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『星獣戦隊ギンガマン』感想・第21−22話

◆第二十一章「トマトの試練」◆ (監督:辻野正人 脚本:荒川稔久
夏だ! 水着だ! 鈴子先生だ!
ハヤテの髪型チェンジぐらいしか暑さの気配が無かった所に、地球の夏など私には関係ない!と夏らしさ皆無の黒騎士が登場してますます季節感の無かった今作ですが、激闘の合間、英気を養い殺意を研ぎ澄ます為にも束の間の休息が戦士には必要、と一行は勇太少年の誘いで海へ……そしてその土地は鈴子先生の実家ほど近くであり、ゴウキ大ハッスル!
それぞれ水着で遊ぶ中で何故かゴウキが脱がないのですが……照英さんが意外と色白でゴウキのイメージに合わないとNGになったのか、あまりに危険すぎるボディに目の毒だとお蔵入りになったのか……ゴウキの水着は絶対フンドシですよね?!と脚本会議で変な方向に盛り上がった結果、封印されてしまったのか…………大変、気になります。
なお膝丈の水着で勇太少年とビーチボールでたわむれるハヤテが完全に“お父さん”なのですが、ギンガの森を取り戻した後に向けて着々とシミュレートが進んでおります。
海には入らないが鈴子先生とバーベキューの準備をして大喜びのゴウキだが、鈴子先生がお裾分けで持ってきた、実家で採れたトマトを目にして、顔を背けるハヤテ……段々、ただの偏食の人みたいになってきたゾ。
素直に苦手と白状すればいいのに、必死に誤魔化そうとするあまり凄い勢いで駄目な感じになっていくハヤテは、犬と戯れるフリをしてトマトを水着の中に隠し、大変不適切な感じの映像になっているのですが、「気付いたらトマトが入っていた」「なぜ、私どもの手にトマトがあったのか知りたい」は、いつ頃かと思ったら1990年でした。
ハヤテの奇行に何やら苦渋の表情を浮かべるゴウキは、二人きりで大事な話があると鈴子先生を呼び出し、それを完全にアンブッシュしてピーピングする戦闘民族ギンガの民達。
「実は俺…………大好きなんです!」
「え?」
「……本当に好きなんです。トマト!」
すわ告白か、と盛り上がっていたピーピング軍団が一斉にひっくり返ったところで、赤くて丸い食べ物を手当たり次第に破壊していく歌舞伎カニ魔人が出現。突出したグリーンが歌舞伎バズーカの直撃を受けて派手に負傷してしまい、ギンガマンは風の戦士の怪我や病気をたちどころに治すという、微妙に危ない気配のあるシラスズの実の事を思い出す、のだが……
「でもあの実はギンガの森にしか……」
「いや、可能性はある」
「どういう事だモーク!」
「――トマトだ」
ハヤテ、超ショックの表情で固まる(笑)
「トマトの中には、シラスズの実と同じ栄養分が含まれている。だからトマトを食べれば」
手元には鈴子先生から貰ったトマトが山盛りで、これ幸いとヒカルが突き出すトマトを、凄くシリアスな音楽で見つめるハヤテ。
「良かったな! これで5人で、戦える!」
友よ、おまえのキラキラしたガッツポーズが、辛い……!
「ほら、ハヤテ、がぶっといって元気になってくれよ!」
「…………駄目だ」
「まさかハヤテ、トマトが嫌いなのか?! ……なんだよハヤテ! いつも偉そうな事言ってるくせに、好き嫌い多すぎじゃないか?!」
ヒカルの率直なツッコミが、生死の瀬戸際で説教戦士の胸にぐさっと突き刺さり、大変面白い事に。
ハヤテの偏食を責めるヒカルをゴウキが止めた時、「みんな、今度は黒騎士が現れた」と遂にモークからエネミー設定を受けてしまう黒騎士(笑) それ以上は無理強いせずに4人はハヤテを残して対応に向かうが、その黒騎士は、農家のトラックを公然と襲うと、片っ端からトマトを撃ちまくっていた。
「地球汚染源、消滅」
じゃなかった、
「ここにもギンガの光は無かったか」
声も構えも渋い黒騎士ですが、やっている事はモンスター軍団(『コンドールマン』)の日本ハンガー作戦を思い出させて困ります。
「狙いはトマトに、絞られたというわけか」
更にその背後にブドーが現れ、声は渋いが物語の焦点はトマトです。
黒騎士とブドーはギターの音色をBGMに切り結ぶ格好いい一騎打ちに突入するが、駆けつけたギンガマンの目前で突如として胸を抑えて倒れる黒騎士。ギンガマンの助勢もあって手傷を負ったブドーは撤退し、ギンガマンは続けて魔人が現れたJAトマトセンターへ。トマトを食べて回復したグリーンも合流……と思いきや、結局トマトを食べずに気力と責任感と見栄で復活を装っていた緑は再び負傷し、赤黄桃が歌舞伎魔人を追う事に。
