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『星獣戦隊ギンガマン』感想・第13−14話

◆第十三章「逆転の獣撃棒」◆ (監督:田崎竜太 脚本:小林靖子
冒頭、眠れる魔獣ダイタニクスの頭上で刀を振るブドー、というのが良く出来たカット。
サンバッシュが愛車と共に敢えなく地球の海に散り、次の行動隊長の座を巡って再び内部対立が発生したバルバンにおいて、ブドーはダイタニクス復活の鍵として<ギンガの光>について持ち出す……と前回のスパイ行為を活かして、サンバッシュの失敗を肥やしにして新展開へ。
「ギンガの光はいろんな物の中に姿を潜ませるエネルギー体じゃぞ。なにをどうやって探すつもりなんじゃ」
「ギンガの光が潜む物は言い伝えによればわずか数種類。その全てをここに、書き出してござる。これを一つ一つ当たってゆけば、必ずやギンガの光に、行き当たる筈」
ブドーは一帖の巻物を掲げ、サンバッシュ編の「ダイタニクス復活に適したエネルギーを探す」から、「ギンガの光を探す」に目的は変更しつつも、毎回のキー要素に絡んで作戦を展開していく、という基本構造は一緒に。
ギンガ組においても、サンバッシュの言い残したギンガの光をバルバンに渡してはいけない、と会議が開かれていたが、ヒュウガの事を考えて気もそぞろなリョウマはモーク先生にたしなめられる。
「あの戦いであそこまで追い込まれたのは、君自身のせいだという事はわかっているね。リョウマ、ヒュウガへの想いが、君の、弱点になっている。そんな弱点を持っていては、戦士として失格だ!」
天堂○のような事を言い出すモークですが、生きているギンガマンを心配しているがゆえ、という気持ちが前回描かれているので、ただ無神経な人でなしには見えない(人ではないけど……)という流れが秀逸。一方で、生きている/死んでいる、でドライに切り分けてしまえる部分は人間的配慮に欠けるとはいえ、
「モーク! そういう言い方ないだろ!」
「そんなに簡単に忘れられるわけないじゃない!」
「酷すぎるぽっくー」
お子様+ドングリから一斉に非難を浴びる事に。
「だがどんな時も冷静に対処してこそ戦士だ」
「モークのは冷静っていうより冷たいんだよ! 少しは人の気持ち理解しろよな!」
退席したリョウマに続き、2+1は会議室を飛び出していき、モーク、己が言動を顧みる。
「私の言い方は、きついかな」
「……ちょっと」
「そうか……それはそうと、これからの戦いに備えて、準備しているものがあるんだが、意見を聞かせてくれないか」
「結構めげないな、モーク」
いってみれば戦隊の基地システムそのものであり、ギンガマンの長官であると同時にマザーコンピューターでもあるモークですが、そこに“喋る木”という外装を被せる事により、機械的でありながら生物的であり、3000年のアース×長老人格の影響?による大人の思考と、そうはいっても生まれたてである子供の要素(柔軟な拡張性)を持ち合わせている、というのは欲張りながら巧い設定。
勿論、欲張りなだけに単なる便利キャラに堕してしまう危険性も大きいのですが、そこでモークとギンガマンのやり取りを適度に散りばめる事でモーク自身に愛嬌を持たせ、モークが“許せるようになる”範囲を広げておくという地均しを欠かさないのが目配りの行き届いているところ。
これからの戦いの為にも、無意識に兄にすがる弱さを克服しなければならない……とヒュウガへの思いを振り切ろうと心に誓っていたリョウマは、霧を撒き散らしながら街を練り歩く虚無僧集団を怪しみ追いかけるが、見失ってしまう。
「ふふ……おまえたちがこの作戦に気付く頃には、全ての準備は終了している」
東映名物:謎の虚無僧集団は、高寺さんの趣味によるオーダーでしょうか……?(笑)
一方バルバンでは、ブリッジの一角に和室をしつらえ、正座で墨を擦っていたブドーが、ギンガの光探索大作戦、第一の標的は、樹、と発表。
「尺八で ギンガの光 探し出し」
流麗な宇宙文字で、一句詠んだ(笑)
行動隊長変更しての新展開という事で、BGMから小道具まで、色々と趣向を凝らして雰囲気を変えているのですが、サンバッシュ編を長石監督で締めて、ブドー編のスタートにパイロット版の田崎監督、という差配も巧く決まった感あり。
ギンガ組ではモーク顧問弁護士に対して不満の消えないお子様達をゴウキとハヤテがなだめていた所、弱ったモークから緊急連絡が入る。なんとブドー虚無僧部隊は特殊な宇宙カビを散布しており、そのカビに冒された地球上のあらゆる樹が、あと数時間で死滅の危機に瀕していたのだった。
「リョウマ……。私の言い方は、きつかったが……」
「ははは、モークの言ってる事は正しいよ。俺なら、大丈夫だ!」
モークとの感情的軋轢は、自分の身よりもギンガマンを案ずるモークをヒカルとサヤが仲間として心配する事で解決し、新しい武器があってもなくても殺るしかない、と一致団結、肝心のリョウマは笑顔にガッツポーズで出撃する、というのが物凄く、爽やかバーバリアン軍団こと、ギンガマンです。
もっとも、ここでリョウマがヒュウガの問題を一人で胸に飲み込んだのは、今後の大きな爆弾となる可能性も秘めていそうですが。
リョウマの目撃情報からギンガマンは虚無僧集団に辿り着き、なるほど虚無八は、横から見るとタコなのか。
新展開一発目という事でかギンガマンは久々にフル名乗りを決め、この広場は、いったい幾つの戦隊の死闘を見つめてきたのだろう……(笑)
仕込み尺八一刀流で赤を上回る剣技を見せ、キバの逆鱗をまさかの逆鱗返しで両断、魔人殺法・幻の舞いでギンガマンを追い詰める虚無僧の強さに、自分の体が壊れる危険を冒しても新装備を完成させようとするモーク。
「それに……仲間は放っておけない。そうだろう?」
「モーク、冷静になれ!」
「君からそんな言葉が出るとは思わなかったな」
モークは全身全霊を込めて新兵器を生み出し、ドングリによってギンガマンの下へ運ばれたのは、ギンガハンマー獣撃棒!
