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『パワーレンジャー』感想

 主人公達5人がヒーローに選ばれた理由(きっかけ)が、○○だったから、というのは斬新だと思いました(笑)
 ざっくり総評としては、酷く面白くないわけではないけれど、特別面白いという事もなく、要所要所で押し上げてくれそうで押し上げがないまま水平飛行で終わってしまった、という感想。皆があんな風に出来るわけがないとしても、現代を舞台にした正攻法のヒーロー映画としては、《アベンジャーズ》時代にこのクオリティでは正直厳しいな、と。
 嫌な奴らでは無いのだけれど好きになるには微妙な主人公達、適度に挟まるけど突き抜けきれないアクション、盛り上がりそうで盛り上がらないストーリー展開、とどこを取っても後数歩足りない出来。
 ヒーローへの「変身」とは何か――を社会生活で身につけた「仮面」を取り去り理想の自分になる事と位置づけたり、壁の人の使い方などは嫌いではないのですが、クライマックスでの父と子がまるで劇的にならなかったり(父の意思を息子が知らないと、単にヒーローとして行動しただけになってしまうので)、5人の抱える問題やキャラクター性が一つのテーマとして繋がってこなかったり、約束事として散りばめた要素がすべからく約束事というだけで終わってしまって、どの要素を切り取っても今作ならではのジャンプが成されなかった、というのが残念。
 あと随所で物凄く馬鹿っぽい台詞があったのは、翻訳が悪いのか、脚本が悪いのか。キャンプファイヤーを囲んで語り合うシーンは笑う所なのか。
 それと大変物足りなかったのは、変身直後の最初の立ち回りがちっとも面白くなかった事。岩石怪人という敵デザインの面白くなさもありますが、戦闘区域が狭すぎて、見せ方が著しく迫力に欠けてしまいました。通して薄暗いシーンが多いのと、やたらとカメラを動かしたがるのも苦手で印象が良くないのですが、全体的に演出はいまいち。
 画面の暗さに関しては、物語全体に漂う重苦しさが、殻を破った若者達のモーフィンと共に切り替わってカタルシスへ昇華される狙いがあったのかもしれないですが、だとするとコンセプトからあまり良くなかったかなぁと。
 物語の軸は“アメリカの片田舎のティーンエイジャーの葛藤”にあって、非常にローカルな作品構造なのですが、そのローカルな要素を普遍的な物語性に繋げる前に終わってしまった感があり、“始まりの物語”である事を意識しすぎたのかな、とそんな一作でした。