にやってくる戦兎。
「なんで来た?!」
それは勿論、
「どうよ、俺の、発・明・品」
手に入れた力を使ってみたかったからです!!
タカガトリングガンで周囲のガーディアンを木っ葉微塵に吹き飛ばすも増援に追われた3人は倉庫に逃げ込み、そこでの会話はさすがに、後ろのガーディアンに丸聞こえだと思うのですが(笑)
画面手前と奥の人物達に境界線を引く舞台的な演出と取れない事も無いですが、ガーディアンがロボットである事を考えるとあまりに不自然で、今作の独自性を損ねてしまった感。
龍我が西都に向かうという意志を確認した戦兎は、自分がビルドとして戦う理由を語る。
「くしゃっとなるんだよ」
「あ?」
実験が成功したら 誰かの力になれたら、心の底から嬉しくなって、くしゃっとなるんだよ、俺の顔。……マスクの下で見えねぇけど」
桐生戦兎はなぜビルドとして戦っているのか――それは記憶喪失であるからこそ、その瞬間の自然な感情の発露を大事にしているから、と戦兎がビルドである事を喪失したアイデンティティの代替えないし、よすがにしているというのを、感情面から補い、記憶喪失という設定と巧く繋げて綺麗に収めました。
また、源流を辿れば“怒りを隠す仮面”であったライダーのマスクに、“その下でヒーローが笑っているもの”という、今作独自の意味づけをしてきたのは、今後のひっくり返しの可能性も含めて秀逸。
「見返りを期待したら、それは正義とは言わねぇぞ」
襲来したスマッシュを戦兎が食い止めている間に、改めて密入国船に乗り込もうとするも拒否される龍我達だったが、そこに現れた元ホークスマッシュの女が船のオーナーだった事から、無事に乗れる事に。見返りを期待しない戦兎の人助けに救われた事で、龍我は自分がこれから西都でやろうとする事の意味を考える……。
戦兎のヒーロー性を「情けは人のためならず」と繋げ、そもそも現段階では「正義」を掲げているわけでもない龍我の心境と動機付けを徐々に変化させていこうとする意図なのでしょうが、前回、スマッシュ化による非業の死と非情の別れを描いた直後だけに、助けた元スマッシュに助けられました、という展開が過剰に都合良く見えてしまう事に。
この展開を単独で取り出せばそこまで納得できないわけではないのですが、前回と比べると元スマッシュの扱いに落差が大きすぎて、改めて前回、安易な悲劇を作りすぎたな、と。
また、この女性がいつから囚われの身でいつスマッシュにされたのかは不明ですが、何やら裏家業の関係者らしいとはいえスマッシュ解除された途端に社会復帰しているのも違和感がありますし、そもそもファウストは、スマッシュ化が解除された被験者は回収もせずに放置なのかなど、煙突男の仕事の雑さ加減が気になります(^^;
まあこうなってくると龍我が特例というか、冤罪事件は改造実験とは別件で、普段は適当にさらって一泊二日で即改造、とかしているのかもですが。
物語の構造的には、最も詳細を見せている龍我が最も一般的な例に見えてしまうわけで、そうではないのなら早めに、一般的な改造実験の流れを見せておいた方がいいかな、と。それこそ今回の鍋島は、口封じを兼ねた特例に見えるので。
後まあ、スマッシュ解除時に記憶を失う範囲というのもかなりファジーな設定と化していますが、諸々考えると現時点で一番納得できるのは、この船まるごとファウストの息がかかっているなのですけど(笑)
龍我達は無事に西へと向かい、港に居残ってスマッシュの分身攻撃を受けたビルドは、タカ×ガトリングをレッツらまぜまぜして、“天空の暴れん坊”ホークガトリングできあがり。ガトリング乱舞で全ての分身を撃破してスマッシュ成分を回収、その正体が鍋島だと知るが、謎の敵の攻撃を受けて気絶。鍋島は巨大なコブラに飲み込まれて連れ去られてしまうのであった……で、つづく。
パイロット版に続いてキャラクターの見せ方はまだかなり手探り気味な感じですが、過剰気味のギャグ演出はあまり好みではありませんでした。その上で一つ気になったのが、話がややこしくなってわかりにくくなるのを避ける為に、前回今回と“説明され役”になっている龍我が、油断していると好感を持ちにくい馬鹿になりそうな所。
前回ラストで彼女の死に膝を付いて絶望していた万丈が、今回冒頭で「一連の事件における鍋島の重要性がわからなくてポカンとしている」というのは、正直かなりギリギリ。
ネットアイドルを鎖で縛るという事案発生させてまで暴走気味なのは、己の無罪を勝ち取ると共に彼女の復讐という要素があると思う(思いたい)のですが、そこに一切触れられないのは残念でした。
例えばドラゴンパンチを放った直後、「なんだよこの力…………これなら楽勝!」とすぐさまニヤリと笑って喜んでしまうのではなく、彼女を思い出すような描写は欲しかった所。龍我にとってドラゴンカプセルは“彼女の形見”ともいえる物なのですから、ただ物語の中でのギミックとしてだけ扱うのではなく、それが龍我にとってどんな意味を持っているのか、という細やかな感情の繋がりを描いてくれれば、万丈龍我というキャラクターへの好感にもなるわけで。
3−4話目は、1−2話の完成前に撮影する都合で何かと難しいという話はよく聞きますが、演出一つでだいぶ印象が変わってしまう龍我の危うさというのは今後の不安点の一つ。話に都合良く記憶を失う馬鹿ではなく、感情の繋がった馬鹿を描いてくれる事を期待したいです。
一つ謎なのは、ビルドの追っかけの筈のフリー記者が万丈に同行している事ですが、龍我を一人で西都に行かせると余計な事を喋って3分で捕まる、というスタッフの判断か。
そしてスカイウォールは、割と雑に抜け穴がある事が判明(笑)
なんか! 仕事が雑な人が! 多くないですか東都!!