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『宇宙戦隊キュウレンジャー』感想・第29話

◆Space.29「オリオン座、最強の戦士」◆ (監督:杉原輝昭 脚本:毛利亘宏)
 見所は、生身のまま眼前で両腕をクロスさせて可愛く防御態勢を取ること実に3回、その度にオライオンにかばわれてメキメキと互いの好感度を上昇させていくラッキー。
 決定打不足の『キュウレンジャー』ヒロイン真打ちは、まさかのオライオンか……!!(そっち?)
 そんなヒロイン候補のオライオンは、
 「おい小僧! 引っ込んでろ。オリオン座最強の戦士の力を見せてやる!」
 必要以上に話を聞かない人でした。
 やはり、宇宙は筋肉で取り戻されるのか。
 「なんて強さだ! よーし、俺も!」
 そしてラッキーは、輪を掛けて人の話を聞かなかった。
 ……かくして人の話を聞かないコンビが誕生する333年後、荒れ果てて無人のオリオン号を調査し、何故かそれだけやたらと綺麗だった時計キュータマを手にしたラッキーは、獅子ボイジャーにそれをセットして、独り時間を遡る。そこで、復活したドン・アルマゲに攻撃を受けたと話すツルギ達6人を助け、その場に居合わせたオライオンと合流。
 結局333年前の真実は、「俺様ダイナマイトで倒したと思ったのに即効で復活した」という事のようですが、そこから「どうやって復活したのか」を探ろうとするのではなく、「今なら弱っている筈だから改めてトドメを刺そう」になるのが凄くキュウレンジャー。宇宙は筋肉で取り戻す。
 わざわざ時間を遡って見に来た333年前の真実が、結局“多数の犠牲を出し自爆技まで放ったのにツルギがへたれだからトドメを刺し損ねた”扱い――過去に来る前と変わっていない――になっているのですが、ツルギ御本人も、「いや確かに手応えがあったから何か秘密があるに違いない」ぐらいの抵抗はしなくていいのか(^^;
 今ラッキーさん、間接的かつ実質的に「ツルギがへたれだからみんな無駄死にした!」て言ったぞ!!
 そして、オライオンが地球に居たのは
 「俺はまだ見ぬ危機に備えて、アルゴ船にツルギを眠らせた」
 そうなんですが、漠然とした将来への危機感で復興政策などを主導できそうな政治的カリスマを冷凍睡眠させてしまうという、物凄い危険人物なのでは(笑)
 ……まあ多分、莫大な鳳凰エネルギーを消費した事でツルギが心身共に傷ついており、その回復も意図していたとかだろうとは思うのですが、宇宙の現状以上のまだ見ぬ危機とは何か、改めてこの理由は苦しい(^^;
 というか、ショーグン倒した途端に封印とか、何この、リアル狡兎死して走狗煮らる。
 「待ってたらドン・アルマゲも回復しちまう! 殺れるチャンスがあるのに殺らないなんて、俺には理解できない! 俺一人でも殺ってやる」
 ラッキーの感情の流れとしてはわかるのですが、そのアルマゲが一瞬でオリオン号と救世主6名を蹂躙した事実は無視した上に、ショーグンの居場所を知っているわけでもなく、どんなか細い希望も掴み取ろうとする男というより、都合の良すぎる妄想になってしまっており、もう少しショーグンに繋がる線を劇中で提示してほしかった所です。それこそ前回、オリオン号があの場に居残って追跡調査とかしていれば、そういう線を入手していても不自然では無かったのですが。
 戦力を回復してから立ち向かうべきだというオライオンの制止を振り切ってラッキーは出て行き、負傷していたメンバーもそれぞれ立ち上がる。
 「ラッキーがやるっていうなら、やらないわけにはいかないね」
 「あいつの為なら、命を張る。俺たちには全員、その覚悟がある」
