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風穴を開ける

↑最終決戦で繰り返されるシチュエーションですが、思えばこれは高寺プロデューサーにとって『カーレンジャー』という作品自体の意味づけであったのかもと思ってみたり。
◆タイキさん
 >浦沢ワールドの奇想天外さと高寺さんの真面目過ぎる程の職人気質がここでいい形で一体化した!と妙な感動を覚えました(笑)
高寺さんのヒーローへのこだわりが、いい方向に出た感じですよねー。《不思議シリーズ》で一緒に仕事をした事があった、というのも良かったのでしょうが。
 >もしかして「ダイレンジャー」終盤のリベンジマッチになっているのかもしれないと思いました。
第47話の展開は、私もちょっと『ダイレンジャー』を思い出しました。『ダイレンジャー』は回想捏造はじめ色々アレでしたが、今作はきちっと前段階を積み重ねてきたので、納得いくまとまり方で良かったですね。
 >つまりそれまで意味も分からず一方的に使われていたクルマジックパワーを今度は能動的に使えるようになったのではないかと。
ああ確かに、クルマジックパワーって、天から与えられた力であったので、それを自分たちで手に入れ直した、という意味づけも入ってそうですね。
 >実はこの一瞬の描写で曽田先生が書いたテーマの伏線回収をきっちりギャグとして行っているという(笑)
最後の一発ギャグみたいな扱いで見せていますが、割と今作の大事な要素が拾われているっぽい……という辺りが恐るべしですね。まさに影の主役、芋羊羹……(笑)
 >実はこの構成って「ジェットマン」の構成の逆バージョンになってたって知ってました?
おお成る程、言われてみれば。若干こじつけを加えてみると、ラスボスの敗因が“散々利用してきた相手からの思わぬしっぺ返し”でもありますねー。
 >中盤で彼が総長から降ろされて焼肉屋に行ったあの展開が実は焼肉屋に就職という動機付けになっているのです!
焼き肉は、宇宙を救う!(笑)
 >ダップは見事VRVマスターの風格を受け継いだ立派な戦士に成長していますから。喋り方といい人格といいあれから更に磨かれているなあと思いました。
ああちゃんと、立派に成長したのですね……良かった……(涙) 物凄く第一印象の悪かったダップが、そこそこ愛せるキャラになったのが、今作しっかり通して見ての、大きな収穫の一つです(笑)
 >ボーゾックと和解したからとはいえ、全員が全員本当に改心してセカンドライフを始めたかと言われると怪しい部分沢山ありますし。
チンピラなので見過ごされた所はあったのでしょうが、ミュージカル組はちょっと怪しいですよね!(笑)
 >多分その辺の「諸悪の根源」と向き合うのが「メガレンジャー」「ギンガマン」「クウガ」で高寺プロデューサーが追求したテーマだったんでしょう。
クウガ』はまさに、現代における“悪”とは何か――それに打ち勝てる“正義”とは何か――が、作品の根幹に関わってますものね。
◆輝剣さん
 >変身前なんて知らない、スーツアクターの皆さんやCGで描かれるヒーローとロボのアクションが大事という層は一定以上存在し、
 >というかマーチャンダイジング的にむしろメインターゲットであり否定されるべきではない存在といえます(私もそうだった時期ありますし)。
変身後の「ヒーロー」は、それ独自のキャラクターである、という部分は確かに存在しますものね。むしろ変身前と繋げすぎると、変身後のヒーロー性が落ちてしまうというか。90年代戦隊というのはやはり、その辺りへのカウンターがじわじわと熟成されていた頃でもあったのでしょうね。
 >「俺たちはいればいいだけなのか」という役者としてのアイデンティティの危機に直面した若手たちが
 >一年間の奮闘の後に勝ち得た「主従逆転」であったと考えると熱いものがこみ上げてきます
そう考えると今作の示した、「ヒーローの中に一般市民が居て、一般市民の中にもヒーローが居る」というヒーロー像は、メタ的にも『カーレンジャー』という作品の姿を表明していたのかもですね。
 >それはここで最終回ラストシーンとはいえヘルメットを脱げたことが前例となりハードルを下げたことも遠因でしょう。
最近の作品だとむしろ恒例ですが、この当時はかなり珍しかったのですねー。そういえば、『フラッシュマン』の「シャットゴーグル」(マスク目出しからゴーグルを閉じる)は当時かなり思い切った表現だった、みたいな事を読んだ覚えがありますが、ここに至るまで様々な積み重ねがあった(そして現在へ続いている)のですね。
 >挿入歌「心のままに」(劇中未使用)の2番の歌詞が元です。脚本にはなく、渡辺監督が追加。
《いい事を言った!》にはやはり元ネタが(笑)
◆さやまきさん
 >ラスボスを除いた初期からの悪の構成要員さん達が軒並み生き残りエンド
単純に、ストーリー的なビックリでいうと、これが一番ビックリでした(^^;
 >表面的に見ても暴走族(今は珍走団か)を見事に更生させたという形になっているのは
 >理想論的ではありますけども子供達への啓蒙的な着地としてやはりプロデューサーは狙っていたのか…
カーレンジャーって、「父親」とか「社会人」に対する“優しさ”がそこはかとなく全編に見える作品なので、ボーゾックの始末について理屈では全面的に納得しづらい所はあるものの、感覚の部分ではなんとなく頷けるものはあるのですが、大人目線だとまた、色々考えさせれるオチですよね……。
 >ラストバトルに時間を取られてエンディングの尺が足りないなんて事もなく
 >最後までダラダラしないテンポで見せてくれたので気持ちよく見終われたように思います
浦沢脚本は色々やりすぎて若干冗長になるのが苦手な面があったのですが、当時の20分戦隊尺でかなり刈り込まれている事で見やすかった、というのはありました。特に中盤以降は、非常にテンポ良い作品ですよねー。
 >ちなみに全然関係ないですがカーレンジャーを見た直後に銀河ヒッチハイクガイドを観ると
 >あれ?宇宙高速道路のせいでチーキュが…と唖然とする事間違いなしです(苦笑)
これ完全に単なる偶然なのか、存在を知ってはいたのか、ちょっと気になるところですね(笑)