「「すまん!」」
残ったゴウキとハヤテは互いに謝罪し、驚くハヤテを前に涙を流すゴウキ。
「すまん! 俺が、俺がトマトをおいしく料理できていれば、こんな事ならなかったのに……!」
「ゴウキ、どうしておまえが泣くんだ?」
「……後はおまえだけだったんだ。リョウマもヒカルもサヤも、嫌いな食べ物をこっそり料理に混ぜて出していたら、そのうちに、好き嫌いがなくなっていったんだ。だから、なんとかおまえにも嫌いなトマトを食べてもらえるようにと思って、夜も寝ないで、考えていたんだが……」
銀河戦士達から好き嫌いを根絶するプロジェクトゴウキの存在が明るみとなり、ゴウキはとうとうとその理屈を語る。

「好き嫌いはないほうがいい。体も丈夫になるし、なんでも食べられるって、嬉しい事だ。そんな嬉しいお前に、してやりたかったのに……」
「おまえのその気持ちには応えたい。けど、俺にはどうしても、トマトが……」

生死を懸けた激闘の中で大の男達がトマトを食えるか食えないかで葛藤する、という大惨事すれすれの展開なのですが、男泣きのゴウキ、シリアスに応えるハヤテ、とあくまで真剣な描写を徹底する事で、なんだか凄く面白い事に(笑)
脚本会議を経た上で最終的には監督の領分かと思われるのですが、同じ辻野監督によるヒカル×リョウマのしゃっくり爆死回が、迫り来る爆死タイムリミットというシリアスな状況設定に対し、ゲストキャラ含めて徹底的にギャグとして演出する事で悲劇性を緩和しつつリョウマの真面目さがサイコホラー風味のスパイスになっていたのに対し、今回はトマトを食えるか食えないか、という迫真とはほど遠い状況設定をあくまでシリアスに描写し続ける事で当人達の真剣なやり取りが一周回って笑いに繋がっているというのが、脚本に対する演出のアプローチとして対照的で興味深いところ。
「そうだ! まだ可能性はある」
鈴子先生の実家に駆け込んだゴウキ(勇太くんは、ここに避難中)は、幼い鈴子先生のトマト嫌いを直したという伝説のレシピを聞き出し、それが調理法ではなく、近くの山で採れる銀河一おいしいトマトのお陰だと知る。ゴウキはトマトを手に入れるべく山に走るが、その情報が歌舞伎に伝わってしまい、ギンガの光はトマトの中 → 銀河一おいしいトマトの存在 → ならギンガの光はその中にあるに違いない、と妙な連鎖で生じる変な説得力(笑)
「俺は! おまえらと戦ってる、暇はないんだ!」
ゴウキは群がるヤートットを怒りの形相で蹴散らしていき、泣きばかりではなく、1話の中にしっかりと色々なゴウキが詰め込まれているのも、良かったところ。
「もう、駄目なのか……? お、俺が、好き嫌いをしたばかりに……」
「ハヤテーーーーーーーー!!」
全滅直前だった4人の元へゴウキが戻り、トマトをパス。この期に及んでトマトにかぶりつくのを躊躇うハヤテに対し、「ギンガの光、食べさせはせん!」と歌舞伎バズーカから銃撃が放たれるが、赤黄桃は身を挺してハヤテをかばう!
「ハヤテ! 後はおまえの気持ちだけだ! 好き嫌いに勝とうとする、心だけだぁ!!」
ひたすらシリアスな演出が続き、魔人に立ち向かう仲間達の背と、手の中のトマトを見つめるハヤテ。
(好き嫌いに勝とうとする心……)
「ハヤテ!」
「食べろ!」
仲間達の想いに応え、ハヤテ、遂にトマトをがぶっと一口。
「……美味い! 本当に美味い!」
その姿に満面の笑顔を浮かべたゴウキ、会心のガッツポーズからの流れで、背後のヤートットに肘を叩き込むのが格好いい。
しかしトマト嫌いの克服も束の間、歌舞伎バズーカの直撃を受けるハヤテだが、爆炎が晴れるとギンガグリーン完全復活。そしてここで、炎の向こうにグリーンが姿を見せると共に流れる主題歌!!
……今回多分、筋だけ抜き出すとえーーーという話なのですが、辻野監督の演出が冴えまくって、変な方向にやたら面白い事に。
「銀河を貫く伝説の刃、星獣戦隊・ギンガマン!」
絶好調のグリーンは飛行攻撃で歌舞伎を翻弄し、ハヤテがトマトを食べられなかったのはやはり、風の戦士にとってのヤバい成分が強すぎたからなのでは。
つまり、お薬は用法用量を守って正しく使いお茶の中に偶然混入していだけであって意図的な摂取ではなくアース忍法竜巻の術から久々のバズーカ滅殺で、これが、リコピンの力だ!