初期装備の星獣剣、伝説のマルチウエポン機刃、更に新たな打撃武器、と近接武器の追加はやや矢継ぎ早の感はありますが、バルバン側の幹部交代劇と絡める事で敵戦力の強化を理由付けした上で、星獣剣はギンガマンの象徴、機刃は星獣との絆の象徴、獣撃棒はモークとの絆の象徴と物語上の意味づけを付加しているのは達者。
従来装備に比べて獣撃棒の背景の弱さはどうしてもありますが、なるべく説得力の生じるクッションを入れよう、という姿勢は窺えます。
モークから受け取った思いも込めて、3000年の殺意、じゃなかったアースの凝縮されたツインハンマーを構えたギンガマンは反撃開始。虚無僧の必殺攻撃を回転カウンターにより力尽くで打ち破ると、バズーカモードの一斉射撃、ギンガ獣撃弾で木っ葉微塵に爆殺。新兵器という事もあってか爆破の演出が派手で、前回でバルバンエキス終了……?と思ったのですが、辛うじて生きていた虚無僧はヒョウタンに変わった小道具から芋焼酎をぐいとやり、「最後のご奉公」として巨大化。
しかし、人間大ではギンガマンを追い詰めた虚無僧も獣王斬りから鳥頭ボウガンの必殺コンボには太刀打ちできず、ギンガイオー、強し!
かくして宇宙カビは除去され、モークも復活。
「私も君たちに影響されているようだね、悪い傾向だ」
「ははは、モーク、ありがとう。助かったよ」
「助かったのは私の方だ。ありがとう、みんな」
モーク、木だけど、ウィットまであって人格者……! どこぞの博士とかに皮を煎じて飲ませた上で、3日ぐらいぶっ通しで説教してほしい(笑)
次回――アイドル炸裂!


◆第十四章「二人のサヤ」◆ (監督:田崎竜太 脚本:荒川稔久
今回の一句:「写真機の 呪いの札に 弾け飛び」
冒頭から盛り上げBGMでゴウキとサヤの戦闘訓練が描かれ、背後から絞め落とそうとするゴウキの足の甲を踏んでひるんだところに脇腹に肘打ちを叩き込んで一本背負い、という華麗な反撃を決めるサヤの足を土で汚して見せるのが、男女別なく泥臭く戦士であるギンガマン的で秀逸。
そんなサヤのもとに、グラビア雑誌を持って集まってくる、リョウマ、ハヤテ、ヒカルの3人。……わざわざ街で買ってきたとは思いがたく、君たち、それ、森で拾った?
…………や、もしかしたら、乗馬倶楽部の待合室用に、オーナーが定期購読しているのかもしれませんが。
株価が大暴落寸前とは思いも寄らず、驚きの表情でグラビア写真とサヤを見比べる男達……なんと、雑誌に載っていた人気急上昇中アイドル・星野美咲は、サヤと瓜二つだったのだ!
という一人二役ネタで、特撮アイドル回のマエストロ、荒川稔久、参戦。ここまで前作『メガレンジャー』と同じ脚本陣なのは、初メインライターとして抜擢した小林さんの書きやすさに配慮したのかと思われますが、浦沢義雄魔空空間)、武上純希(戦隊初参加初メイン)、小林靖子(初メイン)、と3年続けて挑戦の見えるメインライターをサポートする、荒川さんの存在の力強さよ。
ただ……
「頑張った後には、もっと笑顔になれるって、信じてるから」
ギンガイオーの都合で個人回が遅くなったサヤに改めてスポットを当てて、お約束の入れ替わりを通して、どんな状況でも一生懸命で真っ直ぐな頑張り屋であるサヤを描く、というエピソード内容は、戦闘で負傷した足の痛みをかばう演技がどうも面白くも可愛くもならず、いまいちの出来。
銀河戦士がアイドルを通して別の世界を知るのではなく、銀河戦士はアイドルの代役だって殺す気でやる! という味付けが、メンバー中におけるサヤならではの魅力を引き出す、という形になってくれませんでした。
どちらかというと、グラビア写真のような可愛いドレスも着てみたいというサヤに対して愕然と振り向き、
「「「「え?」」」」
と声を合わせるギンガ男衆が、見事に戦隊ダメンズ加入したのが印象深いです(笑)
あと、ギンガピンクセンターからのクライマックスバトルで流れたサヤのイメージソング?が、80年代ロボットアニメソングっぽいノリで、変に盛り上がったのは面白かった(笑)
なお、<ギンガの光>を炙り出す為に、世界中のあらゆるカメラを破壊しようとしたイカ僧正も、ギンガイオーに瞬殺されました。……まあギンガイオー、生でも十分に強い星獣の強化版といえる存在なので、実質2号ロボだから仕方ない。