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『宇宙戦隊キュウレンジャー』感想・第35話

◆Space.35「宇宙No.1アイドルの秘密」◆ (監督:竹本昇 脚本:下山健人)
 脚本が荒川さんでない時点で−50点(理不尽)
 伝統と実績のアイドル回で、女性メンバー可愛い推しのオーソドックスなキャラエピソードかと思いきや、そんな回で始末されるアキャンバー
 またそんな回で、物語の根幹に関わる重要機密をベラベラ喋る大宇宙アイドル、ドン・アルマゲ。
 予告で隠していたので意表を突いて面白い……というよりは、特にショーグン様の自発的なネタばらしに唖然とする展開(^^;
 幾ら広告塔として利用するにしても、ショーグン様自らホシ☆ミナトに憑依する(そしてキュータマであっさりバレる)というのが杜撰すぎますが、日々の激務の疲れに、ピチピチギャルになってチヤホヤされたい的なアレだったのですか。
 或いは、趣味:新人アイドルの発掘だったのか。
 もともと、過去作レギュラー(マジ黄色)が派手な扮装をして色物キャラとしてあちこちに登場する、という内輪だけで盛り上がっている感全開のホシ☆ミナトでしたが、なにぶん画面に登場するのが宇宙竜宮城回以来?(それ以外にも小ネタで映っていたかもしれませんが、認識されなければ意味がない)で物語世界における存在感が薄く、何の面白みとしても機能していなかったけれども、とにかく拾いました、という扱い。
 ラスト、これといって何もなく、洗脳解けたのでハイさよなら、とハミィとちょっと言葉を交わしただけで画面外にフェードアウトしていく姿は、涙を誘いました。
 中の人ネタが好きなわけではないのですが、これならアキャンバーの中の人(旧作レギュラーでもある)を顔出しさせて、ハミィとアイドル対決でもした方が盛り上がったのでは(ちょっと『キョウリュウジャー』と被りますが)。
 その分、バーベキュー事件を拾ってハミィとナーガの関係性掘り下げに重点を置きましたが、冒頭から
 「これは……アキャンバーが俺を操る為に使った言葉だ」
 と、理由はどうあれ一度は自発的にアキャンバーの元へ向かった、という点を一切顧みないまま完全に被害者設定で記憶改竄してしまっているナーガの物言いにすっかり冷めてしまい、元よりハミィへの好感度は非常に低いので、全く見ていて気持ちが動きませんでした(^^;
 ハミィの背景補強&可愛げ強化にせよ、ナーガをバランス以外のメンバーが気遣う姿を描くにせよ、それこそ、竜宮城でガル女装とか捨て置いて、20話前にやっておくべき内容であったな、と。
 散発的にサブライターで入ると外から不足分が見えてフォローしやすい事がままあり、下山さんが以前の担当回などから幾つかネタを拾って繋げてきたのですが、そもそも元の回の出来が悪い、インターバルが空きすぎ、などあって上手く機能せず。
 アキャンバーを成敗したシルバーの
 「嬉しいでしょ?」
 「いや、これは悲しいという感情だと思う」
 は格好良かったですが。
 巨大化したドン・ドルマゲにはギガ鳳凰とオリオンロボが立ち向かい、最低限リュウ帝王は出撃可能なのに、相手がショーグンだろうがなんだろうが、お留守番組は当然無視を決め込むキュウレンジャースタイル。惨事が平常運行しすぎて虚無感が漂う中、ショーグンに炸裂するオリオンキャノン。
 「やりおる。しかし、たとえこの私を倒せても、貴様等に、私の命は奪えん!」
 「そういう事か。俺様達は倒せてたんだ。ここに居るのは、過去で戦ったドン・アルマゲじゃない」
 「つまり、ドン・アルマゲは一体じゃない」
 突然、物わかりの良くなる二人。
 「ぬはははは、私は滅びはしない!」
 「なんてこった! てことは……どんだけ居るかわかんねぇって事じゃねぇか!」
 「いや。どれだけ居ようが、全部倒すだけだ!」
 これ、話の持って行き方次第では格好良くなった台詞だと思うのですが、敵味方のあらゆる言葉と理解が唐突な為に状況は阿鼻叫喚。
 「全て倒すだと……? はははは、それは不可能だ、不可能なのだぁ」
 「それでも俺たちはやるだけだ!」
 鳳凰ストライクとオリオン金属バットの連続攻撃を受け、ライブDVDとラジオのエアチェックのしすぎで弱体化していたドン・アルマゲ(広報担当)は、爆発四散。
 もはや量産型という扱いなのでしょうが、前回イソギンチャク男を全メカ合体攻撃で倒した直後にこの始末で、ここでショーグンの格を下げて一体どうするのか。
 個人的には、後で再生フクショーグンが出てきてまた雑に倒されそうと推測していますが、とにかく今作は“先の展開で雑に扱うのが決まっているから”みたいなものが露骨に透けて見えてしまって、“今そこにある脅威”を描くのが下手すぎます。故に、それを上回っていくヒーロー達も栄えない、という典型的悪循環。
 そして、物語的に極めて重要な筈のこの案件はオチのシーンでは全く触れられず、心情的に「これまでのツルギの懊悩と過去に旅立って払った犠牲」の全てが丸めて屑籠に放り捨てられるという恒例のブラックホール展開。
 個人的な好感度はさておき、ナーガとハミィのフォローはフォローで必要ですが、他人を思いやる気持ち云々とか言っているすぐ横で、“物語そのもの”がそれを靴の踵でぐりぐり踏みにじっているので、空疎な張りぼてすぎて何一つ信用なりません。
 そしてここから、追加装備でキュウレンオーパワーアップ……? という、商業展開の都合はやむを得ないにしても、どうでもいい方向へ、どうでもいい方向へ進むなぁ……(^^;
 色々な要素を拾いつつの単発キャラエピソードと見せかけて重大な秘密が……! とやった結果、著しくバランスを欠いた話の焦点が野球とラグビー百人一首をやってコント王を決める、みたいに散らばって更なる虚数空間が口を開ける平常運行でしたが、ネタ回という面でも誉められない出来。
 何が悪いって、TV局潜入の為の扮装が、ハミィとスパーダ以外、ぱっと見で誰だかわからない事。この手のコスプレネタは、掴みで面白がらせてこそだと思うのですが、最初に、ぱっ、ぱっ、ぱっ、と見せた時に誰が誰だか判別できず、しばらく混乱してしまいました。また、男子2人にバックダンサーさせるなら、前々回ツルギと一緒にフィーバーしていたスティンガーが無表情で踊っている、とかの方がネタも繋がるし面白かったと思うのですが、
 今回のメインであるハミィ・今回のメインであるナーガ(踊りキャラでもある)・保護者を気取るスパーダ(は納得のポジション)・よくわからないが準主人公扱いらしきツルギ・今回のエピソードにまるで絡まないが主人公のラッキー
 で5人埋まってしまうともうどうしようもない、という今作の構造的問題がまた浮き彫りに。
 踊り、という点ではペガサス回もあるのですが特にそれを強調するわけではなく、レッドを出すという縛りは縛りとして、大所帯戦隊でもその縛りがあるのがわかっているのだからこそ、ラッキーを出す必然性を、手抜きせずに描いて欲しい所です。