リコピンの赴くまま今回はギンガイオーも圧勝し、トマトは実は、ごく普通のトマトでした、でオチ。
「食べ物はみんな、大地の恵みだ。好き嫌いをなくせば、それだけ幸せも、増えるし。頑張る力も、わいてくる!」
もはやゴウキがなんの戦士だったかよくわからなくなってきたところで、皆でトマトにかぶりついて、つづく。


◆第二十二章「光の出現」◆ (監督:辻野正人 脚本:小林靖子
「おまえらな、これは訓練だぞ。喧嘩じゃない」
戦闘訓練中の意見の衝突からどつき合いを始めたサヤとヒカルを止めるハヤテが、やたらシリアスで怖い(笑)
「ま、まだまだ子供だからさ」
サヤの作ったケーキをヒカルが黙って一人で食べてしまって大揉め、という前日にあった一騒動を勇太君に紹介するリョウマ、割と年下二人に対しては軽く茶化すのですが、この言葉を聞きとがめられて迫られるも、それを止めるハヤテ、
「いいや。リョウマの言う通りだ。二人とも今日買い出し当番だったな。ちょっと行って頭冷やしてこい!」
前回の補填をするかのように強面を前面に押し出すハヤテに加え、その横に並んだゴウキが剣を肩にかついでいるのが、地味に怖い。
「いいの? あのままで」
「あれぐらいいつもの事だ」
「付き合い長いからさ。逆に謝るきっかけが難しいだけなんだ」
絡みそうであまり絡みの無かった年下コンビがフォーカスされ(まあサヤとしてはヒカルと同じカテゴリには入れられたくないでしょうし)、サヤの方がちょっぴり年上と判明した二人が大きく距離を開けながらも街へ向かった頃、バルバンでは本日も樽に厭味を言われながら、遂にブドーが最後の項目に辿り着いていた――ギンガの光が潜みしもの、それは、清く湧きいずるもの。
「処刑の準備は進めておく」
ブドークラスですらぞんざいに切り捨てられるのがバルバンの戦力的厚みとはいえますが、相変わらず冷ややかな上層部の反応にも、己の道を信じて泰然自若を貫くブドーは、4将軍も最後の一人、怒濤武者(エビ)を送り込む。
「ギンガの光を手に入れよ。拙者の命、その方に預けた」
かつて街の地下にあったという聖なる泉の水脈を求めるエビは、ギンガマンや黒騎士の妨害を防ぐ為に結界を張り巡らせ、これによりギンガマンは、結界の外の年上トリオと、結界の中の年下コンビに分断されてしまう。
エビ武者は胡座をかいた余裕の姿勢のまま、黄の雷一刀と桃の花一閃(初披露?)を受け止めてみせると、爆発的な剣技で両者を一蹴。更に結界内部は酸欠状態になっていく事が判明し、エビの撃破か結界の破壊か、優先順位で揉めたヒカルとサヤは、完全に決裂して別行動を取る事に。
外の3人が結界の隙間を必死に探す中、海賊兵から逃走中のヒカルはケーキ屋のディスプレイを見かけて、サヤの用意していたケーキがヒュウガの誕生日用のものだった事に気付き、これは、やってしまいました……! という重さと、ちゃんとその重さにヒカルが気付くシーンの切り抜き方が秀逸で、ヒカルとサヤの好感度が同時に上がるのが鮮やか。
サヤと合流したヒカルは海賊兵を尋問して結界の繋ぎ目について聞き出し、ここまで脚本も演出もテンポ良く面白かっただけに、結界の繋ぎ目が、プラスチックの文房具めいた小道具だったのは、実に残念……(笑)
一方、外部ではブルタウラスとなった黒騎士が強引に結界を破壊しようと攻撃を加え、外部から衝撃を与え続けると結界が大爆発を起こす事を知る3人が星獣で止めに入って、巨大戦をうまく確保。黒騎士は再び心臓の痛みで撤収し、強キャラが頭痛や腹痛で早退するパターンが続くと面白みを削ぐのは悪いパターンですが、黒騎士の場合、本人は平然と受け入れているけどそもそも3000年の眠りから急に目覚めたのが不自然では……という要素があるので、納得いく形で繋がってほしいところです。
……黒騎士、鎧兜を外したら、動悸息切れの激しくなる年配の男性だったらどうしよう!
結界の繋ぎ目を目前にエビ武者に阻まれていた桃と黄は土壇場で鮮やかな連係攻撃を決め、技名を叫んでエビを攻撃するのも結界を破壊するのも黄色なのが、どうもサヤは不憫。
年下コンビの奮闘により内部から結界が破壊されて5人は合流し、無防備に突っ込んできたエビにカウンターでモークバズーカが炸裂するが、エビ武者は無傷。前回の今回で再び巨大なチクワと化してしまうバズーカだが、その時、大地が激しく揺れ、にわかに暗雲が立ちこめ、青白い光が瞬くと突風が巻き起こり……眩く輝き浮上したのはギンガの光?! で、つづく。
いよいよギンガの光争奪戦がクライマックスに突入し、ギンガマン、黒騎士、ブドー、イリエス&樽爺、様々な思惑が交錯する中で、その先にあるものは何か――今回も予告が大変格好良く、今作、予告の編集がアベレージ高いのは長所の一つです。