 え、あー……あー……うー……がー……@ぴー……**$……がッ……ががっ…………――えー、あー、マイクテスト、マイクテスト、本日は晴朗なり、はい、あー、失礼しました、視界がホワイトアウトして、正気に戻るまでしばらく時間を要しました。
 えー、アバンタイトル荒廃したオリオン号内部において、「みんなの姿も見当たらないし、どうしたらいいの?」と、ハミィが何故か心細げにラッキーに尋ねるというキャラ崩壊しすぎて意味不明のシーンがあったのですが(ナーガ問題で心が弱っていたのかもですが)、このシーンの為の伏線だったのね、と納得。
 まあ、ここまで見たので急に視聴打ち切りするつもりはありませんが、28話分の積み重ねとしてこのスパーダとスティンガーの台詞に頷けるかどうかは作品に対する明確な分水嶺に感じ、いっそスッキリはしました(笑) 物語側のラッキーの位置づけと、視聴していての印象の乖離がここまで広がってしまうと、後は省エネモードに入った方が無難であろうかな、と。今回は勢いのまま書くとして、次回を見て、今後の方針を考えたいと思います(^^;
 そんなわけで、部下を殴ってたら上司が出てくるのでは理論でラッキーはフクショーグン達に殴り込みをかけ、それを助けに駆けつける仲間達、そして物陰から覗き見するオライオン。
 「俺たちを頼れ! どんなにボロボロでも、おまえの盾ぐらいにはなってやる!」
 オレンジが巧い事言ってみるのですが、そこからわかるのは、「仲間」とか「盾になる」とか色々言っていたラッキーが結局、
 俺が殺りたいから殺りに行く
 の人であるという、大宇宙の真理。
 うーん……2クール目がまるまる無かったらこれはこれで面白かったんですが……(笑)
 あと勿論、「盾になる」事は一切否定しないのが、キュウレンジャースタイル。
 「俺たちは、なんとしてもドン・アルマゲを倒す! 誰も苦しまない、宇宙を作るために!」
 ラッキー達のくじけぬ姿と闘志に、遂にオライオンも参戦。
 「誰も苦しまない宇宙か……小僧、おまえの言葉を信じてやる。ドン・アルマゲを、絶対に倒すぞ」
 「ああ、もちろんだ。みんな、行くぞ!」
 立ち上がったキュウレンジャーは再変身して名乗って揃い踏みし……どうして、人数足りない時にこれをやるのか。今回(&次回)どう見てもここまで28話を集約してラッキーを一つ上のステージに持ち上げる中盤の山、という造りなのですが、何故か人数が約半分、という会心の大惨事。
 オリオンの戦士との共闘中、獅子レッドは未曾有の力をコズミックパワーから得、8人はアキャンバーと鉄柱を撃破するが、イソギンチャク男を追い詰めたところで黒雲が広がり、姿を見せる巨大なドン・アルマゲ。一斉攻撃を浴びせたショーグンの姿がかき消え、勝利かと思われたその時、闇の閃光が獅子レッドを貫き、土手っ腹に風穴を開けられたラッキーは血を吐き倒れる……!
 そして漆黒のフードを取り払い、遂にその姿を見せるショーグン、ドン・アルマゲ。
 「さあ、次はどいつだ?」
 このあとdボタンで運だめし!
 ……主人公瀕死、大ボス登場、というシリアスなシーンなのに、あまりの事に大笑いしてしまいました。
 本放送限定の奇跡。
 トモキュータマの行方など、タイムパラドックスネタをちらほら入れていますが、出所が謎のセイザブラスター、救世主伝説、リベリオン創設などは、全てこの後キュウレンジャーを参考にオライオンがやりました、という事になるのか。後は妻の実家の獅子座系に居るというオライオンの子供が、ラッキーの先祖なのか、はたまた時間を超えた本人なのか。
 次回――白い星人・ビィッッグラッキー!登場?!
宇宙がホワイトアウト寸前だ!
余談:放送時間変更のお知らせは、確かに二人ともやたら爽やかで、妙に楽しそう(笑)
そして、「『仮面ライダービルド』このあとすぐ」で見せる決めポーズのひねり具合や角度の付け方を見るに、やはりビルドはアイドル路線を狙っているのでは。